2013年10月06日
お前らもっと『30秒で話を伝える技術』の凄さを知るべき
結果を出す人の30秒で話を伝える技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で見つけたコミュニケーション本。エレベーターピッチだけでなく、セールストークや商品のコピーにも使えることウケアイの内容でした。
アマゾンの内容紹介から。
忙しい上司に企画主旨を伝えたい、顧客に手早く商品説明をしたい、大勢の前でうまくスピーチしたい――。ビジネスシーンでは、多くの場面で自分の考えやメッセージを素早く、明確に伝える必要があります。「1つのメッセージに目的は1つ」「欲しいものを明確にする」「メッセージの冒頭でフックを使う」などのステップをたどるだけで、仕事の様々な場面で誰でも使える30秒メッセージがつくれます。世界16カ国で読み継がれてきたロングセラーが待望の新訳で登場。仕事と人生に大いに役立つ、伝え方の教科書です。
なお、タイトルはまたもや「ホッテントリメーカー」作でございます……。
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.明確な目標を設定する目標は1つに絞られていなければならないし、明確かつ具体的でなければならない。
目標が見つかったら、あらためてその内容を見直してみる。ほとんどの場合、見直しの基準として使うべきキーワードは、「なぜ」だ。「なぜ」に対する答えがハッキリ出て目標がクリアになったら、達成するために「どう言うべきか」を考える。定めた目標に、確実につながっていく言葉が必要だ。
いくら考えてもいくら書いてみても、その言葉が目標の達成に結びつかない、補強しない、貢献しない場合は、振り出しに戻って考え直さなければならない。そしてこの目標こそが真実だと確信できたら、そこからブレてはいけない。
■2.聞き手を定め、自分に好印象を抱く要素を見つけ出す
希望の職につきたい、希望の給料をもらいたい、休暇がほしい、同僚の協力を得たい、寄付をしてほしい、あるいは返品と返金をしてほしい――。
求めるものが何であろうと、30秒メッセージの内容を練る前に、まずは自分が誰にその話をすべきかを見極めなくてはならない。そして、相手が自分に好印象を抱く要素を最低でも1つ、見つけ出さなければならない。
暗闇の中で的を狙っても、成果は期待できない。情報を集めて的を照らせば、自分がどこを狙って、何を求めているかがハッキリ見えてくる。
■3.どうすれば一番伝わるか考える
目標と相手を念頭に置いたうえで、次の問いについて考えてみていただきたい。ただし、答えは一文でまとめてほしい。◎自分は何を話そうとしているか?出てきた答えのうち、同じ文章が3つ以上あっただろうか。それは目標に結びつき、聞き手のニーズや関心ともつながっているだろうか。だとしたら、それがあなたの正しいアプローチだ。
◎作戦の土台になる話題は何か?
◎話そうとしていることの核心は何か?
◎求める目標にたどりつく、最適な言葉とは何か?(中略)
■4.フックを「断言」するか「質問」するか考える
ひとまず両方の文をつくってみよう。どちらも使えるかもしれないが、私なら可能であれば質問形式を選ぶ。効果が2倍になるからだ。フックは関心を引くためのものたが、人は何かをたずねられると思わず注意を向けやすい。次の2つでは、どちらに興味をそそられるか考えてみてほしい。「優れたマネージャーには共通する能力があります」私が選ぶのは2番目のほうだ。
「優れたマネージャーに必ず共通する能力とは何でしょうか?」
■5.視覚的な連想を呼び起こさせる
たとえば、次の2つの文章はどう違うだろうか。「財政赤字は、景気に悪い影響を与える」前者の表現は退屈だ。平凡で関心をかき立てず、聞き手の心に何のイメージも絵も広げられない。たが後者は、耳に入ってきた言葉を受け止め、とり込みやすい。あざやかなイメージが広がるからだ。しかも、視覚的な連想を呼び起こされると、人はそのメッセージを記憶しやすい。
「財政赤字は、景気の血流の中にひっそりと、しかし致命的な毒を広げる」
■6.話にコントラストをつける
