2013年10月31日
【読者特典アリ!】『なるほど! 合格勉強術』宇都出雅巳

なるほど! 合格勉強術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、『速読勉強術』でお馴染みの宇都出雅巳さんの最新作。本書の「はじめに」によると、今回の作品は「合格する勉強」を、ただ知ってる・わかっているだけでなく、「実践・継続するためのもの」なのだそう。
アマゾンの内容紹介から。
残業続きで勉強時間がない、机に向かってもついスマホに手が伸びる…そんなあなたの試験勉強を応援する50の合格ポイント!
なお、本書には「50の言葉とそのショート解説音声」と「過去問とテキストの読み方・覚え方動画」という読者プレゼントもありますので、さらに効果が期待できそうです!
【ポイント】
■1.苦しいときこそ目の前のものに集中するある有名なマラソンランナーは苦しいレース展開のなか、もう諦めようとするときに、次のようなことをして乗り越えたといいます。
すぐ先の電柱だけを見て、「あの電柱まで走る」と走り続けたのです。
試験勉強もこれと同じです。
この1秒だけでも、この1ぺージだけでもと、苦しいときこそ目の前のものに集中して勉強し続けてみてください。合格までの長い道のり、高い壁に圧倒されそうになったら、目の前のものにだけ集中すればいいのです。
「時間がない」と悩んでいる人ほど、悩んで時間をムダにしています。
■2.厚い本はバラす
もしあなたがテキストや問題集を手に取ったり、ぺージをめくったりするのに躊躇しているのであれば、さっさとバラしてしまいましょう。
バラしてみるとわかりますが、そのテキストや問題集に圧倒されなくなるので、とても身近な存在に感じます。そして、手に取りやすくなるので、さらにそのテキストや問題集との心理的距離が縮まって、ますます身近な存在になってきます。そうなると、さらに手に取りやすくなるので、ぺージをめくるのも楽になり、どんどんとそのテキスト、問題集と親しくなり、内容にもなじみが出てくるのです。
このように、「バラす」というほんのちょっとした行動が大きな差を生み出すのです。
■3.過去問は解かずに読む
テキストや過去問以外の問題集に取り組む前に、まずは、現場である過去問に目を通しておくことが必要不可欠です。
それによって、めざす試験でどんなレべルの知識が問われているのか? どういう問われ方をするのか?など試験について、肌で感じることができます。
これをあらかじめやっておくことで、テキストやほかの問題集に取り組む際にも、試験に必要な勉強が何かを自覚しながら進めることができるのです。
そのために、まずは過去問を「解く」のではなく、「読む」ことなのです。
■4.「わかろう」「覚えよう」とせずに「分ける」
「わかろう」「覚えよう」としなくても、わかるところ・わからないところを分ける、覚えているところ・覚えていないところを分ける、この意識を保っていれば、だんだんと、わかるところ・覚えているところは増えていきます。
そして、こうやってわかるところ・覚えているところが増えていく過程は、自然な流れとなり、結果的に体系的な理解をしていることになります。
無理に「わかろう」「覚えよう」としても、個々の知識をバラバラに詰め込むことになり、結局は理解にしても、記憶にしても定着しません。
それよりも、一見、いい加減に見える「わかろうとしない」「覚えようとしない」態度が、効率的・効果的に理解や記憶を進めることにつながるのです。
■5.試験勉強について「思い出そう」とする
たとえば、勉強している試験科目の科目名を数秒で思い出してみてください。
「そんなの思い出すまでもないですよ」と言えるあなた、すばらしいです。それなら、その科目の章タイトルはどうでしょう?
「章タイトルになると数秒では無理ですよ。もっと時間がかかります」
もしそういう状態なら、今数秒でひとつの章タイトルでもいいので思い出してみてください。
「すいません。まったく思い浮かびません」なんて言う人もいるかもしれません。
そんな人はキーワードだけでもいいので、思い出してみましょう。そして、思い出せなくても構いません。この「思い出そう」という行動自体が、強力な試験勉強になっているのです。
■6.本の「形」を活用して記憶する
活用する本の形とは、「ぺージ」単位に区切られた形です。まさか今どき、巻物の形のテキストを持っている人はいないでしょう。
この「ぺージ」に着目すれば、記憶がとてもやりやすくなります。
たとえば、ある項目が右ぺージにあったか、左ぺージだったか。どれぐらいのぺージ数があったか。ある見出しがぺージの上・中・下のどのあたりにあったか。ある表がどれぐらいの大きさや位置だったか。
こういった情報は、テキストをパラパラと眺めるだけでも少しは記憶に残るでしょう。
「こんなことを覚えても試験には何の役にも立たないでしょう?」と思われるかもしれませんが、こういった情報を使ってテキストの内容を思い出そうとすることで、内容も思い出しやすくなり、くり返しの回数が増えることで、理解も記憶も飛躍的に進むのです。
■7.積み上げた知識がつながるのを待つ
試験勉強だけでなく、ほかの勉強でもそうなのですが、何かを上達する過程では、努力やかけた時間に正比例して成果が現れるわけではありません。
やってもやっても実力が伸びないように感じるときもあれば、いきなり視界が開けたように一気に理解が進むときもあります。
これはなぜかと言うと、知識は、知識同士か結びつくことで新たな知識になっていくからです。つまり、同じ量の知識を学習したとしても、その知識同士がつながったり、すでに持っている知識とつながったりして、新たな知識を生み出すかどうかで、学習の成果は大きく変わるのです。(中略)
これまで積み上げてきた知識を信じ、そしてそれらが化学反応を起こすかのように、バババッとつなかる瞬間を待ちましょう。
【感想】
◆いかがだったでしょうか?宇都出さんの過去の著作を読まれたことのある方なら、「お馴染み」のお話もチラホラ。
というか、以前どこかの記事でも書きましたが、勉強本で「本当に使えるネタ」というのは結構限られており、まともな内容で本を出そうとしたら、「かぶりネタ」があるのはどうしょうもないことかと。
ただし本書の場合、冒頭で触れたように「音声」と「映像」で、学習をバックアップ。
さらには、出版キャンペーンの特典も「『なるほど! 合格勉強術』に関する質疑応答動画」ということで、まさに「万全の体制」と言えるでしょう。
『なるほど! 合格勉強術』発売キャンペーンやります−−今回のプレゼントは●●●●動画!|だれでもできる! 速読勉強術
◆ちなみに、本書の試験勉強法のベースにあるのは、今までも宇都出さんの本の記事で何度か触れたことのある「高速大量回転法」です。
これは、その名の通り、過去問やテキストを「高速」で「大量回転」(何度も読んだり書いたり)するもの。
それを可能にするために、テキストをペンで消していったり(本書の冒頭にカラー見本アリ)、完璧に仕上げたページをホチキスで留めたりするのですが、これは普通の勉強法しか実践したことのない人には、抵抗があるかもしれません。
また、「読むだけでいいんだ」「覚えようとしなくていいんだ」と安易に考えていると大間違いで、その代り、「高速」で「大量回転」する必要があります。
これはもう、記憶するためには「繰り返し」が必須であることを理解していれば、当然と言えば当然なのですが。
◆なお、今回初めて登場したのが、上記ポイントの6番目の「本の『形』を活用する」記憶法。
おそらく、宇都出さんは意識せずに当たり前のようにやっていたのでしょうが、記憶する対象を、その「入れ物」をフックとして覚えるやり方(「テキストまるごと記憶法」)です。
これについても、冒頭のカラーページに具体的な見本があるので、そちらをご参考のこと。
上記の「テキストをペンで消す」のと同様に、動画にて解説があるようなので、そちらを見れば、さらに理解が深まると思います。
◆実はこの「テキストまるごと記憶法」に近いことを、私も税理士試験の勉強で行っていました。
「このページの右上には●●があったな」という風に、「そのページの位置関係」でページごと記憶。
ただし若干違うのは、私の場合、色を多用していたこと。

