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2013年12月03日

【説明】『わかりやすく説明する練習をしよう。』リー・ラフィーヴァー


わかりやすく説明する練習をしよう。 伝え方を鍛える コミュニケーションを深める
わかりやすく説明する練習をしよう。 伝え方を鍛える コミュニケーションを深める


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ビジネスパーソンなら身に付けておきたい「説明」スキルを高める1冊。

著者のリー・ラフィーヴァーは、「説明動画」の制作で広く知られるコモンクラフト社の創設者であり、本書はそのベースとなる考え方を明かしたものです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
プレゼンがうまくいかない、企画が採用されない、考えが理解してもらえない、営業トークが意味不明だといわれる……。そんな時ネックとなっているのは、アイデアそのものより伝え方である。ものの言い方、伝え方にいつも悩んでしまう人は、基本的な説明の練習から始めるとよい。本書は説明のプロ集団コモンクラフト社が明かす、とっておきの説明の極意。グーグル、インテル、マイクロソフトを顧客にもち、最新サービスの説明動画を制作する同社のセオリーには、学びとヒントがいっぱい。順番に練習すれば、相手を納得させる説明ができるようになる。相手の立場にたって、相手が理解できるように説明できれば、ビジネスもコミュニケーションもうまくいく! 豊富な図解でしっかりと頭に入る、ビジネスパーソンの教科書。

これでアナタも今日から説明上手に!?




【ポイント】

■1.説明の「フォーム」を改善する
 トレバーが当初、誰でも走り方を知っていて当然だと思っていたように、僕たちはみな"説明"を、誰でもできて当然だとみなしている。何かを伝えるときにごく当たり前にしていることだから、説明が改善可能で目標達成に活用できるスキルだとは、思いもよらない。
 ランニングと説明には多くの共通点がある。
・誰にも生まれつきその能力が備わっている。
・よく行っていることなので、わざわざ考えたりしない。
・自分のやり方が正しいと思っている。
・自分のやり方が改善できると考えてみたことはない。
・実際には改善可能であり、建設的な結果を生み出す。


■2.説明とは「なぜ?」に答えること
たとえば、ツイッターの人気を、重力や慣性の法則では説明できない。ツイッターがどうしてあんなに人気があるのか、どうして老後に備えて貯金すべきなのかを知るには、説明が必要となる。説明とは、単に事実をパッケージする術であるだけではなく、「なぜ?」という質間に答えて、事実を提示する術でもある。「なぜこれをする意味があるのか?」「なぜ気にかけるべきなのか?」といったことに対して、答えなくてはいけない。


■3.背景で説明する
「木を見て森を見ず」ということわざを聞いたことがあるだろう。細かいことに気を取られ、全体を見渡せないという意味だ。これは、説明における背景の考え方にそのままあてはまる。木も大変役立つが、森についての情報が木を有益なものにする。
 先ほどの話では、チーム名が木にあたり、役立つ手がかりとなった。一方で森(UEFAチヤンピオンズリーグでのイギリスのチームのプレイ)についてのわずかな発言のおかげで、木(チーム名)が有益なものとなった。


■4.ストーリーで説明する

 ジャーナリストのアル・トンプキンズは、こう述べている。
 ニュース記事の執筆は「事実だけ」になりがちだ。だが、"事実を語ること"と"ストーリーを語ること"との違いは、株式相場の電光掲示板を見守ることと、市場暴落で老後の備えをすべて失った年配女性の話を聞くこととの違いに匹敵する。


■5.制約で説明する6つのポイント
1. 納期――いつまでに仕上げなくてはならないか?
2. 与えられた時間――説明に費やせる時間は?
3. 場所――どこで説明を行うのか?
4. 構成――どのように情報を提示するのか?
5. アイデアの量――限られた時間内でいくつのアイデアを説明するのか?
6. 用語――対象となる聞き手は、どの程度専門用語を解するのか?


