2013年12月13日
【自己啓発】『まじめなのに結果が出ない人は、「まわりと同じ考え方をしている」という法則』カスピアン・ウッズ
まじめなのに結果が出ない人は、「まわりと同じ考え方をしている」という法則 (単行本)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ちょっと変わったテイストの自己啓発本。何故かと思っていたら、著者のカスピアン・ウッズ氏がどうもイギリス出身だかららしく。
アマゾンの内容紹介から。
「堂々と」盗め、「最悪の消費者」を探せ、「ポジティブ思考」は捨てろ、“あと出しジャンケン”をしろ、ライバルは“蹴落とすな”、「急ぎの案件」は放っておけ。「自分で考える力」を磨く80項。
ちょっと挑発的な小見出しが続きますが、読めば納得の1冊です!
【ポイント】
■1.がむしゃらに突き進む... and an enthusiastic audience / bekassine...
世の中には"リーダーシップ"を語る人や本があふれ、若いうちからリーダーの資質を身につけるべきなのだというが、どれもあまり意味がない。(中略)
はっきりいって、リーダーシップを発揮したいと思うなら、やることは1つだ。
まず自分ががむしゃらに突き進むこと。
「自分も一緒に走っていきたい!」とまわりがつい思ってしまうほど、自らが夢中になって楽しそうに仕事をすることだ。
そうすれば、人の尻をたたいて無理強いしなくても、人はおのずとついてくる。
■2."完璧"にこだわらない
Noah's Ark for a Baby Shower / Ken's Oven
成功するのは実際に行動を起こす人物だ。
ノアが名声を得たのは洪水を予言したからではなく、方舟をつくったからだ。
完璧な製品に仕上げようと頭を悩ます必要はない。
いつまでたっても世に出せない完璧なアイデアよりも、ちょっとくらい不完全でも、すぐに実現できるアイデアのほうが勝ちだ。
製品は、市場に出してから改良していけばいいのだ。
■3.「目に見えるもの」を売らない
Balzac Fresh Food Distribution Center – Dock Doors / Walmart Corporate
何を売るにせよ、目に見えないものこそ最大の付加価値となる。
最近、イギリスの経済誌『エコノミスト』でとりあげられたドイツの製造業者は、巨大な工場を背景にこう語っていた。
「当社は冷凍機ではなく、"冷たさ"を売っているのです」
彼は「製品の値段が少々高いのは、これが単なる器械ではなく、サービスが付随しているせいであって、当然の結果だ」といっているのだ。
この冷凍機はいわば、「付加価値のハイブリッド・モデル」だ。
■4.「過激なこと」に挑戦する
MIT Campus / Tjeerd
戦後、多くの技術革新を生み出してきた場所の1つが、マサチューセッツ工科大学(MIT)だ。その成功は、「校舎が狭かったから」というやむをえない理由があったのだ。
通常なら交流のない科学者のグループがいくつも、狭い木造のプレハブ小屋にひしめきあうことになり、迷路のように入り組んだ廊下で迷子になった科学者たちは、しょっちゅう別の研究室に行きついた。
そんなMITの技術交流から生まれた製品には電子レンジ、高速写真撮影、ボーズのスピーカーなどがある。
■5.不満にばかり目を向ける
Ice Hockey / FromSandToGlass
アップルのデザイン部門トップであるジョナサン・アイブによると、「コツは不満を予想することだ」という。
製品やサービスを眺めて、想像の顧客がまだ見ぬ商品に対して将来どんな不満を抱くかを想像しなければならない。カナダのアイスホッケー選手ウェイン・グレツキーのアドバイスも同様だ。「パックが移動する先を予測してそこへ行くんだ。いま、パックがあるところを目指すんじゃない」
つまり、物事の現在の状態を見るのではなく、何ヵ月も、場合によっては何年も先を予測して、未来の世界を思い浮かべる。そして、消費者の望みや不満を想像するのだ。
そうすれば、業界の定義をすっかり変えてしまうような新しい製品を生み出すことができる。
■6.堂々と盗む
Ebay Explained 2006 (KLCC) / liewcf
かつてシリコンバレーで働いていたサンヴァー兄弟は当初、インターネット通信販売とオークションの会社である「eBay」をドイツで展開すればうまくいくのではないかと考え、同社にメールで問い合わせた。
しかし、なしのつぶてだったので、ドイツに帰国後ゼロからスタートした。
