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2013年06月08日

【スゴ本!】『才能を伸ばすシンプルな本』ダニエル・コイル


才能を伸ばすシンプルな本
才能を伸ばすシンプルな本


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店でたまたま見つけた、掘り出し物の1冊。

トム・ピーターズの「これはまさに人生を変える名著だ!」という推薦の言葉に惹かれて手にしたところ、中身の濃さにヤラレました。

アマゾンの内容紹介から。
超一流の人材を輩出する世界中の「才能開発」機関を研究して解明した、自分を磨き、子どもや部下を成長させる52の秘訣。

その対象もスポーツから音楽、勉強までさまざま。

厚い本ではないのですが、思わず付箋を貼りまくりました!




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【ポイント】

■1.あらゆる動きを細分化する


Pear-Slice_Pears-Fruit_31576-480x360 / Public Domain Photos

 細分化するにあたっては、まずスキルの青写真を脳に刻み込もう。そして、次のふたつの問いを自分に投げかけよう。

1 このスキルのなかで習得できる最小の要素は何か?
2 その最小の要素と関連している他の要素は何か?

 
ひとつの要素を習得するまで練習し、それを他の要素とひとつずつつなげていこう。ちょうど文字をつなげて単語をつくるように。そして、それを拡大していくのだ。


■2.毎日、1つの完璧な部分をつくる努力をする


toss / spablab

ひとつの小さな部分を選ぴ、それを単に改善するのではなく完璧にするのだ。完璧にするというのは、つねに100パーセント正しくできるまでスキルを磨き上げるという意味である。
 たとえば、テニス選手なら「サーブのトス」を、営業マンなら「重要顧客に対する20秒の営業トーク」を課題として選ぶといい。要は、時間をとって小さな部分に照準を定め、それを完璧にすることに全力を注ぐのだ。


■3.ミスをしたら、すぐに検証する


table tennis / sorarium

脳のX線断層写真による研究で、ミスをした直後の0.25秒という重要な瞬間に人々はふたつのうちのひとつをすることがわかった。ミスを直視するか無視するか、どちらかである。研究によると、ミスを直視する人は、無視する人よりはるかに多くのことを学ぶという結果が出ている。
 ミスをしたら、すぐに検証する習慣を身につけよう。たじろがず、目をそむけず、何が起こったのかを見極め、「次はどうすればいいか?」と自問しよう。


■4.うまくできたら、その瞬間を脳に焼きつける


Juggling Brian / Ben Sutherland

 練習をしていてもっとも充実感が得られる瞬間のひとつは、初めて完璧に繰り返しができたときである。そんなときは、そこで動作を止めて心のテープを巻き戻し、それを心の中でリプレーしよう。そして、その感覚、リズム、心身の刺激を記憶しよう。
 要は、その瞬間を脳に焼きつけることだ。あなたはそれを何度も体験したいはずである。それは終わりではなく、スキルを完璧にするための新しい出発点だ。


■5.仮眠をとる


A well-deserved power nap / lordsutch

仮眠は学習中の脳に好影響を与える。なぜなら、練習中に形成された神経回路を強化し、脳を次のセッションに向けて準備させるのに役立つからだ。カリフォルニア大学バークレー校の研究チームは、90分の仮眠をとると記憶力のスコアが10パーセント上がり、仮眠をとらないとスコアが10パーセント下がることを発見した。
「学習の前は、新しい情報の吸収に向けて脳を準備させるために睡眠をとる必要がある。ちょうど、スポンジに水を吸収させる前にいったん乾かすようなものだ」と同チームの主任研究員マシュー・ウォーカー博士は語る。


■6.新しい動作を覚えるには、大げさにやってみる


Laidlaw L3.19 Knees up / Gawler History

 新しい動作を覚えるには、大げさにやってみよう。たとえば、ひざを上げるなら、天井に向かって上げよう。ギターの弦を強く押さえるなら、全力で押さえよう。人前で論点を強調するなら、劇場で派手な演技をするつもりで力説しよう。
 中途半端にやってはいけない。調整は、あとでいくらでもできる。まず大げさにやってみて働作の限界を感じとり、次にそのスキルを正確にマスターすることに専念しよう。


■7.10分おきに3回練習する


Playing Guitar / xlibber

 このアドバイスは、メリーランド州にある国立衛生研究所の神経学者ダグラス・フィールズ博士に伝授してもらったものである。
 フィールズ博士は記憶と学習の研究をしていて、脳は10分間隔で3回刺激を与えられると神経回路を強化することを発見した。 
 平たくいうと、何かをもっとも効果的に覚えるためには、10分おきに3回練習すればいい、ということだ。
「私はこのやり方を日常生活のすべてのことに応用して成果をあげている」とフィールズ博士は話す。
「たとえば、ギターのむずかしい曲をマスターするとき、練習して10分間べつのことをし、そしてふたたび練習するというぐあいだ」


【感想】

◆本書の冒頭には、雑誌の取材で著者が訪問した、世界各地の「才能開発所」の例が挙げられています。

おそらく、本書のための取材ではないため、具体的な名称は伏せられているものの、例えばこんなところが。

・3年間で世界トップ20の女子選手をアメリカ全土より多く輩出したモスクワのテニスクラブ

・数学のテストの成績がカリフォルニア州で最下位だった生徒たちの学力を4年間で正答率96%にした貧困地区の公立学校

・40年間で50人のオリンピック選手を輩出した定員100人のスキーアカデミー etc...

