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2013年12月05日

【メモ】プレミア付きの自己啓発書が文庫化される件


明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫) (ハヤカワ文庫 NF 399)


【はじめに】

◆耳寄り情報が寄せられたので、簡単に備忘録として。

早川書房から2007年に発売された単行本、『幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学』

この本、絶版されているようで、リンク先をご覧いただければお分かりのように、現時点で4300円超のプレミアが付いております。

幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学
幸せはいつもちょっと先にある―期待と妄想の心理学

しかし今般、文庫化が実現し、お求め安くなった模様。

当時買い控えた方なら、見逃せませぬ!




【文庫本詳細】

■1.文庫本概略

◆まずはともあれ、文庫化された作品を。

明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
どうすれば幸せになれるのか、自分がいちばんよくわかっているはず――。
と思いきや、がんばって就職活動したのに仕事を辞めたくなったり、生涯の伴侶に選んだ人が嫌いになったり。
なぜ私たちは未来の自分の幸せを正確に予測できないのだろう?
その背景にある脳の錯覚や妄想について、ハーバード大学の人気教授が心理学や行動経済学、脳科学を駆使して楽しく解き明かす!
『幸せはいつもちょっと先にある』改題文庫化。

著者であるダニエル・ギルバート氏はもちろん、翻訳の熊谷淳子さんも変更なし。

目次も大見出しだけしか分かりませんが、全く同じです。

また、よくある「加筆」「修正」等の文字がないので、単純な文庫化と考えて良さそう。


■2.単行本は「ほぼ日刊イトイ新聞」で紹介されていた

◆この本がどんな本かをググって調べていたところ、ヒットしたのがこちらの記事。

ほぼ日刊イトイ新聞 -担当編集者は知っている。

こちらに編集者さんのお話が掲載されているので、かいつまんでご紹介。
私たちの脳みそも、二つの事柄を比べるのに間違った判断をしたり、ないはずの事柄をあるように考えてしまったりすることがあるんですね。

こうした、私たちの予想がいかに曖昧なものかということをさまざまな心理学の実験で明らかにしていきます。
このように曖昧な脳で、私たちは未来も予想しようとしています。

きちんと合理的に予想したつもりでも、その判断が結局のところ今の状態に左右されていたり、「これなら今よりも幸せ」という比較の基準がぶれていたりするのです。

楽しみにしていたお菓子を食べたら、気持ち悪くなった。
一生大好きだと思っていた恋人が嫌いになった。
この会社に入れば人生バラ色だと思ったのに、そうでもなかった。

こういうことが日々起きるのも、私たちの予想があまり正確ではないからなのです。
こういった脳の「不確かさ」を取り扱っているのが、「行動経済学」。

当ブログでもお馴染みですし、ファンの多いジャンルですよね。


■3.原書は本国でヒット&賞も受賞

◆上記「ほぼ日刊イトイ新聞 -担当編集者は知っている。」によると、原書は本国では「ベストセラーになった」とのこと。

具体的な売上が分からないので、アマゾンの原書のページをご紹介しておきます。

Stumbling on Happiness: Daniel Gilbert: 9781400077427: Amazon.com: Books

カスタマーレビューが375も付いてますから、それなりには売れているハズ。

さらに、原書は「科学読み物の分野でも高く評価され、世界で最も権威のある賞」である、「Royal Society Prizes for Science Books 2007」を受賞しているのだそう。

Royal Society Prizes for Science Books 2007 Longlist Announced - Science News | Royal Society

……リストの下から4番目に、確かに『Stumbling on Happiness by Daniel Gilbert (Harper Press)』ってありますね。


【所感等】

◆今回、まとめてみて思ったのですが、そもそも単行本が出た段階で、なぜにこの本に気が付かなかったのか?

出版された2007年2月というと、まだダン・アリエリーの『予想どおりに不合理』(2008/11)が出るずっと前です。

ただ、その前に友野典男さんの『行動経済学 経済は「感情」で動いている』 (2006/5)をブログで取り上げている以上、やはり見落としたとしか考えられず。

……確かにタイトルと書影を見ただけでは、むしろスピリチュアル系に近い印象を受けますし。

文書化に際し「科学する」の1フレーズが入っただけで、当ブログの読者さんにも受け入れやすくなった気がw


◆その後、このジャンルからは多くの翻訳本が出版され、それらを高クオリティの作品として、当ブログでは何冊もご紹介してきました。

本書はこうした「行動経済学」の初期のヒット作であり、このジャンルのファンの方なら、一読の価値があるのではないかと思います。

また、4000円超で在庫を抱えている業者の方には申し訳ないのですが、文庫本なら1/5ほどの価格で入手できるのですから、お買い得と言えそうな。


発売は来週ですが今日から発売開始されましたので、要チェックで!

明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
明日の幸せを科学する(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
第1部 人間はなぜ予想するのか?
第2部 そもそも、幸せとは何か?
第3部 感覚のトリック ~実在論に気をつけろ
第4部 時間のトリック ~現在主義に気をつけろ
第5部 意味のトリック ~合理化に気をつけろ
第6部 正しい予想をする方法


【関連記事&書籍】

◆この機会に、行動経済学関連の作品とそのレビューを列挙してみます。

なぜ、間違えたのか?
なぜ、間違えたのか?

参考記事:【思考のワナ】『なぜ、間違えたのか?』ロルフ・ドベリ(2013年09月12日)

ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣
ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣

参考記事:【スゴ本!】『ヤル気の科学 行動経済学が教える成功の秘訣』イアン・エアーズ(2012年10月30日)

ずる―嘘とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション)
ずる―嘘とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション)

参考記事:【オススメ】『ずる―嘘とごまかしの行動経済学』ダン・アリエリー(2012年12月11日)

予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」

参考記事:【スゴ本】「予想どおりに不合理」ダン・アリエリー(2008年12月15日)

思い違いの法則: じぶんの脳にだまされない20の法則
思い違いの法則: じぶんの脳にだまされない20の法則

参考記事:【ヒューリスティック】『思い違いの法則: じぶんの脳にだまされない20の法則』レイ・ハーバート(2012年04月24日)

行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)
行動経済学 経済は「感情」で動いている (光文社新書)

参考記事:「行動経済学」友野典男(著)(2006年07月20日)


【編集後記】

◆行動経済学の本の中で、この本がまだ未読なワタクシ。

世界は感情で動く (行動経済学からみる脳のトラップ)
世界は感情で動く (行動経済学からみる脳のトラップ)

相変わらず、中古の価格も下がりませぬー。


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