2013年11月08日
【雑談?】『何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール』松橋良紀
何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール (中経の文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で見つけた「書き下ろし文庫本」。著者の松橋良紀さんは、かつては雑談が苦手で、訪問営業でクビ寸前になるような方でしたが、心理学を学ぶと、たった1ヵ月で全国トップセールスになられたのだとか。
アマゾンの内容紹介から。
雑談って何を話したらいいの? 気まずい時間ってどうすれば? 話ベタってもう一生直らない? そんな悩みはこの本ですべて解決します。雑談にも技術があるのです。雑談がうまい人に共通するパターンをまとめたこの一冊で社内はもちろん、取引先との会話やパーティーでもラクラク盛り上がる!
沈黙や気まずい雰囲気が苦手な方なら、要チェックです!
【ポイント】
■1.相手の感情は肩で見抜く意外と感情が表れる体のパーツが、「肩」です。
「肩をを怒らせる」
「肩肘を張る」
こんな言葉もあるように、肩はその人の感情を如実に表すことがあります。
相手の肩が上がっているようなら、怒りや恐れなどで緊張している証拠。
肩が落ち着かない様子なら、まだ打ち解けた関係ではないか、もしくは言いたいことを隠している可能性があります。
■2.雑談で否定的な話はしない
話の面白い人、話していて楽しい人、また会って話したくなる人というのは、否定的なものの言い方はあまりしないものです。何事に対しても肯定的に捉えて、前向きな話を心がけています。
否定的な話題をする時は、必ず最後にはプラスの情報を入れるようにしましょう。
同じ雑談をするなら、聞いてくれる人を楽しい気持ちにしてあげましょう。
■3.別れ際には気の利いた言葉を挟む
別れ際の一言は、あなたの印象に大きな影響を与えます。
ただ単に、
「それでは失礼します」
この一言だけ言って、その場を後にする人が多いです。
ちょっともったいないですね。
一言でいいので、気の利いた言葉を挟み込みましょう。「今日のお話は大変勉強になりました! ありがとうございました!」
「またお会いできるのを楽しみにしています!」
■4.口の重い人にはチャンクダウンする
ある話題に対して深く掘り下げ、内容を具体的・詳細にしていくことをチャンクダウンするといいます。(中略)
このチャンクダウンが口の重い人には有効なのです。(中略)
抽象的な言葉が返ってきたら、具体的に砕いていきます。
「たとえば?」
「具体的には?」
この2つの質問を使いこなしていくのがコツです。
■5.教えてもらって相手の自己重要感を満たす
人は誰しも、自己重要感に対する欲求が常に存在しています。自分のことを「価値ある存在」だと思いたいものです。そして、人に好かれる人は、相手に自己重要感を与えるのがうまいのです。
では、自己重要感を与えるにどうしたらいいのでしょう?
