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2013年08月27日

【超勉強法?】『勉強の結果は「机に向かう前」に決まる』池田 潤


勉強の結果は「机に向かう前」に決まる
勉強の結果は「机に向かう前」に決まる


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事でも取り上げた1冊。

タイトルからして、普通の勉強本とは違う感じですが、実際、中身の方も類書とはひと味違っていました。

アマゾンの内容紹介から。
勉強しても、結果が出ないのはなぜだろう?授業を一切することなく東大・京大・早稲田・慶應などの一流大学へ合格者を輩出してきた著者が初めて明かす、「勉強以前」の勉強法。英語の勉強、昇進試験、受験勉強、資格試験など、あらゆる勉強で結果が出る!

ハマる人にはハマるであろう「人を選ぶ」勉強本かも!?


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【ポイント】

■1.勉強で結果を出すための4つのスキル
「量」と「質」という2つの壁を乗リ越えることかできれば、勉強で結果を出すことができます。至ってシンプルな話です。
 勉強の「量」の壁については、「やる気」と「継続力」が関係しています。やる気を出す方法と、継続する方法を学べば、この壁はクリアできる。
 勉強の「質」の壁については、「勉強法」と「集中力」が関わってきます。
 つまり、「勉強法」「やる気」「集中力」「継続力」。この4つの壁をクリアすることができれば、勉強で結果を出すことができるということなのです。


■2.「なぜ思考」で抽象化する
 とにかく問題に向かう度に「なぜ?」とつっこみを入れてください。
 問題を間違えた。なぜ? Aではなく、Bが答えだった。なぜ? 書かなければならないことを書けなかった。なぜ? 場合分けをした。なぜ?
 とことん、「なぜ」を突き詰めていく。
 すると、自然に抽象化がなされていきます。
 勉強で結果を出すことができない人は、「なぜ」を考えません。ただ、答えを見て、暗記しようとする。それだと、全く応用が利かない知識にしかなりません。


■3.やる気を出すために「歩く」
 まずは、外に出て「歩く」ということを始めましょう。
 もちろん、走ってもいいのですが、まだ体が慣れていない頃に走り始めると、疲れが出てしまって逆に勉強ができない、ということになりかねません。
 20分〜30分程度歩くことで、脳内でセロトニンという物質が生まれ、心の安定を得ることができる、というメリットもあります。


■4.コントロールできるのは自分だけと理解する
 コントロールできないものをコントロールしようとしても、所詮は無理な話。
 不可能なことをやろうとすると、不満や愚痴というものが生まれます。
 大事なのは、自分が唯一コントロールすることができるものは何なのかということを深く理解し、そこにフォーカスをして毎日を過ごすということ。
 では、私たちがコントロールすることができる唯一のものとは何か。
 それは、自分自身です。
 自分自身以外をコントロールすることは私たちにはできません。


■5.集中力を高めるために、マルチタスクをしない
 何かと何かを同時進行にする。それは一見効率的なことに見えます。しかし実は、これこそが諸悪の根源なのです。
 同じ時間に2つ以上のことをやるマルチタスクが習慣化した結果、集中力は分散してしまう。
 クオリティは下がり、結局何も達成することができなくなってしまうのです。


■6.肉体をケアすると集中力が高まる
 ストレッチ&筋トレを真面目にやると、すごく面白いことが起こります。
 何と、後半の50分のほうが集中して勉強することができるのです。
 普通に考えれば、後半の50分は疲れが出て集中が途切れそうなものです。しかし、後半のほうが集中力は上がり、時間が短く感じられるという人が続出します。
 肉体のケアというものが、集中力に多大な影響を与えているということです。


■7.ネガティブになったら感謝する
 感情がネガティブになってしまったら、まず感謝しましょう。感謝できることを探してみてください。
 家族が元気でいること、健康で生きていること、好きな人、大事に思える人が存在することなど、感謝すべきことは山ほどあります。そしてそれらは当たり前のものではありません。
 そういったものが「当たり前」のことだと勘違いしたとき、感謝の気持ちは薄れます。当たり前ではないものを、当たり前ではないと思える心を持つこと。
 その心を持ったとき、ネガティブな感情も消えていきます。


【感想】

◆冒頭で申しあげたように「類書とはひと味違う」内容でした。

そもそも勉強本なのに、「記憶術」や「問題解答法」等の、具体的な勉強法の話はほとんどなし。

一応第2章が「勉強法」なのですが、そこのキモは上記ポイントの2番目の「なぜ思考」ともう1つ(ネタバレ自重)で、あとは「時間捻出法」などがあるくらいです。

それ以外の章は、上記ポイントの1番目にあるように、「残り3つ」である「やる気」「集中力」「継続力」について言及という構成。

……これは通常の「勉強本オタク」にとっては、受け入れにくいかもしれません。


◆実際、アマゾンレビューで酷評している方(やたら長文で何が言いたいのかところどころ分かりにくいのですが)がいて、細かい揚げ足取りしていますけど、私も気持ちは多少分かりますw

