2013年12月11日
【記憶術】『本当に頭がよくなる1分間記憶法』石井貴士
本当に頭がよくなる1分間記憶法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも取り上げた勉強本。今回、初めて石井貴士さんの著作をレビューするのですが、思ったよりもテクニカル(失礼)で、付箋をガシガシ貼ってしまいました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
シリーズ130万部超の石井貴士の1分間シリーズの最新刊。
今回のテーマはシリーズの根幹をなす「記憶法」。
偏差値30だった著者がたった3カ月で偏差値70にジャンプアップし、全国模試で6万人中1位を獲得することができた驚異の記憶法を紹介する。
なお、実際に私がやっていた記憶法に近いこともあって、個人的に色々と言及したいことが!?
【ポイント】
■1.覚えたいことは3回復習する脳の構造上、「人は同じことを3回言われてやっと本当だと信じる」という傾向があるのです(エビングハウスの実験からも、記憶の定着には「3回以上の繰り返し」が必要であることがわかります)。
復習する回数も、1日3回にすることで、やっと脳が「この事柄を本気で覚えなければならない」と認識します。
テレビCMも、同じCMを1時間番組の中で3回はしますよね?
3回同じCMが流れることで、視聴者は「この商品は、きっとホンモノの商品なのだ」と認識するのです。
■2.書かないで、目で見て覚える
たとえば、英単語を書いて覚える場合は、1単語を書くのに6秒かかったとしましょう。
そうしたら、6秒×10回=1分なので、1分で10単語しか復習できないことになります。
ですが、1単語1秒で、目で見て覚える「スピード記憶法」なら、1秒×60回=1分なので、60単語復習できることになります。
これだけで、スピードは6倍になります。
■3.英単語の綴りや漢字は書いて覚える
なぜなら、綴りは「書く」ものだから、綴りと呼ばれるわけであって、漢字も「書け」と出題されるものだからです。
ダイレクトに「書け」と問題として出されるわけですから、目で見て覚えるのは、逆に非効率になります。
つまり、英単語の場合は、意味に関しては目で見て覚えるが、綴りに関しては、書いて覚えるのが正解です。(中略)
漢字問題に関しても、「書け」と出題されるものに関しては、書いて覚えるのが一番です。
■4.問題が解けた直後に楽しいことをする
脳は感情を認識します。
問題が解けなかった状態から、すぐにテレビなどの快楽に移行してしまうと、あなたの脳は、「勉強ができない=快楽」と認識します。
逆に、問題が解けた直後の状態から、漫画を読んだりという快楽に移行すると、あなたの脳は、「勉強ができる=快楽」と認識します。
つまり、勉強を投げ出した直後に楽しいことをしてしまうと、「自分の頭が悪い状態=快楽」と、脳が認識するのです。
逆に、簡単な問題でもいいので、問題が解けた直後に楽しいことをすれば、「自分が天才である状態=快楽」と脳が認識するのです。
■5.「青のボールペン」を使うと、記憶力が上がる
青は、「リンク色」です。
たとえば、ヤフーのホームぺージでも、リンクしてあるところは、青になっています。
逆に、リンクされていないところは、黒が多いです。
つまり、現代人は、「何かとつながっている色=青」と認識しているのです。
これを勉強に応用すると、どうなるかというと、
(1)記憶とリンクさせたいものは、青で書く
(2)どうでもいいものは、黒で書く
という癖をつけると、あなたの記憶力は上がります。
■6.クリアファイルは4色で色分けする
・青のクリアファイル……見たことも聞いたこともないものこれで、赤のクリアファイルがたまっていけばたまっていくほど、あなたが記憶したことが多いということになります。
・黄色のクリアファイル……見たことはあるが、わからないもの
・緑のクリアファイル……見て3秒でわかるうろ覚えのもの
・赤のクリアファイル……見てゼロ秒でわかるようになったもの
いつも「緑のクリアファイル」だけを持ち歩いたとします。そうすれば「緑(見て3秒でわかるもの)」を何度も、何度も、見返すことができます。
■7.「サンドイッチ記憶法」で短期記憶を長期記憶に移す
7時間30分を挟んで、寝る前の90分と起きた直後の90分に暗記をするメソッドのことを、「サンドイッチ記憶法」と呼んでいます。
これが、もっとも短期記憶を長期記憶に移していきやすい記憶法です。
寝る直前に暗記したものが、寝ている間の、潜在意識が無防備な状態で、頭の中で繰り返されていきます。
そして、起きた直後のセロトニンが分泌されている状態で、それをもう一度復習するのです。
【感想】
◆本書を読む限り、石井先生の記憶法のキモは「目で見て覚えること」。この部分でハゲシク賛成する人と、そうでない人に分かれそうな気がします。
