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2013年11月18日

【モテファッション】『大人のための私服の教科書』久保田卓也


大人のための私服の教科書
大人のための私服の教科書


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、タイトル通り「社会人の非スーツスタイル」指南本。

著者の久保田卓也さんは、フリーのスタイリスト兼ファッションプロデューサーであり、また服飾専門学校の講師でもあることからか、本書は「おしゃれの授業」の実況中継風な作りとなっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「最近Tシャツとジーンズが似合わなくなってきた…」
「同窓会に何を着ていけば…」
「カジュアルデーめんどくさい」
―――そんな30代以上の男性のために、服飾専門学校の人気講師が今日からできる≪年齢に見合った、キメ過ぎず、どこに出ても恥ずかしくない服装≫のコツを伝授します。

本書のヒミツは「K値」という「おしゃれ測定法」にありました!




【ポイント】

■1.おしゃれの基本"K"はカッチリのK
 スーツ姿の男性はまさに「カッチリ、すっきり……な感じ」の塊。先ほども言ったようにこの感じを表す値を「K値」とします。K値は1〜10までの10段階。最高にカッチリした雰囲気のK値を10とすると、スーツはまさしく「10」なんですね。オン、オフでいうところのオンの状態。
 K値が1 (1K)は、カジュアル、ラフ、オフな格好を指します。皆さんオフの日はどんな服装で過ごしてますか? ジャージや上下のスウェット? そう、まさしくその部屋着の格好が1Kなんです。(中略)
 実は立派な成人男子たるべき私服の基準というのがちゃーんと世の中にはあるんです。結論から言ってしまうと、誰が見ても好感を持ってもらえそうな、理想的な"適度なおしゃれ"のK値は6〜7ぐらい。


■2."デニム中毒"から抜け出そう
 ジーンズには落とし穴があります。楽なので2〜4Kくらいのくたびれジーパンばかり穿いてしまう人がいます。そういう方は上半身も同じような楽ちんアイテムであるTシャツやネルシャツ、トレーナーなどを選んで着てしまいがち。一見、似たような「楽ちんアイテム同士」だから相性が良い=良いコーディネイト、というふうに思いがちですが、K値の観点からするとNGです。なぜなら、これだと上下とも「低K値アイテム」なので、どう頑張っても全身のK値が4〜5Kどまりになってしまうからです。


■3.アクセサリーは禁止!
 男性は基本的にアクセサリーをしてはダメ。ちょっとでもおしゃれを知り始めた人は、次にアクセサリーに走る傾向があるけど、これは非常に危険。(中略)
女性はキラキラしたものが似合いますが、男性が同じことをしてしまうと、今の世の中ではかなりひんしゅくを買います。しかも、アクセサリーって一度付け始めると感覚がマヒしてどんどんエスカレートする傾向があるから厄介。そういうときって、本人の満足感とは逆に周りは引いている。


■4.服屋さんで買う靴にハズレなし
 洋服屋さんの商品構成比は、洋服が9割で、残りの1割が「小物」と呼ばれるもの。(中略)
小物はたった1割のシェアで、たくさんの種類に分かれるからこそ、厳選された「売れ筋の、今みんなが欲しいアイテム」だけが置いてあるのです。ハズレを置く余裕がないんですね。(中略)
 洋服屋さんで小物を買ったほうがいい理由がもう1つあります。洋服屋さんに置いてある小物は、必ずその店の洋服とのコーディネイトを考えて置いてあるんですね。(中略)
 つまり、服を買ったお店でついでに靴も買えば、自分でコーディネイトを考えなくても勝手に合っちゃうんです。


■5.初心者のためのコーディネイト4種の神器!
1.長袖の白いシャツ(8〜9K)

2.チェックのパンツ(8K前後)

3.つま先が丸くて、黒い革靴(8K前後)

4.黒の無地でつばが一周しているハット型帽子(8〜9K)


(詳細は本書を)


■6.イメージカラー(4種類)の中からメイン1色、サブ1色を選ぶ
 ちなみに、メインカラーのおすすめは無彩色または暖色。この2系色は多くの色と相性が良く、コーデがしやすいので初心者にうってつけのメインカラーです。それとは逆に寒色と中間色はややクセが強い色なので、これをメインにした場合、サブカラーとのバランス取りがよりシビアになってきます。そのあたりがわずらわしい人はとにかくメインカラーに無彩色か暖色を、サブカラーにはそれ以外のものを持ってくればまず間違いはありません。


■7.下重心でおしゃれに見せる
 比較的分かりやすいのが、右のようなコーデ。
 上半身が「ピッタリめのトップス」で、下半身が「ゆったりめのパンツ」です。ひとまずは色とかデザインは気にしなくていいですよ。見た感じ、上半身は軽くて下半身は重い感じがしません?
「重心」っていう言葉ご存じですか? バランスを保っている中心点っていう感じで考えていただければいいのですが、ファッションでは重心が下にある方が安定して見えるんです。これを下重心というんですが、基本、コレさえ守っておけば取りあえず『小ギレイ&なんとなくおしゃれ』に見えるんです。簡単でしょ?


