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2013年08月16日

【起業】『2回以上、起業して成功している人たちのセオリー』博報堂ブランドデザイン


2回以上、起業して成功している人たちのセオリー (アスキー新書)
2回以上、起業して成功している人たちのセオリー (アスキー新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、手軽に読める割には奥が深い起業本

タイトル通り、2回以上起業して成功している『連続起業家』に、その秘訣を探るものです。

アマゾンの内容紹介から。
連続起業家たちが実践しているセオリーは、トレーニング次第で身につけられる。「連続起業家」とは、二度、三度と複数回の起業を成し遂げている人たちのこと。本書では、彼らの思考や行動の特性を客観的かつロジカルに読み解き、一回きりの成功術ではない、確実性の高い8つのセオリーを抽出。現状を打破できないと悩む企業やビジネスパーソンにも実践できる「コトを起こし成功する考え方」を紹介する。

たまたま成功した「一発屋」とはひと味違う考え方や行動に、深く納得しました!


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【ポイント】

■1.顧客がいるのを確認してから起業する
これもいきなり立ち上げたりせずに、最初はパワーポイントで資料をつくって、想定する広告主たちにプレゼンしてまわりました。(中略)
 「スマポ」には、いまでは大丸やビックカメラ、丸井、六本木ヒルズも入っていますが、大手でブランドイメージのいい小売店を、つてをたどって何社もまわりましたよ。反応が悪かったら、本当にやめようと思っていたんです。でも、けっこう引きがよかったので、よしやってみよう、と思いきりました。

株式会社スポットライト 代表取締役 柴田陽さん


■2.運はタイミング
 ただ、結局のところ、運ってタイミングだと思うんです。新規事業のアイデイアが10個あったとしても、それだけを見て、当たるかどうかを判断するのは難しい。それを「いつ、だれがやるのか」という文脈が大切です。
 もしいまから、かつてヒットさせたアプリや花屋を、もう一度やれ、といわれても無理ですよ。遅すぎてうまくいきません。べンチャーにとって、おそらく新規参入のべストタイミングは、6ケ月くらいしかないんじゃないかとぼくは思う。
 逆にいえば、時代の流れや空気を読むことで、少しは打率を上げられるのかもしれないということです。そして、その流れを読む力も、数をこなすことで、ある程度はインプルーブ(改善)できるような気もします。

株式会社スポットライト 代表取締役 柴田陽さん



■3.消費者が望むものを作り、幸せにする
 ときどき、自分がやりたいことをかたちにして、それを強引に推しすすめれば成功するという人もいますが、そういうやり方では、結局うまくいかなくなると思うんです。重要なのは、消費者が心から欲しいと思えるモノやサービスをつくることで、しかも自分やまわりの人たちが、それでハッピーになることだとぼくは思う。そうでないと、本当の意味で商品が売れつづけることはないだろうし、事業としてつづかないでしょう。
 そのためにも、やっぱりリレーションを大切にしたいですね。

Win-Win・Partners 代表 飯野司さん


■4.つらいことでも受け止め方によってはチャンスになる
 実際に、私はいままで1万人以上の働く女性たちにインタビューしてきたのですが、その経験からいっても、自分にとって「これだ」と思える仕事に出合えている人のほとんどが、つらい思いや経験をきっかけにそれを見つけています。ちょっと語弊があるかもしれませんが、その先の人生が好転するように受け止められるなら、たいていのことはチャンスなんです。

株式会社はぴきゃり 代表取締役 金澤悦子さん


■5.「成功するっぽい」人や事業は成功する
 しいていうなら「成功するっぽいな」と思える人や事業が成功するように思います。それは熱意だったり、熱意をキチンと伝えることだったり、その人によってちがうのですが、いずれにしても、話を聞いているときに、ほかのだれかに伝えたいと思えるような、そんなインパクトがあるかどうか……うまくいえないのですが、そんな感じです。「ものすごい人がいてさ」とか、「ものすごくおもしろい事業の話を聞いたんだけど」とか、自然にだれかに伝えているときは、「っぽい」のと出会えたという証拠です。

株式会社 守屋実事務所 守屋実さん


■6.起業とは「一隅を照らす」こと
スティーブ・ジョブズが「電話って、なんでこんなショボいんだ」と思ってiPhoneをつくったのも「一隅を照らす」行為。雨が降るとぬかるんでしまう道でおばあちゃんが転んだら危ないからと、日曜大工で「すのこ」みたいなものをつくって、ぬかるみ対策をするのも、すばらしい「一隅を照らす」行為。起業とは本来、そういうものだと思うんです。
 大勢の人が求めているものを探したり、社会全体を変えられるようなことをわざわざ考えたりしなくてもいいんですよ。自分自身が身近なところで「こういうものがあったほうがいい」と思えるもので勝負すればいいんです。
 
