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2013年07月22日

これは凄い! 『成功する練習の法則』を便利にする8つのツール


成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール
成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店でたまたま手にした「練習」に関する濃厚な1冊。

立ち読みしながら、当ブログの6月の売上ランキングの2位だった『才能を伸ばすシンプルな本』にも通じる内容だな、と思っていたら、実際に引用されており、思わずゲットしましたw

アマゾンの内容紹介から。
面接、営業、プレゼンテーションなど、ビジネスで自分の強みを生かし、失敗しないためには、計画と実行の間に「練習」が必要だ。全米ベストセラーで話題のカリスマ教師が、仕事にすぐ生かせる練習の極意を解説。

スキルアップに関心のある方なら「マスト」かと。

なお、タイトルは「ホッテントリメーカー」作なので、「ツール」ならぬ「ポイント」は7つしかありませぬ〜!


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【ポイント】

■1.実戦練習より反復練習


Lionel Messi Player of the Year 2011 / globalite

私たちがワークショップを始めるときに、よくリオネル・メッシの写真を使う。いま誰もが世界最高のサッカー選手と認めるメッシが、反復練習に取り組んでいる写真だ。(中略)
メッシにとっての練習とは、試合中のあらゆる複雑な場面で並はずれた能力を発揮できるように、くり返し「実戦練習」をおこなうことだろうと考えられがちだが、じつのところ、その写真に写っているのは、試合の小さな局面を切り出して、意図的に上達するための「反復練習」なのだ。


■2.重要なスキルは「単に習得する」のではなく「きわめてうまくなる」


Jodeci's New Violin / joeflintham

 練習に関して私たちが得た、もっとも意外で価値ある考え方のひとつに、練習の価値はむしろスキルを習得したあとで高まる、ということがある。多くの人は、練習の参加者が上達すると、「よし、やり方はわかったな。次に移ろう」と言う。しかし、80パーセントの結果を生み出す20パーセントの重要なスキルを練習しているなら、「やり方はわかった」ところでやめてはいけない。20パーセントのスキルの目標は、たんに習得するだけではなく、きわめてうまくなることだ。(中略)もっとも重要なことで抜きん出るのは、たんにあると便利なほかの多くのことを習得するよりはるかに大事なのだ。


■3.スキルを無意識にできるようにする


Driving a car / Erik Starck

1日のうちでもっとも創造的に考えているのはいつか、自分の胸に聞いてみよう。シャワーを浴びているとき、車を運転しているとき、歯を磨いているとき、ジョギング中――おそらくそんなときではないだろうか。つまり、すでに何千回とやって、もはや機械的にできることをやっているときだ。自動的に何かをしているとき、心は創造的に考えていることが多い。さらに創造的になる方法は、すらすらとできなかった場面で心に余裕を持たせる、つまり、そういう状況で必要なスキルを自動化することだ。


■4.あいまいな「目的」を計測できる「目標」に置き換える


soccer-0041 / Michael R Stoller Jr

 サッカーの23歳以下のアメリカ代表チームのコーチ、ケイレブ・ポーターは、練習だけでなく試合でも、選手のために計測できる目標を設定する。ボールを奪われたら、できるかぎりのことをして「6秒以内に」ボールを奪い返さなければならない。それができなければ、通常の守備戦略に戻る。たいていのコーチが、ボールを奪われたら「必死に」取り戻せとチームに命じるが、スぺインのトップコーチの方式を取り入れたポーターの目標は計測できるので、大きなちがいが生まれる。


■5.修正は2回以上行う


Backhanding Udo / Peter Sheik

 身体の神経回路には時間の感覚がほとんどないことを思い出してもらいたい。正しくやっても、まちがえても、平等に神経回路に組みこまれる。脳にとっては、どちらが先だったかは関係ない。割合は1対1だ。つまり、修正は2回以上おこなわなければならないということだ。テニス選手がバックハンドをミスしたとする。そのあと1回正しく打てば、まちがいは帳消しになるが、すぐに3、4回続けて正しく打てば、まちがいの記憶が正しいものに塗り替えられる。練習で選手のまちがいを修正したあと、こんなふうに言ってみてはどうだろう。「よし、いいぞ。じゃあ、いまのやり方であと5回やろう」。


■6.フィードバックのループを短くする


AES Reach Out Program / U.S. Embassy New Delhi

 行動の変化においては、結果の「速度」が結果の「強さ」をほぼつねに打ち負かす。行動を変えた練習で行動を戦略的、意図的に改善したいなら――フィードバックのループを短くすることだ。参加者に「すぐに」フィードバックを与える。たとえあとでもっとくわしいフィードバックを与えられるとしても、すぐに与えるほうがパフォーマンスははるかに向上する。もっとも重要なのは、スピードなのだ。


