スポンサーリンク

       

2013年08月24日

【処世術?】『正しい太鼓のもち方 上司を転がす35の社交辞令』トキオ・ナレッジ


正しい太鼓のもち方 上司を転がす35の社交辞令
正しい太鼓のもち方 上司を転がす35の社交辞令


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日『スルーする技術』をレビューしたばかりのトキオ・ナレッジさんの新作。

厳密にはこちらの方が1日早いだけのほぼ同時期発売なのですが、テーマは全然違い、上司に対する社交辞令、いわゆる「太鼓持ち」の指南書です。

アマゾンの内容紹介から。
世の中ほとんどの人が誰かの部下! いうわけで、現代社会で働く人々にとって「ほめて、頼って、気に入られる」子分力は必須のスキルです。とはいえ親と上司は選べない! お山の大将上司、無計画上司、マニュアル上司、ワンマン上司、七光り上司、正論上司、ストイック上司、年下上司、叩き上げ上司、おちょこ上司etc.――ひとクセもふたクセもある上司を転がすコツをお教えします。ポンコツ上司もキレ者上司も、メロメロになる処世術。

「ホメ本」ならこれまで何冊も読んできた私ですが、知らないフレーズが山ほどあって、正直「目からウロコ」状態になりました!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【ポイント】

■1.「○○(上司の名前)チルドレンでホントよかった〜」

ビッグ・ボス [DVD]

普段、慕ってくれているようでも本心はどう思っているんだろう?という不安は、部下を持つ者なら誰しも包えているもの。そんな上司に、安心と嬉しいサプライズを与える太鼓フレーズです。
 最高に響かせるためにも、絶対に外してはいけないポイントがあります。それは「○○チルドレン」というフレーズを、使うその時まで上司の耳には入れないということ。欲を言えば、その上司と仲のい同僚や後輩たちの前ではあらかじめ使っておいて、彼らの耳をなれさせておきたいところです。


■2.「僕の両親、めっちゃ○○(上司の名前)さんに会いたがってるんですよね」


Parents 0503 / michaelarrington

自分に会いたがっている人がいるのは、無条件で嬉しいもの。さらにそれが、普段世話をしている部下によってもたらされた印象がきっかけともなれば、あなたのかわいさはハンパなくアップするでしょう。
 このフレーズのポイントは「両親」です。これが取引先の人でも、他部署の社員でも悪くはありませんが、行きつけの店の大将、学生時代の恩師など、会社とはまったく関係のない、プライベート関係の人がより効果的でしょう。


■3.「○○(上司の名前)さんは、自分のセンス査定が低すぎですよ」

SENSE (センス) 2013年 01月号 [雑誌]

一見、マイナス思考や気弱な人に使えそうな太鼓ですが、まったくの逆。確かに使えないこともないですが、実はこれがより響くのは、嫌みのある自信満々、自慢系の上司たちです。
 普段は「ひゃー!すげーっすね!」→「いやいや、そーでもねーよ!わっしゃわっしゃ〜!」のやりとりが基本べースなので、この太鼓フレーズは意外さで刺さります。しかも、自分でもけっこうな自信家と思っていたのに、「こいつは俺以上に俺の評価が高いのか!?」と嬉しくなること間違いなしです。


■4.「○○(上司の名前)さん相手だと僕の白旗、何本あっても足りないですよ」


I Give Up / Keoni Cabral

勉強、スポーツ、直感、恋愛、第一印象ゲームetc.――何をやるにしても負けない相手というのは実際います。けれども、たとえ勝てるとしても、わざと負けなければいけないのが上司や取引先との勝負――接待です。
 とはいえ、毎回、全部に負けるのもはっきり言って面倒くさいし、面白くありません。そこで叩きたいのがこの太鼓です。これは、あなたには何をやっても勝てませんという全敗宣言です。


■5.「恩返しするランキング1位です!」

日本名作おはなし絵本 つるのおんがえし

 太鼓を叩く際は、何気ない感じで「○○さんってお世話になってるランキング1位の人って誰ですか?」という問いかけから入りましょう。いきなりその上司のランキングを出さないのがポイント。「お前は?」と聞かれたら、もうしめたもの。「○○さんですね。あと、恩返しするランキング1位も○○さんです」と、自然な流れで叩けるでしょう。


■6.「○○(上司の名前)さんがいなかったら、とっくに会社辞めてましたよ」


AS Writing Notification of Resignation / Dplanet::

会社に自分が必要とされているかどうかは、仕事のモチべーションに大きく関わります。そこに不安を持っている上司に響くのがこのフレーズ。会社にとっては利益を上げる社員だけが必要ですが、部下が上司に求めるのは数字だけではありません。むしろ、人柄こそ重要です。
 とはいえ、残念ながら人柄は査定には入らないのが現実です。上司の上司や同僚は他人の心配している余裕はありませんから、そこをフォローできるのは部下しかいません。あなたの太鼓フレーズで、人柄がよく、仕事のモチべーションも高い(仕事能力はアップしませんが)理想の上司像を演出してあげるのです。


