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2013年10月14日

すぐに使える『異文化主張力』テクニック7選


異文化主張力 グローバルビジネスを勝ち抜く極意 (日経プレミアシリーズ)
異文化主張力 グローバルビジネスを勝ち抜く極意 (日経プレミアシリーズ)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、グローバル社会を生きぬきたい方なら要チェックの1冊。

最近付箋を貼った画像を連投しているので今回は割愛しますが、新書とは思えない濃さに圧倒されました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
発信力だけでは勝ち抜けない! 資生堂名誉会長 福原義春氏推薦!
会議から折衝、売り込み、交渉、組織・人脈作りまで。外\国企業・外国人とのやりとりはいまや、ビジネス人にとっては必須のスキル。米国で学び、インテルで経験を積んだプロフェッショナルが語るグローバル人材の条件。

なお、タイトルは「ホッテントリメーカー」作になりますので、あらかじめご了承ください。





【ポイント】

■1.「5W1H」で質問する
 質問質問をするうえで最もためになる概念の1つが、ジャーナリストがよく使う「5W1H」といわれるテクニックである。5Wとは「Who, What, When, Where, Why」の頭文字で、1Hは How だ。つまり、「だれが、何を、いつ、どこで、なぜ、いかにしたのか、またはするのか」である。他人の説明を聞いていると多くの場合いずれかが漏れている傾向があるので、それについて確認してみるとよい。
 さらに他人の提案を受け、それをべースに5W1Hを使い次の展開について聞いでみるのも励ます効果もあり、いやがられることは少ない。次のステップに向けてどう考えるべきかのヒントになるであろう。


■2.安易に相槌は打たない
 よく外国では、交通事故が起きた際は謝るなといわれる。「世間を騒がせて申し訳ない」という表現は英語にならない。同じく、会議で対立的な発言をしている人にうなずく人は外国にはほとんどいない。異文化環境のもとでは「君子危うきに近寄らず」に従い、相槌は打たないほうがよいと思う。


■3.相手を個人として尊敬する
 アメリカで成功したCEOたちに信頼関係構築の秘訣を聞いてみると、一番多く返ってくる答えは「相手を個人として尊敬することだ」という。売り込む際、異文化の視点から考えるとき、相手を「信頼に値する企業の役職を持つ人」ととらえるのと、「尊敬に値する個人」ととらえるのとでは雲泥の差がある。そういう意味では、ある程度個人的な話題にもお付き合いし、家族も交えて団欒するのも好ましい。


■4.ダメ元でも紹介を頼んでみる
日本では紹介すると責任も合わせて付きまとう。日本の習慣では、紹介する相手が信頼に値するということになり、もし何か起これば、紹介者が巻き込まれて解決に向けて介入することも想定される。
 ところが、外国の場合、顔つなぎはやるがその後は二者でうまくやってくれという手切れがよい紹介の仕方が習慣としても定着している。だから、あまり負担を感じずに紹介できるし、紹介を受けることもできる。どうせ頼んでもだめだろうとは言わず、もう一押ししてみよう。


■5.任せたら必ずチェックする
 経営の鬼ともいわれたインテルのグローブ元社長は、人に指示を出し、任せたときには、必ず日付別に分かれた「フォローアップ・ファイル」に自分への警鐘メモ(アラーム)を入れる習慣を持っていた。3日後か5日後か、チェックの期限が来ると必ず相手に連絡をとり経過報告を求める。あと何日かかるということであれば、またその日のファイルに突っ込んで置く。定期会議やプロジェクト推進会議などを有効活用すると同時に、こうしたフォローをすることによって仕事を任せつつチェックをするわけだ。


■6.他文化についての関心を持つ
 実際、前もって相手の出身地を調べておき、話題にすると会話に勢いがつく。また、その場所の衣食住に関する概要も把握しておけば面白い話題が湧いて出てくる可能性もある。たとえばチュニジアを訪問することになるとする。チュニジア産のトロや中トロが日本のスーパーで出回っているので、首都チュニスで同国の知人に会ったら事情を聞いてみる。たしか近くのイタリア、シチリア島でもマグロが取れるようだ。また、世界でウ二を生で食べる文化は日本とシチリア島だけだと聞いたこともある――。このような話題を取り上げることで馴染みのない異文化環境でも胸襟を開いて話をすることができる。


