2013年07月25日
【働き方】『100%楽しく働く1%のサラリーマン』俣野成敏

100%楽しく働く1%のサラリーマン: 「これから伸びていく人」の考え方 (単行本)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「プロフェッショナルサラリーマン」こと俣野成敏さんの最新刊。俣野さんの過去の書籍に比べて、本書は比較的、若手向の方けに書かれている印象を受けました。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
サラリーマンには2つのタイプがある。
日々の忙しさに追い立てられ、ただ疲弊していく人。
一方、はたから見ると忙しそうなのに、なんだか毎日楽しそうにしている人。
この差はどこから生まれるのか?
本書では、そんな「仕事を楽しむ人」の考え方に迫る!
「会社人生」を有意義に過ごすために、読んでおきたい1冊です!

【ポイント】
■1.頼まれた仕事の反応を見る仕事を面白くするコツは、頼まれた仕事を「できました」と言って提出するとき、その仕事を頼んだ上司の"反応"を注意深く観察することです。
そのとき上司が無反応なら、自分の仕事はごく普通のレべル。言い換えれば、まだ改善の余地があるということです。もし上司が驚いて喜んだら、努力の方向が正しかったということです。
そうやって微調整を繰り返すことで、人より早く仕事ができるようになる。仕事ができるようになれば、自然と毎日が楽しくなってくるわけです。
■2.どれだけ他人が喜んでくれるかという観点を持つ
僕は、本当の仕事の楽しさとは、他人から感謝や称賛を得ることだと思っています。
もっと言えば、お客さんから拍手を浴びるような仕事をするから、楽しくなる。
サラリーマンだって、スポーツ選手のように「ファンを喜ばせる」ことは十分可能です。ファンから拍手を浴びれば、どんな仕事でも"好きにならざるを得ない"ようになります。(中略)
「自分がその仕事をすることで、どれくらい楽しめるか」ではなく、「自分がその仕事をすることで、どれだけ他人が喜んでくれるか」という観点で、仕事のやりがいを評価することがあってもいいのではないでしょうか。
■3.アイデアは斬新である必要はない
提案というのは、「これをやらないほうが、たしかにおかしいね」と言えるものを差し出すことです。アイデアが斬新であるかどうかは、さほど重要ではない。「言われてみれば、そうだね」という程度の新しさで十分です。(中略)
アイデアは世紀の大発明である必要はなし。ただし、漏れがないということが大事。ボトルネックがしっかり解消されていることが重要です。
アイデアは発明である必要はなく、「発見」であり「実行」です。
■4.不要な敵を作らない
僕は「みんなにいい顔をしろ」とか、「嫌いな人にも媚びを売れ」と言いたいわけではありません。真剣に仕事に取り組んでいれぱ、ときには誰かと意見が食い違い、衝突することもあります。
しかし、そういうことがあったとしても、「この人はこれ以上踏み込んたら敵になるかな」というギリギリのラインが必ずあります。そこを常に意識しないといけない。
ところが仕事熱心な頑張り屋であればあるほど、自分の意見を主張してしまうところがあります。
「相手が間違っているんだから、とことん戦います」というのは、組織のなかではうまいやり方ではありません。
■5.「手伝わせてください」で味方を増やす
僕が昔、てんてこまいしているとき、見かねて「大変ですね、何か手伝えることはありませんか」と言ってきてくれた後輩がいましたが、結局その人は、数年後に同期のなかで誰よりも早く重要な仕事を任されるようになりました。
チャンスはそういうところに転がっています。
人は自分が忙しいとき、「手伝わせてください」と言ってくれた人のことは忘れません。ということは、自分に味方が1人増えるということです。今度は自分が「今こういうことに困っていますが、ちよっと助けてもらえませんか」というとき、聞く耳を持ってもらえるわけです。
■6.独立するつもりで働く
僕には「人は"終わり"を意識したとき、最高のパフォーマンスを発揮する」という持論があります。「定年までお世話になろう」と思っている人はのんびりして油断してしまうけれど、「独立しよう」と考えていると、「今覚えておかないと、独立してから困ることになる」と思う。すると、結果的に誰よりもよく働き、毎日がイヤでも充実します。
