2013年09月28日
【集中力】『トップ1%の人だけが実践している 集中力メソッド』永田豊志
トップ1%の人だけが実践している 集中力メソッド
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、図解本でお馴染みの永田豊志さんの最新作。「何で永田さんがこのネタを?」と思ったら、前作である『トップ1%の人だけが実践している思考の法則』を記すにあたって、多くの成功者に共通しているのは「集中力」であることを発見したのだそう。
アマゾンの内容紹介から。
世界的に著名な成功者たちはみな、同じような幼児教育プログラムを受けていた!本書は、そのプログラムの根幹となる成功法則「集中メソッド」の全容を紹介。その習得法についても、くわしく解説します。
幼児教育の話は出てくるものの、私たちも今からでも間に合います!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.やる気に火をつける「自己決定理論(SDT)」重要なことは、やるべきことを「他人から」ではなく、「自ら」選ぶということなのです。
エドワード・デシは一連の実験結果を通じて、後に「やる気を出すメソッド」を「自己決定理論(SDT)」としてまとめあげました。そして、自律性に加えて、有能感(自分ができるという自信)、関係性(誰かとつながっている安心感)の3つは人間の本質的な心理的欲求であり、これらを満たすことで内的動機付けに火をつけることができると結論付けたのです。
■2.達成できるか否かのギリギリの目標に対して集中する
易しすぎる目標は、達成しても内なる喜びを生み出さない。単純すぎる目標は、何度かやっているうちに飽きてしまいます。一方で、難しすぎる目標や、ルールがあいまいなものは、やっている最中に前進しているフィードバックが得られないため、これもまたフロー体験につながりません。
つまりは、達成できるかどうかわからないギリギリの目標に対して集中して、達成したときの恍惚感を得ることがフローを起こす最良の方法なのです。仕事の目標もこうしたギリギリのラインを設定することが大事です。
■3.過去や未来に気をとらわれず「今」に集中する
集中力はただただ、1点を見つめて心をそこに向けることです。過去や未来に気をとられてはいけません。過去の成功や失敗体験、あるいは未来の評価や成功を気にしてはいけません。集中するときは「今」だけに注意を向けることが大事です。試合でも、仕事でも、人生でも、負けるとすれば、それは「今」に対する集中力が切れたからです。
私たちはもっと「今」にフォーカスすべきです。未来の成功のためにやっていることでも、集中力を強化するのであれば、未来のことはキレイさっぱり忘れましょう。
■4.長期的な目標を持つ
1万時間を1つのことに継続して費やすためには、相当の集中力が必要です。
集中力は、何も短期的なものばかりではありません。毎日コツコツやるべきことを、途中であきらめないでやり遂げる、というのも長期的な集中力があっての賜物です。長期的目標をともなう「集中力」は、誰にでもひとかどの才能を開花させる可能性をもたらします。
■5.「1点」と「分散」のスイッチを切り替える
かつて、サッカーの中田英寿選手はパスの練習をするときにしきりに首を振るようにしていました。これは、パスを正確に通すためにボールに集中する「1点集中」と、周囲の状況を把握する「分散集中」を素早く切り替えるために行っていたのだとか。(中略)
スポーツでは、こうした1点集中と分散集中を瞬時に切り替えながら、部分と全体を把握することが求められます。むろん、こうした能力は、スポーツだけでなく、仕事でも必要です。
■6.集中力を高める「5つのS」
1 Simple = 余分なものを捨て、シンプルに
2 Small = 小さく達成しやすいゴール
3 Single = 一度に1つだけ
4 Short = 短い時間やる
5 Smile = つねに楽しむ、ポジティブな姿勢をもって
(詳細は本書を)
■7.集中力を高めるための呼吸法
1 椅子あるいは床に背筋を伸ばして座り、他の部分はリラックスする
2 呼吸に集中し、それが体の細部でどのように影響しているか、腹が息を吸い込み、吐くたびにどのように動くのかを心の目で観察する
3 鼻先に意識を向け、呼吸するたびにどのような感覚が生じているかに集中する
4 無関係な思考や感覚で注意がそれてしまったら、もう一度、意識を呼吸に戻す
脳には、自分を変える「6つの力」がある。: 前向き、共感、集中力、直感・・・・・・etc.
