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2013年09月15日

【ライフハック】『京大・鎌田流 一生モノの時間術』鎌田浩毅


京大・鎌田流 一生モノの時間術
京大・鎌田流 一生モノの時間術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、京大大学院の名物教授(?)である鎌田浩毅先生の最新作。

タイトルに「時間術」とありますが、読書術やら会議術等、もうちょっと幅広いテーマまでカバーしております。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
去る者追わず法、入れ物法、ダメもと法、買わずに捨てる法、一事専心法……。
「時間の勝負」でアウトプットを出す、科学者のシンプルな考え方、働き方。
時間をかけて100%を目指すより、できることで80%の結果をすぐに出そう!

本書内で「各章を読んで、『面白い!』と思ったところから、ぜひ実践してみてください」と言われているように、TIPS満載の1冊でした!


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【ポイント】

■1.メモはマニュアルのつもりで書く
 人の記憶というのは、かなりあやふやなものです。未来の自分は他人同様の存在です。ですから、誰か知らない他人が読むマニュアルを作るようなつもりで、紙にきちんと書くのが賢明です。
「6月20日、A社に商品Bを3000セット納入。担当は総務部のN様。15時の時間厳守!」
 などと文章化して書くことで、メモはマニュアルとして機能します。いざ仕事がスタートしたら、マニュアルにしたがって仕事を進めるだけなのできわめてスムーズです。


■2.「緊急でない重要な仕事」は入れ物から
パソコンのデスクトップにフォルダを作るだけでもよいのです。新規フォルダを作成して、「○○プロジェクト」などの名称を入力します。まずは「入れ物」を作成した時点でよしとしましょう。入れ物だけならば、誰でもたったの5秒でできます。
「入れ物だけ作って意味があるの?」などとバカにせず、騙されたと思ってやってみましょう。
 とりあえず入れ物を作る効果には、決してあなどれないものがあります。入れ物があれば、自動的にそこに情報を入れようとする意識が働きます。つまりプロジェクトは、新規フォルダを作った瞬間からスタートしているのです。


■3.迷ったら捨てる
「とりあえず取っておこう」「あとで使うかもしれない」という判断が、その後の時間のムダを招きます。渡された資料をそのまま取っておくと、あとになってから要らない資料を再び見返す可能性が生じます。
 結果として時間がたって捨てることになるのですが、これこそが二度手間なのです。
 捨てる基準は、慣れてくるうちにつかめるはずです。
 原則として、捨てるかどうかで迷ったら、「迷わず」捨ててしまいましょう。迷った資料が必要になる可能性は稀なのです。


■4.会議の前にA41枚の資料を参加者は読んでおく
 会議の前には、「何を討議するか」をA4判1枚にまとめ、参加者に周知しておきます。(中略)
A4判で1枚の資料をl〜3分かけて丁寧に読めば、かなり正確に会議のエッセンスが把握できます。忙しい参加者でも、5秒で目を通せば「何を討議するか」は十分に伝わるのです。
 こうしておくと会議室に集まった時点で、予備知識がすでにインプットされているため、全速力で議事がスタートできます。そして実際に会議が始まったら、具体的に「どうするか」をどんどん決定していきましょう。


■5.留守電が吹きこまれた着信のみ折り返す
 メッセージが吹き込まれた着信に応答するだけでも、大事な仕事は着実に回っていきます。したがって、留守電以外の着信は折り返さないでも大丈夫なのです。
 また、留守電にメッセージがなくても、至急コンタクトがとりたければ、必ずもう一度電話がかかってくるものです。
 逆にいえば、相手の携帯電話に電話をかけて留守電につながったときには、必ずメッセージを残す習慣をつけましょう。


■6.規則正しい生活をおくる
 高い「質」は、しばしば「量」によって支えられるものです。そして、量を産むためには、とりもなおさず規則正しい生活を実践する必要があります。実は、「判で押したような」健康的な生活こそが理想なのです。
 たとえばイマヌエル・カントは、規則正しい生活習慣を継続したことで有名なドイツの大哲学者です。
 彼は午後の散歩を習慣としていましたが、その時間は正確無比なものでした。彼の住むケーニヒスべルクの人々は、彼が散歩をする姿を見て時計の針を調節した、という逸話があるくらいです。


