2013年06月28日
【仕事術】『プレッシャーを味方にできる人 50の方法: 心が不思議なほど強くなる本』伊庭正康
プレッシャーを味方にできる人 50の方法: 心が不思議なほど強くなる本 (知的生きかた文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々に「仕事術」のご本。リアル書店でタイトルを見た時は、てっきり「メンタルネタ」なのだと思ったのですが、意外にも「ガチ」な内容でした。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
あの人はなぜ、「本番」でいつも結果を出せるのか?
本書では、「仕事ストレス対処」「職場メンタル強化」を専門とするストレス・カウンセラーが、あなたが悩む「プレッシャー」を「仕事の武器」に変えるコツを伝授。
タイトルに「プレッシャー」とあるものの、あまり気にせず使えそうなネタを拾ってみましたので、ご覧くださいw
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.仕事で悩んだら環境を変えるたとえば、仕事のことを考えすぎて「しんどいな」と感じたとき、仕事のことを考えないように努力をするのではなく、「日比谷公園に行こう」というように、まったく別の行動をとるようにします。行動を変えれば、自然と頭の中には、仕事以外のことが入ってきますから、少なくともその時間は仕事のことを考えずに済むのです。
具体的に、手軽にできるのは、「場所を変える」というもの。
先ほどの「公園に行く」のように、喫茶店やビルの屋上など、自分が「居心地がいい」と感じられる場所に行くのです。
■2.実力を発揮するために、事前に十分な準備をしておく
あなたが本番で実力を発揮できない理由は、単なる準備不足だからです。
「ここ一番で10O%の力を出せる人」は、間違いなく事前に綿密な準備をしている人です。(中略)
もしも、あなたが本番に弱いなら、「これ以上、無理だ」と思えるくらい限界まで準備をしてみるのも作戦です。そして、本番を迎えたとき、「ここまで全力でがんばったのだから、本番は80%でもしかたない」と考える。すると、あなたのプレッシャーは自然と軽くなっていくはずです。
■3.叱るのではなく感情を伝える
たとえば、部下が大事な打ち合わせに遅刻した場合、「どうして遅刻したんだ」と単に事実を伝えるのではなく、「君が遅刻するなんてちょっと残念」というように感情を伝える。あなたの感情を伝えたほうが、はるかに「叱る効果」はあるのです。
「残念だよ」のほかに、「惜しいね」「ガッカリしたよ」「ショックだった」というような感情を表す言葉も有効。こうした言葉は、相手の心にダイレクトに響くので、お互いの距離も縮まります。
■4.交渉では「NO」と言っても、社内では「NO」と言わない
わかりやすくするために、極端な例で説明しましよう。「500万円の値引きをお願いしたい」という取引先からの無謀な要望は、それをそのままのむ必要はないけれど、「夕方までに10本の企画書をあげるように」という上司からの指示には応えるべきだ、ということです。
ただし、社内のことであっても「NO」と言いたいケースもあると思います。その場合には、プレッシャーにならないような「NO」の伝え方のコツさえ覚えてしまえば怖いものはありません。
「NO」という言葉を使わずに、問題をかわしつつ相手の要望に応えるのです。
具体的には、「代替案を出す」という方法です。
(詳細は本書を)
■5.「ECRS(イクルス)の法則」で迷わず決断する
具体的には、目の前に突きつけられた決断が必要な案件を、次のECRSのうち、どれにあてはまるかを考えるようにします。(1)E(Eliminate・排除):その業務は会社にとって必要か? 業務そのものをなくすことはできないか?すべての仕事は、この4つのうちのどれかにあてはめて考えることができます。
(2)C(Combine・結合):他の作業と結合できないか? 仕事をまとめてできないか?
(3)R(Rearrange・順序変更):作業の順序を変えられないか? 効率のいい手順はどれか?
(4)S(Simplify・単純化):もっと簡単にしできないか? フォーマット化できないか?
