2013年11月21日
【思わず読んじゃう?】『一瞬で心をつかむ 77の文章テクニック』高橋フミアキ

一瞬で心をつかむ 77の文章テクニック
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた中の1冊。以前、当ブログでは『150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方』のレビューがブクマ650超になった高橋フミアキさんの新刊です。
アマゾンの内容紹介から。
ハッキリ言って“読まれたもん勝ち”…目が離せない文章の作り方、教えます。「見向きもされない文章」を「思わず読んじゃう」に一発変換!今日から使えて一生役立つ!
この本、アクセスが欲しいブロガーなら、要チェックですぞ!?
【ポイント】
■1.「擬声語」を入れるたとえば肉が焼けるようすを表した「ジュージュー」や、スイカを切るときの「ザクッ」、ビールを飲むときの「ゴクゴク」など、物が発する音を真似て文字で描写した語句を「擬音語」といいます。擬音語は臨場感を増し、音の響きが読み手の五感を刺激するとして、広告業界やテレビの世界ではよく使います。くわえて、擬音語を入れると文章にリズム感も生まれます。
■2.「希少性」を入れる
希少性は、需要と供給のバランスが著しく崩れている場合に生じます。人は数が少ないほど、また入手困難であるほど、本質がどうであれそれが価値あるものと思ってしまいがちです。その裏には、じつにさまざまな心理が渦巻いています。「数が少ないのは、よほどすばらしいからだろう」という期待感、「他人がうらやむ貴重なものを手に入れたい」という優越願望、「ここで逃したらもう二度と手に入らないかも」という不安感……。それらが価値の本質を見極める目を狂わせ、希少なモノの価値を上げるのです。
■3.「命令形」を入れる
ふだん、私たちに命令するのは、上司や親など、自分より経験豊かな年長者である場合がほとんどです。そのため命令形には、そこに自分にはない有用な考え方が記されていると思わせる力があります。
また自分がどうすればいいかわからないとき、「○○をやれ!」もしくは「○○するな!」という断定調の言葉は、とても魅力的に聞こえます。
自分が悩んでいることを「こうしろ!」と言い切られると、背中を押され、悩みから解放されたような高揚感が得られるためです。
■4.「悩み+安心感」をうったえる
このテクニックの目的は、読み手に「すぐに行動してもらう」ことです。したがって商品を購入してもらったり、サービスを申し込んでもらったりするときなどに効果を発揮します。ただしそのためには、読み手の「緊急性の高い悩み」に焦点をあてた言葉が必要です。
「緊急性の高い悩み」には、「ピーク」と「タイムリミット」の2つの要素があります。「ピーク」とは「最悪の事態」のこと、「タイムリミット」とは「(解決までの)時間がない」ことです。つまり緊急性の高い悩みとは、「早く(解決)しないと最悪の事態を招くことになる悩み」のことです。このような悩みを挙げたあとに、「大丈夫です! こんな方法があります」と提案すれば、読み手は積極的に続きを読みたくなるでしょう。
■5.「凡人ができた+次はあなたの番」とうったえる
世の中にはさまざまな著名人の自伝がありますが、そのような成功例を自分の人生に置き換えて考えるのはなかなか難しいもの。
しかし成功者が、自分と同じ「凡人」であった場合、話は別です。「凡人が夢を実現した」という言葉には「ドラマ性」と「ストーリー」があります。ドラマ性とは、劇的な変化、つまり自分のような凡人でも、もしかしたら成功者になれるかもしれないという夢を与えるのです。そして読み手は、実際に凡人が成功者になったストーリーに共感し、興味を示すようになります。
■6.虚栄心をくすぐる

American Express: Taiwan Centurion Card / Matt @ PEK
人は誰でも「他人から認められたい」「人よりも特別な存在でありたい」という自己承認欲求を持っており、これを満たす提案には自分から耳を傾けてしまいます。
ポイントは「○○なあなたなら」のフレーズ。「賢いあなたならAを選ぶはず」には、「賢明であるためにはAを選ばなければならない」という強制力が暗に働いています。そのため読み手は、自己承認欲求を満たすために、Aという選択肢(提案)を積極的に選ぼうとするのです。
■7.「超短文」で始める
書き出しの一文を、10文字程度の超短文にまとめるテクニックです。「吾輩は苗である。名前はまだ無い」の書き出しで有名な夏目漱石の小説『吾輩は猫である』のように、「主語+述語」のみで構成することで、印象的かつ読み手の記憶に残りやすい文章が作れます。
【感想】
◆当初、書影とタイトルだけ見た時は、いわゆる「文章術」の本かと思っていました。実際、冒頭の「はじめに」の小見出しには、『「心をつかむ文章」だけが読まれる時代になった』とあり、その「心をつかむ文章」とは、「熱意が伝わる」「気持ちが引き込まれる」文章であるとのこと。
なるほど、どんな文章が書けるようになるのかな……と読み始めると、第1章と第2章は「タイトル&見出し」ネタ。
続く第3章は「つかみの文章&リード文」、そして第4章も「書き出し」ということで、タイトルから最初の数行のお話がほとんどだったというw
,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
(.___,,,... -ァァフ| あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
|i i| }! }} //|
|l、{ j} /,,ィ//| 『「心をつかむ文章」が書けるかと
i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ 思ったらタイトル勝負の本だった』
|リ u' } ,ノ _,!V,ハ |
/´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人 な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
/' ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ おれもどうしてこの書名なのかわからなかった…
,゙ / )ヽ iLレ u' | | ヾlトハ〉
|/_/ ハ !ニ⊇ '/:} V:::::ヽ 頭がどうにかなりそうだった…
// 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
/'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐ \ 催眠術だとか超スピードだとか
/ // 广¨´ /' /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
ノ ' / ノ:::::`ー-、___/:::::// ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
◆しかし逆に、「読まれる文章」「手に取ってもらえる商品名」「クリックされるブログタイトル」を学ぶなら、本書はかなりオススメ。
まず、第1章&第2章の「タイトル&見出し」パートでは、テクニックの解説のほかに「悪い例と良い例の併記」「『達人のワザ』と題した広く知られている例」も収録されています。
特に後者は、上記ポイントの1番目の「ガリガリ君」の他、各テクニックごとにこんな商品も紹介されていました(どんなテクニックかは、各自推理してみてください)。

