2013年07月12日
【会議術】『ドラッカー式 45分間会議術』藤屋伸二
ドラッカー式 45分間会議術 (宝島社新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも取り上げていた1冊。ドラッカーが会議術の本を書いていたわけではないのですが、その著作の中から会議運営に活かせる部分を抽出して構成したのが本書になります。
アマゾンの内容紹介から。
長くて時間のムダといわれがちな“会議"。それを生産的なものにし、かつ短くする方法はあるのでしょうか?そんな疑問に答えるのが本書。マネジメントの父・ドラッカーの思想をコンサルタントとして現場で生かし、ドラッカーの伝道師といわれる著者が「会議は7人でやるともっとも上手くいく」「スタート時間は13:30からがベスト」など、会議を有意義なものにする30個以上の方法をわかりやすく伝授します。
さっそく私も、明日の打ち合わせから実践してみようかと。
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.会議のテーマは1つに限定するまず、(1)の「やるべきことは何か」を考えるときに最も重要なのは、1つの会議の議題(テーマ)を1つに限定することです。そして選んだ1つを徹底的に考え、議論し、結論を導き出します。議論を尽くすことで問題の本質にたどり着くことができ、最も効果的かつ効率的な解決策を知ることができるようになります。
■2.PDSサイクルを意識する
ドラッカーの考え方に沿えば行動の後には必ず評価が入らなければならないのですが、PDCAサイクルには、その部分がありません。やりっぱなしのままで次のP(計画)に入っていくということでしょうか。
一方、Plan(計画)、Do(実行)、See(評価)のPDSサイクルであれば、評価の後には、その評価の結果を反映した次のPDSサイクルが始まります。当初の計画を全面的に改訂する場合もあれば、部分的な修正で済む場合もあるでしょう。適切な評価を経て次の計画につながることこそが、PDSサイクルの本質なのです。
■3.最終決定者を決める
まず必要なのが(A)「実行の責任者」を決めることです。「みんなで決めたことだから、みんなでがんばろう!」では、絶対にうまくいきません。ほとんどの場合、「みんな」は「自分以外の誰か」と同意語になるからです。
2人以上での共同行動には必ずリーダーを決めるようにしましょう。リーダーとは最終責任を取る人のことです。また、意見が分かれたときに最終決定をするのもリーダーの役割です。(中略)
話し合って決めるのは当然ですが、どうしても折り合いがつかないときは、最終決定を誰が下すのか決めておかなければなりません。つまり、最終決定をする人が、実行の責任者になるのです。このような理由から、最終決定者(責任者)は、必ず決めておくことです。
■4.会議の目的を常に意識する
会議そのものを左右する重要な「目的」を、意識し、確認しながら会議に臨んでいる主催者はどれほどいるでしょうか。(中略)
ドラッカーは、「目的を常に意識していないと、意義ある意見と雑音の区別がつかない」と言っています。ですから、できるだけ会議室のホワイトボードに目的を板書しておくことをおすすめします。
また、会議のレジュメや資料があれば、その各ぺージにも目的を書いておくとよいでしょう。
■5.会議の適正人数は7人
私もコンサルティングの仕事でプロジェクトチームを結成してもらうときは「5〜7人にしてください」とお願いするのですが、なぜかたいてい7名になっています。10名を超えると、これは進行役を務める私の能力のせいもあるのでしょうが、まとまりに欠けます。逆に5名以下だと、議論やアイデアの広がりに欠けてしまいます。これが7名のチームだと、うまくいくことが多いのです。
■6.会議は13時30分スタートがベスト
会社でのメインの仕事が「会議」だという人はほとんどいないでしょう。したがって、最も重要な仕事を午前中に済ませ、午後一番で会議をするのが理想的です。
というのも、会議の開始時間が14時や15時だと中途半端すぎて、午後の時間が有効利用できないからです。また、夕方からになると、疲れてしまってアイデアを出そうにも頭が回らなくなっています。(中略)
このような観点から、会議に最もふさわしい時間帯は13時半からの45分間とするのが理想的です。昼食後の生産性が下がるこの時間帯でも、45分間の会議で、かつ少数であれば、集中力が途切れるヒマはありません。
【感想】
◆もともと私は、あまりドラッカーに詳しくなく、何冊か買った本も未だ積読状態だったりしているのですが(オイコラw)、本書は分かりやすかったです。著者の藤屋さんのお名前も、お恥ずかしながら存じ上げていなかったものの、ドラッカーネタの本を数多く出されてらっしゃる方のよう。
Amazon.co.jp: 藤屋伸二
上記リンク先のように、従来「戦略」とか「マーケティング」といった漠然としたテーマで語っていたところ、本書は具体的な行為である「会議」ですから、その分シンプルになったのかもしれません。
もっとも、本書の内容の全てが、必ずしもドラッカー著作に基づくものでないことは、上記ポイントの5番目等でもお分かりかとは思いますが。
◆ちなみにタイトルにもある「45分間」の時間配分については以下の通り。
・冒頭の3分間……会議の趣旨説明
・以降25分間……意見交換
・以降15分間……意思決定、アクションプラン作成、スケジュール決定等
・以降2分間……会議のまとめ、参加者に確認
詳細は本書でご確認頂くとして、一番のキモとなるのは、実は会議以前の「事前準備」だったりします。
第3章では「会議が45分間で終わるかどうかは準備にかかっている」と題して、その手順を解説。
なるほど、準備の方法を「9つにパターン化する」ワケですか……。
◆また、不要な会議を止めさせる手法についても、本書ではドラッカーに学んでいます。
ドラッカーいわく「ある公共団体で、すべての報告書の提出を数ヵ月中止させた。そして、どうしても必要なものだけを復活させることで、3分の2の報告書を減少させた」とのこと。
そこで本書でも「すべての会議をいったん中止する」ことを提案。
藤屋さんによれば「復活するのは、多くても半分くらいのはず」とのことなので、これは可能であれば、ぜひお試し頂きたいところです。
◆藤屋さんのご職業は「経営コンサルタント」であるがゆえに、クライアントの会議(プロジェクト会議、部門長会議、店長会議等)に出席されることが多いそう。
社長との打ち合わせを除けば、こうした会議の生産性をあげることで、会社の業績に貢献されてらっしゃるわけです。
それだけに「会議のクオリティを上げる」ことに関しては、納得できる点が多々。
「ダラダラ会議」にお悩みの方なら、本書を読む価値は大きいと思います。
「ドラッカーならこうするね」的な1冊!
ドラッカー式 45分間会議術 (宝島社新書)
第1章 会議のない会社が理想的な会社
第2章 会議を意義あるものにするために
第3章 会議が45分間で終わるかどうかは準備にかかっている
第4章 会議を45分間で終わらせるためのルール
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい (ノンフィクション単行本)
税理士試験の受験生時代、着ている服の8割近くが無印だった私には、非常に魅力的ですw
ご声援ありがとうございました!
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