2013年10月16日
【自己啓発】『人に強くなる極意』佐藤 優
人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「元外務省主任分析官」というより、もはや作家としても広く知られている佐藤 優さんの自己啓発本。佐藤さんもかなり多作な方なので、逆にスルーしがちなのですが、本書はリアル書店でビビビときてゲットしましたw
アマゾンの内容紹介から。
どんな相手にも「ぶれない」「びびらない」「怒らない」――。ビジネスでも人生でも、人と相対したときにどう振る舞えるかが結果を大きく左右する。いつでも最高のパフォーマンスをするには、どんな心持ちでいることが重要なのか。外国の要人、日本国首相、そして特捜検察などに対してギリギリの交渉力を発揮してきた著者が、現代を“図太く"生き残るための処世術を伝授する。
本書で述べられている佐藤さんのような生き方を、少しでも実践したいな、と。
【ポイント】
■1.自分の中の怒りを紙に書き出すたとえばなんだかイライラするとか、怒りが湧いてきたという時に、この感情がなぜ出てきたのか、どこから出てきたのかを客観的に分析するのです。できうる限り合理的に説明してみましょう。
たとえばこの怒りは嫉妬からくるものなのか、コンプレックスからくるのか、あるいは焦りからなのか。その出所がわかったら、なぜ嫉妬するのか、どうしてコンプレックスを持つのか、なぜ焦っているのかと続けて分析していく。
そのように論理的に感情の糸をほどいていくと、まずその作業自体で冷静になれます。なんならノートや紙に自分の感情を書き出し、箇条書きにしたり図にしたりして分析してみてもいい。すると、自分を見ているもう1人の自分がいることに気づくでしょう。
■2.状況を類推する
代理経験も含めてさまざまな経験をしておけば、何かびびるような場面に出くわした時でも、「この人は前に会ったあの人に言動が似ているな」とか、「いまの状況はあの本に書かれていたあの状況にそっくりだ」と対象を冷静に分析できます。
この分類とか類比、英語でいうアナロジーですが、これができるようになるとずいぶん違う。先ほども述べたように、相手がよくわからないから恐怖心が生まれてびびってしまうのです。対象が自己の経験値の中で、何らかのカテゴリーに振り分けられていれば、そのような恐怖心に陥ることはありません。
■3.自分を飾らず等身大で仕事をする
仕事でお互いが認め合う関係になれば、余計な約束事やルールをつくらなくても上手く仕事が形になる。いまの私の場合でいうと、信頼している編集者や担当者との関係がそう。彼らとの仕事には心地よいリズム感が生まれますが、それは必要最小限のやりとりで仕事ができるから。つまりすべてがシンプルなんです。
こういう関係をつくるのは、実はそんなに難しいことではありません。とにかく仕事と仕事をする相手に対して真摯に向き合って、嘘や偽りを排除していけばいい。自分を飾らず等身大で仕事をしていれば、同じような仕事の形で返してくれる人は自然に増えるはずです。
■4.忠告や批判を受けたら「内省ノート」に書く
人から忠告や批判を受けた時、その瞬間は感情的に腹も立つし、その言葉を受け入れることが難しいでしょう。ですが家に帰って1人になった時、ノートに相手の言葉を書き出してみる。書き出す行為自体で事態を客観的に、冷静にとらえる準備が整います。
なぜ相手がそのような言動をとったのか、自分なりに分析して書き出してみましょう。すると自分に対しての嫉妬からなのか、それとも誤解に基づいた発言なのか。そのいずれでもないとしたら、これはしっかり受け止める必要があります。
■5.夢や目標をただの「執着」と区別する
たとえば外務省で働くのも、語学の適性があるかないかが大きい。皆あれだけの難しい試験と競争を勝ち抜いて入省しているのですから、基本的な学習能力があることは確かです。
ただし、本当の語学の能力、適性があるかどうかは別です。成績はよくても語学のセンスがいま一つの人は、たとえ入省してもその後はとても辛いことになる。だとしたら本当に適性のある仕事で、自分のもっている別の能力を思う存分生かした方がいい。
