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2013年11月15日

【成功本?】『成功は“ランダム"にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方』フランス・ヨハンソン


成功は“ランダム
成功は“ランダム"にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、結構前の「未読本・気になる本」で取り上げて、そのままにしていた1冊。

そちらでも書いたように、著者が名著『メディチ・インパクト』のフランス・ヨハンソンということで、これは見逃せないな、と思った次第です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
予測不可能な世界では過去の分析や未来予測には意味がない。コントロール不可能と考えられている「偶然や運」を取り込むことが成功への道なのだ。本書では、成功者や企業の事例を豊富に挙げながら、ランダ ム性・偶然・運を取り入れ方から成功するための方法までを紹介。

本書で指摘されている、『天才! 成功する人々の法則』でマルコム・グラッドウェルが提唱した「1万時間の法則」の「穴」とは!?

そしてこのように付箋も貼りまくっております!






【ポイント】

■1.鋭い論理が成功への近道とは限らない


iPad / Sean MacEntee

 私たちは、物事を分析すれば成功を手にする可能性が高まると信じ込むくせがついている。鋭い論理は成功への近道だと信じている。しかし、もし成功への道が論理的だったら、誰もがすぐにその道を発見できることになり、結局その道は効果的ではなくなってしまう。たとえば、タブレット型コンピュータの例を見てみよう。アップルがiPadを発売したとき、この手の製品に大きな需要があることがすぐに判明した。(中略)
タブレット型コンピュータの需要が増加することは誰にでも予測できた。けれど、それによって何が起きただろう? 誰もが同じ予測をした。そして1年以内に64社が102種類のタブレット型コンピュータを開発したが、どれもたいした利益にはならなかった。


■2.著者にヴァンパイアの知識がなかったからヒットした『トワイライト』

Twilight (The Twilight Saga)

 少しでいいから想像してみてほしい。メイヤーが小説を書きはじめる前に、ヴァンパイアの性質を論理的に調べたとする。新しいプロジェクトや機会に臨む前に現状を分析し、それに従って計画を立てるのは普通のことだ。分析結果を手にしたメイヤーは、自分のアイデアは、実際には成り立たないことに気づく。ヴァンパイアが昼間は眠らなければならないとしたら、エドワードとべラはクラスメイトになれない。(中略)
こうなると、『トワイライト』を大きな成功に導いた要素が1つずつ削られていく。一般的な概念に従ううちに、メイヤーの小説からはランダム性が徐々になくなっていき、予測しやすいものになっていく。


■3.好奇心に従う


Starbucks / marcopako 

 なぜ好奇心はこれほどクリック・モーメントを生み出しやすいのだろうか? それは、何かおもしろいことが起こっていると直感があなたに告げるときの手段が、好奇心だからである。「何かおもしろいこと」が何なのかはわからない。だから好奇心は、ピースがつながるまで探索しつづけろとあなたを駆り立てる。(中略)
 ハワード・シュルツが行ったのはまさにこれだ。エスプレッソ・バーを見つけ、店内で何が起こっているかを見たシュルツは、何かおもしろいことが起こりそうだという予感を持った。そこで彼は手がかりを求めつづけた。そして初めてカフェラテを味わったとき、ピースがつながったというわけである。


■4.何回も賭ける

Pablo Picasso

 1回の目的ある賭けにはある程度の成功確率しかないとすると、賭けの回数を増やせば増やすほど、成功しやすくなる。何度も挑戦すればするほど、うまくいく確率は高くなるというわけだ。芸術界におけるピカソの影響力から想像すると、ピカソは想像以上に数多くのサイコロを振ったに違いない。実際、その通りだった。(中略)
彼の作品の多くは、世界中の地下室で埃をかぶっている。理由はちゃんとある。ひどい絵だからだ。ピカソには、どの作品が称賛されてどの作品がリサイクルに回されるのか、確信を持って予想することはできなかった。彼は、同等確率の法則に従って、作品がものになるかどうかの賭けをした。その結果、ピカソの作品は彼を成功に導いたのである。


■5.小さく賭ける


Lauryn Hill introducing Chris Rock / hicharice

(クリス・)ロックがHBO向けに1時間の番組を企画したとき、彼は何か月もかけて全国のコメディクラブを訪れ、たくさんのジョークを試して番組に備えた。ほとんどのジョークはウケが悪く、観客はテレピでいつも見ている天才コメディアンにいったい何が起こったのかと戸惑った。もちろん何があったわけでもない。ロックはただ、限られた観客にネタを小出しに披露することによって、コストを最小化しただけだ。こうして彼は目的ある賭けを無数に行い、のちに観客を笑い転げさせるという儲けを得た。


■6.驚きに注目する


Pfizer Viagra mouse / matsuyuki

 バィアグラのケースでは、ファイザーの研究者が驚くべき意外な発見――予測した研究範囲とは一致しない発見――をした。これをただのおもしろい気晴らしとして扱い、無視するのは簡単だ。実際、私たちの多くは同じ状況で同じことをするだろう。もし特定の何かを探しているなら、例外は無視してそのまま本業に集中する。だが、ファイザーは驚きのなかにチャンスがあることに気づき、それを追究した。


