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2013年08月31日

【結構オススメ】『プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術』前田大輔


プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術 (フォレスト2545新書)
プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術 (フォレスト2545新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、前々回の「未読本・気になる本」の記事で取り上げながら、つい放置してしまっていた1冊。

アマゾンでは1人のレビュアーから言われのない(?)低評価がされていますが、個人的には付箋貼りまくりでした。

アマゾンの内容紹介から。
あっという間に安心させて心を開き、知りたいことを聞き出す!凄腕の心理カウンセラーが明かす欲求心理学+現代催眠(NLP)を駆使して「心理の達人」になる法。

なお本書は、2006年に出た単行本『プロカウンセラーの「心理の達人」マニュアル』の新書化ですので、そちらをお持ちの方はご留意ください!


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【ポイント】

■1.結論はたとえ話で伝える


Bride's veil / ☺ Lee J Haywood

「以前、結婚を控えたある女性がね……」と話し始めた時点で、相手の心にひとりの人物像が現れ、ストーリーの中で動き始めます。人とのコミュニケーションにおいて「ある結論を強く思わせたい」と願うなら、決してその結論を相手にストレートに伝えてはいけません。
 その結論は、たとえ話、すなわち暗示で伝えるのが最も効果的です。なぜなら、たとえ話をすると、相手は自分の中で考え始め、自分自身で出した結論を信じて、疑わなくなるからです。


■2.マズローの「欲求段階説」に従ってアドバイスする


Game boy / Aine D

 ゲームばかりしている子どもに向かって、親はよく「そんなゲームばかりしていると、大人になって食っていけなくなるぞ」などと小言をいいます。
 これは、ゲームがうまくなって仲間たちと一緒に遊びたい、という「親和の欲求」の段階にいる子どもに向かって、すでにクリアしたはずの(現在何不自由なく食べているわけなので)下に位置する「生理的欲求」を示唆していることになります。これでは、なんの目標にもならず、その子どもに対して、まったく説得力がありません。


■3.第一印象は「無意識」に刻まれてしまう


Day 33, Project 365 - 11.22.09 / William Brawley

 昔から、第一印象は見た目で決まると言いますが、あながち嘘ではありません。とくに初対面の場合、あなたの服装は大きな影響を与えます。会社の経営者に見られたかったら、やはりジーパンにTシャツではまずいのです。(中略)
 印象というのは無意識です。無意識に入ってしまったら、意識的な方法でそれを覆すことはほとんど不可能です。見た瞬間に「お金持ちそうだな」「上品そうだな」と思わせたら、その印象はもう簡単には変わらないのです。見た目の印象はそれほど大事なのです。これは、後になって変えることはできません。


■4.相手の表象システムを踏まえて会話する


Applause / quinn.anya

 視覚的要素を使う人には、「輝くばかりの」「目からウロコ」「目が行き届いている」などの肯定的なほめ言葉と、「ピントがずれている」「つやがない」「目が節穴」などの否定的な言葉が有効です。
 聴覚的要素を使う人には、「拍手喝采」「評判がいい」「歓声が上がる」などの肯定的なほめ言葉と、「悪い噂」「雑音」「不協和音」などの否定的な言葉を。
 触覚的要素を使う人には、「暖かい」「力強い」「爽快な」などの肯定的なほめ言葉と、「胡散臭い」「つかみ所がない」「重苦しい」などの否定的な言葉をあらかじめ用意しておいて、相手との会話で使うのです。


■5.命令を挿入した質問をする


a glass of water / OiMax

「もう少し静かにしてもらえませんか?」
「もう一杯、お水をもらってもいいですか?」

 これらは挿入命令です。形式は質問になっていますが、そこには「静かにしてもらいたい」「水を入れてもらいたい」という意図が込められています。よく考えれば、質問なのですが、「できません」と答える人はいません。ほとんどの人が、抵抗できずに、期待通りの行動をしてくれるのです。(中略)
 つまり挿入命令こそ、角を立てずに、こちらの思うままに相手を動かせる暗示手法なのです。もっとも簡単で、利用しやすい催眠サイクルへの暗示と言えます。


