2013年08月05日
【交渉術?】『一瞬でYESを引き出す 心理戦略。』メンタリスト DaiGo
一瞬でYESを引き出す 心理戦略。
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日パフォーマー引退を表明した、メンタリスト DaiGoさんの新刊。表明後に出版された本書は、「ガチ」なビジネス書仕様になっており、過去の著作の印象が強かった私は、ちょっと面くらいました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
もともと、「人の心を読み、誘導する」メンタリズムの技術は、ビジネスと親和性が高い」と言い続けてきたDaiGoが、誰にでも簡単にできるメンタリズムを、交渉やプレゼン、販売や接客、クレーム処理などといったビジネスシーンに置き換えて紹介。
普通に交渉やセールスのシーンで使えそうなネタが、しっかり紹介されていました!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.相手のネクタイを次に会った時に褒めるMy Necktie -- 14/7/5 / bjohnson
相手のネクタイを褒めるのに、多くの人は「そのネクタイ、オシャレですね」と言いますが、それではあまりに普通すぎて相手の心に響きません。
でも私は、その人が前回していたネクタイを覚えています(打ち合わせの前に前回のメモを取り出すだけです)。だから、
「いつもオシャレですよね。今日のネクタイも素敵ですけど、この前されていたあの○○色の渋い感じのもすごくお似合いでしたよ」
という褒め方ができる。これが相手にグサッと刺さるわけです。そんな褒め方をされたことはないと。よく見ていてくれたなと。
■2.聞きたいことは自分から話す
brotherhood heroes / atomicjeep
例えば相手の兄弟のことを聞きたい、話題にしたいとしましょう。しかし、だいたいの人はこういう場合、「○○さんには男の兄弟がいらっしゃるんですか?」などと相手に質問をしてしまいがちです。こう聞かれると相手は例外なく警戒します。「なんでそんなことを質問するんだろう?」と。
でも私なら逆。「僕には○歳上の兄貴がいるんですよ。その兄が実は――」と、必ず最初は自分から、自分の兄弟の話をします。
まず私から兄弟の話をしたことによって相手は、
「今この場(空間)は兄弟についての話をする場なんだ」
という暗示にかかり、次は自ら兄弟の話をしてくれるようになるのです。
■3.名刺交換の時には思い切り近づいて反応を確認する
Pharmidex cards / BioPartner
ここで観察しなければいけないのは、名刺交換した後の相手の行動です。名刺を渡して「よろしくお願いします」となった後、相手が近くなった距離のままその場に留まるのか、それとも一歩下がるのかを見るのです。
こちらから近づいても抵抗なくその場に留まっている人は、心のバリアが薄く、短時間でも心を許しやすいタイプです。
逆に名刺を交換するときに一瞬近づいても、その後また後ろに下がってある程度の距離を保とうとする人は、警戒心が強く、心に壁を作りやすいタイプ。(中略)
つまり相手との物理的な距離とは、イコール、相手との心の距離なのです。
■4.最初に一度お客さん側に立つ
Halo 3 Midnight Madness Bellevue Best Buy 320 / gamerscoreblog
例えば私が、「とにかくお客さんには声をかけろ!」と教育している家電量販店で販売員になったとします。当然、お客さんはみんな販売員にあれこれ話しかけられています。そんな中で、お客さんにどうやって声をかければいいか。
私なら、まず最初にこう言います。
「いや〜、すみません。いろんな人に話しかけられて面倒臭いでしょ」(中略)
など、お客さんが感じているであろう気持ちに先回りして、そこにあらかじめ触れておくのです。そして「私はあなたの気持ちをわかっていますよ」「実は私もそう思ってるんです」ということを伝えます。(詳細は本書を)
■5.相手の想像力を使う
「実は私も去年、これと同じブランドの少し前の型のサイフを、結構頑張って父親にプレゼントしたんですよ。そしたら、普段はあまり口もきかなかいオヤジなんですけど、すごく喜んで、昔の話とか今の仕事の話とかで盛り上がっちやいまして――」
この話を聞いたとき、あなたは自然と頭の中でその販売員のお父さんを想像したのではないでしょうか。(中略)
ただ単に「これは人気がありますよ」「年配のかたにお似合いですよ」とすすめるのではなく、そのサイフをプレゼントしている情景やストーリーを想像させている。あなたの頭の中に、父の日の情景を、まるで動画のように流れさせている。その時点で、もう販売員の勝ちなのです。
■6.謝るときは、わざと大げさに謝る