もっとも、実際に独立をしなくてもいいのです。本人が今そう思っているだけでもいい。「30歳までに独立する。22歳で入社したから、8年間はこの会社で勉強させてもらう」と決めれば、その8年間は絶対に密度の濃い時間になります。
■7.「できるか、できないか」ではなく「伸るか、反るか」で考える
「できるか、できないか」で考えているうちは、よほど自信があるとき以外、「やめておこう」という結論になることが多い。恐怖心が期待値を上回ってしまうからです。
しかし人生は、「伸るか、反るか」です。とにかくやろうと決めれば、「できるか、できないか」ではなく、「どうやったらできるようになるか」と考えるようになります。問題が明確になれば、自然とそれを解決しようとする方向に行かざるを得なくなり、やるべきことが浮き彫りになる。それを1つひとつ埋めていけば、あんなにできないように思えたことですら、クリアできてしまうものです。
【感想】
◆俣野さんというと、どうしても『プロフェッショナルサラリーマン』の印象が強いワタクシ。「プロというからには、ここまでやるでしょう!」的な、ハードコアな働き方を要求されそうな気についついなってしまうところですが、本書はそこまで追い詰めた感じではありません。
この辺は、版元がプレジデントさんなのか、本書のように三笠書房さんなのか、という部分があるのかも。
三笠書房さんというと、どうしても自己啓発的なイメージが強いんですよね。
かといって、スピリチュアル(?)な働き方を提唱しているのではなく、あくまでベースにあるのは、「俣野さん流」の仕事術なので、ご安心を。
◆なお、上記ポイントの3番目の「アイデア」に関連して、本書には大変面白いエピソードが。
子どもの頃、福岡県の門司に住んでいた俣野さんにとって、『少年ジャンプ』は月曜日に発売されるものだったのに対して、関門海峡の先にある下関では前の週の土曜日に売られていました。
自転車の通行料の往復40円を払ってでも、関門海峡(最短距離700メートル)を渡って、『ジャンプ』を買いに行きたい……。
そんな俣野さんの気持ちは良く分かりますし、私だったら、速攻買いに行ってます!
でも俣野さんがスゴイのは、自分では行かずに、先に読む権利を与えることで、弟さんに買いに行ってもらったという。
さすが、生まれながらにして経営者じゃないですかw
◆また、割愛した中で、上司と信頼関係を結ぶ、ちょっとしたテクニックも紹介されていました。
それが「上司にオススメ本を借りる」というモノ。
さらに本を返す際に、お礼の言葉とともに感想文まで付いていたら、それは上司はアナタのことを気に入るでしょう!
何と言う策士!!
……ちなみに、しょうもない本を薦められた場合の「お茶の濁し方」までは触れられてはいませんでしたが(当たり前)w
◆こんな感じで、本書は「上司との付き合い方」は載っているものの、「部下の扱い方」は収録されていません。
そういう意味でも、やはり本書は、冒頭でも申しあげたように、若手向きと言えるものかと。
もちろん、働き方自体は、私のようなオサーンでも参考にはなりますし、むしろ『プロフェッショナルサラリーマン』のTIPSに挑戦して挫折(?)した方には、丁度良い気がw
俣野さんご自身も、『プロフェッショナル〜』のサブタイトルにもあるように、かつては「リストラ予備軍」だったそうですしね。
1度きりの人生、「伸るか、反るか」です!

100%楽しく働く1%のサラリーマン: 「これから伸びていく人」の考え方 (単行本)
第1章 楽しく充実して働いて、いい成果につなげる方法がある!
第2章 もっと報われるこの「頑張り方」
第3章 "失敗"を上手に活かす人10のパターン
第4章 自分が望む"仕事の人間関係"のつくり方
【関連記事】
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【編集後記】
◆石田淳さんの新刊も登場。
人生を変える行動科学セルフマネジメント~自分を変化させるたったひとつの方法
「行動科学マネジメント」に「セルフ」が入って、何気に新しいフレーズになってますねw

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