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)

※PR TVで御馴染み【完熟王】大容量・大特売/バナナ

アサヒ ワンダ モーニングショット 190ml×30本

文庫版 死ねばいいのに (講談社文庫)

【越後製菓】お鏡もち押すだけポン160g橙付き
加えて、「思考のプロセス」なる、こうしたテクニックを生み出すための処方箋も収録。
これは、使えそうな予感!
◆当ブログでも、タイトルについては、たまに利用する「ホッテントリメーカー」にて、図らずも(?)こうしたテクニックのお世話になっています。
はてブの人気順で見ても、最初の4つが「ホッテントリメーカー」作でワロタww
『マインドマップ的読書感想文 』 の人気エントリー - はてなブックマーク
もっとも、「ホッテントリメーカー」の場合、内容や元々の書名とはまったく無関係に作成してしまうので、その辺りまでキチンと考えたい方には向いていません。
私も下記記事で書いたように、出来上がった中から選ぶだけの作業になっていますし。
参考記事:そろそろ「ホッテントリメーカー」について、ひとこと言っておくか(2011年06月17日)
ただし、選び方にも若干のこだわりがあるので、「ホッテントリメーカー」のご利用を検討されている方は、上記記事のご一読をオススメしておきます。
◆また、タイトルだけでなく、「リード文」や「書き出し」までカバーしているのが、本書の特長。
ネット記事でも、タイトルでクリックしたものの、その後を読み続けるか否かは、ここにかかっています。
アクセスさえしてもらえばいい、という話なら別ですが、その後の何らかの「アクション」を望む場合、ここが分かれ目なのではないか、と。
当ブログの場合、記事の冒頭は「ほぼ定型」で、あまり工夫のしどころがないのですが、一般的なブログをお書きの方なら、ここも要チェックでお願いします。
ブロガーなら、読んで損のない1冊!

一瞬で心をつかむ 77の文章テクニック
◆Part1 一瞬で心をつかむ「タイトル&見出し」のテクニック
◆Part2 「組み合わせ」で効果10倍! 「タイトル&見出し」の複合テクニック
◆Part3 一瞬で心をつかむ「つかみの文章&リード文」のテクニック
◆Part4 一瞬で心をつかむ「書き出し」のテクニック
◆Part5 一瞬で心をつかむ「ストーリー&長文」のテクニック
【関連記事】
【文章術】『150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方』高橋フミアキ(2011年11月10日)そろそろ「ホッテントリメーカー」について、ひとこと言っておくか(2011年06月17日)
【77のテクニック】「キャッチコピー力の基本」川上徹也(2010年07月26日)
【フツウにスゴ本】「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ (著), 神田昌典 (監修)(2008年10月20日)
【マル秘10選】『「アイデア帳」に収めておくべき38の見出し例』から選んだ10パターン(2011年08月20日)
【編集後記】
◆今回の本に近い内容で、同じくらい役立つのがこちら。
キャッチコピー力の基本 ひと言で気持ちをとらえて、離さない77のテクニック
3年以上前の本なのに、中古価格が崩れていないのがスゴイです。
未読の方は、要チェックで!

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はじめまして。
この本を買うか悩んでて、検索で辿り着きました。
この本は、最初の数行のお話だったのですね。
タイトルを見た時、文章全体の事を書いてある本なのかと思っていました。
タイトルだけなら似た本を持っていたので、購入せずに済みました、ありがとうございます。
この本を買うか悩んでて、検索で辿り着きました。
この本は、最初の数行のお話だったのですね。
タイトルを見た時、文章全体の事を書いてある本なのかと思っていました。
タイトルだけなら似た本を持っていたので、購入せずに済みました、ありがとうございます。
Posted by アビ太郎 at 2013年12月22日 10:24
>アビ太郎さん
レス遅くなって申し訳ございません。
一応、全部が全部出だしの話だけ、ということではないものの、確かにほとんどがそうでした(汗)。
まぁ、出だし悪かったらそれ以降も読んでもらえないわけですから、大事だとは思います。
ご参考まで……。
レス遅くなって申し訳ございません。
一応、全部が全部出だしの話だけ、ということではないものの、確かにほとんどがそうでした(汗)。
まぁ、出だし悪かったらそれ以降も読んでもらえないわけですから、大事だとは思います。
ご参考まで……。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年12月23日 20:26
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