どれもこれも、目覚ましい結果を挙げているところばかりです。

そして、そこで行われている指導やレッスンの「秘訣」をまとめたのが本書なワケですから、それは付箋も貼りまくりますワナ。


◆実際著者も、本書の内容に基づき、家族やコーチを務めるリトルリーグのチームのスキル上達に励んだのだそう。

するとお子さんがバイオリンとピアノで急激に上達したり、奥さんがホッケーで目覚ましい進歩を遂げたり、リトルリーグチームの成績が飛躍的に向上したのだとか。

さらに版元のサイトによると、担当者さんも「習い事が大きく進歩した」との記述がw

才能を伸ばすシンプルな本 書籍の詳細:サンマーク出版

確かに、今まで「1万時間の法則」関係のお話は、何度か目にしたことはありましたが、「じゃー、具体的にどう練習するの?」という「戦術」レベルの内容が本書ほど書かれている作品は、ほとんどなかったように思います。


◆ところで今回、付箋を貼りながらも割愛した箇所が、あまりに多くて忍びないので、そこの部分の小見出しのみ、参考までにいくつか列挙しておこうかと。

・苦闘を歓迎する

・具体的なイメージで考える

・ペースを落とす

・サンドイッチ方式を使う

・実践の直後に練習する

・大きな目標を内緒にしておく etc...

このうち最後の「大きな目標」の件ですが、大きな目標を周囲に言うと、発表した時点で「脳がその目標を達成したと勘違い」して、達成率が下がってしまうのだとか(本書には実験結果も収録)。

……類書ではよく逆のことを薦めていたような?


◆本書は洋書にしては薄い方ですし、秘訣ごとに扉で1ページ使う等、文字数はあまり多くありません。

ただしその秘訣は、世界各地の「才能開発所」で長年に渡って行われてきたレッスンや指導のエッセンスを抽出したものであり、極めて濃厚。

そういえば勝間和代さんも、「正しいコーチについて、正しいレッスンを受けて、正しく努力をしたときにはおもしろいほど効果が上がる」と先日言われてましたっけ。

努力が報われる方法:勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!

まさに本書は、この考え方に沿うもの。

勉強に限らず、何かを上達させたい方なら、マストな1冊です。


これはオススメせざるを得ません!

才能を伸ばすシンプルな本
才能を伸ばすシンプルな本
第1章 はじめる――観察して、盗んで、バカになる

第2章 スキルを伸ばす――スイートスポットを見つけて背伸びをする

第3章 上達を維持する――繰り返し、へこたれず、目標を秘密にする


【関連記事】

一流職人もびっくり 驚愕の『究極の鍛錬』(2012年06月13日)

【勝間さん激賞!】「天才!成功する人々の法則」がいよいよ発売へ!(2009年05月13日)

これは凄い!『上達の技術』を便利にする7つのツール(2011年04月24日)

「上達の法則」岡本浩一(2006年10月02日)


【編集後記】

◆「戦術」レベルの本が少ない、と上で書きましたが、本書は比較的多いかと。

上達の技術 一直線にうまくなるための極意 (サイエンス・アイ新書)
上達の技術 一直線にうまくなるための極意 (サイエンス・アイ新書)

レビューは上記関連記事にて。


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この記事へのコメント
               
大きな目標を秘密にするというのはTEDでもそのテーマの話がありますね

Posted by 名無し at 2013年06月10日 00:15
               
>名無しさん

コメントありがとうございます。
ググったら、デレク・シヴァーズって人がまさにその事をテーマにしてましたね!
本書では上記の通り、取材先を明らかにしていないのですが、著者も話を聞いているのかもしれませんね。
ありがとうございました☆
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年06月10日 04:12
               
ご無沙汰しております。五条を騙る者です。

この本、今日届きました。先日の吟味以来待ち遠しかったです。

とりあえずサラッと読んで、明日以降ネチネチと熟読しようと思います。

良き本の紹介ありがとうございました!
Posted by 五条勝 at 2013年06月13日 20:56
               
>五条勝さん

お〜!吟味した上でのご購入ありがとうございます☆
この本、何か習い事やってたり、習わせたりしている方なら、結構オススメだと思いますよ〜!
ぜひぜひジックリお読みください!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年06月14日 00:47
               
見出し3がさっそく役に立ちました!

自分を磨くためにも、他人の指導にも使える、素晴らしい本です。


もっと熟読して身に付けて実践してフル活用、収入を倍増させてやるという野望を抱いております。

その暁には東京にてお逢いして直接お礼を申し上げたいです。

Posted by 五条勝 at 2013年06月17日 15:41
               
>五条勝さん

おー!さっそくの実践、流石でございます。
上達に役立つエッセンスが詰まっていますし、いい本ですよね、コレ。

でも、私にお礼なんてとんでもないです(汗)。
著者が日本人なら、お手紙でも出して頂きたいところですが、Twitterやってたら、ツイートでもしてあげてください☆

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年06月18日 01:55
               
smooth様

いつも拝読しています。
ご質問ですが。。。

書籍に付箋を貼られています。
本の横からと上からの2パターンの
貼り方がございます。

これは意図的に分けていると推測しますが
もしそうならば、双方の意味合いを
教えていただくと以前からの大きな疑問が
解決されるのです。お教えください。

Posted by 素人 at 2013年08月11日 00:12
               
>素人さん(ってお呼びするのは失礼なような(汗)?)

レスが遅くなって申し訳ございません。
お問い合わせの件、以下のように分かれています(縦書きの本という前提で)

●縦の付箋
・気になったところ(読み返し対象)

●横の付箋
・記事で抜き出して使う
・参考文献や参考書籍、DVD、映画等
・引用として抜き出すのが不可能な部分
・自分の過去の記事に関連した部分

従って、縦横両方貼っている部分もありますが、かぶっても気にしないでおります(汗)。
宜しいでしょうか?

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年08月12日 16:55