それから百日もたたないうちに、彼らは自分たちのサイトを350万ポンド(約5億5千万円)でeBayに売却することになった。
2人は自分たちのビジネスモデルをこう説明する。
「建築家は別にいる。僕らは建設業者なんだ」
■7.ソーシャルメディアは使わない
Facebook Screenshot / codemastersnake
ソーシャルメディアに対する私の心境は、広告専門誌の『コンテイジャス』が見事に代弁してくれた。「すごい。これは流行病(シンドローム)だ」
次々に新しいものが流行し、マーケティング担当者たちも同じようにうろたえている。
それならいっそ、何もすべきではない。
ソーシャルメディアはやめてしまおう。
ソーシャルメディアにかぎらず、どんな新しいものでも、それを導入していい条件はたった1つ――いまやっていることが効率化される場合だけだ。
【感想】
◆そもそも、本書の著者である「カスピアン・ウッズ」なる人物のことを全く知らなかったワタクシ。アマゾンで和書の著者検索をすると、この本しかないのですが、洋書で英語名で検索すると、結構出てきました。
たとえばこれは、本書の原書。
Devil's Advocate: 100 Business Rules You Must Brake
それ以外でも、こんなに沢山の著作がありました。
Amazon.co.jp: caspian wood: 洋書
その割には、本書が初の翻訳本とのことです。
◆テイストとしては、以前読んだこの本に近い感触。
ある広告人の告白[新版]
参考記事:「ある広告人の告白」デイヴィッド・オグルヴィ(著)(2006年07月12日)
どの辺が近いか、と問われると説明が難しいのですが、比喩やら事例の持ってきかたが、いつも読んでる翻訳本(=米国産)のとはどちらもちょっと違う感じを受けました。
そういえば、このオグルヴィ氏もイギリス出身ですし、英国紳士同士、若干屈折したところがあるのかもしれません。
ちなみに、オグルヴィ氏は「現代広告の父」でしたし、ウッズ氏も「広報コンサルタント」ですから、職種の関係もありそうな。
◆それにしても、「広報コンサルタント」でありながら、上記ポイントの最後にあるように「ソーシャルメディアは使わない」と言い切るのは、スゴイな、と。
ただ、その導入基準が「いまやっていることが効率化される場合だけ」というのは、深く納得。
私自身、「情報発信」は、このブログに集約していますし、言いたいことがあれば、ここに書いています。
……と、自分がソーシャルメディアを使いこなせていないことを正当化してみるテストw
もちろん、ソーシャルメディアを「情報拡散」として使うのであれば、それまでにくらべたら、かなり「効率化」されていますし、十分導入する価値はあるかと。
◆なお本書では、このような「ちょっぴり過激な」TIPSが80個収録されています。
原書のサブタイトルが『100 Business Rules You Must Brake』なので、20個ほど割愛されているようですけど、こまけーこたー(AA略
当ブログの読者さんであれば、「自己啓発書」やら「成功本」は、すでに沢山読まれてらっしゃると思いますが、たまには本書のような「毛色の変わった」作品を読んでみるのもいいかも。
しいて言うなら、オグルヴィ氏の著作がツボだった方に、本書をオススメしたいと思います。
思考停止にならないために!
まじめなのに結果が出ない人は、「まわりと同じ考え方をしている」という法則 (単行本)
1 リーダーの法則―人の上に立っていく人、その他大勢に埋もれる人
2 センスの法則―「驚きの成果」を上げる人、「並の仕事」で終わる人
3 アイデアの法則―「目のつけどころ」がいい人、当たりまえのことしかできない人
4 営業力の法則―お客の心を一瞬でつかむ人、努力が徒労に終わる人
5 上司と部下の法則―人の力を活かせる人、人とのあいだで空回りする人
6 お金の法則―一生豊かに暮らせる人、なぜか余裕のない人
7 「人間の器」の法則―黙っていても魅力がにじみ出る人、どうにも残念な人
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。月給たった5万円! でも、選びました 空回りの20代から、30代でクックパッドの役員になれたわけ
女性著者の作品は、あまりウチではウケないんですが、読んでみたい1冊です。
ご声援ありがとうございました!
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