2013年11月17日
【就職&転職】『20代のための「キャリア」と「仕事」入門』塩野 誠
20代のための「キャリア」と「仕事」入門 (講談社現代新書 2235)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、学生さん並びに20代の方なら「マスト」な1冊。東洋経済オンライン「キャリア相談:君の仕事に明日はあるか?」で人気の塩野 誠さんが、就活やキャリアについてQ&A形式で回答してくれています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
この本では若いみなさんの働くことに関する疑問や悩みごとについて、ひとつひとつお答えする一問一答形式をとっています。
答え方としては、私が就職活動の時や、社会に出たばかりの時に知っておけばよかったと思ったことをお伝えしています。
何も知らずみんなが応募するような企業にエントリーし続ける前に、知っておくべき「世の中の常識」はたくさんあります。
ぜひ「こんな考え方もあるのか」と思って読んでください
うーむ、私も20代の頃に本書を読んでおきたかったカモ!?
【ポイント】
■1.「教わり上手」になっておく今の社会で「仕事ができる」と思われている大人は、間違いなく若い頃教わり上手だった人です。優秀な経営者や政治家は他人からうまく教わって情報を引き出し、自分の中で咀嚼して、あたかも自分で考えたことのように言ったり実行したりするのが上手です。就活だけでなく社会に出ていいスタートを切るためには、変なプライドを捨てて「教わり上手」になっておくのが一番です。素直さはパワーなのです。
■2.地道に努力してスキルを身につける
もしみなさんが「自分には何も取り柄やスキルがない」と本当に思うのであれば、たいていのことはできるものです。しかも現在の日本において、ハングリーに努力する人(努力できる人)は意外に少数派なので、少し頑張っただけですぐに頭一つ抜け出すことができます。朝早起きをして家を出るまでの時間、あるいは通学・通勤途中などの移動時間……他の人が遊んでいるちょっとした空き時間にどれだけコツコツと努力を重ねられるかで勝負は決まるのです。
■3.ベンチャーに行くなら早いうちに
べンチャーに行って失敗して、再就職するといったことは本当に若いうちにしかできないので、本気で「いつかベンチャーに行きたい」と思っているとしたら、今すぐにでも行った方がいいです。そして失敗するならできるだけ早めに、お金をかけずに失敗するべきです。「ベンチャーは危ないから行きません」と言う人はまったく向いていないので、最初からベンチャーに行くことは考えない方がいいです。ただこれからの時代はどんな大企業・有名企業であっても、今以上に一生安泰といった企業は少なくなってきますので、未来から見たリスクはそんなに変わらないかもしれません。
■4.転職市場で一番高く売れる人材は?
現在、転職市場で一番高く売れるのは、海外で資本提携、事業提携などをまとめることのできる人材です。資本提携や事業提携というのは、ビジネスで必要となる網羅的な知識が超短期間で要求されます。自分の会社の強みを理解しているとともに社内の人脈も豊富に持っていて、海外の事業環境を正確に分析できる人。なおかつ外国語が堪能で交渉事がこなせ、事業計画や契約書を作成できるような人が、転職市場では高く売れます。
■5.MBAはキャリアチェンジに有効
みなさんの中に学歴を変えたい人がいるのであれば、若ければ仕事を辞めて行くのもいいと思いますし、キャリアチェンジをしたい時や働く業界を変えたい時に、いったんMBA等に行ってやり直すのはアリです。そうでないと他業界に行くような大きなキャリアチェンジをすることはなかなか難しいです。今はアパレルにいるけれども、金融に行きたいといったケースは結構難しいので、実際に何が学べるかは別として、キャリアチェンジのツールとしてMBAを取得するというのはアリです。
■6.転職は35歳までにするか人脈を作っておく
これは若いみなさんにはあらかじめ知っておいてほしいのですが、一般的には35歳ぐらいまででないと転職は難しいと言われています。35歳を過ぎてからの転職は、ネットや新聞に掲載されている求人広告に応募するというよりは、それまでに作ってきた人脈を活かし、今までの仕事の付き合いの中から、どこかの会社に引っ張ってもらうといった転職になるものです。もしそういった人脈がないのであれば、社会に出てそこまで仕事をしてきた中で、いざという時に頼れる人脈を作れなかったことや必要とされるスキルがないことが問題です。