【感想】

◆ちょっと長くなってしまったのでこの辺で。

本書は翻訳本らしく、事例が大変豊富でした。

またその事例に興味深いものが多く、上記ポイントでもご紹介しきれないものが多々。

たとえば、予想外のヒットの話で登場したのが、オゾンの「恋のマヒアヒ」のアメリカでの大ヒットの元となったこちらのYouTubeの動画。

注:動画削除されました💦

この曲、世界中でヒットしていたにもかかわらず、アメリカだけはまったくの不発でした。

ところが、上記動画が爆発的なヒットとなり、曲も大人気に。

もっとも日本では、ご存知のようにのまネコの動画で有名になったワケですが。




◆また、大ヒット作家として知られるスティーヴン・キングは、その作品のクオリティがヒットの要因だと思われていますが、必ずしもそれだけでもない、というお話も。

なぜなら、彼が「リチャード・バックマン」というペンネームで密かに発表した作品は、どれもパッとしなかったから。

Thinner
Thinner

……いや、なんかクレジットも今では思いっきり「スティーヴン・キング」名義なんですがw

実際、リチャード・バックマンがキングであることが知られてからは、バックマン名義の本も売れ始め、売上はあっという間に300万ドルに達したのだそう。

つまり、スティーヴン・キングが売れたのも「偶然」の要素が否定できないワケです。


◆そこで「成功」するには、上記ポイントの4番目にもあるように「何回も賭ける」こと。

その際には、決して「一発勝負」ではなく、資源が枯渇しないよう「小さく賭ける」のはポイントの4番目にもある通りです。

その辺のことを掘り下げたのが、以前当ブログでもご紹介したこの本。

小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密
小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密

参考記事:【オススメ】『小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』ピーター・シムズ(2012年04月05日)

また本書では、著者のヨハンソンが、某巨大企業のCEOから聞いた話が紹介されていました。

曰く「画期的な開発をするための予算として、ある幹部に300万ドルを与えたが、可もなく不可もなくといったものしか出てこなかった」とのこと。

それに対してヨハンソンのしたアドバイスは、「予算を50万ドルずつ6つに分け、それぞれ別の6つの賭けに使うべき」「50万ドルから少しずつ使い、1/4の金額で何らかの結果を出せるよう挑戦せよ」というもの。

確かにその方がチャンスは増えそうですね。


◆それより私が本書で一番衝撃を受けたのが、冒頭でも触れたように、あの有名な「1万時間の法則」に「穴」があるということ。

ご存知ない方のために、紹介しているサイトを載せておきますが。

"天才"に生まれ変わる「10000時間の法則」 - NAVER まとめ

天才!  成功する人々の法則
天才! 成功する人々の法則

具体的に、この『天才! 成功する人々の法則』の事例にケチをつけているわけではないものの、パッと思い当たるところでは、ビートルズやビル・ゲイツの成功と「1万時間の法則」とはぶっちゃけ関係ないことに!?

この部分については、私もヨハンソンの意見の方がしっくりきました……って分かる人には分かってるでしょうけど、一応ネタバレ自重で。


◆元々、このフランス・ヨハンソンは、前著である『メディチ・インパクト』で、アイデアの発想法を分析していました。

メディチ・インパクト (Harvard business school press)
メディチ・インパクト (Harvard business school press)

参考記事:「メディチ・インパクト」 フランス・ヨハンソン (著)(2006年05月15日)

本書ではそれをさらに「成功法則」という分野に発展させたという。

「分析」を否定して、「ランダム」を謳っているため、ロジカルな考え方をなさっている方には、受け入れにくい部分もあるかもしれませんが、本書に登場する数々の「偶然の成功」を目にすると、上記ポイントにもあるように、挑戦の回数を増やし、その確率を高めることが、結局、成功への近道なのではないかと思ってみたり。

もちろん、事例だけ読んでも、読み物として面白かったですがw


成功したい方は、要チェックで!

成功は“ランダム
成功は“ランダム"にやってくる! チャンスの瞬間「クリック・モーメント」のつかみ方
PART 1 予測不可能な世界
 1.成功の法則は、ある。
 2.セリーナ・ウィリアムズ強さの秘密
 3.ノキアはなぜ迷走したのか?
 4.空前のベストセラー小説『トワイライト』が生まれた理由
 5.ランダム戦略

PART 2 チャンスをつかめ!
 6.ダイアン・フォン・ファステンバーグの三つのランダム戦略
 7.クリック・モーメントとは何か。
 8.クリック・モーメントを起こす方法
 9.目的ある賭けとは何か。
10.目的ある賭けをする方法
11.複雑エネルギーとは何か。
12.複雑エネルギーを利用する方法


【関連記事】

「メディチ・インパクト」 フランス・ヨハンソン (著)(2006年05月15日)

【オススメ】『小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』ピーター・シムズ(2012年04月05日)

【勝間さん激賞!】「天才!成功する人々の法則」がいよいよ発売へ!(2009年05月13日)

【スゴ本!?】『ルールを変える思考法』川上量生(2013年10月10日)

『戦略思考トレーニング』が想像以上に凄い件について(2013年04月20日)


【編集後記】

◆最近買った本。

日本代表がW 杯で優勝する日 (朝日新書)
日本代表がW 杯で優勝する日 (朝日新書)

テーマ的に、当ブログでご紹介できるかは微妙ですがw


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