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2013年08月17日

その発想はなかった! 新しい『スルーする技術』


スルーする技術 (宝島社新書)
スルーする技術 (宝島社新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の『未読本・気になる本』の記事にて取り上げた1冊。

著者のトキオ・ナレッジさんの作品である、今年初めにレビューした『正しいブスのほめ方』は、当ブログでも評判でしたが、アマゾンでも未だ値崩れしていない人気ぶりです。

アマゾンの内容紹介から。
Facebook、紋切り型の社交辞令、誰も見ない書類、予定調和の会議、建前ばかりの「べき論」などなど―世の中は「どうでもいい」のに「面倒くさい」ことだらけです。それに時間を費やすほど、人生は長くありません。だったら、スルーしてしまいましょう。ありとあらゆる手段で失われた人生を取り戻す!ストレス社会に生きる大人必携の指南書。

これまた「ネタ」かと思いきや、意外と実生活でも使えそうでビックリであります。

なお、タイトルは久々に「ホッテントリメーカー」を使ってみました!


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【ポイント】

■1.フェイスブックではローラになりきって「いいね!」連打

THE ROLA!!

 フェイスブックでしゃらくさい自慢やリア充アピールの投稿を見かけたら、自分がローラになったつもりで、ごくごく薄っぺらな「オッケー♪」の気持ちを「いいね!」ボタンに託してみましょう。そこに、嫉妬や劣等感、偽善者を演じている罪悪感など必要ありません。ただただ無邪気に、心なく「いいね!」を押せばいいのです。それでこそ、真の"上級スルーアー"です。


■2.LINEはスタンプでスルー

プライバシー設定からLINE Playまで LINE完全活用ガイド

どう返したらいいのかわからないトークには、なんとなくポジティブな表情のスタンプを、相槌と同じ感覚・タイミングで送り返しましょう。「うんうん」「そうだね」「聞いてるよ」「なるほど」「へえ〜」「そうなんだ!」など、文字にしてしまうと"適当にあしらっている"としか思えませんが、スタンプを使うことで「あなたの話を好意的に聞いてますよ」という意思表示に見えるから不思議です。


■3.忘れられない出来事は紙に書いてスルー


“One thing you can't recycle is wasted time” / katerha

 口の達者な友達にいいように言い負かされて、そのことがいつまでたってもムカムカと心おだやかにさせてくれなかったとします。けれど、
「絶対に俺の言い分のほうが正しいのに、口八丁で丸め込まれた。もっとうまい言い方があったのに言葉が出てこなかった。皆もそれを半笑いで見ていた。悔しい」
 なんて、わざわざ紙に書いて読んでみると、
「どうでもよくね?」
 という気分になってあっさリスルーできるのです。あとは紙をグシャッと丸めるか、ビリビリ破って捨ててしまいましょう。


■4.オヤジギャグは仕事トークでスルーする

おやじギャグカルタ

 もっともスマートなスルーは「受け流す」ことです。上司のオヤジギャグが炸裂したら、たっぷり5秒ぐらい間を置いて、「……で、部長、昨日の見積もりの件ですけど」と切り返しましょう。
 大事なのは間。長すぎても短すぎてもダメですが、間をうまく使うことによって、形の上でも相手を認めるのです。「はいはい、アンタの寒いギャグ、聞かせていただきましたよ」と。同時に「うまく返すスキルもリテラシーもないので勘弁してください」というアピールにもなります。


■5.ウンチクは相手を褒めてスルーする

うんちくブック

 ここで重要になるのは、つまらない話をスルーするときのように話題の転換先を「別の話題」にするのではなく、「ウンチクを垂れ流す相手」へと向ける点です。ウンチクが始まったら、さらりと、ウンチクを語る相手に対して「ところでお前さあ、香水変えた?」とか「つうかなんで今日コンタクトなの?」とか「あれ? ネクタイ新しいだろそれ」とか、なんでもよいのですが、相手の特に外見に、話題の矛先を転じてしまうのです。


■6.悪口系長話は道化でスルー


Pierrot, Ans Markus / petertf

「ったく、部長ってホント使えねえよなあ。お前もそう思うだろ?」
 と課長に話を振られたら、
「そうっすねえ……やべっ、クライアントに仕様書を再送するのすっかり忘れてた!」
 とやにわに叫んでみましょう。悪口ムードに包まれていたいや〜な空気は、途端にザワザワムードに早変わりするはずです。


■7.やらなくてもいい仕事は過去形スルー


119-365 (Year 6) On the telephone / ♔ Georgie R

これは時系列的に過去にあった仕事を再び蘇らせるテクニックです。やり方は簡単。仕事を頼まれた瞬間、「すいません、今ですね、一昨日納品したデータを再送しているところでして」とか「いや、今ちょっと手が離せないんだよ。昨日校了した案件について印刷所から問い合わせがあってさ」という具合に、「すでに終わっていたはずの仕事」の後詰めで忙しいというアピールをするだけです。


