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2013年11月04日

【生産性向上】『「仕事が終わらない! 」を抜け出す200のアイデア』ローラ・スタック


「仕事が終わらない! 」を抜け出す200のアイデア パンク寸前の自分を守る超仕事削減術
「仕事が終わらない! 」を抜け出す200のアイデア パンク寸前の自分を守る超仕事削減術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、阪急コミュニケーションズさんの「200のアイデアシリーズ」最新刊!?

「仕事の生産性を上げ、ストレスを減らし、時間を節約することをテーマに、20年にわたり講演やセミナーを行っている」というローラ・スタック女史の仕事術本です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
残業に価値はない。
生産性を高めるために本当に必要なのは、「仕事量を減らして、より大きな結果を出す」こと。
終わりの見えない「仕事の山」から自分を救い出そう!

睡眠時間を削ってブログを書いている私には、「救いの1冊」となりそうな!?




【ポイント】

■1.重要なタスクを見極める
 自分の責務のトップ10リストを作り、上司にも同じものを作ってもらったとしたら、同じ結果になるだろうか? もし違ったら、あなたに問題がある。あなたの「お得意さま」にとって有益なことに時間を使っていない、ということだからだ。公式の職務も、そうでないものも、上司があなたに求めていることをすべて把握しよう。最近の勤務評定をもとに書き留めておき、それらについて日々進歩できているかを確認するといい。


■2.トリアージで優先順位を決定する
「トリアージ」はもとは医療用語で、患者の容体の緊急性によって、治療の優先順位を決定することを意味する。(中略)
 このカテゴリー分けを、あなたの「HITリスト」(その日やることに限ったリスト)に置きかえると、どうなるだろう?
・P1……今日やらなければ会社をクビになる
・P2……長期的に見て重要で、早めに取りかかるべき(「マスターリスト」の項目が多く当てはまる)
・P3……最終的にやらないと誰かが困る
・P4……人とのおしやべりやフェイスブックなど、気晴らし的な行動(中略)
 優先順位は人によって異なる。「やることリスト」のタスクに優先順位をつけるのは、すべてあなた次第だ。それぞれのタスクを評価するときには、病院の救急治療室を思い浮かべながら、「これは生死にかかわるか?」と自問しよう。


■3.ルーティンを作る
 多くのアスリートは、細かい動作にも決まったやり方がある。バスケットボールの選手がフリースローをするときのように(ドリブルの回数、タイミング、ポジショニング、モーションなど)。彼らは自分が満足いくようにすべてを整えられれば、迷いを捨ててゲームに挑むことができる。極端な例だが、アルバート・アインシュタインもそうだった。彼はまったく同じスーツを5着持っていたので、毎日何を着るか悩んで精神的にエネルギーを無駄にすることがなかった。


■4.どれだけ時間がかかるかを問う
 多くの場合、タスクにかかる時間を短縮するのに必要なのは、「これをするのにどれくらいの時間がかかるか」と問うことだ。仕事が降りかかってくるたび、あなた自身と周りの人にもこう問いかけるべきだ。たとえば、会議の場合を考えてみよう。この質問をすることで、会議を設定した人に対して、時間内に終わらせる責任を与えることができる。もし時間どおりに終わらなければ、予定された終了時間に基づいて他の仕事の予定を組んでいるのだと、会議を中座していい。


■5.マルチタスクをやめる
 生物学的に私たちは、一度に吸収し、統合できる情報量に限度があり、「ルールの有効化」の過程で集中力が乱される。私たちは、限られた量の集中力しか持ち得ない。重要をタスクを同時に複数しようとしているときは、生産的な集中力が発揮できないのだ。
 歩きながらガムを噛むといった古典的なマルチタスクなら、「ルールの有効化」を再プログラミングするのに問題はないだろう。この2つのタスクは、やり慣れている単純なものだし、単純がゆえに集中力を要さない。しかし、レべルの高いタスクの場合は、常に新しい情報を処理しなくてはならず、そういうわけにはいかない。


■6.「6D情報管理システム」の基礎となる6つの決断
(1)捨てる(Discard)
(2)人に委ねる(Delegate)
(3)実行する(Do)
(4)日付を決める(Date)
(5)引き出しに入れる(Drawer)
(6)防ぐ(Deter)


(詳細は本書を)


■7.ワークフローを見直す
 アシスタントのべッカは、講演の際に使う私の紹介文を送ってほしい、というクライアントから電話をよく受ける。99%の確率で、彼女はすでにその情報を送っている。彼女の仕事は顧客に対するサービスではあるが、同じ情報を繰り返し送るのはフラストレーションがたまるし、時間の無駄だ。
 私たちはどうすれば問題が解決するかアイデアを出し合い、クライアントが必要とするであろうことはすべて社のウェブサイトに掲載することに決めた。そうすれば、クライアントはべッカに尋ねることなく、必要な情報を手に入れることができる。


【感想】

◆まず最初に申しあげておかねばならないのは、本書は装丁といい、タイトルといい、明らかに阪急コミュニケーションズさんの「200のアイデアシリーズ」に位置づけられるものだと思いますが、過去の作品と違い、TIPSがカウントされていません。