経年劣化で色が薄れてしまい、少々分かりにくいのですが、「蛍光ペン4色、色ボールペン3色、蛍光ボールペン3色」とか使っています。
具体的には、「同じ単語」や「同じフレーズ」を同じ色でマーキングしているのですが、本書の内容とは直接関係ないので割愛w
いずれにせよ、この「テキストまるごと記憶法」は、個人的にも納得できるやり方でした。
◆そして、本書の表表紙のすぐ次には、「 年 月 合格」とタイトルの入った、本書の「50の合格ポイント」を列挙した用紙を収録されています。
これに試験名と試験日を記入して、目に付くところに貼れば、合格に近づけること必至かと。
宇都出さんが本書のやり方で「1ヵ月でCFP試験合格」「2カ月で行政書士試験に合格」したのは、伊達ではありません。
しいて言うなら、各ポイント4ページのうち、最初の1ページが太字のタイトルと宇都出先生のイラストで埋まってしまっているのがアレですが、こまけーこたー(AA略
合格に直結する「王道の勉強法」がここに!

なるほど! 合格勉強術
第1章「勉強する気が起きない」を克服する
第2章「テキストや問題集が膨大」に惑わされない
第3章「なかなか進まない」の背中を押す
第4章「わからない」でも諦めない
第5章「覚えられない」なんてありえない
第6章「忙しくて勉強する時間がない」のウソ
第7章「今のままで合格するか不安」に勝つ
【関連記事】
【勉強法】『「1分スピード記憶」勉強法』宇都出雅巳(2012年04月06日)【力作!】『合格(ウカ)る技術』宇都出雅巳(2011年02月24日)
「速読勉強術」宇都出雅巳(2007年02月03日)
【速読】『どんな本でも大量に読める「速読」の本』宇都出雅巳(2011年09月27日)
【編集後記】
◆ちょっと気になる勉強本。
女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法
アマゾンの内容紹介まで読んで、「怪しすぎる!」と思ったら、版元がプレジデントさんだった件ww

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