【感想】

◆なかなか「斬新」なコンテンツでした。

従来「ファッションセンス」と言われていたものを、本書では「K値」という独自の数値を用いて可視化しているのですが、これは色々なファッション本を読んできた私にとっても初耳なもの。

上記ポイントでも触れられていますが、もうちょっと詳しく書くと、まず各アイテムごとに固有の「K値」というものがあります。

例えば、本書にある例から拾うと
●ベスト⇒8K

●クッタリしたネルシャツ⇒5K

●ボロいジーンズ⇒2K
という組み合せだと、この3つの合計の平均値である5Kがこのコーディネイトの「K値」ということ。

ここに、もっとK値の高いアイテム(「7〜9」の帽子、くつ、眼鏡等)などを加えれば、「おしゃれゾーン」である「6〜7」になる、という次第です。


◆各アイテムのK値については、そもそものアイテム固有の数値だけでなく、それらの形状や素材によっても変わるのがミソ。

例えば眼鏡は、同じオーバルであっても、「ツーポイント(縁なし)」だと高く、セルフレームだとかなり低くなっています。

同様にニットも、編み目の細かいハイゲージは高く、編み目の荒いローゲージは低いということに。

なお、各アイテムの数値については、感覚的にピンと来なくとも、「ワードローブチェック表」がありますので、そちらで確認可能かと。

さらには、扱っている商品層から、各ファッションショップ(セレクトショップ&ファストファッションショップ)自体のK値も本書には記載されています。

あるK値のアイテムが欲しい場合、このショップのK値を確認してから行けば、失敗する可能性も低そうな。


◆また、このK値以外の指標として、上記ポイント6番目の「イメージ配色メソッド」、7番目の「ウエイト・コントロール」といったTIPSもアリ。

ホントはK値だけではなくて、こういう基準も組み合せてコーディネイトを決定するのが上級者なのだと思われ。

……すいません、ボリュームの関係でこれらについてはほとんど割愛してしまいましたので、詳細は本書にてご確認を。

というか、「割愛」という意味では、6講以降は丸ごとカットしてしまっているので、下記目次をご覧になって、気になる項目がありましたら、書店等にてチェックしてみてください。


理詰めでコーディネイトを決めたい方ならオススメ!

大人のための私服の教科書
大人のための私服の教科書
第1講 脱スーツ
第2講 アイテムを揃えよう
第3講 ハズさない服選び
第4講 超シンプル! 色合わせの極意
第5講 バランスをとろう
第6講 スーツで遊ぼう
第7講 ブランドと小物、巻き物
第8講 目指せ! 上級者への道


【関連記事】

【お洒落】『9割の人が間違った買い物をしている 成功している男の服選びの秘訣40』宮崎俊一(2012年12月20日)

【モテ?】『男の休日着こなしの方程式』森岡 弘(2012年05月21日)

【敏腕スタイリスト発】『男のお洒落の方程式 たかが見た目で損をしない』森岡 弘(2011年06月02日)

【モテ?】『ファッション・ライフのはじめ方』高村是州(2012年04月20日)


【編集後記】

◆今日の本の著者である久保田さんの前著。

カジュアル好感度アップセミナー (アルファポリス文庫)
カジュアル好感度アップセミナー (アルファポリス文庫)

この文庫本自体が2008年の作品ということで、激安価格となっています。

内容紹介に「『人としてモテる』技術が身につく本」とあったので、アマゾンアタックしましたw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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この記事へのコメント
               
smooth様
はじめまして、こんにちは。
このたびは拙著『大人のための私服の教科書』をご紹介いただき、誠にありがとうございました。客観的に要点をスマートにまとめていただきまして、とても勉強になりました。私が本書内で伝えたかったことが、ギュっと凝縮されて伝わってきます。この記事を読んで、ひとりでも多くの「私服で困っている男性」のお力になれれば著者冥利に尽きます。
うれしくてすぐに御礼を、と思ったのですが、迷ったあげくこちらのコメント欄に書きこませていただきました。もし不適切なようであれば大変お手数ですが削除していただければと思います。ありがとうございました。

Posted by 久保田卓也 at 2013年11月18日 11:01
               
>久保田卓也さん

著者様直々のコメントありがとうございます。
記事にも書いたように、私もそれなりにファッション本を読んでまいりましたが、本書というか久保田さんの理論は、かなり「目からウロコ」でした。

ファッションにこだわりのある人たちがどう思うかは別として、「センス」のように可視化できないものではなく、「K値」のようなロジカルなもので着こなしを考える、というのはアプローチとして説得力があると思いました。

次作も期待しておりますので、今後ともよろしくお願いします!

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年11月19日 06:39