■7.年上の人と出会う
西洋では東洋ほど長幼の序を気にしない。先輩の成功談に聞き入り質問(たとえば5W1H)をするだけでも、相手の気持ちが高揚するためか、こちらが自己アピールをしなくても不思議に好印象を持ってもらえる。そして、年上の人は相対的に影響力が大きい。とくに永い目で見ると、その人が本国に帰任するし、さらにその影響力がものをいう。


【感想】

◆本書では、異文化比較(「日本⇔西欧」「日本⇔アジア諸国」等)も数多く登場するのですが、今回は「個人ベースで実践できること」のみに限定しました。

もちろん、こうしたTIPSの前提となっているのは、異文化の習慣や考え方ではあるのですが、その解説よりも「それならどうするの?」の方が、当ブログ的には大事だと思いましたので。

また、基本的には上記ポイントは、いずれも「相手」は異文化の人とお考えください。

もっとも、ポイントの1番目、5番目あたりは、日本人相手でも活用できそうなので、ピンと来た方はぜひお試しアレ。


◆ちなみに、立ち読みをなさる際には、普通、本の前の方から読んで行くと思うのですが、本書の場合、「まえがき」で止めずに、その先の5ページまでを必ずお読み頂きたく。

まず登場するのが、見開き2ページの本書の「キーメッセージ」

完結な小見出しと一行メッセージが計20個収録されており、ここを読めば、本書の大体の内容が把握できます。

それに続くのが「異文化駆け引き」と題された、「結果が変わってしまう数秒の場面」の10の例。
2. "What's new?"(最近どう?)と聞かれたら
× OK(まあまあ)と答える。
○ "I'm working on an exciting project……"(面白いことを最近やってる……)と返す。
こんな感じで「返し」が10個列挙されているのですが、それぞれについては、本書内で解説されていますのでご安心を。


◆なお、「最初の方を読んどけ」と言いながらも、当ブログの読者さん的にツボと思われるのが、最終章の「第5章 自身の市場価値を上げ、グローバル人材のハブになる」かな、と。

ここでは、これからのビジネスパーソンのセルフブランディングについて言及されており、初っ端が「外国語能力」ということで「ハイハイ、英語ね」と思ったら、いきなり中国語学習の話が出てきて涙目の巻。

この部分だけ読んでも、中国語が話せるわけはないのですが、少なくとも、なぜ中国語会話が難しいのかは分かりました(何となく)。

もちろん、こうした外国語能力だけでなく、その国の文化や歴史等についても知っておくべき、というお話は、上記ポイントの6番目の通りです。


◆考え方として、「やみくもにグローバルを目指すのではなく、ローカルな職種で生きていく」というお話は、かつてこの本でありました。

10年後に食える仕事、食えない仕事
10年後に食える仕事、食えない仕事

参考記事:【必読!】『10年後に食える仕事、食えない仕事』渡邉正裕(2012年02月04日)

逆に本書の場合、「グローバルで生きていく」のを前提として作品なので、「如何に生き抜くか」についてフォーカスされています。

たまたま私自身は、本業が思いっきりドメスティックなので(今のところ)、本書の内容を実践できる機会は少なさそうですが、「グローバル前提」の方なら、私以上に付箋を貼りそうな。

下記関連記事を見ても、グローバルネタの本で新書は少ないので、本書は結構お買い得だと思います。


世界を相手にするなら必読!

異文化主張力 グローバルビジネスを勝ち抜く極意 (日経プレミアシリーズ)
異文化主張力 グローバルビジネスを勝ち抜く極意 (日経プレミアシリーズ)
序 章 ビジネスの「ゲーム」で勝つために
第1章 論理力はサンデル教授に習え
第2章 お客さまは必ずしも神ならず
第3章 タフネゴシエーターの条件
第4章 グローバルに通じる組織の作り方
第5章 自身の市場価値を上げ、グローバル人材のハブになる


【関連記事】

【知的生産】『「世界水準」の思考法』キャメル・ヤマモト(2012年09月13日)

【必読!】『10年後に食える仕事、食えない仕事』渡邉正裕(2012年02月04日)

【グローバル】『「世界標準」の仕事術』に学ぶリーダーシップのルール7選(2011年09月29日)

【外資で働く?】『外資で結果を出せる人 出せない人』山元賢治(2011年06月05日)

【オススメ】『世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人』キャメル・ヤマモト(2011年02月26日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

会社の「仕組み」を知っている人だけが、上手くいく ~入社3年目から絶対知るべき人事・評価・人間関係の基本~
会社の「仕組み」を知っている人だけが、上手くいく ~入社3年目から絶対知るべき人事・評価・人間関係の基本~

これは読んでみようと思います。


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