■7.「会社に嫌われたら生活の終わりですけど、○○(上司の名前)さんに嫌われたら人として終わりと思ってますから」

あなたが部下から求められているシリアスな50のこと

 長年出世できない上司たちのほとんどは「会社は俺の気苦労を全然わかってくれない。利益さえあればなんでもいいのかよ」とか「部下も陰で俺に変なアダ名つけてるんだろうな!」とか、会社や部下たちに対してネガティブスパイラルに陥っているものです。
 そのまま放置しておけば、チーム全体士気にも関わります。そんな彼らを救うのは「人柄を讃える」のが効果的。これー発であなたの虜になること間違いなしです。


【感想】

◆基本的に本書のスタイルは、直接的な前作となる、『正しいブスのほめ方』とほぼ同じです。

まずは対象となる上司を35種類(!)に分類し、それぞれの上司について、見開き2ページでその「生態」を分析。

イラストを用いて描写するのも、前作同様です。

ただし前作と違うのは、対象が全て「上司」というカテゴリーに収まるため、その属性を「キレ者⇔ポンコツ」「クズ⇔人気者」の2軸で分類していること。

この辺は、より高度な分析になっていると思います。

……35種類はちょっと多すぎるような気もしますがw


◆また、もっと大きな違いは、前作ではまず「元ヤン」やら「ブス」といった対象を分析して、その後でホメ方を指南していたところ、今回はその順番が逆になっていること。

本書では、まず上記ポイントで挙げたような「太鼓の持ち方(叩き方?)」があって、それに続いて「特に持ち上がりやすいのはこんな人」と称して、前述の「上司の分析」が解説されています。

ですから、本当は上記ポイントのフレーズも、どの上司に対しても100%有効、というわけではない可能性が。

確かに、2軸プロットで真逆の位置にいる上司に対して、同じ社交辞令を使うのもどうかと思いますし。

一応、引用部分でそれとなく使い方が指示されているものが多いので、使えないことはないと思いますが、詳しくは本書にてご確認を。


◆参考までに、今回ご紹介したフレーズだけでも、対象となる上司を列挙しておくと、

「単細胞上司」

「ストイック上司」

「キャリアウーマン上司」

「残念な太鼓持ち上司」

「アナログ上司」

「鬼嫁上司」

「体育会系上司」


の7パターン。

他にも「人気者上司」「叩き上げ上司」「ワンマン上司」「正論上司」等、さまざまな上司とその対処法が掲載されていますので、興味のある方は要チェックでw

実はこのレビューを書く際、上記のようなフレーズをご紹介するか、これらの上司分析をご紹介するか迷ったくらい興味深かったという……。

いや、だって「上司ごとに対応を変える」なんて、会社員時代の私には、思いつきもしなかったですよ!?


◆冒頭で申しあげたように、今まで「ほめ言葉」に関する本は数多く読んできましたが、その多くが「モテ」や「部下の教育」のためでした。

それに対して本書は、丸ごと全部「上司に対するもの」。

これらを「あざとい」「いけすかない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、言われる方にしてみれば、悪い気はしないハズ。

ただし、間違いなく使いこなすためには、一応本書の分析を読んでからの方が無難だと思います。


実は出世の秘策かもしれない1冊!

正しい太鼓のもち方 上司を転がす35の社交辞令
正しい太鼓のもち方 上司を転がす35の社交辞令
1 憧れを伝える太鼓の持ち方
2 絆を伝える太鼓の持ち方
3 脱帽を伝える太鼓の持ち方
4 感謝を伝える太鼓の持ち方


【関連記事】

その発想はなかった! 新しい『スルーする技術』(2013年08月17日)

【社交辞令?】『正しいブスのほめ方 また会いたいと思わせる35の社交辞令』トキオ・ナレッジ(2013年01月20日)

【お買い得!】『[決定版]ほめ言葉ハンドブック』本間正人,祐川京子(2013年05月12日)

【モテ?】『これだけ! ほめフレーズ』がモテ本としても秀逸な件(2012年10月15日)

【ホメ】『ほめる生き方』西村貴好(2012年06月04日)

【激ホメ?】『ホメ渡部の「ホメる技術」7』渡部建&テレビ朝日「お願い!ランキング」(2012年04月07日)


【編集後記】

◆トキオ・ナレッジさんは、3月にこの本も出されていました。

「了解です」は上司に失礼! 大人のマナー常識
「了解です」は上司に失礼! 大人のマナー常識

この本も面白そうですね。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「コミュニケーション」へ

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
                               
この記事へのコメント
               
Excellent!!

思わず英語で叫ぶくらい気に入りました。
特に気に入ったのがポイント2です。これでオチない上司はいないでしょう!

やりとりが気に入ったのがポイント3。
 上司の自慢を褒める
 上司謙遜
 ポイント3
 上司ご満悦
 査定アップでうま〜
って流れが自然に浮かびます。

これは買いです!早速アタックしてきます。
Posted by 五条 勝 at 2013年08月24日 12:02
               
>五条 勝さん

お気に入り頂き嬉しいです。
私はいずれも使った事もなければ、実際に使われているのも聞いたことないのですが、五条さんに実践して頂ければ、レビューした甲斐があります!

アタック頂けたなら光栄です(涙)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年08月25日 11:32