【感想】

◆冒頭でもご紹介したトキオ・ナレッジさんのデビュー作、『正しいブスのほめ方』は、コンテンツや書名もさることながら、そのフォーマットもヒットの要因の1つだったと思います。

イラストを用いた「生態分析」でイメージを湧きやすくしたところに、「フレーズ」とその「解説」、さらには注意事項を付記するという構成は、幅広い層に訴求するもの。

それに対して本書は新書であり、ほぼ全編「テキストオンリー」なことは、ひと目見て分かっていたため、チラ見の時点では、正直購入に躊躇しました。

それでも実際に読み進めていったところ、普通に面白かったので、当然捕獲。

今さらですけどこの本、やはりただの「ネタ本」ではありませんでした。


◆第1章ではいきなり「ネット」におけるスルー力が。

上記ポイントの1,2番目では、私が使っていないFacebookとLINEについてのアドバイスが紹介されています。

と言うか、実際に使っていなければスルーする必要もないので、この辺についてはラクなもの(ヲイw)。

一方、逃げようのないEメールについては、「あれ、届いていませんね」「迷惑フォルダに入っちゃってました」「すみません、見落としていました」の3つを駆使すれば、無視できないメールなぞない、とのことww

もっとスゴイのが、某起業家さんのやり方で、膨大な量の未返信メールが溜まってしまったら、「下を向いてデリートボタンを押す」のだとか。

……私たちにはちょっと真似しようがないですが。


◆一方、第2章以降はリアルでのスルーのお話。

私の会社員時代にも、隣の課の課長さんが、いつも自慢話やウンチク話を延々と語ってくれて、結構対処に苦労していました。

本当に忙しい時には「ごめんなさい、今とりこんでいまして……」と断っていましたが、基本的には顔をひきつらせながら我慢して聞いていた自分カワイソス。

そう言えばその課長さん、コレクションにするほどネクタイが趣味だったので、そこに話題を振れば良かったのかと、20年以上経ってから後悔した次第です。

もっとも、今度はその褒めたネクタイについて、延々とウンチク語られて死にそうになったかもしれませんけどねw


◆ところで、冒頭でも触れたように、本書に書かれたTIPSのいくつかは、実生活で使えるモノです。

ただし、単に役に立つだけの本であれば、特にトキオ・ナレッジさんが書く必要はないと思われ。

「ネタ」と「マジ」のバランスを絶妙のさじ加減で整えるのが、彼ら(どうも複数人いるラシイです!)のウリと言えるかと。

そして本書も、その流れに沿った「スパイスの効いた作品」になっています。


上手く使いこなせば、きっと人生が楽になるハズ!

スルーする技術 (宝島社新書)
スルーする技術 (宝島社新書)
第1章 ネットのスルー力を高める
第2章 リアルのストレス社会も「スルー」で乗り切る
第3章 面倒な人間関係をスルーする技術
第4章 仕事でも求められるスルー力
第5章 難問を右から左にスルーする技術
第6章 コントロールできない自分の気持ちをスルーする技術


【関連記事】

【社交辞令?】『正しいブスのほめ方 また会いたいと思わせる35の社交辞令』トキオ・ナレッジ(2013年01月20日)

【誰がうまいこと言えとw】『すぐ身につくネガポ会話術』菅原美千子(2013年05月09日)

【説得術】『嫌われずに人を説得する技術』伊東 明(2013年02月05日)

知らないと損する『ハーバード流宴会術』(2012年11月26日)

【電通式?】『戦略おべっか どんな人でも、必ず成功する』ホイチョイ・プロダクションズ(2012年07月12日)


【編集後記】

◆本書とほぼ同時に発売された、トキオ・ナレッジさんの新作。

正しい太鼓のもち方 上司を転がす35の社交辞令
正しい太鼓のもち方 上司を転がす35の社交辞令

こちらは、『正しいブスのほめ方』の正統な続編かと。


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この記事へのコメント
               
書評見てこの本を買いました。

書いたコメントがまたもやブログ検閲により投稿不可になり消えました。

この出来事も華麗にスルーさせてもらいますわ…


早速役に立ちました!

Posted by 五条 勝 at 2013年08月18日 16:56
               
>五条勝さん

ご本のお買い上げありがとうございます!
&検閲の件、申し訳ございません(涙)。

具体的にどれか、というのが表示されないので、やはり以前申しあげたように、1度メモ帳等に書かれてから投稿し、引っかかったと思われる単語を削るしかないかと。
ブランド品の名前を含めて、かなり大量に登録してますので、今後もご迷惑をおかけすることになると思います(汗)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年08月19日 03:26