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2013年10月27日

【転職】『ヘッドハンターはあなたのどこを見ているのか』武元康明


ヘッドハンターはあなたのどこを見ているのか (メディアファクトリー新書)
ヘッドハンターはあなたのどこを見ているのか (メディアファクトリー新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「個人的には縁がない」ものの、興味津々な「ヘッドハンティング」に関する1冊。

著者の武元さんは、「16年の人材サーチ・キャリアを持つ世界有数のトップヘッドハンター」とのことです。

アマゾンの内容紹介から。
上司との相性が悪い、派閥闘争に敗れた、部下に背かれた…そんなある日、あなたに毛筆の手紙が届く。「ぜひ会いたい」。ヘッドハンターが、ある企業の依頼を受けてあなたを推薦する候補者に選んだのだ。急変するビジネス環境で、即戦力のスカウト活動はますます盛ん。ヘッドハンターは「誰」に白羽の矢を立てるのか? 年収600〜数千万の全案件を扱うベテランが初めて明かした真実!

1度はヘッドハンティングされたいアナタなら「要チェック」です!




【ポイント】

■1.話を盛らない
 たとえば、あなたがへッドハンターに会うチャンスがあったとします。
そのときあなたは自分を大きく見せたくて、つい話を「盛って」しまうかもしれません。
「前にいた会社で大きなプロジェクトを任されたことがある」とか、実際は600万円なのに「今の会社で年収700万円をもらっている」とか……。多少の嘘ならいいだろうと思っていても、おそらく十中八九、真実はへッドハンターの知るところとなります。
 その嘘がバレた時点で、あなたはへッドハンターの候補者リストから外れてしまうでしょう。日本の企業は仕事の実力以上に、「信用できる人物かどうか」という信頼性を重視します。もし嘘が発覚したら誠実さに欠ける人物だと判断され、即アウトです。


■2.今いる所より小さな会社に乞われるケースが多い
クライアント企業の名前を聞いて、がっかりした表情をする候補者は少なくありません。期待したより小さいか、まったく無名の企業、もしくは有名会社であっても新規事業立ちあげのため、その事業に対してまったくの門外漢だったりするからです。
 ベンチャーや中小企業の優秀な人材が大企業に移る場合もなくはないものの、たいていのへッドハンティングはその逆です。べンチャーや中小企業がこれから発展拡大するために、すでに成長経験を有している大企業の人材をほしがるのです。


■3.会社と自分の将来性で判断する
現在、大企業は多少なりと安定していても、すでに成長はなかなか望めません。ポストが増えず、現職のまま何十年間もすごすビジネスマンが日本では激増しています。給料はずっと据え置きのままです。そういう境遇に甘んじるより、拡大路線の企業に移ってともに成長する道を選ぶほうが、数年後あるいは十数年後に年収がアップする可能性は大きい。そうなったら数千万円の年収も夢ではありません。


■4.上の世代とも積極的につき合う
 キャリアアップしたい、へッドハンティングされたいと考えているなら、同世代だけでなく、自分より年齢や社会的地位が上の人たちとも積極的につき合っていくスタンスを持っておいたほうがいいと思います。もしお供に誘われたら、迷わず連れていってもらうことです。最初は敷居が高いと思うかもしれませんが、そういう場に身を置いて今まで接したことがない人と交流すれば、自分自身の成長にもつながります。話題の選び方や言葉遣い、服装や身のこなしなど、一流社会の人づき合いの仕方を学べるでしょう。


■5.SNSでは他薦されるようにする
デジタル上の「自己申告」を私たちは信用していません。(中略)
 SNSやブログでへッドハンターが注目するのは、そこで人から推薦されている人物です。たとえば一流大の教授のブログで「○○社の××さんを招いて講演会を開く」といった情報があれば、その人物は大学で講演をするほどの高い専門知識の持ち主だと判断できます。そういう人物はすかさずチェック。実際にある大学教授のブログから名前を知り、候補者に加えた方もいます。


