2013年07月10日
社会人なら押さえておきたい『ハーバード式「超」効率仕事術』
ハーバード式「超」効率仕事術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だったビジネススキル本。タイトルには「仕事術」とありますが、知的生産等をも含む、もっと広範囲な内容となっています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
目標の立て方から、スケジュール帳の活用術、出張や会議の仕方、報告書執筆やスピーチの準備、さらには上司や部下との付き合いやキャリアプランニングまで、プロフェッショナルが「超」効率仕事術の秘訣を、具体的かつ実践的に紹介する。
これは当ブログを日頃からお読みのアナタなら、モロにツボかも!?
なお、タイトルは「ホッテントリメーカー」のお世話になりました。
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.「構造的な先延ばし」をやめる先延ばしといっても、典型的なケース――たとえば、上司のメールに返事を出すかわりにフェイスブックを眺めているようなとき――はそれと自覚できる。だが、それほどわかりやすくない場合もある。優先度の高い目標に向けて仕事をするかわりに、それほど難しくない、重要性の低い仕事に向かうこともあるだろう。たとえば、大学教授が翌日の授業の計画を立てずに、前日の択一試験の採点をするようなケースだ。この傾向を「構造的な先延ばし」と呼び、プロジェクトを開始できない人にはこれが次善の策だと言う人もいる。私はそうは思わない。全部先延ばしにするよりはいいかもしれないが、やはりそれでは効率が悪すぎる。
■2.OHIOを心がける
OHIOといっても、オハイオ州のことではない。「その場で処理する(オンリー・ハンドル・イット・ワンス)」という意味である。つまり、優先順位の低いことは、できるかぎり気づいたときにすぐその場で終わらせる、ということだ。やり残しが増えると、結局は時間を無駄にすることになり、不安も高まる。
■3.スケジュールは右側が肝心
スケジュール表の左側は、今日中に終わらせる仕事の単なるリストである。本当に大切なのは、それぞれの用事や約束の右側に手書きで書かれた項目だ。
会議や電話の予定の右側に、私はその目的――達成したいこと――を書き込む。それを見ることで、電話や会議の最中に、しっかりとその目的に集中する。アポイントの終わりに、達成した目的を線で消し、必要な場合には次にすべきことのリストをスケジュール帳に加える。そうすれば、重要な課題やプロジェクトの状況を見失なわずに済む。
■4.日課を機械的に片づける
日課をできるかぎり手早く機械的に片づけるよう努力しよう。そうすることで、仕事にも家族にも友人にも時間を割けるようになるし、疲れも減る。過去20年の研究によると、頭を使って判断したり(今日はどのシャツを着ようか?)自制心を発揮すること(クッキーを食べちゃダメ! 人参を食べないと!)が脳を疲れさせるという。運動で筋肉が疲労するのと同じことだ。
■5.会議では「イケア効果」を目指す
私は会議の最後にかならず、「次にすべきことはなにか、だれがそれをするのか、いつまでにするか」と聞くことにしている。(中略)
参加者自身に次の行動と締切を設けさせることで、私はみんなに所有者意識を持たせようとしているのである。これは、「イケア効果」と呼ばれるもので、あの組み立てが難しい家具で知られるイケアにちなんだ法則である。自分で一生懸命組み立てたタンスや本棚は、店で売っているものよりもいいものに思えるという。それと同じく、自分で締切を決めれば、きちんと守ろうと励むようになる。実際に、参加者は私が依頼するよりも短い締切を自分で設ける。
■6.能動的に拾い読みする
記事や章の本文を能動的に拾い読みするには、各段落の1文目を読む必要がある。いい書き手は、段落の頭にテーマとなる文章を置き、その後にテーマを支える事実や議論を続ける。最初の文章を読めば、その段落の残りを読むべきかどうかがわかる。
残りの部分を読んだ方がいいかどうかを判断するには、こう自問してみるといい。残りを読めば、読書の目的をかなえることになるか? 目的が特定の事実を探すことや、新しい情報源を発見することであれば、答えは簡単だろう。探している事実や情報源がその段落にある場合だけ、残りを読めばいい。
■7.書く時にはアウトラインを作る
計画しながら同時に書くのは至難の業だ。書く作業は「作業記憶」の大部分を使用するからである。(中略)
