2013年11月03日
【オススメ】『ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく』堀江貴文
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、お馴染み「ホリエモン」こと堀江貴文さんの最新刊。東京某大手書店の田中さんがHONZで激賞していた、いわくつきの1冊です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
堀江貴文はなぜ、逮捕され、すべてを失っても、希望を捨てないのか?
ふたたび「ゼロ」となって、なにかを演じる必要もなくなった堀江氏がはじめて素直に、ありのままの心で語る、「働くこと」の意味と、そこから生まれる「希望」について。
本当の堀江さんの「姿」と「想い」がここに!
Zero / smallcurio
【ポイント】
■1.ゼロの自分にイチを足すもし、あなたが「変わりたい」と願っているのなら、僕のアドバイスはひとつだ。
ゼロの自分に、イチを足そう。
掛け算をめざさず、足し算からはじめよう。
僕は働くことを通じて、自分に足し算していった。仕事という足し算を通じて、つまらない常識から自由になり、しがらみから自由になり、お金からも自由になっていった。掛け算ができるようになったのは、ずいぶんあとになってからのことだ。
■2.チャンスに躊躇なく飛びつく
チャンスについて語るとき、僕はよく昔話の『桃太郎』を例に挙げる。川で洗濯をしていたおばあさんは、大きな桃に飛びついた。奇妙な桃だと怖がらず、洗濯中だと無視もせず、とにもかくにも飛びついた。鬼退治の物語は、おばあさんが桃に飛びつくところからはじまるのだ。
そしてチャンスとは、あらゆる人の前に流れてくる。大きな桃じゃないかもしれない。葉っぱ1枚のこともあるだろう。それでも、目の前に流れてきたチャンスに躊躇なく飛びつくことができるか。そこが問題なのである。
■3.働くことは「何かを我慢すること」ではない
あなたはいま、働くことを「なにかを我慢すること」だと思っていないだろうか?
そして給料のことを「我慢と引き替えに受け取る対価」だと思っていないだろうか?
もしそうだとしたら、人生はねずみ色だ。我慢に我慢を重ね、耐え忍んだ対価としてお金を受け取っているのだから。仕事を嫌いになり、お金を色めがねで見てしまうのも当然だろう。人生の中で、仕事はもっとも多くの時間を投じるもののひとつだ。そこを我慢の時間にしてしまうのは、どう考えても間違っている。
■4.やりがいは、自らの手でつくる
そもそも、やりがいとは「見つける」ものなのだろうか?
どこか遠い場所に「やりがいのある仕事」が転がっていて、それを探し求める宝探しが、あるべき就職・転職活動なのだろうか?
僕の考えは違う。
やりがいとは「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」ものだ。そして、どんな仕事であっても、そこにゃりがいを見出すことはできるのだ。
■5.ギリギリ達成可能な目標を掲げる
受験の場合も、たとえば東大合格といった「将来の大目標」を意識し続けるのではなく、まずは「1日2ぺージ」というノルマを自分に課し、来る日も来る日も「今日の目標」を達成することだけを考える。
人は、本質的に怠け者だ。長期的で大きな目標を掲げると、迷いや気のゆるみが生じて、うまく没頭できなくなる。そこで「今日という1日」にギリギリ達成可能なレべルの目標を掲げ、今日の目標に向かって猛ダッシュしていくのである。
■6.物事を「できる理由」から考える
突き抜けられる人と、そうでない人の違いは、次の一点に尽きる。
物事を「できない理由」から考えるのか、それとも「できる理由」から考えるのか。それだけだ。突き抜けられるかどうかは能力の差ではなく、意識の差なのである。
もしあなたが「やりたいことが見つからない」と悩んでいるのなら、まずは「できっこない」という心のフタを外していこう。何事も「できる!」という前提に立って、そこから「できる理由」を考えていくのだ。
■7.努力を積み重ねる
努力という言葉には、どうしても古くさくて説教じみた匂いがつきまとう。できれば僕だって使いたくない。でも、挑戦と成功の間をつなぐ架け橋は、努力しかない。その作業に没頭し、ハマッていくしかないのである。
努力の重要性を説くなんて、ホリエモンらしくないだろう。
地道な足し算の積み重ねなんて、ホリエモンには似合わないだろう。
けれど、これが真っさらな「堀江貴文」の姿なのだ。
【感想】
◆下記関連記事をご覧頂ければお分かりのように、私は比較的(というか結構)堀江さんの作品を読んでおります。と言うか、これでも半分いってないって、どんだけ書いてるの(過去48冊だそうw)!?