【感想】
◆本書の前半部分に頻繁に登場するのが、冒頭の内容紹介で触れられている「幼児教育プログラム」なのですが、アマゾンを見ても、版元サイト見ても、名称が明らかにされていません。そこで今回は、その部分をサクッとスルーしてまとめてみた次第。
ぶっちゃけ、アマゾンの内容紹介に登場する、ジェフ・ベゾスや、ラリー・ペイジ&セルゲイ・ブリンの幼児期の共通点をググればすぐ分かるのですが、一応マナーとしてw
私も以前からそのプログラムのことは知っていましたが、あくまで教育法の枠組みの中でしか捉えておらず、そのプログラムと「集中力」を結びつけたのが、本書の意義ではないか、と。
◆ということで、第2章ではその著名人たちの「集中力」の秘訣を探っています。
上記の3人に加えて、将棋の羽生善治さんや野球のイチロー選手、さらには、あのドラッカーや、iPS細胞の山中教授などなど。
また、上記ポイントの4番目にあるように、お馴染みの「1万時間の法則」が登場する関係上、ビートルズやモーツァルトも名を連ねるという。
天才! 成功する人々の法則
参考記事:【勝間さん激賞!】「天才!成功する人々の法則」がいよいよ発売へ!(2009年05月13日)
確かにこれらの方々は、皆、集中力がありそうではあります。
◆そして、こうした著名人たちに追いつくべく、私たちが集中するためのTIPSが収録されているのが、第3章の「『集中力』を伸ばす技術―天賦の才でも、偶然でもない。誰でも手にできるテクニック」。
特に上記ポイントの6番目の「5つのS」は、詳細を含めて要チェックです!
さらに、本書では「集中力を持続させるための『4つのR』」なるものが掲載されているのですが、さすがにこちらはネタバレ自重。
上記ポイントの最後の「呼吸法」や、簡単ですが「瞑想」についても触れられていますので、書店等でチェックする際は、この第3章中心で良いと思います。
ちなみに、第4章は集団での「集中」のお話なので今回は割愛してしまいましたが、内容的にはモロにビジネスネタなので、マネジメント等に関係される方は併せて要チェックで。
◆なお、当ブログでは、集中力に関するTIPSが大量に収録されているこの本を、以前ご紹介しています(下記はその後出た新版ですが)。
最強の集中術 新装版
参考記事:【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)
たしか、当ブログにおける、初めての「はてブホッテントリ」入り記事だった記憶がw
正直、今回の永田さんの本は、この本ほどマニアックではないものの、逆にTIPSが絞り込まれている分、実践はしやすいのではないか、と。
「5つのS」の中の、「Single = 一度に1つだけ」を意識するだけで集中力は高まると、この記事を書きながらもついついメールチェックをしてしまった私は思うのでしたw
すべての成功は「集中力」あってのもの!
トップ1%の人だけが実践している 集中力メソッド
第1章 残り99%の人へ贈るトップ1%の共通ルール―ある幼児教育に見た万国共通の大成功メソッド!
第2章 「集中体験」が、とんでもない成功を創り上げた!―世界を変えた天才たちのケーススタディ
第3章 「集中力」を伸ばす技術―天賦の才でも、偶然でもない。誰でも手にできるテクニック
第4章 組織の「集中」はリーダーがもたらす―会社全体で「今」「ココ」に集中するために…
【関連記事】
【集中術】『東大ドクターが教える集中術』森田敏宏(2013年04月07日)【東大式】「現役東大生だけが知っている!集中力を高める34のルール」(2010年03月24日)
【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)
【超集中術】「東大生が教える超集中術」(2007年12月11日)
「ハウツー勉強―受験三冠王が語る合格へのパスポート」 弥永真生 (著)(2005年04月05日)
【編集後記】
◆本書に登場する本の中で気になったのがこちら。集中力 (ポケットブック)
同じシリーズの『記憶力』は買ったのですが、こちらは未だ未読という……。
ご声援ありがとうございました!
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