心理学者のロナルド・ケロッグ教授は、書く行為に含まれる諸作業――計画、著述、推敵――が、ひとつの脳内資源を奪い合っていることを実証した。したがって、まず全体像を示すアウトラインを作れば、原稿に向かうときに思考を文章に落とす作業に専念できるのである。
【感想】
◆冒頭でも触れたように、文字通り「盛りだくさん」の内容でした。その中から今回取り上げたのは、おもにPart2の「仕事術」「時間術」部分やPart3の「知的生産」部分が中心。
もっとも、Part2やPart3の内容でも、「出張術」や「プレゼンハック」は泣く泣くカットしております。
また同様にカットした中では、睡眠の重要性のお話が印象深かった気が。
なんでも睡眠時間を抑制した実験によると、「5時間睡眠で充分」と公言している人でも、実際には日を追うごとにテストの成績は悪くなっていったのだそう。
しかも当の本人たちは、「睡眠不足にうまく順応していると思っていた」とのこと。
「それ、何て俺?」状態ですよ、マジで。
◆とはいえ、少しでも触れられているPartはまだいい方で、Part4のマネジメントやPart5のキャリアプランニング、ワークライフバランス関係のお話は丸ごと割愛しております。
そのマネジメントも「部下をマネジメントする」と「上司をマネジメントする」とに章を分けて、それぞれ大事なお話をされてらっしゃいます。
米国と日本の違いはあれど、出世したい方なら、このPart4は見逃せないところかと。
続くPart5でも、キャリアプランニングのお話以上に、「家族との時間を大事する」ことの重要性が身に染みて理解できました。
そう言えば、以前こちらの本で「家族そろって朝食をとる」ことを推奨していたので挑戦したものの、最初の1週間で挫折したワタクシ……。
凡人と成功者を分ける「紙一重」の習慣
参考記事:我が子に教えたい『凡人と成功者を分ける「紙一重」の習慣』(2013年05月31日)
本書では「夕飯を一緒に取る」ことを勧めていたので、再挑戦してみようかな、と。
……私の場合、残業を強いられているわけではなくて、ブログのために職場に残って本を読んだり、下書きを書いたりしているので、なおさらに罪悪感が増しているのですがw
◆ところで順番が逆になりましたが、本書では「いちばん大切な3つの考え方」を、まずPart1にて解説しています。
その考え方とは、以下の3つ。
・目標を設定し優先順位を明確にすること
・最終的な結果に目を向けること
・雑事に手間をかけないこと
特に初っ端の「優先順位」のお話は、まさに本書のキモとも言える部分なので、リアル書店でチェックされる場合は、ぜひこちらから。
目標を「短期」「中期」「長期」に分ける考え方は類書でも目にしますが、例えば「短期目標のランク付け」を、「関連する中期目標の重要度」と、「中期目標の達成に役立つ度合」によってスコアをつける、というやり方は「目からウロコ」でした(詳細は本書を)。
◆ちなみに、本書の著者であるロバート・C・ポーゼン氏は、その効率的な考え方と仕事ぶりにより、普通の人の何倍もの成果を挙げています。
ただ、その効率の追求ぶりが徹底しているので、「え?」と思われる方もいらっしゃるかも。
上記ポイントの4番目で「日課を機械的に片づける」とありますが、ポーゼン氏の朝は「同じことの繰り返し」。
スーツは前夜に用意しておき、食べる朝食も毎朝同じなのだそう。
氏曰く「毎朝退屈な日課を繰り返すことを、私は誇りに思っている」そうですが、そこまで機械的にならなくても、本書を読めば他で十二分に効率化できると思います。
仕事術好きなら、一読の価値アリ!
ハーバード式「超」効率仕事術
はじめに
Part1 いちばん大切な3つの考え方
Part2 日々の生産性向上法
Part3 個人のスキル向上法
Part4 上司と部下をマネジメントする
Part5 実りある人生をおくる
あとがき
付録1 大胆な提言―プロ取締役会のすすめ
付録2 ボストン弁護士財団でのスピーチ(2000年)
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。なぜあの男は空気で人を動かせるのか 昼も夜も結果を出す男の習慣
女性向けの恋愛テクニックを披露されてきた方のビジネス書。
版元が阪急コミュニケーションズさんなので、中身は大丈夫だと思われ。
ご声援ありがとうございました!
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