MOVIDA JAPAN株式会社 代表取締役 孫泰蔵さん


【感想】

◆ちと引用部分が長くなってしまったのでこの辺で。

たった1度の起業すら難しいのに、複数回の起業を成功させている方々のお話だけあって、含蓄が深いものがありました。

特に最初に登場された柴田さんのパートは濃厚で、書店でそこをチラ見しただけで購入決定。

とにかくこの柴田さん、極力リスクを取りません。

ポイントの最初で「パワーポイントで資料を作ってプレゼンする」とありましたが、この時点ではまだ開発していない、というのがスゴイです。

それにつづく「タイミング」のお話も、さすが「連続起業家」ならではだな、と思った次第。


◆なお、この「運はタイミング」というお話は、最後の孫泰蔵さんも言われていました。

ただし、運をつかんだ人は、「つかむべくしてつかんでいる」、と。

というのも、運をつかめている人は、事前に徹底的に準備しているから。

そうやって、常日頃から準備ができているからこそ、いざというタイミングを逃さずつかみにいけるワケで、逆にチャンスが来てから準備しても、絶対に間に合わない……って、言われてみたら当然ですよね。

今回はボリュームの関係ででご紹介できませんでしたが、この孫さんのパートも付箋を貼りまくりまくっております。


◆ところで本書は、最初に7人の方のそれぞれ20ページほどのインタビューを収録(上記ポイントは、すべてこちらから)。

その後、14人の方による、各人1ページずつの「名言」が続く構成になっています。

この「名言」のパートは、各人3つしかフレーズが拾われていないため、さらに濃厚な気が。

ちょっと抜き出してみると……

・人には「がんばらなくても、がんばれる領域」がある。大成功している人たちは、結局、そこの領域を自分のなかに見つけて選んでいますよね。(Wyzart Inc. 桂隆俊さん)

・起業時に掲げた理念は「楽しくなければ、やったところでしれたもの」でした。(株式会社ディアーズ・ブレイン 代表取締役 小岸弘和さん)

・「なぜあなたはそれをやるの?」という質問に答えられないと、なにをやっても、なかなかうまくいきません。(株式会社ジーニアス 代表取締役 晴山敬さん)

こんな感じで、3×14=42個のお言葉が味わえるという。


◆そして最後のパートでは、著者である「博報堂ブランドデザイン」さんによる、まとめが収録されています。

合計21人のインタビューや言葉から見えてきた「共通項=セオリー」とは何か?

彼らには少なくとも「8つのセオリーがある」というのが、本書の結論です。

ここで最後に、それらをダーッと列挙しようかと思ったのですが、アマゾンでも版元サイトでも明かされていないので、ネタバレ自重(スイマセン)。

詳しくは、本書にてご確認願います。


起業を志す方なら必読!

2回以上、起業して成功している人たちのセオリー (アスキー新書)
2回以上、起業して成功している人たちのセオリー (アスキー新書)
はじめに
ケース1 「休職して2つの会社を立ち上げました」柴田陽(スポットライト代表取締役)
ケース2 「0円でものづくりに取り組んでいます」家入一真(Liverty 代表)
ケース3 「リレーションのなかでできる事業を実現していきます」飯野司(Win-Win Partners 代表)
ケース4 「きっかけは29歳でのメジャーリーグ挑戦です」高橋研(アルヴァス・デザイン代表取締役)
ケース5 「使命感につき動かされて起業しました」金澤悦子(はぴきゃり代表取締役)
ケース6 「44=17+3+23 いろんな起業をしてきました」守屋実(ケアプロ、ラスクル)
ケース7 「年に1、2万社の企業が生まれる仕組みをつくります」孫泰蔵(MOVIDA JAPAN代表取締役)
ケース8 2回以上、起業して成功している人たちの言葉
まとめ 連続起業家たちが実践している8つのセオリー
あとがき


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【エバンジェリスト流?】『「革命家」の仕事術』ガイ・カワサキ(2012年07月30日)

【起業&仕事術】「小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則」(2010年02月26日)


【編集後記】

◆起業に関連して、もうすぐ出るこの本もご紹介。

1万円起業 ちょっとしたアイデアでお金を稼ぐ方法
1万円起業 ちょっとしたアイデアでお金を稼ぐ方法

本田直之さん、久々の翻訳本ということで、こちらも読まねば!


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