この方、良く読むと「医学部生」らしく、おそらく本書で書かれているようなことは、当然のように出来る(出来た)のではないか、と。

と言うか、出来るからこそ医学部に受かったのであり、それは本書の著者である池田さんも同じこと。

池田さんの場合、現役時には、かなりの時間をかけて勉強したにもかかわらず、京大不合格。

そこから自分のやり方を見つめ直して、翌年には京大法学部に合格したのですが、前年との違いが本書のコンテンツなわけです。


◆もう1点、私がレビュアー氏と意見が異なるのは、レビュアー氏が疑問視している「受験コーチ」という存在について。

以前、当ブログにコメントを頂いたことがあったのですが、それこそ資格試験の専門学校では、本書にあるような「勉強法以前の部分」について指導する役割の人材が必要なのではないか、と。

つまり、専門学校では、カリキュラムに則って授業を行い、具体的な科目の勉強法等については各講師が対応していますが、それはしょせんその科目だけのお話。

モチベーションや継続法、集中力について、各講師が適切に指導できなくても、それはしょうがないのではないでしょうか?

ですから、各講師が質問に応じて対応するのではなく、専門学校全体として対応する人材を置いた方が、試験の合格率も上がるハズ。

そして、本書はそういう人材のようなものだと考えると、私にはとても「不要」とは思えないのです。


◆ただし、本書を1冊読んで試験に合格できるかというと、それはまた別のお話(当たり前)。

それこそ、今まで散々レビューしてきた勉強本で連呼されてきた「王道テクニック」くらいはマスターしておく必要があります。

ベタなお話が多かったのでレビューではそれ以外の部分を重視しましたが、この本辺りはちょうどいいかも!?

ビジネスでも、資格取得でもすごい効果!  現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法
ビジネスでも、資格取得でもすごい効果! 現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法

参考記事:【勉強法】『現役東大生がこっそりやっている、頭がよくなる勉強法』清水章弘(2013年04月13日)

また、こちらの記事にあるTIPSは、ほとんど「王道テクニック」なので、そのままマスター推奨。

参考記事:【東大式】4倍効率がよくなる勉強法(2012年03月01日)


まさにタイトル通り「机に向かう前」の本です!

勉強の結果は「机に向かう前」に決まる
勉強の結果は「机に向かう前」に決まる
第1章 なぜ、あなたは勉強で結果を出すことができないのか?
第2章 努力が水の泡にならない「結果の出る」勉強法
第3章 結果を出すための「やる気」を高める技術
第4章 結果を出すための「集中力」を高める技術
第5章 結果を出すための「継続力」を高める技術


【関連記事】

友達には秘密にしておきたい『最強! 科学的勉強法』(2013年06月21日)

【勉強】『1日1分!目からウロコの勉強法』匠 英一(2013年04月27日)

【集中術】『東大ドクターが教える集中術』森田敏宏(2013年04月07日)

【オススメ】『つねに結果を出す人の「勉強脳」のつくり方』に学ぶ7つのポイント(2012年12月29日)

【勉強】『なぜ人は情報を集めて失敗するのか 目標達成論』牛山恭範(2011年06月24日)


【編集後記】

◆似たような感じで千田さんもご本を。

一生トップで駆け抜けつづけるために20代で身につけたい勉強の技法
一生トップで駆け抜けつづけるために20代で身につけたい勉強の技法

こちらもチェックしておかねば……。


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この記事へのコメント
               
書評読みました。

この本で紹介されている内容が、ポイントで挙げられている以外にもあるとは思うのですが、ポイントの2は特に関心を持ちました。

社労士合格のときは、暗記ではなく問題の出題の意図を考えながら解くように心がけていたものの、「なぜ?」を突き詰めて「抽象化」まで至らなかったと思います。

これから先、国家試験において過去問と同じ問題は出ないと思います。しかし、過去問で問われた内容を、問題文を変えたり問い方を変えたりして再出題されると思います。
このような問題に対処するには、この本の言う「抽象化」が必要なのだと思います。

次にポイント3ですが、これまた社労士合格の年は、毎週のように山歩きに行ってました。
歩いていると不思議と心が落ち着いてました。ですので、ポイント3は事実だと思います。

似た事項のポイント6についても言及すると、ここ1年半ほど週6日程度の筋トレをしています。
肉体をケアすると集中力が高まるのは、事実だと思います。

ポイントではないですが、smoothさまが言及されている「受験コーチ」について。これは同感です。

最後に勝負を決めるのは受験者の気持ちですもの。だからこそ、勉強の以前の指導は大切だと思います。


これは、なかなか興味深い本だと思います。
当面試験を受けることはないので、ポイント2を社労士の業務に活かそうかな〜と思います。

ごちゃごちゃ書いてますが、お金に余裕があったら買うって位置づけってことでごめんなさい!
Posted by 五条 勝 at 2013年08月27日 23:48
               
>五条 勝さん

最近は分かりませんが、私が受けた税理士試験は、基本的には過去問がそのまま出ることがある試験だったんで、この点については、本書に同意しかねる部分はあります。

一方、運動については、どの勉強本を見ても推奨されていますね〜。

個人的には五条さんはもう試験受かられていますし、それほど必要ないような気がw


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年08月28日 04:49