それはさておき、そんな私でも本書を読んで初めて知ったことが多々ありました。
まずは、堀江さんのご両親のこと。
私の記憶では、今まで「普通の両親」のような表現しかされてなかったと思うのですが、これがまたどうして「ちょっと変わった夫婦」だったようです。
特にお母様は、堀江さん曰く「『激しい』以外の言葉が見つからない、強烈な人」だったとのこと。
実際、堀江さんは、高校1年の冬休みに、このお母様に「包丁を突きつけられ」ています(詳細は本書を)。
◆一方、お父様は、普段は無口で物静かだったものの、お酒を飲むと「暴力に明け暮れる」タイプ。
「テレビがあれば満足」という人で、「本」と名のつくものはほとんど読まなかったのだとか。
とはいえ、二人とも仕事に対しては真面目だったようで、共働きだった堀江家では、堀江さんの授業参観に、ついぞやどちらも訪れなかったのだそう。
そこで堀江さんは、両親がこなくて寂しいと思ったり、友達を見て羨ましいと思ったりしないよう、自分に言い聞かせます。
結果、堀江さんにとっては「仕事はそれだけ大切なもの」と考えるしかなく、堀江さん自身も、「パソコンを買うために新聞配達をした」り、「磨いたスキルで英語スクールの大掛かりなシステム移植を実施する」という中学生時代を送ることに。
起業家としてのベースは、既にこの頃から養われていたことがわかります。
◆また、このご両親のことほどではないものの、堀江さんの別れた奥様とお子さんについても、本書ではページが割かれていました。
恐らくこの件については、本邦初公開なハズ。
意外だったのが、離婚直後に堀江さんが「人生最大の孤独に襲われた」ことで、それが故に、一時は友達と大騒ぎをしたり、知り合ったばかりの女性を部屋に連れ込んだりもしています。
そうした「不摂生な生活」から、とあるきっかけ(ネタバレ自重)で立ち直り、生活を一新した堀江さんは精力的に活動し、近鉄バッファローズの買収に名乗りを上げる等、メディアに大きく登場することに。
それからの快進撃と、急転直下の逮捕劇については、すでに広く知られた通りです。
◆本書を読んで、今まで「堀江節」として堀江さんが「さも当然のように」語っていた考え方や主張も、実はこうした過去の経験等から導きだされていたことが分かりました。
ちなみに本書の冒頭に、「これまで僕は、精一杯突っ張って生きてきた。弱みを見せたら負けだと思い、たくさんの敵をつくってきた」という一節があるのですが、要はこうした「弱い部分」を隠して生きてきたということなのでしょう。
上記のポイントも、この記事ではさらっと挙げていますが、本書では「そう考えるに至ったワケ」もあからさまに描かれている分、腑に落ちること必至です。
これが堀江さんが言うところの「ありのままの堀江貴文」なんでしょうね。
◆なお本書は、冒頭の田中さんの記事によると、「100万部を目指すということで、出版界のオールスターといってもよいメンバーでつくられている」のだそう。
堀江貴文ミリオンセラープロジェクト | Facebook
このプロジェクトのメンバーについては、こちらに詳しいです。
ホリエモンの新著、制作過程をすべて公開! ミリオンセラーを狙う | ダ・ヴィンチ電子ナビ
そして、このプロジェクトの中核となるのが、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』編集者・柿内芳文、『もしドラ』編集者・加藤貞顕(ピースオブケイク代表取締役CEO)、『16歳の教科書』ライター・古賀史健、ダイヤモンド社書籍編集局局長・今泉憲志、『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』を手掛けた、佐渡島庸平(株式会社コルク代表)という錚々たるメンバーである。
実際にミリオン行くかどうかは別として、下記関連記事の本と比較しても、本書が手をかけて作られていることは、お読み頂ければご理解頂けるかと。
上記記事にある「これ1冊読めばいいんですというものを作りたい」というメンバーの意見通り、見事なクオリティに仕上がっています。
「堀江本」として、過去最高の出来だと思われ!
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく
第0章 それでも僕は働きたい
第1章 働きなさい、と母は言った──仕事との出会い
第2章 仕事を選び、自分を選ぶ──迷い、そして選択
第3章 カネのために働くのか?──「もらう」から「稼ぐ」へ
第4章 自立の先にあるつながり──孤独と向き合う強さ
第5章 僕が働くほんとうの理由──未来には希望しかない
おわりに
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【編集後記】
◆タイミングを逸して読みそこなったんですが、この本もアマゾンでの評価がなかなか高いですね。ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)
ただ、書評本をレビューすると、そこに載っている本の方に注目が集まるというジレンマがw
ご声援ありがとうございました!
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