■6.説明の動画制作から学んだ10の教訓
1. 意図を早めに述べること
2. 問題を解決すること
3. 簡潔にすること
4. 雑音を減らすこと
5. ビジュアル表現を使うこと
6. 不完全さを受け入れること
7. スピードを落とすこと
8. ときを経ても色あせないこと
9. 利用しやすいこと
10. 楽しむこと


(詳細は本書を)


■7.ビジュアル表現をする
 説明にビジュアル表現を用いると言うと、創造性を懸念する声があちこちから起こる。
「絵なんて描けない」「わたしは創造的じゃないから」。これは正常な反応だし、確かにすべての人が芸術家というわけではない。でも、ロングテールの需要曲線を思い出してほしい。3本の線だけだ。しかも、そのうち2本は直線だ! 説明で用いるビジュアル表現は、芸術や美とは関係ない。むしろ実用品であり、ちょうど僕たちが用いる説明の尺度と同じように、情報を明確にするためのツールなのだ。
ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略


【感想】

◆本書を読むまで、「コモンクラフト社」という会社の事を知らなかったのですが、彼らの作る説明動画は、何かで見た記憶がありました。

例えばこれは、Twitterの説明動画の日本語版です。

コモンクラフトによるTwitterの説明 | Common Craft

……すいません、YouTubeみたいにサイトに貼れるのか分からず。

逆に英語版ならYouTubeにいくらでもあるのですが。




◆ただし、大事なのは、彼らの特徴はこの「コモンクラフトスタイル」と呼ばれるイラストを多用した動画にあるものの、それ以前にキチンと「台本」を書いているということ。

本書で強調されているのも、むしろその「動画以前」の部分です。

まず考えなくてはならないのが相手の「レベル」。

その際、本書で何度も出てくる図解として、左端の「A」から右端の「Z」までアルファベットをふった「説明の尺度」というものがありました。

「A」は最も理解度が低く、「Z」は最も深く理解している状態。

そして「説明」とは、相手の理解度を、いかに右端に動かすか、ということになります。


◆ここで大事なのが、上記ポイントの2番目の「"なぜ?"に答える」。

理解度が高い位置にいると「手段」のニーズが高いのですが、まだ理解度が低い状態だと「なぜ?」に答えなくてはなりません。

たとえば上記のTwitterの説明動画も、「何でそんなことをしたいと思うわけ?」と疑問を抱く人に説明しようとしています。

実際、この動画は、Twitter社のトップページに採用され、多くの人のTwitter登録に貢献しました。

一般的に、説明をする際に「どうやってやるのか?」を考えることは多いですが、「なぜやるのか?」というのは見落としがちなので、留意して頂きたく。


◆もちろん本書では、「なぜ」以降の説明部分についても詳しく解説しています。

やはり印象的なのは「ビジュアル」関係で、なぜ彼らの動画に登場する人物に「顔のパーツがない」のか等、一見ラフに見える部分も、実は考え抜かれたものであることを知って、ハゲシク納得。

あそこまで作り込まないにしても、プレゼンや他人に対する説明で活かせるTIPSが多々ありました。

最近は『伝え方が9割』がヒットしたことからも分かるように、「伝える」ことのニーズが高まっていると思われますので、本書のコンテンツへのニーズも高いかと。


「説明」はビジネスパーソンなら必須のスキルです!

わかりやすく説明する練習をしよう。 伝え方を鍛える コミュニケーションを深める
わかりやすく説明する練習をしよう。 伝え方を鍛える コミュニケーションを深める
Part1構想を練る
Chapter1 フォームを学ぶ
Chapter02説明とはなんだろう?
Chpater03なぜ、説明は失敗するのか
Chapter04説明の構想を練る

Part2 パッケージする
Chapter05アイデアをパッケージする
Chapter06背景で説明する
Chapter07 ストーリーで説明する
Chapter08結びつける
Chapter09手段を述べる
Chapter10単純化する
Chpater11制約する
Chapter12準備と執筆
Chapter13説明の練習をする1

Part3 提示する
Chapter14コモンクラフト社が学んだこと
Chapter15説明とメディアの相性
Chapter16ビジュアル表現をする
Chapter17説明の練習をする 2
Chapter18説明上手な人になる


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【編集後記】

◆本書でも登場するのが、かつての当ブログでのヒット作であるこちら。

描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング
描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング

レビューは上記関連記事にて。


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