SORRY over Sydney Opera House "Apology Day" National Sorry Day / butupa
人間には、怒っているとき、相手に「ここまでは謝ってほしい」という基準ライン(=相手が考えている過失のレべル)が存在するのです。
もし相手が過失を過小報告して基準ラインに届かない程度の謝罪しかしないと、届かない分の謝罪をさせようとして怒り続けます。
ところが逆に基準ラインを大きく上回る謝罪をされると、今度は謝罪された側が心理的バランスをとるために、基準を超えた分だけ譲歩しなければならなくなります。(中略)
謝るときは、多少演技をしてでもあえて大げさに謝る。相手の求めている基準を常に上回る謝り方をしたほうが、怒りが収まる度合いは格段にアップします。
【感想】
◆今回も想定外に引用量が増えてしまったのでこの辺で。本書の「はじめに」で、Daigoさん自身が言われているように、「メンタリズム」とは超能力ではなく、「心理学」や「NLP」に関係する「技術」です。
そして「心理学」や「NLP」と親和性のあるのが、ビジネス、特にセールスの場面ということで、今回のポイントも4,5,6辺りはまさにセールスそのもの。
付箋を貼った部分は他にも色々あったのですが、特に「刺さった」のは、やはりセールス関係でした。
もっとも、似たようなベクトルを持つこの本も、セールスネタが非常に多かったワケですが。
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
参考記事:【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)
◆ただし、「メンタリズム」らしいのが、ポイントの1番目で、「相手を観察する」ことから、アドバンテージを導き出しています。
とはいえ、ネクタイは堂々と見える部分にあるのですから、それを意識する(&記録する)か否かの問題ですが、さらにすごいのは、場合によっては相手のカバンの中まで観察してしまうこと。
それも、フトした拍子で目に入るならまだしも、たとえ自分で持っていても、相手から紙やペンを借りたりすることによって、カバンの中身の観察を遂行してしまうのですから、油断も隙もありませぬ。
……今後、セールスシーンで何かを貸してもらえないか聞かれたら、そのツモリでいなければ。
◆また同様に割愛した中で興味深かったのが、「パーティの"壁の花"に話しかける」というお話です。
大体において、そういう「あまり社交的でない人」は、友だちも多くないであろうことから、打ち解けられたら逆に深い友だちになれる可能性は高い、と。
そこで気さくに話かけるワケですが、注意すべきは、相手の表情が「驚き」なのか「嫌悪」なのかということ。
本書では簡単なイラスト付きで解説されているものの、紹介されているこの本をチェックしても良いかもしれません(中古でも全然安くないのですが)。
表情分析入門―表情に隠された意味をさぐる
でもこれって、そもそもナンパに使えません?
/ ̄ ̄\
/ _ノ \
| ( ●)(●) <おっと、それ以上は言うなよ…
. | (__人__)____
| ` ⌒/ ─' 'ー\
. | /( ○) (○)\
. ヽ / ⌒(n_人__)⌒ \
ヽ |、 ( ヨ | 声かけた時に ムググ…
/ `ー─− 厂 /
| 、 _ __,,/ \
また、ポイントの2番目の自己開示もモテ本では目にしますし、3番目の名刺交換も「パーソナルスペース」の話として、やはりモテ本に通じるところはあるような。
◆本書は、かつてのDaiGoさんの派手なパフォーマンスに比べると、いささか地味というか、真っ当すぎる印象を受けました。
ただし、実はそのパフォーマンスの陰にも、「観察」や「分析」といった同じように地味な作業があったワケで。
そしてビジネスの場合、最終的なゴールは、驚かすことではなくて、「こちらの望むように動いてもらう」こと。
本書に収録されたテクニックは、そのゴールに達するための有効な方法なのだと思います。
人のココロを動かしたい方に!
一瞬でYESを引き出す 心理戦略。
第1章 あなたはもっと評価されるべき。今こそ仕事にメンタリズムを
第2章 手ごわい相手の「YES」を引き出す心理戦略
第3章 あなたから「また買いたい!」と思わせる心理戦略
第4章 人間関係のストレスをなくす心理戦略
第5章 ミスを取り戻すどころか、チャンスに変えてしまう心理戦略
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【編集後記】
◆そのDaiGoさんが翻訳された1冊。メンタリズムの罠 TRICKS of the MIND
イギリス本国では、大ベストセラーとのことです。
ご声援ありがとうございました!
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