■6.衰退期の企業はキャリアアップのチャンスになる
 ところで、衰退・変革期の企業では、トップだけではなくその下で働く人たちもへッドハンティングの対象となります。倒産する可能性もあるので、40代以上はリスクを負いたがらないでしょうが、20・30代のなかにはキャリアを積むために志願する人もいます。持ち直して生まれ変わった会社ではナンバー2かナンバー3ぐらいのポジションになるので悪い話ではありません。組織を立て直した経験はどの企業にいても重宝されるため、野心のある若手には飛躍的なキャリアアップのチャンスだといえます。


■7.法人相手の実績は個人相手に通用しないこともある
 私の経験則では、BtoBで仕事をしていた人がBtoCに移っても、うまくいかない傾向があります。極端な話、企業相手に油圧ポンプなどの数億円の工業製品をセールスしてきたトップセールスマンが個人客相手に英語教材のセールスができるかといえば、まったく勝手が違うからです。


【感想】

◆私は比較的早く会社を退職してしまったので(言い訳w)、ついぞやヘッドハンティングされることはなかったのですが、なるほど、色々と勉強になりました。

まず「ヘッドハンティング」というと、「転職者の年収の何パーセントかを成功報酬でもらう」ものだと思っていたら、必ずしもそうではなく、クライアントからの要請を受け、適任者を発掘する「サーチ・スカウト型」というものがあるということ。

この「サーチ・スカウト型」の場合、成功・失敗に関わらず、諸費用はクライアント持ちなので、じっくり発掘、調査ができますし、候補者に対しても無理に転職を勧める必要はありません。

本書の著者の武元さんの会社は、この「サーチ・スカウト型」であり、本書の中でも、クライアントの会社の問題点や注意事項等について、候補者に説明している記述がありました。


◆また本書では、上記ポイント以外にも「ヘッドハンティングされるためのコツ」がいくつか。

まず、最近ではブームが去った感がなきにしもあらず(?)の「勉強会」。

ただし、一般の人が参加できるものではなく、メンバーやメンバーの紹介者のみが参加できるような「クローズドな会」にヘッドハンターは出没するのだそう。

さらに、武元さんの会社のヘッドハンターの1人は、ビジネススクールに通っており、そこも「人材の宝庫」なのだとか。

なお、ビジネススクールの生徒だけでなく、その生徒にしょうかいしてもらった人材も候補者に加えるそうなので、周囲にビジネススクールに通っている人がいたら、その人と仲良く(ry


◆一方、いざピックアップされたとしても、ヘッドハンターはお金をもらってクライアントに紹介する以上、そのチェックは厳しいです。

当たり前ですが、「身だしなみ」がキチンとしていることは言うまでもなく。

また、「転職したい」と自分から名乗り出たわけではないがため、候補者の中には「呼ばれたから来てやったけど、何?」という態度でいたり、ヘッドハンターの方が年下だと分かると、横柄になったりする人もいるのだそう。

当然こうした人たちは、「人として問題がある」ので、ヘッドハンターもクライアントに紹介できません。

他にも「借金」「酒癖」「女癖」等もチェックされるそうなので、身に覚えのある方はご注意を。


◆ところで、「ヘッドハンターにスカウトされて転職」というと、イメージとしては「給料アップ」するものだと思っていましたが、これまた必ずしもそうでもなく。

本書の中では、今いる会社より給料が下がるにもかかわらず、武元さんの誘いに従って転職する人や、別口で5000万円の年収でスカウトされていたのに、年収1500万円しか出せない武元さんのクライアントに転職した人などさまざまです(詳細は本書を)。

単純にお金だけではなく、人間関係ややりがい、環境等も踏まえた上で、人生を決断するのが転職なのだな、と。

未だスカウトされたことない私でも、本書は思わずのめり込んで読んでしまいました。


ヘッドハンティングされたい方ならマストです!

ヘッドハンターはあなたのどこを見ているのか (メディアファクトリー新書)
ヘッドハンターはあなたのどこを見ているのか (メディアファクトリー新書)
第1章 これがヘッドハンターの仕事だ
第2章 「日本型スカウト」が増えている
第3章 ヘッドハンターはここで人を探す
第4章 あなたはこうして見極められる
第5章 いいヘッドハンターがあなたの人生を変える
第6章 一瞬でわかる「できる人」「できない人」
第7章 あなたが今日からできること


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【編集後記】

◆この本ももうすぐ発売です。

なるほど!  合格勉強術
なるほど! 合格勉強術

これまた楽しみ!


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