■6.過去完了否定形を用いて相手に思い込ませる


7dcp3111553-poverty / Wolfgang Lonien

「実は私、この仕事をする前は、ずっと貧乏だったんです」(中略)
 実は、こういう話し方をされると、誰でも人は「じゃあ、今は違うんだ」と勝手に思い込んでしまうのです。(中略)
 実際、相手は今はどうなったか何も言っていません。何も言ってないけれど、あなたは勝手に思い込んでしまったわけです。
 こうした、無意識のうちに、話の足りない部分を相手に作らせたり、相手に補ってもらう方法が、過去完了否定形を用いた暗示の方法なのです。


■7.たとえ話や比喩は「今から暗示する」と悟られない


Freud - Exploring the unconscious mind / One From RM

 たとえ話や比愉のコツは、それがたとえ話だと悟られないようにスタートすることです。「いやあ、こんな面白いたとえ話があるんです。笑っちゃいますよ」などと話し始めるとたとえ話の効果は半減してしまいます。今から暗示をするということをわからせてはいけないのです。
 相手に心の準備をさせしまうと、もう催眠にはかかりません。相手の無意識にメッセージを入れることは難しくなってしまいます。


【感想】

◆新書で薄い本なので、付箋を貼った画像を掲載はしませんが、冒頭で申しあげたように、付箋を結構貼りまくりました。

これで何で☆1つなのか謎。

先日ご紹介した『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』の低評価レビューは、記事でも書いたようにまだ理解できる部分があるのですが、今回のレビューには首をかしげざるを得ません。

もっとも、元ネタの単行本の方は、概ね高評価なので、個人的にはそちらに同意したいところです。


◆さて、いくつか補足しておくと、まず上記ポイントの4の「表象システム」の件。

人は「視覚」「聴覚」「触覚」のどれかを優先的に選んで使う、という話は聞いたことがあると思います。

相手に合わせて「ほめ言葉」を使うのはいいのですが、何で今回は「否定的な言葉」まで列挙されているのか?

実はこれ、相手の意見を否定したい時に、「あえてその相手の表象システムと異なるものを使う」ため。

そうすることによって、相手がリアルな不快感を感じないのだそう(詳細は本書を)。


◆またポイントの5番目の挿入命令では注意したいことが。

「もっと美味しい料理を作れないのか?」

「どうしてちゃんと宿題をしてから遊びに行かないの?」


といった言い方は、一見質問の形をとっていますが、これらは明らかに批判もしくは命令を意図したものです。

本書によると「好ましくない感情を呼び込む暗示」なのだとか。

特に後者については、子育てにおいて典型的なNGフレーズの1つです。

今まで、子育て系の本を読んでNGであることは知ってはいましたが、こういう理由があったとは。


◆そして、本書で一番勉強になったのが、たとえ話や比喩の効用。

これらは「相手に理解させやすい」ために使われているのだと思っていましたが、暗示効果があっただなんて。

例えば、段取りが悪い部下に頭ごなしで注意するよりも、「むかし、仕事の段取りが悪い部下がいてね。段取りが悪いばっかりに、その能力が正しく評価されなかったんだ」と、比喩で話した方が効果はあるわけで。

……うん、これ、口説く時に使えそうw←こればっかw

もちろん、ポイントの最後にあるように、間違っても「たとえ話」であることは悟られないように!


個人的にはオススメの1冊です!

プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術 (フォレスト2545新書)
プロカウンセラーの一瞬で心を見抜く技術 (フォレスト2545新書)
第1章 心理カウンセラーに学ぶ相手の「心との関わり方」
第2章 欲求心理学で知る「相手の心を見抜く方法」
第3章 現代催眠(NLP)を駆使して「心を開く技術」
第4章 相手の心を動かす「心理テクニック」


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【編集後記】

◆あの『影響力の武器』がコミックに?

影響力の武器 コミック版
影響力の武器 コミック版

オリジナルがそれなりのお値段ですので、手が出せなかった方にはありがたいかも!?


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