2014年01月07日
【意思決定】『コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術』下地寛也
コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、以前『コクヨの5ステップかんたんロジカルシンキング』が当ブログでも好評だった、下地寛也さんの新作。本書では、タイトル通り「短時間で意思決定する」ことがテーマとなっています。
アマゾンの内容紹介から。
考えを「加速する」のではなくどの順番で考えるかを「迷わない」。それがゆとりの効率アップと、質の高いアウトプットに繋がります。「パパッと5秒で即答できる」スキルを身に付けよう。
何か質問された場合に、あれこれ迷ってしまう方なら、要チェックの1冊です!
【ポイント】
■1.答えを「仮」で出すなお、ここでいう「答え」とは、完全な正解である必要はありません。その場でわかっている情報を組み合わせてつくった「仮の答え」です。
「3秒で選び、2秒で決める」人は、常に現段階での答えはコレ。しばらく仕事を進めると方向修正して今の答えはコレ、とこの繰り返しで答えの確度(正確性)を徐々に上げていけばよいと考えています。
■2.5つの流れで考える
(1)まずは全体像を探る
(2)頭の中にある知識を検索する
(3)発想し、候補を複数選ぶ
(4)評価して絞り込み、決定する
(5)伝え方を考える
(詳細は本書を)
■3.「候補」と「評価」を明確に分ける
(1)星の数ほどある選択肢から候補を選び出す「3秒で選び、2秒で決める」人は、上の(1)と(2)をより明確に分けています。
(2)その候補を評価して決める(中略)
つまり、候補を選び出すときは「まず候補を出すことだけ」に集中して、どれがいいかを決めるということは後回しにする。
次に必要な候補を選び出したら、「どのような判断基準(判断軸)で決めるのか」を考えて最終案を決定します。
これを常に繰り返しているのです。
■4.「目的」から考え始めるクセをつける
やるべき仕事を「WHAT(何をやるのか)」としたときに、「どのようにしようか?」は「HOW」。一方「なぜ(なんのために)やるのか?」は「WHY」です。
モノゴトはそのほとんどが「WHY:なぜ(目的)」⇒「WHAT:何を(アウトプット)」⇒「HOW:どのようにやるのか(進め方)」の順番で流れていくことを意識しておきましょう。
■5.テーマに関連した書籍の目次を1分ずつ眺める
まず書店に行って、関係しそうな本を10冊ほど選定して、目次を1分ほど眺めてみます。それでだいたいどのようなことが書いてあるかは判断できます。次に参考文献を見ます。そうするとその世界で昔から読まれている原典になる本がわかります。
そして1冊1時間程度で調べようと決めて、5〜7冊程度読んでみれば、20〜30個程度のアイデアのヒントが得られます。自分でヒントをひねり出すよりは、結果的にかなり効率的に仕事が進むはずです。
■6.「決める」のは直感が先で論理が後
「3秒で選び、2秒で決める」人は、ある程度、直感で仮の結論を出しつつ、なぜそれを選んだかという判断軸をあとから考えて自分の決定に納得しています。
具体的には、例えば20〜30個のアイデア案があっても、直感だけで3〜5個くらいまでざっくり削って絞り込みます。
そして少し冷静に比べて、仮の1位を決めてみます。1位が圧倒的によければ、1位がよい理由はなぜだろうと確認します。品質デザイン、価格のバランスがほかを圧倒しているなとか。それで終わりです。
やや迷うようなら、品質ではA案、デザインではB案がいいなと考えます。次に、品質とデザインのどちらが大事かを考え、劣っている案も僅差なのか、大きな差があるのかなどを見ながら決断してしまいます。
■7.わかりやす話をするために「具体的な経験」を出す
わかりやすい話をする人は、「抽象」→「具体例」→「抽象」→「具体例」と交互に話していきます。
一方、わかりにくい話をする人は「抽象的な考え方」ばかり話します。「営業は、笑顔が大切です。うなずきや相づちも必要です。メモもとるべきですし……」といった感じです。
このような抽象的な話には説得力がありません。また、いわゆる「べき論」が多くなってしまうと、聞き手はルールに縛られるような気がして疲れてしまいます。
【感想】
◆私自身、あれこれと迷うタイプなので、本書の内容は勉強になりました。そもそも「迷う」ということ自体、実は「意思決定」しているようで、全くしていない気が(私の場合)。
たとえ難しい問題でも、独りで部屋にこもって、時間をかけて検討できるなら恵まれている方で、問題は、会議や講演等で、ふいに質問された場合です。
こんな時、何かしら「気の利いたこと」が言えないと、面目丸つぶれなこともありうるわけでして。
◆流れとしては、上記ポイントの2番目を参照のこと。
まず、全体像と言うと分かりにくいですが、相手の質問の意図や、実行可能性や時間、手間等をざっくり考えます。
次に、頭の中で、過去の事例や類似パターンを検索し、いくつか候補を抽出。
ここで気を付けたいのが、候補を挙げることと、それを評価することを明確に分けることで、詳しくは上記ポイントの3番目の通りです。
◆そしていよいよ、候補の中から評価して決定。
割愛してしまいましたが、判断軸が2つなら、よく見る2軸のマトリックスで。
3つ以上なら、縦に候補、横に判断軸を並べた評価表を使います。
本当に「3秒で選び、2秒で決める」のであれば、このくらいシンプルで、かつある程度「型にはめて」考えないと難しいかと。
◆そして最後が「伝え方」なのですが、確かにいくら判断が正しくとも、その伝え方いかんによっては、台無しになる可能性もありうります。
つまり、ダラダラと的を射ない話し方をしたり、相手が理解しにくかったり等々。
ここでいつもの(?)「結論から話す」「理由を3つ話す」等のTIPSもあったのですが、これはまぁ割愛。
逆に「なるほど」と思ったのが上記ポイントの7番目で、実はこういう具体例を話に織り込むためにも、日頃から具体例をメモしておくと良いのだそう。
◆なお、本書や下地さんの過去の著作をお読みの方はご存知だと思いますが、この『コクヨの〜』シリーズの右ページは、ほぼ図解に終始しています。
冒頭で触れた、前作の『コクヨの5ステップかんたんロジカルシンキング』の場合、フレームワーク等が大量にあったので図が多いのはある意味必然なのですが、本書はそうでもないので、そこは若干引っかかるかな、と。
また、本書は一連のシリーズなので、これまたしょうがないのかもしれませんが、横書きの左開きなのは、速読する方にはつらいカモ。
……ハッ!これはもしかして、Kindle版を買えばよかったということか!?
コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術 (中経出版)
迷わず決断したい方に!
コクヨの「3秒で選び、2秒で決める」思考術
序章 「3秒で選び、2秒で決める」人になるために覚えておきたい12のこと
第1章 「3秒で選び、2秒で決める」【段取り】の型
第2章 「3秒で選び、2秒で決める」【情報収集】の型
第3章 「3秒で選び、2秒で決める」【発想】の型
第4章 「3秒で選び、2秒で決める」【決定】の型
第5章 「3秒で選び、2秒で決める」【伝達】の型
【関連記事】
【これは分かりやすい!】『コクヨの5ステップかんたんロジカルシンキング』下地寛也(2013年02月13日)【スゴ本!】『決定力! :正解を導く4つのプロセス』チップ・ハース,ダン・ハース(2013年09月20日)
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【意思決定】「一瞬の判断」マイケル・ユシーム(2008年05月23日)
【編集後記】
◆昨日のお買いもの。繁盛本 街場の飲食店に学ぶ商売繁盛200の教え
まだ読みかけなのですが、なかなか面白いですw
ご声援ありがとうございました!
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