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2013年06月07日

【要注目!】『あたらしい働き方』本田直之


あたらしい働き方
あたらしい働き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み、本田直之さんの久しぶりの新刊。

アメリカではパタゴニア、ザッポス、エバーノート等、日本ではカヤック、スタートトゥデイ、チームラボ等の「先進企業」を取材して書き上げた力作です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
自分にフィットした企業を見つけていくためには、あたらしい企業選びの基準「クライテリア」で考えることが重要だと著者は説きます。
本書では、41のクライテリアを1.仕事、2.時間・場所・休日、3.給与・評価、4.会社・経営者、5.環境、6.カルチャーの6つに分類して説明しています。
また、本書に出てくるあたらしい企業がどんな人を求めているか、あたらしい働き方を手に入れるために必要な下記の17のスキルについても、明らかにしていきます。

果たして、アナタに合った会社とは!?


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【ポイント】

■1.「働きやすい会社」と「働きがいのある会社」は似て非なるもの
「働きやすい会社」が、働く人にやさしい、とか、充実した制度がある、など、働きやすさを強調しているのに対して、「働きがいのある会社」は違うのです。
 優秀な人材が自らの成果を出しやすい会社かどうか、そのためのサポートを真剣にやっているかどうか。人が資産だと本気で思い、社員が成果を出して成長できる環境を作っているかどうか。よりいい発想を生み出してくれるための、仕事に打ち込める環境が用意されているか。働くことで自分か成長できるか…。そういうところにフォーカスが当たっているのです。


■2.社員のクリエイティビティを促す
「私の父親はタイヤメーカーに勤務していました。父たちの会社にとって敵は、同じエリアにある他のメーカーだった。だから、勝つことはそれほど難しいことではなかったんです。ところが今は、世界中の会社が競合になりうる。だから、最もクリエイティブな人が効果的に働く、という方法で戦っていかなければ絶対に勝てません。日本もそうだと思いますが、賃金で比べると、10分の1、100分の1で同じ仕事をする人たちがたくさんいるわけです。クリエイティブで戦わなければ、勝ち目はない」(IDEO パートナー トム・ケリー氏)


■3.社会的なインパクトを与えられるという動機
「世の中の人たちに便利を提供できるエバーノートというあたらしいサービスを作れているという社会的な意義やインパクトを、社員は共有しています。そこに自分も参加できているのだ、という自負が大きなモチべーションになっていると思います」(エバーノート マーケティング担当VP アンドリュー・シンコフ氏)


■4.「9時〜3時」の労働時間達成の秘密
「法律的にも日本の労働基準法上、6時間の運続労働が許されています。6時間以内の就業時間の場合、休憩はいらないんです。ところが、6時間を超えると45分の休憩が必要になり、8時間になると1時間の休憩が必要になる。だから、休憩を入れるとなると、3時終業はできず、もっと遅い時間になります。そこで、6時間休みなしで働くことで午後3時終業を実現させました。ランチはありませんが、軽食をデスクでかじったりしています。それでも早く帰れるほうが魅力だという声が社内では圧倒的です」(スタートトゥデイ 代表取締役 前澤友作氏)


■5.経営者が大きな夢を掲げる
「Plan・Do・Seeの視点は、人々を幸せにできるような会社になろう、ということなんです。今は日本だけでなくアジアでも事業の開発を進めていますが、その土地の価値を高めたり、あたらしい価値を生み出したりしたい。例えば中国に行けぱ儲かるからホテルをやろうとか、繁華街の一等地が空いているから何かやろうとか、そういうのは絶対にやらないです。儲けることは大事なことですが、そのためだけにはやらない、というスタンスなんです」(Plan・Do・See キャスティング室長 笹山剛史氏)


■6.オフィスをあえて都市部に置かない
「パタゴニアの給料はとりたてて高いわけではありません。しかし、それは都市部の感覚からすれば、です。言ってみれば東京の標準。でも、東京の標準で、茨城で暮らせるということになればどうでしょうか」(パタゴニア インターナショナル・マーケティング・ディレクター 藤倉克己氏)


■7.社員同士が近づく機会を増やす
「みんなが待っている場所を、とにかく合わせろ、と言っています。例えば、プリンタが置いてあるところに、飲み物の自動販売機を置いていますし、タイムカードも置いています。そこには、ソファもあるんです。プリンタも自動販売機もタイムカードも、ちょっと待ったり止まったりする場所。それをわざわざ集めています」(チームラボ 代表 猪子寿之氏)


【感想】

◆本書を読むまで知らなかったのですが、リクルートが2012年から「就職人気ランキング」の公表をやめてしまったのだとか(知ってました?)。

リクルート、就職人気ランキング公表取りやめ :日本経済新聞
同ランキングは1965年卒業予定分から発表していたが、2012年春卒業予定分から非公表にする。大学全入時代を迎えたほか、学生の価値観の多様化で一律のランキングを発表する意味が薄れたと判断した。
1965年からって、かれこれ半世紀近くやっていたんですね、これ。

そのランキングをわざわざ廃止するということは、結局それだけ、「会社の評価」というものが多様化してきた、ということ。

つまり、ある人にとっては「いい会社」も、別の人にとってはそうでもない、ということが普通にありえるワケです。


◆それを受けて本書では、「働き方の要素=クライテリア」を41個列挙。

さらにそれらを分かりやすく「仕事」「時間・場所・休日」「給与・評価」「会社・経営者」「環境」「カルチャー」の6つに分類しています。

第2章では、これら6つの分類ごとに取材対象(17企業、1組織)の声を構成し、「あたらしい働き方」を考察。

上記ポイントの2番目以降は、その中から気になった部分を引用したものになります。

実際には他にもご紹介したい箇所があったのですが、会社やクライテリアがかぶらないようにしましたので、ご了承を。


◆この詳細な取材である第2章に続いて、いよいよ第3章では「どうすれば『あたらしい働き方』を手に入れることができるか」を考察しています。

本田さん曰く、9つの「仕事のスキル」と8つの「思考のスキル」、計「17のスキル」が必要である、とのこと。

その個々のスキルについては、アマゾンの内容紹介に列挙されていますので、そちらをご覧頂きたく。

またそれに続く、「あたらしい働き方の会社をつくるために必要な10の要素」は、アマゾンにも載っていないので、こちらは本書にてご確認ください。


◆ところで、本書を読んで少々ショックだったのが、私自身が知らない会社が半分近くもあったこと。

提供しているサービスに知名度があったり、経営者がビジネス書でも出していれば別ですが、そういう要素がないとお手上げでした(お恥ずかしい)。

ただ、「目利き」の本田さんが選んだ会社群ですから、今後さらに発展していく可能性は高いですし、その存在も広く知れ渡ることでしょう。

そしてこうした会社の「あたらしい働き方」が、今後は主流となっていくのかもしれません。


「これからの働き方」を知るために読みたい1冊!

あたらしい働き方
あたらしい働き方
第1章◎あたらしい働き方がどんどん出てくる今、なぜまだ昔の基準でのままで会社を選ぶのか?

第2章◎自分にあった働き方を選ぶために、考えておくべき要素とはどのようなものか?

第3章◎あたらしい働き方を手にいれるために必要なこと


【関連記事】

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【出世の秘訣?】『人事部は見ている』に学ぶ出世の6つのポイント(2011年07月10日)

【出世作法】『課長になれない人の特徴』に学ぶ7つの出世のコツ(2012年01月20日)


【編集後記】

◆土井英司さんのメルマガで紹介されていたご本。

スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考
スタンフォード教授の心が軽くなる先延ばし思考

「仕事術マニアは必読の内容」と言われているので、チェックしてきます!


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