■7.恩返しのために自分の時間を使う
 両親や先生、仲間から自分は何を受け取ってきたのか。反対に、彼らにどんな迷惑をかけてきたのか。そして、いままでにどんなお返しができたのか。
 短い時間でも、考えているだけで、涙が出てきたり反省したりすることが思い浮かぶかもしれません。(中略)
 そうしたら、少しでも恩返しのために自分の時間を使うことを考えてみましょう。ご両親を食事に誘うことかもしれませんし、長距離電話で話すことかもしれません。また、部署が変わってしまった先輩に直接恩返しできなくても、後輩には何か支えになることができると思います。
 そんなふうに行動してみるのが、人間らしい時間の使い方ではないでしょうか。


【感想】

◆「時間術」も当ブログでは「定番ネタ」だと思っていましたが、改めて過去記事漁ったところ、最後に書いたのが今年の2月ということで、既に半年以上経過。

もっとも、仕事術の本で効率化を目指していれば(というか「ちんたらやる」という選択肢はありませんがw)、時間の話はどうしても避けられず、それが故に、あまり「久しぶり」とは感じませんでした。

ただし、勉強本がどれも「王道TIPS」に溢れているように、時間術の本も、ぶっちゃけ「どれもそれほどは変わらない」というのがホントのところかと。

それを受けてか本書の場合、純粋な「時間術」以外のお話も結構登場するのが特徴です。


◆たとえば、冒頭でも触れている「読書術」。

本書では「鎌田流速読法」が指南されており、「1冊6分で処理」するのだそう(詳細は本書を)。

ただ、速読は、まだ「時短」という観点から「時間術」にも通じますが、本書の第6章のテーマは、類書でもあまり見かけない「健康」です。

たとえば、酒・タバコとの付き合い方や呼吸法、睡眠法などなど。

一応、上記ポイントの6番目あたりは「時間」も関係してきますが、「ガチ」な時間術を期待される方には、範囲が広すぎると感じられるかもしれません。


◆一方、個人的に取り入れたいと思ったのが、ポイントの2番目の「入れ物」のお話。

私は勝手に対象を「緊急でない重要な仕事」と定義してしまいましたが、正しくは「とくに締め切りが差し迫っているわけでもなく、それでいて頭を使う重要な作業」になります。

これらは、その性質上、どうしても後回しにされがち。

そこで上記のような「入れ物」をまず作ってしまうと、「スターター」の役割を果たすという。

実際本書も、鎌田先生がどこからもオファーされていない段階で、「時間術」というフォルダをパソコンのデスクトップ上に作ったところから始まったのだとか。


◆なお、冒頭の内容紹介で、いくつかの「やり方」の名称が記載されていましたが、そのノリで、ほぼすべての項目に「鎌田流」の名称が設定されています(例えばすぐ上のお話は「入れ物法」)。

ですから目次の小見出し等を見て、名前を聞いたことがないと思っても、実は既知のやり方だったり、名前をつけるほどのものでもない(と私は思った)ケースもちらほら。

とはいえ、鎌田先生も言われているように、「『面白い!』と思ったものを実践する」というのが、本書の正しい使い方かと。

私も長年懸案となっている事項に、「入れ物法」を取り入れてみようと思います。

……それにしても、東洋経済さんらしからぬ(?)装丁は、大丈夫なんでしょうかw


実践すれば、きっと元が取れる1冊!

京大・鎌田流 一生モノの時間術
京大・鎌田流 一生モノの時間術
第1章 これだけ覚えれば、飛躍的に時間が活用できる!
第2章 ちょっとの工夫で時間が倍に増える
第3章 「捨てる技術」で無駄な時間をシャットアウト
第4章 コミュニケーションをスムーズにする!
第5章 みるみる集中力がつく行動術
第6章 「身体の声」に従う時間術
第7章 豊かな人生を過ごすために


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【時間管理術】『アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門』Staffan Noeteberg(著), 渋川よしき,渋川あき(翻訳)(2010年12月19日)


【編集後記】

◆昨日発売になった新書。

そして日本経済が世界の希望になる (PHP新書)
そして日本経済が世界の希望になる (PHP新書)

ポール・クルーグマンが新書で出す、というのもスゴイな、と。


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