「あきらめない」という気持ちがそうした客観的な判断力を失わせ、かたくなになり、「執着」になると、自分にとって決してプラスになりません。いまの自分の頑張り、「あきらめない」気持ちを冷静に見つめ直して、それが執着になっていないか、まずは見極めることが大切です。
■6.「仕事の遠近感」を持つ
仕事というのはつねに時間軸とセットで考えなければいけません。1週間、1ヵ月の時間の流れの中で、どの仕事をいつまでにこなすか。逆にいつから手をつければ大丈夫なのか、はっきりつかんでおくのです。
「仕事の遠近感」と言ってもいいでしょう。それが見えている人は、たくさん仕事を抱えてもアタフタせず淡々とこなしていける。目の前にあるものをただがむしゃらにやるという人は、仕事の座標軸、時間軸がないのです。
仕事を時間軸に落とし込むために僕がやっているのは、ノートに書くこと。時間というものは目に見えませんが、書き出すことで可視化、空間化できる。僕は何でも1冊のノートにまとめます。
【感想】
◆本書は8つの章から構成され、「人間力」を強化するための技法を解説しています。その個々のテーマについては、下記目次を参照の事。
付箋はいつも通りピンと来た所に貼りましたが、1つの章から1つのポイントを選ぶようにしてみました。
上記ポイントでは、第5章と第6章を割愛しておりますが、付箋を貼ってないかというと決してそうでもありません。
◆たとえば第5章では、佐藤さんのノート術が指南されています。
上記ポイントでも「ノートに書く」というTIPSが3回も出て来ていますが、これが実は全て同じ1冊のノート。
「100ページのキャンパスノートに時系列でどんどん書き込む」のが佐藤さんのスタイルで、上記の項目のほか、スケジュールや取材メモ、企画や発想もガンガン書くのだとか。
その理由は「検索が容易」だからであり、「すべて1冊のノートにまとまっているからこそ、即座に検索が可能」である、と。
そうやって「余計な事に時間をかけない」からこそ、「断らない」で「月約60本の連載を抱える」ことが可能なんですねw
……「断る」「断らない」以前に、まずそれだけオーダーがあるようになりたいものですが。
◆また、第6章も実は結構付箋を貼っており、「なるほど」と思ったのが、「お金には『限界効用逓減の法則』が当てはまらない」というお話。
つまり、食べ物であれば、ある程度食べたら満たされるところ、お金だけは「欲望に際限がない」ワケです。
むしろ「100万円手に入れたら次は1000万円欲しい」「1000万円手に入れたら、今度は1億円が欲しい」となるという。
交渉事をする際にも、このことを頭に入れておくと、相手の出方が読めたり、理解できたりしそうです。
一方この第6章では、お金に絡めて「なぜホリエモンが目をつけられ捕まったか」が指摘されていて、これは結構「目からウロコ」でした(詳細は本書を)。
ただ、その論理で行くと、ユニクロの柳井さんやソフトバンクの孫さんもターゲットになりかねないような……?
◆本書のまえがきで佐藤さん曰く、「本書に記された内容は、標準的な努力ができる人なら確実に実行できることだけ」とのこと。
それが故に「本書は究極の実用書である」と。
ただ、事例として、ロシアの政府高官と渡り合ったり、外務官僚や政治家とやりあったり、検察の取り調べに一歩も引かないというお話がわんさか出てくるので、なかなかそう思えないのが玉にキズ。
それでも、上記ポイントで挙げたようなTIPSを1つでも2つでも実践できれば、きっと元は取れると思います。
「図太い人」になるために!
人に強くなる極意 (青春新書インテリジェンス)
第1章 怒らない
第2章 びびらない
第3章 飾らない
第4章 侮らない
第5章 断らない
第6章 お金に振り回されない
第7章 あきらめない
第8章 先送りしない
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。バカだと思われないための文章術: 誰も教えてくれなかった基本中の基本
しばらく文章術の本も読んでなかったので、チェックしてみたいところです。
ご声援ありがとうございました!
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