■7.履歴書は盛って書かない
まだ20代の若い人ならば普通は職務経歴書に書ける要素もそんなに多くはないので、無理して盛って書いてしまうこともあると思います。しかし30代も半ばを過ぎれば、職務経歴書からプレゼンテーションは始まっている訳なので、そのブレゼンテーションの質疑応答にうまく答えられないとなると、次の面接には進めなくなってしまいます。そんな時、面接官は「同じことを仕事でやられたらイヤだな」と思うわけです。つまり、資料に盛り過ぎて答えられないプレゼンを、営業でやられたら困ると想像してしまうのです。
【感想】
◆今回は新書だけにページ数はそれほどないのですが、付箋を貼りまくりました(先日画像を掲載したばかりなので割愛しましたが)。もちろん、タイトルにもあるように「20代のための」本なわけですから、今の私にはまったく活かしようがない知識がほとんどです。
そもそも、今や自営業の私は、転職しようもないですし。
それでも、冒頭に書いたように、学生時代、さらには内定もらってから、といった時点で読んでおけば、その後の会社員人生が変わったかも、と思わされるTIPSが多々ありました。
割愛した部分だけで、もう1本書いちゃおうか、ってくらい……。
◆たとえば「学生時代なら、働きたい業界で『無給でいいから働かせてください』と言うと、バイトでもぐりこめることがある」とか。
自分も学生時代には某業界で働くことを夢見ていたのに、ついぞやそんなことも考えつきませんでしたよ(遠い目)。
何せゼミのOBは、その業界に山ほどいたのに、話を聞きに行ったのも、前の年にその業界に行った1人の先輩だけ(しかもゼミに来て話をしてもらった)という怠慢さ。
同じように、学生なら「『会ってみたいのですが』と伝えて会ってもらえることがある」というのもそう。
今ならFacebookやTwitterがあるので、少なくとも私の時代よりは、そういうことをするハードルは下がっています。
特に本を出しているような人なら、ポジティブな感想なり書評を書いて、相手からのアクションを待って話しかけられるワケですから。
◆また「自分はもう社会人なんで」という方も、第3章の転職関係のお話は一読の価値アリ。
上記ポイントにあるように「転職は35歳まで」なんていうと、逆に若いうちにガンガン転職をすればいいような気もしますが、しすぎるのもマズイとのこと。
具体的には「20代の転職は2回まで」であり、「3回していると書類で落とす」というのが一般的なのだそうです。
実際、転職の多かった著者の塩野さんも、あるヘッドハンターに会った際に、面と向かって「何これ、汚い履歴書」と言われたのだとか。
ただしそういう場合でも、「かなり際立った実績がある」とか「信頼できる人からの紹介がある」のなら話は別とのこと。
ただ、いずれにせよ、転職は少なめの方が無難らしく……。
◆なお、本書収録の疑問点は、その多くがアマゾンの内容紹介に記載されています。
Amazon.co.jp: 20代のための「キャリア」と「仕事」入門 (講談社現代新書 2235): 塩野 誠: 本
学生の方なら「就活のためにやっておくべきこととは?」辺りは必見かもしれません。
4年生になってからでは間に合わないかもしれませんが、「ボランティア」「サークルの代表」といったお約束の経験が、いかに面接で役に立たないかは分かるかと。
ここではネタばらしはしませんけど、「就職」だけでなく「起業」にも通じることなので、社会人の方でもぜひ意識して頂きたく。
私はこの年(アラフィフw)でも、本書を読んで良かったと思いましたし、それが故に、当ブログでもお薦めする次第です。
会社勤めをするなら、ガチで必読!
20代のための「キャリア」と「仕事」入門 (講談社現代新書 2235)
第1章 ようやく就職先が決まったのに家族は大反対です
―就活から入社前までに知っておくべきこと
第2章 友達より年収が低いのはなぜ?
―入社前後に知っておくべきこと
第3章 転職するなら35歳までに決断したほうがいい
―転職前に知っておくべきこと
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【オススメ】「キャリア・ショック」高橋俊介(2009年04月11日)
【編集後記】
◆同じ塩野さんの、起業志望者向けの本がこちら。リアルスタートアップ ~若者のための戦略的キャリアと起業の技術~
こちらも「若者向け」なのがアレですがw
ご声援ありがとうございました!
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