2013年12月27日
【思考術】『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』赤羽雄二
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、タイトルと装丁が気になって、思わず手に取ってしまった1冊。著者の赤羽さんは「マッキンゼーで14年間活躍された」だけあって、その思考法はビジネスパーソンなら会得したいハズ!
アマゾンの内容紹介から。
A4の紙に1件1ページで書く。ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く。毎日10ページ書き、フォルダに投げ込んで瞬時に整理する。それだけで、マッキンゼーのプログラムでも十分に教えていない、最も基本的な「考える力」を鍛えられる。深く考えることができるだけでなく、「ゼロ秒思考」と言える究極のレベルに近づける。
キモは、まさにこの内容紹介の通りなのですが、もうちょっと詳細について触れてみようかと。
【ポイント】
■1.考えはすべて書き留めるお勧めなのは考えをすべて書き留めることだ。考えのステップ、頭に浮かんだことを書き留めると、堂々巡りがほぼなくなる。単純に感情をぷつけるようなことがなくなる。書き留めたものが目の前にあると、自然にもう一歩前に進む。苦労せずに考えが進んでいく。誰でもだ。
「どうすれば会議を短くすることができるか」と空で考えても堂々巡りしがちだが、書き留めていけば現状を整理し、なぜ会議が長いかを分析し、短くする方法を複数あげ、具体的なアクションをリストアップしていくことが可能になる。
■2.「メモ書き」の具体的な方法
具体的には、A4用紙を横置きにし、1件1ぺージで、1ぺージに4〜6行、各行20〜30字、1ぺージを1分以内、毎日10ぺージ書く。したがって、毎日10分だけメモを書く。(中略)
メモ書きを3週間から1ヶ月続けると、頭にどんどん言葉が浮かぶようになる。メモに書くよりも早く、言葉が湧いてくる。1ヶ月前にはもやもやとしていたものが、言葉が明確に浮かび、アイデアが続々と出てくるようになる。頭の速さに手の動きがついていけず、もどかしく思いながらアウトプットし続けることになる。
さらに数ケ月続けると、瞬間的に全体像が見えるようになり、「ゼロ秒思考」に近づいていく。
■3.メモを書くと、腹が立たなくなる
腹が立った時、気分が悪い時は、それを全部メモに書き出すとすごく楽になる。相手の名前はストレートに書く。仮に山下さんだとすると、名前をぼかさず「山下さんはどうしていつも私を罵倒するのか」といったメモを書く。(中略)
メモを書くと腹が立たなくなるのは、人目を気にせず遠慮なくはき出せ、はき出したものをしっかりと見ることができるからだと考えている。その結果、自分の状況を客観視できるようになり、今起きたことが本当はどういう原因で起きたのか見えるようになり、それに対して何をすべきなのか、何をすべきではないのかが把握できるようになるからだ。
■4.似たようなタイトルで何度でも書く
今日あるタイトルで書いても、明日またその言葉、あるいは似たような言葉・フレーズが浮かぶことがある。そういう場合は躊躇なく、もう一度書く。昨日どう書いたかなどと見返す必要はない。見返さず、頭に浮かんだまま、また書く。3日後にまた似たようなタイトルが浮かんだら、それでメモを書く。振り返らずにひたすら書く。
そうやって何度も書き、頭が整理された状況になると、そのタイトル(=テーマ)に関してはもうメモを書こうと思わなくなる。気になっていることも、それへの取り組みもはっきりして、あえてメモを書く必要がなくなるからだ。
■5.1ページ1分で、思いついた瞬間に書く
1件1ぺージのメモは、ゆっくり時間をかけながら書けば、何倍もよいものが書けるかというと決してそうではない。たくさんの方に試してもらったが、何も言わなければあっという間に何分もたつし、大して内容が増えるわけでもない。考えあぐね、逡巡する時間が増えるだけだ。であれば、さっと書き終えてどんどん次にいくほうがよっぽど頭の整理になる。もやもやを言語化する練習になるし、生産性も上がる。
■6.筆記具の選択は重要
メモ1ぺージを1分で書き終えるためには、筆記具の選択が重要になる。抵抗なく書けなくてはとても間に合わない。お勧めは、「PILOT VCORN 直液式水性ボールぺン」だ。筆圧ゼロで滑るように書ける。しかも、最後までにじむことなく、かすれることなく、きれいに書ける。
