2013年11月14日
【著者&出版関係者必読!?】『印税で1億円稼ぐ』千田琢哉

印税で1億円稼ぐ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で取り上げた1冊。「著書累計140万部超」の人気著者・千田琢哉さんが、デビューからヒットまでの秘密をあからさまに語っており、まさに「著者&出版関係者必読」とも言える内容です。
アマゾンの内容紹介から。
デビュー、テーマ、出版社、販売促進、ヒット作―ミリオンセラー作家、初公開。「夢のような話」を現実にしたい挑戦者たちへ。
この手のブックマーケティング的なテーマが大好きな私としては、「まさにツボ」でした!
【ポイント】
■1.はじめに、プロフィールありきビジネス書の場合は、読者はプロフィールを一瞥して自分より格上か否かをチェックする人が多い。
「この著者から学ぶ価値があるか否か」をシビアに判断されるのだ。
年齢・学歴・職歴・実績といった著者の情報を総動員し、自分より格下の相手だと判断されればサヨナラである。
これは私が書店で人間観察をしてきた1次情報、読者ヒアリング、出版社の営業経験者との会話から浮き彫りになった事実だ。
つまり、内容以前にプロフィールが評価されることが大切なのだ。
■2.本を出す前に自力で原稿を書いておく
「本を出すコツはありますか?」という質問は多い。
本を出すコツを知る前に、そもそも原稿を持っていない人が多い。
「原稿はないけど企画ならあります」と言う人の企画は、たいていつまらない。
原稿を書き上げることによって、企画は初めて具体的になるのだ。
本を出したいのに、原稿をまだ一度も書いたことがないこと自体、本気ではない証拠だ。
■3.ブログで相手が読みたくなる内容を書く
出版に直結するブログにはコツがある。
それは「自分が書きたい内容を書くのではなく、相手が読みたくなる内容をこれでもかというほどわかりやすく書くこと」に尽きる。
私の場合、誰からも相手にされなかった時期は、ブログを書き溜めておくことで精神の安定を保っていた。
その結果、ブログがそのまま書籍化されたことはこれまでに一度や二度ではない。
編集者の中には、ブログで著者の文章力や魅力をチェックしている人も多い。
■4.発売前の販売促進に注力する
出版日までの間は、自分に考えられる販売促進をすべて試してみることだ。
ブログで告知したり、お世話になった人に手紙を書いたりするなど今すぐできる当たり前のことをとことんやるのだ。(中略)
「大きな効果があるかどうかわからないけど、やったほうがいいな」と感じることはすべて試してみることだ。
発売後に「あれもやっておけばよかった」と後悔するのは最悪だ。
どうせなら「あれはさすがにやり過ぎだったな」と後悔したい。
発売前の販売促進で処女作の売れ行きはほほ決まってしまう。
■5.直近2年間のベストセラーはすべて購入する
最低でも直近2年間のべストセラーにはいつも触れておこう。
中身を読むのはもちろんのこと、表紙やオビのコピー、紙質とその匂いに至るまでとことんしゃぶり尽くしておくことだ。
その際、なぜ売れたのかは必ずしも言語化できる必要はない。(中略)
断言していいが、べストセラーを出す不変の公式など存在しない。
公式には変数があり、変数はその時代の人の気分で左右される。
人の気分の集大成が、景気であり経済なのはご存知の通りだ。
人の気分の変数を精度高く読解するために、本物に直に触れるのだ。
■6.「著者」×「編集者」×「営業」で、売れ行きの49%が決まる
売れ行きは、足し算ではなく掛け算で決まる。
「著者」「編集者」「営業」のいずれか1つゼロだと、結果はゼロになる。
それどころか、いずれかにマイナスがあれば結果はマイナスになる。(中略)
これまでの私の経験では、著者の実績に応じて対応する編集者も変更されていく。
同じ出版社でも本ごとに編集者が交代することはもちろんのこと、同じ本の執筆途中で編集者が交代したことも一度や二度ではない。
有能な編集者であれば、社内での地位も高いから営業も協力する。
結果として本が売れやすくなるというわけだ。
■7.どん底時代の没原稿の山が、売れた後に役立つ
これは私の経験談だが、べストセラーを出した後に役立ったことはそれまで没原稿として書き溜めていたストックだった。
あれだけボロクソに批判された没原稿を売れた後にサッと見せると、掌を返したように「これは面白い! ぜひ、うちでやらせてください」と言われたものだ。
「もう他に原稿は残っていませんか?」と催促されることもしばしばだった。(中略)
この経験を通じても人生に無駄なことは何一つないということを、再認識させられた。
【感想】
◆本書は下記目次のように、段階を踏んでTIPSが紹介される構成になっています。第1章では、まったく本を出したことのない状態から、処女作まで。
第2章では、処女作の出版が決まってからの販促等について。
第3章では、ベストセラーとも言える「10万部突破」の方策について。
第4章以降は、「10万部突破」した後のお話ですから、普通の著者さんでさえ役立てようがない気もしますが、一応将来をイメージするということでw
ですから、まだ本を出されていない「著者志望」の方であれば、まずは第2章を熟読することを推奨。
◆さて、この手のテーマは、本として読みたくとも、そもそも書ける著者さんがいません。
「出版にこぎつけるところまで」なら、1冊でも商業出版をされた方なら理論的には可能ですけど、自著が「10万部突破」している著者さん自体、数が少ないですから。
当ブログで今までご紹介した中では、この本くらいでしょうか?

