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2013年05月30日

【文章術】『7日で身につく 正しい文章の書き方』高橋廣敏


7日で身につく 正しい文章の書き方
7日で身につく 正しい文章の書き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事で取り上げた1冊。

文章術の本は、私自身、今まで何冊も読んでまいりましたが、それでも本書には「新たな気づき」が多々ありました。

アマゾンの内容紹介から。
代々木ゼミナールの人気トップ講師が本当に伝わる文章の書き方を教えます。論文、エントリーシート、企画書、レポート、プレゼン資料、メール、ブログ、ツイッター、フェイスブックなど、すべてに使える。

ブログをかれこれ8年半近くやっていながら、未だ「これはイカン」書き方をしていることが判明致しました!?


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【ポイント】

■1.能動的に思考するには、情報を遮断する
電車の中でスマートフォンを操作している人を多く見かけますが、端末から情報をただ漫然と入手するだけでなく、入手した情報の意味について能動的に思考することが大切です。
 情報を人手するとき、人はどうしても受動的になっています。しかし、その情報の意味を考えるときには、実は情報をー度遮断する必要があるのです。


■2.主語と述語の関係を意識する
主語と述語を対応させるのは、文章を書く上での基本ですが、意外にも、これができていない場合が多いのです。
×私は、サッカーの試合を見に行ったが、退屈な試合だった。

私は、サッカーの試合を見に行ったが、退屈な試合だと思った
私は、サッカーの試合を見に行ったが、その試合退屈だった
 上のNGの例は、一見、正しそうに見えますが、後半で、「私」が「退屈な試合だった」ということになってしまいます。「思った」という述語を補うべきです。あるいは、「退屈だった」という述語に対して、「その試合は」という主語を補う方法もあります。


■3.推量表現を使い分ける
「〜かもしれない」は、確率がほとんどゼロの場合にも使うので、文章中には、できるだけ入れない方がよい表現です。もし完全に断定できないけれども、かなりの確率でありうることを述ぺたかったら、文末を「〜に違いない」か「〜はずだ」にするとよいでしょう。
[例]
今後は「持続可能性」が、一般人の間でもキーワードになるに違いない。


■4.受け身の文章は、能動態にできないか検討する
×温泉町復活の最後の手段とされているのは、共通入浴券の発行だと考えられます。これが町内の温泉で利用されるなら、湯治場としての魅力も高まり、観光客を呼び込めると思われます
◎温泉町復活の最後の手段は、共通入浴券の発行だと、私は考えています。観光客が、町内のすべての温泉で共通人浴券を利用するなら,温泉町は、湯治揚としての魅力を高め、観光客を呼び込めます。
 意外に受け身の形で文章を書いてしまうものです。そこで、大切なのは、受け身で文章を書きそうになったら、能動態に変更できないか意識することです。特に、責任の所在を明確にするべき文章の場合、主語を明示する必要があります。


■5.期限を示す「で」、時点を示す「に」
・「で」→その時までと定められている期限を示す。
・「に」→時間の流れの上の、ある時点を示す。


次の2つの文章を比べてみましょう。

(例)図書館は20時閉館です。(8時まで開いているニュアンス)
(例)図書館は20時閉館です。(8時ジャストに閉館するニュアンス)


■6.客観的な「ので」、主観的な「から」
原因・理由を表す「ので」と「から」には、違いがあります。
・客観的な因果関係の場合→ので
・主観的な因果関係の場合→から
(例)液状化しているので、ここの地区は危険だ。
(例)料理が美味しいから、その店に通っている。
 したがって、次のような文章は不自然なので、直すべきです。
×下記の住所に転居しましたから、ぜひ一度お越しください。
下記の住所に転居しましたので、ぜひ一度お越しください。


■7.パソコン上の文章をプリントアウトして推敲する
 現代はパソコンで文章を書く場合が多いと思います。画面上ならば、削除や挿入も簡単にできるので、推敵も、パソコンの画面上ですると考えてる人が多いかもしれません。
 しかし、推敵をするときは、原稿を紙にプリントアウトすべきです。プリントアウトすることによって、自分の書いた原稿を第三者の視点から眺めることができます。
 書き手の意識から読み手の意識へと、自分の意識を変えるのです。