Vコーン【黒】 LVE10EFB
■7.クリップボードのクリップは右側に置く
写真のようなクリップボードを愛用している方も多い。オフィスのどこでミーテイングしてもすぐ書けるからだ。もちろん自宅でも同様だ。個々人の好みで、メモをどこでも即座に書けるようにしておくことが大事だ。
クリップボードを使用する場合は、クリップを右側に置くことをお勧めしている。メモはタイトルも本文も左端から書くので、このほうが書きやすいし、ぺージをめくった際にタイトルが見やすいことがその理由だ。もちろん、毎晩夜、寝る前に、書いた10〜15ぺージをきちんとフォルダに分けて入れていく。
セキセイ クリップファイル 発泡美人 A5E ブラック
【感想】
◆本書を読んで、まず最初に思い浮かんだのが、この本でした。書きながら考えるとうまくいく!―プライベート・ライティングの奇跡
……と言っても、私は実際に読んだのではなく、本田直之さんのこの本で知ったのですが。
本田直之式 ハッピー・ワークスタイル ~秘訣はiPhoneとMacの連携にあり~
参考記事:【ビジネス仕様】『本田直之式 ハッピー・ワークスタイル』本田直之,松村太郎(2010年08月25日)
1枚あたりに書く量ですとか形式は違いますが、「時間を決めて一気に書き上げる」あたりは、まさにそっくり。
ただし、実際に本を読んでないので断言はできないものの、あちらが「アイデア量産」や「クリエイティビティ」を高めることを主たる目的にしているのに対し、こちらは、「深く考える」ことがメインのようです。
◆上記ポイントの2番目で、ある程度「メモ書き」の書式については触れられていますが、もうちょっと細かい説明を。
まず左上に「タイトル」を書きます。
具体的には、「どうすれば仕事のスピードを上げられるか?」「他の部とのコミュニケーションを改善するには?」といったようなもの。
本書では実際に70ほど実例が挙げられていますので、気になる方はそちらでご確認を。
なお、著者の赤羽さんによると、疑問形でも「〜する方法」といった表現のどちらでも構わないが、疑問形になることが多いのだとか。
◆それにつづく本文については、上記ポイントの2番目を参照のこと。
ただし、本書ではもうちょっと踏み込んでおり、図解によって良い例、悪い例等を例示しています。
もちろん、自分なりに「こうしたい」というものがあるかもしれませんが、赤羽さん曰く「他のやり方を多数試し、今のやり方に落ち着いてから何万ページ以上も書き、工夫してかなり完成度の高い書き方になっている」とのこと。
まずは素直に、一番ベーシックな赤羽さんのやり方で書いてみてください(詳細は本書を)。
◆またポイントの7番目の最後で触れられているように、できあがった「メモ書き」はフォルダ(クリアフォルダ)に入れて整理していきます。
赤羽さんの場合は、実生活にリンクした8つのカテゴリーを設定し、クリアフォルダを用意。
この辺も詳しくは本書の第5章「メモの整理・活用法」にてご確認頂きたいのですが、カテゴリーは「関心を持ち、メモ書きすることの多い分野」によって分けるとやりやすいのだそう。
ただし、書いたメモはクリアフォルダに入れて、基本的に普段は一切見直さないのだとか。
◆最後になりましたが、オススメボールペンは、ちょっと意外なセレクトでした。
ここ数年というより、もう10年以上も水性ボールペンは使っていなかった気が。
どうしても字が太くなってしまうので、ビジネスシーンではあまり使われていませんが、猛スピードで書き殴る(?)のにはうってつけかもしれません。
なお、使う用紙は裏紙で全然構わないそうなので、事務所に大量に積んであるA4の裏紙を活用しようかとw
書けば書くほど思考が深まるんです!
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
第1章 「考える」ためのヒント
第2章 人はゼロ秒で考えられる
第3章 ゼロ秒思考をつくるメモの書き方
第4章 メモを使いつくす
第5章 メモの整理・活用法
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。京大アメフト部出身、オールジャパン4度選出の組織変革コンサルタントが見つけた 仕事でもスポーツでも成長し続ける人の「壁をうち破る方法」
最近、こう言う風にタイトルが長いのがブームなのでしょうか!?
ご声援ありがとうございました!
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