■6.選択肢を3つ用意しておく
まずは、どんな場合でも、選択肢を最低でも3つは持っておくのです。
というのも、先ほどの将棋の2手目と同様、ビジネスでも「相手はAと考えるに違いない」と一方的に決めつけることから、すべての間違いが始まるからです。
であれば、「最高なのは、相手がAと考えるパターン。最低なのはB。どちらでもないCという場合もあり得る」というように、あなたにとって最高なパターンと最低パターン、それから両者の中間のパターンの3種類の手を想定しておくのです。
すると、次に相手がどう出てきても、あなたは動揺することなく、冷静に次の手を考えることができ、読みをはずすプレッシャーもなくなるのです。
■7.「自分のため」でなく「相手のため」に仕事をする
残念をことに、「一生懸命やっても評価されない」人は、「一生懸命やる方向」を間違えているのです。
そういう人はほとんどの場合、「自分のため」にがんばっています。だから評価されないのです。
評価の高い人は、「自分のため」でなく「柑手のため」にがんばっています。
正確に言えば、「相手に喜ばれるため」にがんばっている。起点が違うと言っていいでしょう。仕事とは「自分の評価を上げるため」にやるものではなく、相手から「ありがとう」と思われるためにやるものと考えるのです。
【感想】
◆冒頭でも申しあげたように、本書はタイトルに反して(?)、メンタルがテーマの本ではありません。いや、タイトルに「プレッシャー」だなんて入っているものですから、てっきり「こういう本」だと思ったんですよ。
「あがり」は味方にできる (メディアファクトリー新書)
参考記事:すぐに使える『「あがり」は味方にできる』テクニック4選(2010年10月31日)
上記ポイントで近いものといえば、2番目の「事前に準備をしておく」くらいでしょうか。
それ以外の部分にも「プレッシャー」というフレーズはあるものの、正直本質とは関係ない気が。
……書名に内容を近づけようという努力(?)は分かるのですがw
◆だからと言って、内容がイマイチかというとあにはからんや。
類書と多少のネタかぶりはあるものの、「仕事術本」として、なかなかいい線を行っていると思います。
特にポイントの5番目の「ECRS(イクルス)の法則」は、決断と言うより、仕事の見直しに使えそうな。
……と、ググってみたら、まさに「生産管理」の現場で「業務改善の原則」として用いられている、とのこと。
ecrsの法則 - Google 検索
◆他にも、スペースの都合上、今回割愛したものもいくつか。
・女性に対しては「聞くときは、ほめる」「叱るときは、期待する」
・相手を説得する場合、「結論」「原因」「具体例」の3つの要素を入れる
・トラブルに際しては「感情」ではなく「事実」を優先する
・雑用はチャンスと心得る
・「批判的か否か」「積極的関与か否か」の2軸マトリックスで「会社にいるべきか」考える etc...
それぞれ、かなり腑に落ちる話でしたので、ご紹介できないのがちと残念です。
気になるものがおありでしたら、ぜひ本書にてご確認を。
◆私は、本書の著者の伊庭さんのご本は初めてでしたが、今まで何冊か著作を出されている模様。
Amazon.co.jp: 伊庭 正康
それらとのネタかぶりが分からないのが申し訳ないのですが、少なくとも私は、付箋を貼りまくりました。
また、申しおくれましたが、本書は「書き下ろし文庫本」。
コストパフォーマンスを考えたら、結構お買い得だと思います。
50もあれば、きっと1つくらいはハマるハズ!
プレッシャーを味方にできる人 50の方法: 心が不思議なほど強くなる本 (知的生きかた文庫)
1章 今日から「本番に強い人」の方法
2章 人間関係・人前で「うまくいく人」の方法
3章 どんな雰囲気でも「ビビらない人」の方法
4章 結果を出したいときに「確実に結果を出せる人」の方法
5章 勝つか負けるか―「緊張感がプラスになる人」の方法
6章 イライラ・パツパツ解消!「心をラクにできる人」の方法
7章 イヤなことに「すぐ凹まない人」の方法
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【編集後記】
◆同じくリアル書店でゲットした1冊。逆境に強い心のつくり方 システマ超入門―ロシア軍特殊部隊が生んだメソッド (PHP文庫)
むしろこちらの方が、プレッシャーに効果がありそうなw
ご声援ありがとうございました!
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