オススメの方法は、「教えてもらう」ということです。雑談の基本は、見えるものをネタにして話を広げていくことなので、相手の髪形、服、ネクタイ、時計、バックについて、教えてもらうことから始めてみましょう。
■6.相手の言葉をバックトラック(オウム返し)する
「あなたの話をきちんと受け止めていますよ」ということを示すのに、オウム返しはとても有効です。
モテる人は、こんなふうに自然に繰り返します。
「これ、おいしいね!」と相手が言ったら、すかさず
「うん、おいしいね!」
とても簡単なようですが、スムーズにできる人は意外と少ないです。
■7.アゴの動きを合わせてペーシングする
相手が話すときに、アゴを浅く動かしたら、自分も浅く動かします。
深くうなずいたら、自分も深くうなずきます。
その時、アゴを動かした回数も合わせるようにします。すると、不思議なことに、深いレベルで相手とつながっていくのを感じるようになるのです。
【感想】
◆上記ポイントでは一切触れていないのですが、本書の第1章「雑談はなぜ必要?」では、そのタイトル通り「雑談が必要な理由」について述べられています。まず、20代、30代のビジネスマン1000人に「雑談が得意か?」を問うたところ、約7割(正確には69.5%)が「苦手」と答えたとのこと。
かといって、雑談をしない、ということは、あるメッセージを相手に伝えている可能性があります。
それは「あなたとは深く付き合いたくない。損得だけの関係にしたい」というもの。
なるほど、この本が38万部も売れているのも納得です。
雑談力が上がる話し方―30秒でうちとける会話のルール
◆本書では、第2章で「雑談の基本」を指南。
「雑談の切り出しは天気ネタから」といったベタ(?)な話もありますが、一般的な雑談本と若干違ったテイストが根底にはありました。
というのも、松橋さんが「かつて学んだ心理学」というのが「NLP(神経言語プログラミング)」だから。
例えば、「へこんでいたり、落ち込んでいたりしている人」の気分を変えるためには、「相手の楽しかった体験を思い出してもらい、そのイメージを視覚、聴覚、体感覚で言語化」していきます。
具体的には「旅行の話」や「学生時代の話」などが該当するので、雑談を盛り上げるには、こんな風な質問をするのだとか。
「今度、旅行に行くなら、どこに行きたいですか?」
「学生時代に熱中していたことは、どんなこと?」
◆続く第3章「雑談の応用技術」では、もうちょっと高度なお話も登場します。
たとえば上記ポイントの4番目の「チャンクダウン」。
上記では割愛してしまいましたが、趣味を聞いて「スポーツ」と言われたら「たとえばどんなスポーツ?」と問いかけ、「野球です」と返ってきたら「具体的にはどのチームが好き?」と砕いていきます。
このように詳細を話しているうちに、相手がノッてきて、しゃべり始める場合が多いとのこと。
◆また「『チャンクダウン』があるなら『チャンクアップ』は?」というアナタのために(?)、本書では「チャンクアップ」についても解説されています。
ちなみに「チャンクアップ」とは、「話の内容を大きく捉えたり、本質的なことを明確にしたり、抽象的にすること」なのだそう。
要は「上位の概念レベルを聞きだす質問をする」ワケです。
本書では、具体的な質問フレーズも紹介されていますので、気になる方はそちらでご確認下さい。
◆私は「雑談」に関しては、「他愛もない話で盛り上げればいいんじゃね?」程度にしか考えていなかったのですが、それでは「大アマ」だということが本書を読んでよくわかりました。
そもそも、「ほとんどの人は準備が足りない」と著者の松橋さんは指摘されています。
たとえば「ネタ帳を持ち歩く」ですとか、「効果的な自己紹介を作り込んでおく」というのは、私自身も耳イタイところ。
さらには、上記ポイントの7番目のような、「雑談の技術」というにはハイレベルなスキルも身に付ければ、コミュニケーションスキルも高まりそうです。
文庫本でこの濃さなら「買い」だと思われ!
何を話せばいいのかわからない人のための雑談のルール (中経の文庫)
Chapter1 雑談はなぜ必要?
Chapter2 雑談の基本を身につけよう!
Chapter3 雑談の応用技術
Chapter4 雑談を盛り上げる聞き方の技術とは?
Chapter5 ビジネスで使える雑談の技術
Chapter6 雑談上手になるためのメンタルテクニック
【関連記事】
学生のうちに知っておくべき『仕事が9割うまくいく雑談の技術』のこと(2013年08月30日)【オススメ】『「対面力」をつけろ!』齋藤 孝(2013年06月19日)
【モテ?】『飲みの席には這ってでも行け!』に学ぶ「コミュ力」アップ7つのポイント(2013年06月03日)
【オススメ!】『コミュニケイションのレッスン』鴻上尚史(2013年05月28日)
【好印象?】『100%好かれる1%の習慣』松澤萬紀(2013年04月21日)
【編集後記】
◆本書内で紹介されていた、松橋さんのご本。話さなくても相手がどんどんしゃべりだす 「聞くだけ」会話術 ――気まずい沈黙も味方につける6つのレッスン
この本もなかなか面白そうです。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
10月17日まで
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです