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2013年12月22日

【エリートは見た!?】『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』ムーギー・キム


世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた: グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実
世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた: グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「投資銀行」「コンサルティングファーム」「資産運用会社」「プライベート・エクイティ」という職種を全て経験したエリート、ムーギー・キムさんのデビュー作。

年間3000万PVを集めた東洋経済オンラインの人気コラム、「グローバルエリートは見た!」の、待望の書籍化です。

世界中のエリートの働き方を本にまとめてみた | グローバルエリートは見た! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

とはいえ、220ページ以上も書き下ろしているので、コラムの常連さんでも楽しめることウケアイ。

ひと足先に、土井英司さんにメルマガで紹介されてしまいましたが、めげずに参ります!

……それにしてもサブタイトル長杉ワロタw




【ポイント】

■1.「与太話」をデータベース化して活用する
 MBA時代、アントレプレナーシップや企業買収の授業を担当する人気教授がいた。
 その教授は、教職につく前、某大手企業で法人営業の仕事をしていたときにつくった「与太話のデータべース」がいまも役立っているという。(中略)
 たとえば顧客と話をしていて、ふとした拍子に聞き出した相手の誕生日をメモし、帰宅後、パソコンのデータべースに入力しておく。
 それをもとに、15年たったいまでも、誕生日には「おめでとう」メールを、同じく聞き出した相手の趣味や家族の話を添えて送り、それが関係構築や案件獲得で非常に役立っているという。


■2.どんな場合でも10分前に着く
 ミーティングや待ち合わせに遅れるのは、ビジネスにおいても人の信用度においても命取りになる問題だ。ビジネスパーソンにとって遅刻ほどわかりやすい欠点はないので、実力の如何にかかわらずアウトなのだ。
 私がかつて働いたどの職場でも、ミーティングに遅刻する上司は本当にひとりもいなかった。ミーティングの数が多く、時差を伴う連日の海外出張でいくら疲労困憊していても、朝7時のブレックファースト・ミーティングには、全員が10分前には勢ぞろいしていた。
 MBA時代も、トップエリートに限ってミーティングの10分前には絶対に集合していたし、ホームパーティに呼んでも、その人たちは必ず時間どおりに来たものだ。


■3.早寝・早起き・即リプライ
 私は日本と韓国の大臣経験者、国会議員、著名経営者とたまに連絡させていただくことがあるが、彼らの中でも飛び抜けて優秀な人たちに限って、朝4時などの超早起きである。(中略)
 こうした方々は、どう考えても私より忙しいのに、メールは常に即リプライだ。某国会議員と連絡をとっていたときも、一番忙しそうな人に限って丁寧な口調ですぐに返事をくれる。この原稿を書いているつい先ほども、某欧米の著名ファンドの創業者(超多忙な人)にプライべートの報告をしたところ、ものの数分後にはメールの返信があった。


■4.プレゼンでは「どうしても伝えたい内容」を意識する
 いいプレゼンやスピーチかどうかは、「話し手が本気でそのメッセージを伝えたい」と心から思っているかどうかに大きく左右される。逆にいえば、本当に伝えたいことが心の中になければ、何を書いても何を話しても、上滑りでつまらない内容になってしまうということだ。情報をたっぷり詰め込んだ原稿を棒読みするよりも、多少細部は忘れても、心の底から伝えたい話の重要なポイント、すなわち話のバックボーン(背骨)を明確にし、その内容をどうしても伝えたいと強く希求しているかどうかが大切なのだ。


■5.手書きの年賀状を仕事関係者に送りまくる
 私の知人で数千億円のファンドを立ち上げた中国人のファンドマネジャーがいるが、彼がまたマメなことマメなこと。
 何かと完璧主義者で仕事に厳しいのだが、年末のクリスマスカードに関してもこだわりが強く、家族全員の写真を添えて親近感をアピールし、仕事関係者に手書きのクリスマスカードを1000通くらい送っている。(中略)
 そういえば、米系投資銀行の日本オフィスで働く私の友人も、200通の手書きの年賀状を送っている。それが功を奏してか、リーマンショックで解雇されたときも、じつにあっさり「年賀状コネクション」で次の会社に転職できた。


■6.仕事とは関係ない幅広い分野の知識を身につける
 国際的な社交の場や会食の場では、仕事の話しかできない人は軽く見られる。
 私の参加した無数のディナーミーティングでも、偉い人がヨーロッパやアジアから集まって何を話すかと思いきや、ひたすら歴史や美術、趣味の話に終始したことも多かった。
 幅広い分野の知識や教養が意外に重要で、ビジネスパーソンとしての価値は、ビジネス以外の場でにじみ出る教養やマナーによって値踏みされる傾向にある。そうやって構築されたブライべートな関係が、ビジネスの関係に発展していくのだ。