■7.少数のポイントに集中する


piano recital / woodleywonderworks

 コーチングの鍵のひとつは、自制して少数のポイントに集中することだ。わが子の「月光ソナタ」の演奏に明らかによくない点が15ほど見つかっても、もっとも重要なふたつだけを伝え、ほかのことはあえて言わない。これは非常にむずかしい。教えればいい気分になれるし、多くのことを共有できるからだ。しかし最終的には、なんでも知っている目立ちたがり屋のボスになるか、または部下にいちばん必要なふたつのスキルに集中させる育成上手のボスになるかを選ばなければならない。


【感想】

◆今回、画像は割愛しましたが、付箋はかなり貼っております。

当然、なくなくカットしたTIPSも多く、そっちだけで、もう1記事書けるくらいw

まずイントロダクションで登場するのが、UCLAのバスケットボールチームの名コーチだったジョン・ウッデンの逸話。

この方、12年間でチームを10回全国制覇に導き、88試合連続勝利を収め、NCAA史上最高の勝率(8割1分3厘)を収めたという「史上最高のコーチ」と呼ばれている人です。

ならば、どれだけスゴイ指導をしているかといえば、以外にも、ボールを使わないシュート練習や、地味な反復練習等々。

中でもビックリしたのが、「靴下とバスケットシューズの履き方から練習させた」というクダリで、何もそこまで、というところから、すべて「意図がある」という……。


◆このウッデンの練習方法に関しては、イントロダクションだけでなく、本書内で何度も登場しており、例えば、上記の「ボールを使わないシュート練習」については、ルール10の「スキルを分解して個別に練習する」にて解説されています。

いわく、「練習中の選手は、その本能と"得点したい""リバウンドを取りたい"という欲望によって、練習に集中できなくなる」のだそう。

その結果、「手や足の動き」「プレー中の走り方」といった"退屈な基礎"に注意を払うのが難しくなる、と。

そこでウッデンは「ボールなし」で練習させることにより、こうした「欲望」から選手を切り離したワケですね。

ボールを使わないで練習するなんて、実戦的じゃない、と思っていましたが、どうやらハゲシク誤りのよう。


◆とにかく、こうした高濃度のTIPSばかり、42もあるわけですから、割愛した方が多いのはしょうがないところ。

小見出しだけいくつか拾ってみるとこんな感じです。

●スキルに名前をつけて共有する

●手本と手順書の両方を使う

●分解して手本を示し、くり返す

●まちがいを練習の一部にする

●本番中には教えず、思い出させる


……これら小見出しと、その簡単な解説が「ルールのまとめ」として313ページからありますので、リアル書店でチェックされる方は、こちらも是非!


◆ところで上記ポイント部分を含め、本書にはスポーツ・芸術の事例が多いですが、そのTIPSは、必ずしもその分野だけに該当するわけではありません。

プレゼンテーションや、セールストーク、コーチング等、ビジネスシーンでも応用することは十分可能。

そもそも本書の著者陣は、「経済的に恵まれない子供達を大学に進学させる」ことを目的とする非営利団体「アンコモン・スクール」で、そこの教師たちを訓練する仕事についています。

教師という職業は、いったん授業が始まったら後戻りできず、それは医師や政治家、弁護士等も同じこと。

また、大事なプレゼンや商談を抱えるビジネスパーソンも、同じく失敗は許されないでしょう。

そんな「本番に備えて『練習』しなくてはいけない」方にこそ、本書をお読み頂きたいと思います。


これは隠れた名著のヨカン!?

成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール
成功する練習の法則―最高の成果を引き出す42のルール
序 章 結果を出すための練習とは
第1章 練習の思い込みを見直そう
第2章 どんな練習にするか考えよう
第3章 手本を活用しよう
第4章 フィードバックしよう
第5章 練習できる組織を作ろう
第6章 練習は終わらない


【関連書籍】

◆ここでは本書内で登場する書籍で、当ブログご紹介済みのモノを。

才能を伸ばすシンプルな本
才能を伸ばすシンプルな本

参考記事:【スゴ本!】『才能を伸ばすシンプルな本』ダニエル・コイル(2013年06月08日)

スイッチ!
スイッチ!

参考記事:【オススメ】『スイッチ! 「変われない」を変える方法』チップ・ハース, ダン・ハース(2010年08月11日)

アイデアのちから
アイデアのちから

参考記事:【オススメ】「アイデアのちから」が予想以上に面白かった件(2008年11月25日)

天才!  成功する人々の法則
天才! 成功する人々の法則

参考記事:【勝間さん激賞!】「天才!成功する人々の法則」がいよいよ発売へ!(2009年05月13日)

【関連記事】

一流職人もびっくり 驚愕の『究極の鍛錬』(2012年06月13日)

これは凄い!『上達の技術』を便利にする7つのツール(2011年04月24日)

「上達の法則」岡本浩一(2006年10月02日)


【編集後記】

◆今日の本で何度も登場していたにもかかわらず、当ブログで未紹介の本がこちら。

ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由
ごく平凡な記憶力の私が1年で全米記憶力チャンピオンになれた理由

中古だとかなりお手頃なので、興味がある方に!


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