【感想】

◆タイトルに「7日で身につく」とあるように、本書は「正しくわかりやすい文章を書くための100のルール」を、7つの章に分けて提示。

1日1章を読んで、7日間でその100のルールが自然に身につく仕様になっています。

内容的には、上記ポイントの2番目のような「意識していないけれど、間違っている場合読んだら違和感があるので直している」ようなものから、上記ポイントの6番目のように「意識したことがないので、意味もなく混在している」ものまでさまざま。

今回も鬼のように付箋を貼ったものの、類書とできるだけネタ的にかぶらず、かつ、私自身が「やってもうた」ものを中心に選んでみました。

なお、本書では上記ポイントで太字にしている部分は実際には赤字で、さらに必要に応じてフレーズの下部に注書きをしているのケースがあるのですが、そこまで書くとブログではかえってわかりにくいので割愛しております(詳細は本書を)。


◆また、本来「ぜひご紹介したい!」と思った部分でも、引用すると膨大なボリュームになるネタも当然のように割愛せざるを得ず。

その1つが、「文章の中で何か説明するときは、大きなマクロの視点から小さなミクロの視点へと変化させつつ行う方法が分かりやすい」というお話です。

例えば、「グローバリゼーションが進んでいて」「国境を越えて、人や物や情報が流通しており」「わが社にも外国人の社員が増えた」というテーマならば、この順番なら「マクロ→中間→ミクロ」となって分かりやすいものの、逆だとNG。

これは、住所が「○○県○○市○○区○○町」と表現するのと同じ、と考えると確かに腑に落ちますね。


◆一方、キリがない(?)のでカットしたのが、上記ポイントの5番目、6番目辺りの「細かい使い分け」のお話。

やはり意識したことがなく使っていた『「〜に」と「〜へ」の違い』は、今般初めて知りました。

例えば「京都に行く」「京都へ行く」の違いは何か?

これは実は「〜に」が「明確な場所を示す」のに対して「〜へ」は「漠然とした方向を示す」という違いがあります。

つまり、前者だと「他でもない京都」、後者だと「漠然と京都方面」というニュアンスがあるとのこと。

どちらかが絶対にダメということでもないのでしょうけど、新潮社の校閲さんならチェックが入りそうなw


◆ちなみに、このブログにおけるNGポイントは結構ありました。

例えば、いきなり2日目で「体現止めや倒置法を用いない!」とバッサリ!

……という、この文章自体が体言止めなんですが、今さらどうしようもありません。

もっとも当ブログは「ビジネス文書」ではないので、一応「アリ」だと思います(震え声)。

ただ、それ以上に問題なのが、「〜的」というフレーズの○×で、『抽象的な漢語+「的」』はアリですが、以下のケースはNGなのだとか。
・具体的な言葉+「的」(「自分的」等)

・和語+「的」(「気持ち的」等)

・カタカナ語+「的」(「サイズ的」等)
ブログタイトルがNGでsmooth涙目の巻w


タイトル通り「正しい文章」を書きたいならぜひ!

7日で身につく 正しい文章の書き方
7日で身につく 正しい文章の書き方
第1日 文章を書く前に準備しよう―伝える方法、相手を考える
第2日 文章を書くときの心得・初級編―あなたの文章、こうなっていませんか
第3日 文章を書くときの心得・中級編―ちょっとしたコツで差をつける
第4日 文章を書くときの心得・上級編―伝わる文章を意識しよう
第5日 文章を書くときの心得・達人編―相手の心に響く文章を書くために
第6日 読み手を説得する方法
第7日 文章を書いた後―さらに正しい文章を書くために


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【オススメ】『伝わる!文章力が身につく本』小笠原信之(2011年06月26日)

【文章術】『書くことが思いつかない人のための文章教室』近藤勝重(2011年10月02日)


【編集後記】

◆昨日のお買いもの。

子どもにすごいと思われる父親の105の技術 (中経の文庫 ま)
子どもにすごいと思われる父親の105の技術 (中経の文庫 ま)

アマゾンの内容紹介を読むにつけ、これはまさに、私向けの1冊だな、と!


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