2013年10月13日
【脳】『「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか』保坂 隆
「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか (青春文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、聖路加国際病院の保坂 隆先生による、「脳力開発」本。当ブログで保坂先生のご本を取り上げるのは、確か初めてなのですが、著書の累計は50万部を超えているのだそうです(知らなんだ!)。
アマゾンの内容紹介から。
脳は無限に進化する可能性を秘めている!筋肉と同じように、鍛えれば鍛えただけ、その力は伸びていくのだ。本書では、最新の研究データをもとに、精神科学の専門家が日常生活の中で今日から実践できる「脳力」アップの方法を伝授する。
「脳オタク」の私でも、意外と知らないポイントがありましたよ!
【ポイント】
■1.やる気を起こすために「からだ」を動かすでは、どんなときに、やる気ホルモンが分泌されるのか。動物実験で調べてみると、餌をとるとか、繁殖行動のためにライバルと戦うなど、特別な行動をするときに分泌量が高まることが突き止められた。
このホルモンが分泌されると、動物なら、じっとしていられなくなるほど活動的になり、まず、からだを活発に動かすようになるというのである。
反対に、からだを活発に動かすと、やる気ホルモンの分泌もうながされるのではないかとも推測されている。脳の働きと行動は、多くの場合、相互に関連しあっているからである。つまり、"やる気"を起こすためには、からだを刺激すればいいというわけだ。
■2.頭は20分使ったら3分休ませる
ひたすら記憶するとか、情報を入力する、あるいは顕微鏡を観察しつづけるというような、極度に集中力を要求される作業の場合、20分経過するとグーンと効率が落ちてくる。
こうした作業をする場合は、20分程度の作業をつづけたら、意識的に手を止めてディスプレイや顕微鏡から視線をはずし、2,3分休息をとるようにしたい。
神経細胞は、緊張の連続にはきわめて弱いものなのだ。むしろ、緊張と休憩をほどよく繰り返しながら、作業を進めていこう。
■3.「自分にごほうび」で脳の集中力を高める
どうせ同じことをするなら、少しでも楽しいほうがいいにきまっている。いやいやながらする仕事や勉強は充実感がなく、成果もあがらないものだ。楽しい気分でやればこそ、脳の集中力もアップし、心理的な満足感もグンと大きくなる。
「自分に報酬を与えながら仕事をする」というと、まるで子どもだましのような方法に思えるが、その成果はとても大きい。ある大企業の役員のなかにも、今週の目標が達成したらゴルフに行くと決めている人がいる。
■4.ウォーキングで頭の働きを良くする
実際、2本足で歩くコツコツとしたリズムと刺激は、脳を心地よく刺激することが証明されている。
アメリカのべックマン研究所のドクター・クレーマーは、散歩と脳の関係を医学的に調べている。実験の対象になったのは、60〜75歳の男女。彼らに毎日、散歩をしてもらい、半年後、脳の反応速度を調べたところ、驚いたことに、散歩をしないグループにくらべて、反応時間はほぼ半分に短縮されたのである。(中略)
しかも、この実験がかなりの高齢者を対象に行われたことは注目に値する。頭がやわらかい若者だったら、もっと大きな効果があらわれるのではないか、と期待がもてるからだ。
■5.モーツァルトの音楽を聴く
武蔵野学院大学の澤口俊之教授は、サルを実験対象に選び、モーツァルトの『2台のクラヴィーアのためのソナタ 二長調K.448』を繰り返し聴かせた。すると、サルの「空間的知能」が大きく伸びたという。
ほかの作曲家の曲やモーツァルトのほかの曲を聞かせ、さらに、サルにやらせる実験内容もさまざまにアレンジしてみた結果、モーツァルトのK.400以降のピアノ曲は、とくに学習能力を高めるという結果が明らかになったそうだ。
勉強部屋や書斎のBGMとして、モーツアルトのK.400以降のピアノ曲をかけてみよう。ちなみに、バッハの曲に変えたら、澤口教授の場合はひたすら眠くなってしまったという。
■6.トイレに事典や辞書を置く
日本を代表する脳研究の権威である大島清・京都大学名誉教授のご自宅のトイレには、何種類かの事典や辞書、植物図鑑や昆虫図鑑が置いてあるという。
毎朝、トイレで用を足しながら、これらを気のむくままに取り、目を通す。そのたびに、忘れていた漢字を再確認したり、うろ覚えだった言葉の意味を思い出し、ふたたび記憶にインプットするそうだ。(中略)
これまで知らなかった言葉や名前を覚えたり、すっかり忘れていた言葉を確認すると、脳内の神経細胞のネットワークが新設されたり、すでに詰まりかけていたネットワークの強化や補正ができるのである。
【感想】
◆脳の研究も、以前に比べたらずいぶんと進んでいるようですが、「試験合格」ですとか「丸暗記」といった「直接的な話」になると、未だ少々微妙だったりします。それに比べて、「脳に良い習慣」のように「間接的」とも言える話は、それなりに説得力がw
たとえば、モロなタイトルの築山先生のヒット作であるこちらとか。
脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める (生活人新書)
参考記事:『脳が冴える15の習慣―記憶・集中・思考力を高める』築山 節(2006年11月18日)
この本、「50万部突破」だそうですから、潜在的なニーズはあるのだと思います。
◆翻って今日ご紹介した本。
こちらも、築山先生の本同様に、日常生活の中で取り入れられる習慣が多々。
割愛したTIPSの中にも
●「指先を動かす作業が脳細胞を刺激する」
●「ワリカンの計算は電卓を使わない」
●「週末は『利き手』を封印しよう」
●「天才脳をつくった驚きの納豆パワー」 etc...
なんてものがありました。
ホント、その気になれば、いつでもできるんでしょうけどね。←でもやらないw
◆1点気になったのが、上記ポイントの5番目のモーツァルトの曲の件。
『2台のクラヴィーアのためのソナタ 二長調K.448』というのがどういう曲なのか知らなくて、YouTubeで拾ってみたところ、こんな曲らしく。
確かに悪くはないですが、上記ポイントで澤口先生にdisられているバッハの方が、私は勉強中のBGMとして好きでしたね。
例えばこの曲とか。
◆また、最後の「トイレに事典や辞書を置く」というのは、さっそく実践したいところ。
現在我が家のトイレには、『Number』や『SPA!』といった雑誌が置かれており、まったく脳のためにはなっておりません。
このTIPSは、私だけでなく、子どもたちにとっても良いことですから最優先でやろうかと。
さっそく、こんなのをチェック!
恐竜の世界 (学研の図鑑)
ムスコが「読む」、と言ったら、即「アマゾンアタック」します
気軽に読めて、役に立つ1冊!
「頭がいい人」は脳をどう鍛えたか (青春文庫)
序章 脳はトシをとらない
第1章 仕事・勉強に差がつく頭の回転の速め方
第2章 右脳、左脳を鍛えて潜在能力を引き出す!
第3章 脳を最高の状態に整える食事と睡眠のコツ
第4章 楽しみながら脳を活性化する「五感」刺激法
第5章 この習慣が「一生老けない脳」をつくる!
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【脳を整える?】『脳が冴える勉強法―覚醒を高め、思考を整える』築山 節(2012年01月11日)
【編集後記】
◆あの(?)『ネガポ辞典』に実践編が!ネガポ辞典 実践編―ネガティブな言葉をポジティブに変換
これは要チェックですね!
ご声援ありがとうございました!
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