2013年06月13日
【仕事哲学?】『天職』秋元康,鈴木おさむ
天職 (朝日新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、2人の売れっ子「放送作家」による「競演」を収録した1冊。2人とも現在の仕事を「天職」と言い切れるワケが、本書を読めば分かります。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「好きなことがわからない」「やりたいことが見つからない」「いまの仕事をこのまま続けていいのかどうか」……、仕事に悩めるすべての人に送る、究極の仕事哲学本です。
さすがに職種的にはレアな分野ですが、考え方としては、私たちにとっても使えるハズです!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.人に話したくなるようなことを毎日探す鈴木 秋元さんとこうして話して、あらためて「なんでこの仕事してるんだろう」と思ってみると、こんなことかあった、あんなことがあったって、人としゃべりたくてこの仕事をやってるんだなと気づきました。人に「まじで!?」って驚かれたりとか、「そうだよね!」って同意されたりとか、それってすごいテンション上がるじゃないですか。たぶん、自分で満足するだけだったら僕、こんなに本を読んだりしないんじゃないかって気がして。
■2.「やる」と「やろうと思った」の間の川
鈴木 僕が小説を書いたのは、品川庄司の品川君が『ドロップ』を当てたときだったんですよ。小説を書いて、脚本を書いて、自分で映画を撮って、小さい規模の公開から始まったのに最終的に興行収入27億円上げて。小説を書いてたときも絶対当たらないって言われてたんですよ。品川君が言っていたんですけど、彼のところにやってきて、「品川、俺もやろうと思ったんだよ」って言った人がすごくいたんですって。品川君は僕に「『やる』と『やろうと思った』のあいだって、めちゃくちゃ深い川が流れてるんですよね。わかりますよね?」って言ったんですよ。僕は「うんうん」ってうなずきながら、結局、自分は小説書くって言って書いてないなと思って、急いで書き始めたんですよ(笑)。
■3.よくない仕事はボディブローのようにきいてくる
鈴木 最近、映画の推薦コメントを書くことがけっこうあるんですけど、自分で見ておもしろくないやつは書かないようにしてるんですよ。昔、頼まれたからとりあえずと思って書いたことがあるんです。そうしたら、映画パーソナリティーの襟川クロさんが、「おさむちゃん、あのチラシにおさむちゃんの名前出てたんだけど、あれ、本当に、本気で書いてる?」って言われて。つき合いで書いちゃいましたって言ったときに、襟川さんが、「あれを書いたことで、1800円払う人がいるんだよ」って。そう言われたときにドキッとしたんです。そういうことが秋元さんが言うところの、ボディーブローになっていくんですね。
■4.仕事にならないことをやる
秋元 いちばん大事なのは、簡単に言うと、仕事にならないことをやれってことなんだよ。「あいつ、誰にも頼まれてないのに、3年間、誰にも見せないでゲームのシナリオ作ってたんですよ。それがめちゃくちゃゃおもしろいんですよ」っていうことになったら、あちこちが手を上げると思うよ。でもレギュラーで追われていると、小説書きたいって言ってるだけの放送作家と同じになっちゃうわけ。知らない間にそんなことやってたっていうのが、すごく重要なんだよね。
鈴木 秋元さんも40代はそうだったんですか。
秋元 それが僕にとっては、AKB48だったかもしれないね。
■5.10年後にはすごいことになっているというイメージトレーニングをする
秋元 どんな人にも可能性があるんだよ。ビジネスでも、起業家でもそう。初めの段階では、みんな自分の可能性に気づかないんだよ。自分がスターになるとか、仕事で成功を収めるとか、まさかのちにこんなことになるなんて誰も思っていない。親もだいたいそうだよね。あなたが女優になんかなれるわけないとか、あなたにこんなことできるわけないとか。だからみんな、夢をかなえるのは無理だと思ってるかもしれないけど、本当にかなえたかったら、10年後にはすごいことになっているってイメージトレーニングをしなきやいけないんだよね。