変化をつけること、コントラスト(対照性)を生むこと。これは本当に重要だ。真面目な議論と笑顔は対照的なので、コントラストが生まれてメッセージがドラマチックになる。ためしに、次の文章を声に出して読んでみてほしい。「子どもについて語るのは楽しい。だが、虐待された子どもの話には、胸がしめつけられる」もう一度読んでみよう。ただし、今回は「楽しい」のところで笑顔を浮かべ、後半は真面目な顔で読む。それを鏡の前でやってみよう。前半の笑顔が、後半を2倍にドラマチックにすることに気づくはずだ。
■7.間を入れる
もう1つ、注意を引くテクニックとして間を入れるという方法もある。これは実に価値あるテクニックで、効果はてきめんだ。(中略)
やってみよう。次の文章を読んでみてほしい。聞き手の注意を引きたいとき、私は(……沈黙……)「間」をあけます。30秒メッセージでこのテクニックを使うと、ほんの短いセンテンスに聞き手がグイッと関心を寄せる様子がわかるはずだ。「次に何を言うのだろう」と、思わずのめり込んで聞くのである。
【感想】
◆なかなか実践的な1冊でした。本書の場合、上記ポイントの2番目で「聞き手を定め」と言ってるように、基本的にはプレゼンというよりは、対面で相手に何かを話して、要求を聞いてもらうケースを想定しています。
30秒ですから、エレベーターピッチにしてはちょっと長いですが、セールストークの導入部分としてはうってつけ。
もちろん、職場の上司や会社の役員に働きかける事例も多々収録されていますので、一般的なビジネスパーソンにも得られる点は多いと思います。
◆ところで、今回割愛した中で留意しておきたいのが、「30秒メッセージ」の「終わらせ方」。
確かに「こちらのお願い」を提示しなければ、そこまでのメッセージも水の泡です。
ただし、ただ単にお願いするだけではダメで、「特定の時間内に行動を求める」終わらせ方である、「アクション・クローズ」を用いなければなりません。
一方、押しつけない方がチャンスを得られそうな場合は、「リアクション・クローズ」を用いよ、と。
こちらは、提案や例を示すことで、望ましい結果を引き出すやり方なのですが、どちらが良いかは相手を見きわめて行なえ、とのことでした。
◆また、上記ポイントの7番目に関連して、聞き手を引き付けるやり方をもう1つ。
30秒メッセージで特に重要な一文がある場合、それを印象付けるために「文末をわざとソフトに言う」のだとか。
つまり、途中までは普通にしゃべり、後半にかけては「ほとんどささやくくらい」の声で読むわけです。
プレゼンのテクニックで、「声に抑揚をつける」というものがありましたが、この「ささやき」戦術も「相手が思わず身を乗り出して」聞き取ろうとするのだそう。
たった30秒ほどの間に、間を入れたり、ささやいたりしていいものなのか、ちょっと不安ではありますがw
◆なお、本書は下記目次の通り、第1部で「話しの内容」を、第2部で「話し方」等について言及しています。
その第2部では「聞き手が千人でも緊張しなくなる方法」と題して、ノーマルなプレゼンや講演会等の状況での方法も指南。
「30秒メッセージ」の考え方に則って、大勢の前でしゃべる際の心得等が学べますので、この部分は通常のプレゼン本として読むことも可能だと思います。
いずれにせよ、中身が濃い割には、ページ数が薄いので、パラパラっと読んで参考にして頂きたく。
なるほど「名著」と言われるだけのことはあるかと!
結果を出す人の30秒で話を伝える技術
第1部 誰でも簡潔に、強力に思いを伝えられる7つのステップ
第2部 話し方や見た目で損しないための実践テクニック
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【話し方】『言いたいことは1分で! 10倍伝わる話し方』渡辺美紀(2013年01月05日)
【元ネタ本?】「なぜ、この話し方だと成功するのか」アーチ・ラストバーグ(2010年06月14日)
【話し方】「たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック」アラン・ガーナー(2010年06月06日)
【編集後記】
◆「話す」ネタ絡みで。話す力 (小学館新書)
……草野さんって、東大卒だったんですね。
ご声援ありがとうございました!
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