例えば、今では「統計学の人」と言われている(?)西内 啓先生のデビュー作であるこの本では、「「万人にとって最高の暗記術なんてものは存在しない。なぜなら人によってタイプが違い、そのタイプによって、異なる最高の記憶術が存在するからだ」として、「文字型」「音声型」「映像型」等、5つの記憶のタイプについて言及されていました。
東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術
参考記事:【暗記の真実】『東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術』に学ぶ5つのポイント(2009年08月28日)
ちなみに上記記事を初めとして、当ブログでも何度かお話したことがあるのですが、私は完全に「目で見て覚えるタイプ」。
税理士試験の受験生時代、実際に暗記した理論を書くのは、本当に書けるのかどうかのアウトプットの確認のためだけであり、暗記自体はすべて「目に焼きつけて」行なっていました。
と言うか、書いて覚えようとしても、写している間に全然違う事考え始めてしまい、書くという行為ではまったく覚えられなかったのですが。
◆ただし、石井先生曰く
「目で見て覚える訓練を、3か月以上したことがありますか?」
「多くの方が、やったこともないのに、最初からできないと決めつけているのです」
とのこと。
確かにそう言われてしまうと、私自身「書いて覚える」作業を3ヵ月続けていませんし、「そういうものなのかなぁ」と思わなくもなく。
ただ、実際の受験生が「やっても覚えられない作業」を3ヵ月も続けていたら、それこそ勉強に悪影響が出てくるかと(間に合わない等)。
私はたまたま、「目で見て覚える」タイプだったのですが、税理士試験の受験生の間では「書いて覚える」タイプの人も結構いたことを付け加えておきます。
◆さらに石井先生のもう1つの特徴が「色を活用する」というもの。
本書の第4章では「4色右脳記憶法」として、「赤」「緑」「黄色」「青」の4つの色を使った記憶法を指南してくれています(この章だけ、4色カラー印刷)。
上記ポイントの6番目にあるように、記憶の度合いで言うと「青」⇒「赤」に向かって深くなっており、要は「それぞれのカテゴリーから1つ上にあげる作業をせよ」ということ。
最終的には「ゼロ秒で言える」ようにするのが、石井先生の言う「記憶すること」になります。
なお、蛍光ペンと付箋もこの4色を揃え、同じ4色の「カラーマジックシート」なるものを活用して記憶するのですが、詳細は本書にてご確認を。
◆繰り返しになりますが、石井先生のやり方は、私のように「目で見て覚える」タイプの人には、受け入れやすいと思う反面、「書いて覚える」タイプの人にはちと微妙。
さすがに私も「本書を買ってやり方を変えろ」とまでは言えません。
思い返してみても、私の周りで「途中で覚え方を変えた」という人もいませんでしたし(そういう人もいたのかもしれませんが、少なくとも私は知りません)、西内先生の言うように「タイプの違いがある」方が腑に落ちるという。
ただ、石井先生の言うように「3か月続ける」覚悟があれば、試してみるのもいいかもしれませんし、確かに覚える量が多ければ多いほど、スピードは違います。
「累計130万部ベストセラー勉強法」の記憶術のエッセンスをどうぞ!
本当に頭がよくなる1分間記憶法
chapter1 「記憶のメカニズム」を知れば、あなたも天才になれる!
chapter2 記憶法に関する「7つの新常識」
chapter3 覚えるジャンルごとに使い分ける 短期・長期・単純・イメージ記憶法
chapter4 勉強の効率が劇的にアップする! 4色右脳記憶法
chapter5 寝る前と起きた直後に復習をするサンドイッチ記憶法
chapter6 試験当日だけ天才になる! ピークコントロール記憶法
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知らないと損する「記憶力」活用法(2010年06月25日)
【暗記の真実】『東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術』に学ぶ5つのポイント(2009年08月28日)
【編集後記】
◆西内先生の本以外で、人それぞれの「タイプ」を扱っている作品がこちら。医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)
参考記事:【6つのタイプ】『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』本田真美(2012年06月19日)
中に判定テスト(「認知特性テスト」)がありますので、ご自身のタイプを知りたい方は、一度お試しを。
ご声援ありがとうございました!
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