■6.「仕事」が終わったあとに書けるか
秋元 成功者と呼ばれる人たちは、やったかやらないか。J・K・ローリングが書き始めなければ『ハリー・ポッター』は始まらないわけじゃない。でも95%の人は、「今度、魔法の学校の話を書こうと思う」で終わる。ふつうは、誰にも頼まれていないし、出版できるかどうかもわからないのに書き始めたりしないよ。(中略)
僕もそうだったけど、放送作家はレギュラー番組の台本を延々と書いて、書き終わった後に、どうするか。飲みに行くか、女の子と遊ぶか、寝ちゃうか。そこで、さらに書けるかどうかの差なんだよ。それは、つらいよな。
【感想】
◆まだまだ付箋を貼ったところは多かったのですが、この辺で。秋元 康さんの活動は、AKB48を含め、過去のオールナイトフジやらおニャン子クラブ等、知られている番組が多いですが、鈴木おさむさんも負けてはいません。
「SMAP×SMAP」や「お試しかっ!」「ほこ×たて」等々、放送作家としてかなり活躍されてらっしゃいます。
鈴木おさむ : Wikipedia
本書によると、23,4歳の頃、すでに毎月700万円ほどもらっていたのだとか(スゲーw)。
◆お2人の共通点は、すでに高校生時代から「放送作家」としてテレビ局に出入りしていたこと。
そこから如何に売れっ子になっていったか、が本書では明らかにされています。
ただし、いわゆる「処世術」的な話ではなく、何をどう考え、どう行動したかという内面的なものが中心。
たとえ稼ぎまくっていたとしても、その根源にあるのは、上記ポイントの2番目にあるように「人に話したくなるようなことを毎日探しているだけ」なのだとか。
◆実際、本書の他の箇所で秋元さんは「僕らが何かをやる動機って、市場が何かを求めているか、じゃない」「たぶん多くの人が、秋元 康や鈴木おさむはマーケティングして当たりそうなものを研究してると思っているけど、そんなことはまるでない」と言われています。
それを受けて鈴木さんが述べられたのが、「大ヒットするような作品じゃないとわかっていたけど」世に出したかったテレビドラマのお話。
生まれる。
秋元さん曰く「自分の中の何かに触れない限り、いくら『これをやったら売れるな』と思うことがあったとしてもやらない」のだそう。
ただ、お2人ともとんでもない仕事量なので、そういった膨大な作品の中から、時流とマッチしたものがドカーンとブレイクするのかな、と。
AKB48も、ブレイクするまでの4年程の間、「絶対当たらないよ」とあちこちで言われたのだとか。
◆個人的にはポイントの3番目のお話が、モロに自分のこのブログとかぶりましたw
自分が「いい」と思ってご紹介した本が、読者さんによっては「ダメ」ということはもちろんあるでしょうけど、自分の中でも「そんなに良くないな」と思いつつ、「オススメ!」とやってしまったら、それはイカンだろ、と。
それがイヤなので、私は「献本お断り」にしているわけでして。
もちろん、鬼のように大量に送られてきてたり、「お願いします!」とすがられてもスルーできる平常心があれば別なんでしょうが、私はそこまで強くないもんで……。
「送るなよ! 絶対送るなよ!」 ←ダチョウ倶楽部風に(嘘)
自分の「天職」に巡り会うために!
天職 (朝日新書)
第1章 98%は「運」で決まる
第2章 「好奇心」を育てる
第3章 「汗」をかくしかない
第4章 「才能」は誰にでもある
第5章 「夢はかなう」は本当か?
第6章 「天職」との出合い方
【関連記事】
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【一石多鳥?】『25歳からのひとりコングロマリットという働き方』おち まさと,本田 直之(2012年01月25日)
【編集後記】
◆本書と同じ朝日新書から同時に発売されているのがこちら。キャリアポルノは人生の無駄だ (朝日新書)
メイロマ先生の新刊です。
これも読んでみなくては……。
ご声援ありがとうございました!
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