■7.社交パーティでは「エレベーターピッチ」を用意しておく
 驚いたことに、成功した起業家に会うと、多くの人が「エレべーターピッチ」の1分版、3分版を本当に用意している。投資家やビジネスパートナーに自分が提供できるアイデアやソリューションをすぐに伝えるための準備をしているのだ。
 私の後輩も、立ち上げたべンチャーが倒産の危機に陥った際、たまたまパーティで出会った大学のOB(資産家で知られ、エンジェル投資家としても活動)に自分のアイデアを廊下を一緒に歩きながら伝えたところ、「ちょうどそういうのをやりたかったんだよ。いくら必要なの? お金は出すから」と本当に3分で資金調達に成功し、命拾いした。


【感想】

◆実は上記7つのポイントは、本書巻末の「スペシャル付録」である『トップエリートがやっている「今日からマネできる!」12のスキル』から抜粋したもの。

ぶっちゃけ、このパートだけなら24ページほどだけなので、あっという間に読み切れますw

とはいえ、「こういうスキルを活用しているのがどういう人種か」を知らずして取り入れるのもいかがなものかと。

というワケで、本書はその「グローバル・エリート」の生態を明らかにしていきます。


◆本編はまず、「仕事編」と「プライベート編」の2つに分かれており、先に申しあげておくと、後者に関しては、あまり参考にならない気が。

というのも、グローバルエリートである女性側からの条件提示に「2000万円くらい稼いでくれればいい」みたいな表現が複数個所であって、何だかもうそれが最低ラインのようでして。

たとえば、こんな感じです。

東大卒・MBA女子が、結婚できない理由 | グローバルエリートは見た! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

もちろん、自分がグローバルエリートであれば、年収2000万円くらいは余裕なのでしょうが、そもそも自分はそうではない以上、よりどり選べるわけでもありませんし(それ以前に私は既婚者ですがw)。

結局、この「プライベート編」は、まず自分がグローバルエリートでない限りは、得られるモノはあまりないような印象を受けました。

もっとも、お堅い「東洋経済オンライン」の中では、このキムさんの「恋愛・離婚ネタ」は人気のようで、それが故の「年間3000万PV突破」らしいのですがw


◆逆に、メイン部分である「仕事編」は、ためになるお話が多々。

付箋を貼ったにも関わらず、今回割愛してしまったところをピックアップすると、こんなお話がありました。

・エリートの中でも優秀な人に限って、1000円の腕時計をつけるワケ

・投資銀行の若手は、いかにして「大量のつまらない仕事」を乗り越えるのか?

・なぜ投資銀行では、資料の正確さと完璧さが求められるのか?

・コンサルタントに必要なのは「少しのIQと桁外れの●●」(ネタバレ自重)

・なぜコンサルファームは、解雇する時に優しいのか?

・株価トレンドの終焉が分かる、2つの指標とは? etc...


……うん、上記ポイントより、ネタとしてはこっちの方が面白(ry


◆本書は286ページというページ数の割には、1365円という「お手軽価格」。

確かに元ネタがネット上にあるとはいえ、「220ページ以上書き下ろした」わけですから、かなりの出血大サービスだと思います。

それでいて硬軟兼ね備えており、「グローバルエリート」がどんなものかを垣間見るには、うってつけの作品かと。

もちろん、上記で挙げたポイントを実践して、今いる会社で「ローカルエリート」になるのも良し。

出たばかりだというのに、すでにKindle版があるのも、ありがたいところ。


これこそが本当のグローバルエリートの姿です!

世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた: グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実
世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた: グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実
本編▼仕事編
序 章 世界のトップエリートに共通する7つの特徴──「業界のエース」は普通のエリートと何が違うか?
第1章 投資銀行のトップエリートに学ぶ「大量の仕事を瞬時に処理しつづける力」「部下の尊敬と支持を得る力」
第2章 トップ・コンサルタントに学ぶ「人に好かれる『聞く力』」「問題を把握し構造化する力」「相手の期待値をコントロールする力」
第3章 資産運用会社のトップエリートに学ぶ「大局を読む力」「常識にとらわれない力」「自分の間違いを認める力」
第4章 トップ・プライベート・エクイティ投資家に学ぶ「相手の信頼を勝ち取る力」「『最強のチーム』をつくる力」

特別編▼プライベート編
第5章 エリートたちの恋愛・結婚事情──恋愛・結婚観と職業の不思議な関係!?
第6章 なぜエリートたちには離婚が多いのか?──プライベートの悲劇にも学ぶことはある

スペシャル付録▼トップエリートがやっている「今日からマネできる!」12のスキル


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【編集後記】

◆タイトルで気になってしまった作品。


"1000倍"差がつく思考法!―同じ商品で「150万円」稼ぐ人と「1500円」しか稼げない人

「1000倍」とはまた大きくでたな、とw


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