と言うか、そもそも原題からして「200のアイデア」ではないのですが。

What to Do When There's Too Much to Do: Reduce Tasks, Increase Results, and Save 90 a Minutes Day
What to Do When There's Too Much to Do: Reduce Tasks, Increase Results, and Save 90 a Minutes Day

ただ、「原題と違う」ということであれば、実際にTIPSを200カウントしていたこちらの本も、原題には「200のアイデア」という表現はありませんでした。

「時間がない! 」を卒業する200のアイデア 1日が25時間になる超時間節約術
「時間がない! 」を卒業する200のアイデア 1日が25時間になる超時間節約術

How to Save An Hour Every Day
How to Save An Hour Every Day

参考記事:【時間節約】『「時間がない! 」を卒業する200のアイデア』マイケル・ヘッペル(2012年04月21日)

原書を読んでいないので分かりませんが、『「時間がない!」〜』の方は、翻訳する過程で、わざわざTIPSをカウントしていたのかもしれません。

いずれにせよ、「TIPSが多いのが魅力」と考えてらっしゃる方は、タイトルだけで本書にアマゾンアタックされませぬように。


◆もっとも、だからと言って、本書のクオリティが低いかというと、決してそうではなく。

著者のスタック女史は、クライアントに「ウォルマート、シスコシステムズ、ハインツ、バンク・オブ・アメリカ等々」を抱えるだけあって、その考え方は極めて真っ当です。

本書の根幹をなすのは、女史が考案した、生産的に仕事をするための作業手順の方式である「プロダクティビティ・ワークフロー・フォーミュラ(PWF)」。

ただ、体系的にそれを抜き出すと、それだけで終わってしまうので、上記ポイントでは、その中に含まれるTIPS部分のみ拾っております。

そういう意味では、今回の記事だけで本書の評価は下せないのですが(スイマセン)。


◆なお、上記ポイントの6番目の「6Dシステム」については、現代のオフィスで使われている3つの情報タイプである「紙」「メール」「留守番電話」について適用可能です。

本書では、この3つのパターンそれぞれについて、具体的なアクションを指南。

本当なら、このうちのどれか1つだけでもご紹介したかったのですが、それだけでも1つの記事になってしまいかねないので割愛させて頂きました。

特にメールについては、スタック女史が「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」の資格を持っているだけあって、アウトルックを駆使した方法を披露(原則はGmailも同じとのこと)しているので、ご参考まで。


◆ちなみに、本書では、ティモシー・フェリスのこの本についても言及がありました。

なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?
なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?

【起業&仕事術】「なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?」ティモシー・フェリス(2007年09月27日)

スタック女史曰く「基本的な部分では、フェリスと同意見」である、と。

ただし、「この方法が有効なのは限られた条件下のみ」であり、フェリス自身が週80時間から週4時間労働に移行する前に、「安定して利益が出るビジネスをつくりあげていた」ことを指摘しています。

ゆえに、「起業家で、ビジネスを軌道に乗せている途中」だったり、「組織に属している」のなら、「週4時間労働は不可能」とのこと。

……まぁ、分かっちゃいましたが、断言されてしまうと、ちとツライですねw

一応、改訂版の方もご紹介。

「週4時間」だけ働く。
「週4時間」だけ働く。

参考記事:【速報】『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』の拡大アップデート完全版がついに登場した件(2011年01月31日)


◆本書の「はじめに」によると、本書のテーマは「より少ない仕事量で大きな成果を手に入れること」であって、「少ないリソースで大量の仕事をこなすこと」ではない、とのこと。

実際、本書の「INTRODUCTION」のテーマは「タスクの削減」であり、さらには上記ポイントの2番目にあるように「優先順位を付ける」ことが重要になってきます。

もちろん、短時間でタスクを完了するためには、集中する必要があり、そちらは第3章にて解説が。

当ブログ的にも「集中力」は人気のテーマですし、ここもどうぞお見逃しなく。


生産性を上げるために、読んでおきたい1冊です!

「仕事が終わらない! 」を抜け出す200のアイデア パンク寸前の自分を守る超仕事削減術
「仕事が終わらない! 」を抜け出す200のアイデア パンク寸前の自分を守る超仕事削減術
INTRODUCTION 必要なのは「減らす」こと
01 やるべきことを決める
02 スケジュールを立てる
03 集中する
04 新しい情報を処理する
05 ワークフローを円滑にする
06 自分の能力をコントロールする


【関連記事】

【時間節約】『「時間がない! 」を卒業する200のアイデア』マイケル・ヘッペル(2012年04月21日)

【グズ解消?】『「グズグズ癖」とキッパリ手を切る200のアイデア 人生を浪費しないための超時間管理術』野間健司(2013年02月03日)

【優先順位】『トリアージ仕事術』に学ぶ、仕事の順位の付け方7つのポイント(2012年12月06日)

友達には秘密にしておきたい『時間を最高に活かす17の技術』(2012年04月13日)

【時間管理術】『アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門』Staffan Noeteberg(著), 渋川よしき,渋川あき(翻訳)(2010年12月19日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本

「現代ネットワーキングの父」Dr.マイズナー流 口コミを生むためにやるべき16のこと
「現代ネットワーキングの父」Dr.マイズナー流 口コミを生むためにやるべき16のこと

ページは薄いんですが、著者が「マイケル・E.ガーバー認定ファシリテーター」ということなので、チェックしてみたく。


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