読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書)
参考記事:【読書】「読書進化論」勝間和代(2008年10月02日)
勝間さんの場合、ミリオン突破の後、土井英司さんのところでセミナー講師までおやりになられています。
参考記事:【勝間さんの秘密?】『出版戦略セミナー「最短で累計100万部を達成した戦略とは?」』に参加してきました(2008年05月01日)
◆実は上記ポイントでは割愛しましたが、千田さんも、土井さんのような出版コンサルタントの活用を薦めてらっしゃいます。
というのも、上記ポイントの6番目にあるように、ヒット作を出していない著者が、敏腕編集者に見てもらえる可能性が低い以上、「ベストセラー作家を目指すための知恵を獲得する」ためには、お金を払うしかないから。
『「著者」×「編集者」×「営業」』の方程式で言うなら、出版コンサルタントによって「著者」の部分の数字を上げるわけですね。
そして、千田さんも「出版コンサルタントのセミナーにゲスト講師として参加したことがある」というので、ググってみたら、こんなのがヒットしましたw
エリエス年末スペシャルセミナー <プロフェッショナルの祭典> | 本格的な商業出版をしたい人の支援サイト エリエス・ブック・コンサルティング
「自分以外のすべての講座も聴かせてもらったが、すこぶる質の高い情報のオンパレードだった」
「こんな貴重な情報を公開してもいいのだろうかと驚愕した」
とまでおっしゃっているので、興味のある方はこういうCDを聴いてみてもいいかもしれません(本書の中ではエリエスの事だと明言していませんので、もし違っていても責任は負えませんが)。
CD/教材 | 本格的な商業出版をしたい人の支援サイト エリエス・ブック・コンサルティング
◆とはいえ本書も、このお値段で得られる情報としては、かなりクオリティが高いと思います。
割愛した項目の小見出しだけでもこんな感じ……。
・大手出版社より、相性のいい中小・中堅出版社
・初版の印税は、すべて販売促進に回す
・有力紙の半五段広告は、効果アリ
・動画の公開だけは慎重に判断する
・1冊で100万部より、100冊で100万部を目指す
他にも、「書店に葉書を送り、そのまま手書きのPOPにしてもらう」というアイデアは、「なるほど!」と思いました。
著者&出版関係者は必読でお願いします!

印税で1億円稼ぐ
第1章 はじめの1冊
第2章 処女作は何が何でも増刷を
第3章 10万部セラーを叩き出す
第4章 売れた後の1年間
第5章 ピークを迎えてその後
【関連記事】
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【アマゾン攻略法】「私にはもう出版社はいらない」は業界関係者必読な件(2010年06月13日)
【勝間さんの秘密?】『出版戦略セミナー「最短で累計100万部を達成した戦略とは?」』に参加してきました(2008年05月01日)
【10万部超!】「ビジネス書を10万部売って目一杯儲ける方法」に参加してきました(2007年12月24日)
【編集後記】
◆先日の「AKB喰いナンパ師」さんの記事が、ホッテントリ入りしたおかげで、こちらの本をやたらお買い上げ頂きました(ありがとうございました!)。
「からだ」と「ことば」のレッスン (講談社現代新書)
最高位で「アマゾン15位」とかですから、分かる方には分かる結構な冊数です。
こういうのを見てしまうと、ブロガーに献本したくなる気持ちも分かりますが、そもそも私は献本をお断りしておりますし、それ以上に、ホッテントリ入りは、狙ってできるものではありませんので、予めご了承頂きたく。
……そんな不確定なものに頼るより、今回の千田さんの本を繰り返しお読みくださいマセ。

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この記事へのコメント
著者です。
とても面白く読ませていただきました。
今回も、ありがとうございます。
とても面白く読ませていただきました。
今回も、ありがとうございます。
Posted by 千田琢哉(せんだ・たくや) at 2013年11月14日 15:10
>千田琢哉(せんだ・たくや)さん
著者様直々のコメントありがとうございます。
できることなら、参加されたセミナーについても言及頂けると助かるのですが、その辺は、本でも明記されてないので、スルーということですかね……(笑)。
今後ともよろしくお願い申し上げます!
著者様直々のコメントありがとうございます。
できることなら、参加されたセミナーについても言及頂けると助かるのですが、その辺は、本でも明記されてないので、スルーということですかね……(笑)。
今後ともよろしくお願い申し上げます!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年11月15日 08:34
まさかの、御本人からのコメント。
さすが、人気のブロガーさんは違いますね。
千田さんの本は10冊くらいは読みましたが、本書は読まないといけませんね。
ちなみに、初めて読んだ千田本は、きこ書房から出ている本で当時の社長の川口徹さんから、献本されました。あの後、一気に千田さん、ブレイクした感じです。
さすが、人気のブロガーさんは違いますね。
千田さんの本は10冊くらいは読みましたが、本書は読まないといけませんね。
ちなみに、初めて読んだ千田本は、きこ書房から出ている本で当時の社長の川口徹さんから、献本されました。あの後、一気に千田さん、ブレイクした感じです。
Posted by 臼井正己 at 2013年11月30日 21:11
>臼井正己さん
コメントありがとうございます。
また、レスが遅くなって大変申し訳ございません。
ここのところ、コメントの8割以上が商材関係のスパムで、つい見落としてしまいました。
そういう臼井さんこそ、出版社の社長さんと直に話されているなんて、スゴイと思います(汗)。
千田さんも多作な著者さんなので、選んでご紹介しておりますが、この本は著者さんや著者志望者さんならマストだと思います。
ぜひご一読を……。
コメントありがとうございます。
また、レスが遅くなって大変申し訳ございません。
ここのところ、コメントの8割以上が商材関係のスパムで、つい見落としてしまいました。
そういう臼井さんこそ、出版社の社長さんと直に話されているなんて、スゴイと思います(汗)。
千田さんも多作な著者さんなので、選んでご紹介しておりますが、この本は著者さんや著者志望者さんならマストだと思います。
ぜひご一読を……。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年12月02日 07:54
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