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2013年05月19日

【知ってた?】『プロならその保険入りません!』藤川 太


プロならその保険入りません!  (新書y)
プロならその保険入りません! (新書y)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ファイナンシャルプランナー・藤川 太さんによる保険の入り方の指南本。

保険というと、営業マン等に言われるがままに「深く考えずに」入ってしまうケースが多いですが、本書を読むと「何が問題なのか」が分かります。

アマゾンの内容紹介から。
入りすぎの人も保険ゼロの人も今すぐ見直しなさい!人気FPが保険の考え方、見直し方をわかりやすく解説。

特に今回は「私自身が知らなかった」部分を中心にまとめてみましたので、ご覧ください!


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【ポイント】

■1.更新型は当初に比べて保険料が2倍以上になることが多い
 例えば死亡時に保険金が受け取れる定期保険などには、更新型と全期型がある。(中略)
 以前よりは少なくなったが、まだまだ更新型に入っている人は多い。ところが、10年か15年ごとに保険料がアップすることを多くの人は知らない。定期保険について言えば、契約内容にもよるが更新時期のたびにそれまでの保険料が高くなり、更新を2〜3回繰り返せば保険料は当初の2倍以上になることが多い。


■2.若くてお金がない人ほど保険に入るべき
 仮に十分な貯蓄のある人なら、不測の事態で働けなくなっても困らない。生活費も医療費も貯蓄から捻出すればいいのだから、保険に入る必要などないことになる。しかし、それだけの蓄えがない場合は、収入が激減したら生活が成り立たなくなる。保険とはそんな事態を防ぐために使う道具であり、その人が維持すべき生活の規模に合わせて加入すべきものなのである。


■3.保険ショップは人材不足気味
 第一に窓口のスタッフ全員が十分なスキルを備えているとは限らない。複数の保険会社の保険について仕組みを理解し、かつそれぞれのメリットとデメリットを把握して、顧客に最適な商品を提案するには、かなり高度なスキルが求められる。この分野の深く広い知識に加え、的確な説明能力が必要だ。しかし、保険ショップの急激なまでの出店ペースを見ると、ただでさえ数が少ないそうした人材を十分に確保できているとは思えない。
 実際、保険ショップの窓口対応については、近頃ネガティブな声が聞こえてくる。公的年金や健康保険の給付について質問したら答えられなかった、特定のおすすめ商品についてしか教えてくれない……など。


■4.ちょっとした病歴で保険に入れないこともある
 持病や病歴があると保険に入りにくい。それはもちろん、今に始まったことではない。特にネット生保や通販系生保などが扱っている保険料の安い掛け捨て保険ほど、健康状態のチェックにうるさい。大げさな難病でなくとも、現状、何らかの病気にかかっているだけで入れないこともあるのだ。
たとえば、風邪でもないのにゴホゴホと咳が出るような場合。単純な気管支炎と思ったら、医師に「ぜんそく気味だね」といわれたりすることがある。それでカルテに「ぜんそく」と書かれたら、保険に入れなくなってしまうこともある。


■5.高額療養費制度ではカバーできない部分がある
健康保険に加入していれば、自己負担はかかった医療費の3割というのは多くの人が知っていることだろう。そのうえ、1ヵ月あたりの自己負担が8万円超の場合、それ以上の費用の大部分が払い戻される「高額療養費制度」というものがある。(中略)
 ただし、高額療養費にも落とし穴はある。適用対象があくまで治療費や薬代である点だ。実際に入院すると、治療費以外に、保険診療対象外の「特定療養費」というものが発生してしまう。
 その代表例が、差額べッド代。(中略)
大部屋が空いていないため、空いていた個室に入ることを同意すると、場合によっては1日1万円などの差額ベッド代がかかることもある。しかし、これは健康保険対象外なので、全額自己負担になるわけだ。


■6.「混合診療」だと全額自己負担になる
 たとえば、あなたががんになり一般的な医療を受けていたとすれば「保険診療」だ。ある時先生が「米国で新しく開発された薬を使ってみないか」と言ったとしよう。その薬は日本ではまだ認められていないし、薬代が月20万円はかかるという。(中略)
 このとき、治療費はどの程度かかるのだろうか。保険診療で受けている部分は高額療養費制度を使えば月8万円ちょっと。それに月20万円程度を足せばいいと思ってはいないだろうか。こうした治療費の負担方法は「混合診療」と言われているが、原則認められていない。つまり、同じ診療の中で健康保険が使えない薬や治療を受ければ、これまで健康保険が使えていた部分まで全額自己負担しなくてはならず、非常に高額な医療費がかかってしまうのが現実だ。


【感想】

◆今回は引用量が多いのでこの辺で。

まず本書では、表紙でもうたっているように、保険の「入りすぎ」と「入らなすぎ」の両方について警告がなされています

「入りすぎ」が多いのは40代より上の年代で、保険の営業マンに言われるがまま、「盛りだくさんの保障に高い保険料を払っている」ケースが多い、とのこと。

上記ポイントの1番目のように、保険料がアップすることを知らなかったり、もしくはアップすることを知っていても「給料が上がる前提で」契約している方は、このご時世ですから「保険の見直し」は必須です。

その反対の「入らなすぎ」で多いのが、20代、30代の若者で、「今の暮らしで精一杯」がゆえに、「万が一の時の備え」まで気が回らないのは、しょうがないでしょう。

ただし、独身のうちはそれでもいいのですが、結婚して子供がいる状態で、一家の稼ぎ手が亡くなりでもしたら、残された家族は大変です。

上記ポイントの2番目のように、「お金がないからこそ保険に入る」のはもちろんのこと、最近多いのが「収入減」による「見直しによる必要以上の解約」で、「いざ」というときに最低限の保障すら確保されていないこともあるのだそう。


◆本書によると、現在国内で営業している生命保険会社は、6つのタイプに分かれる、とのこと。

このうち、「なるべく保険料を抑えたい」なら、「外資系・カタカナ系生保」「損保系生保」「ネット専業生保」を。

「家族の保障をトータルな形でカバーしたい」、さらに「長期的な貯蓄機能もほしい」なら「国内大手生保」や「コンサルティング型生保」(ないしは「損保系生保」)を選ぶべきでしょう。

「どれを選んだらいいかワカンネ」という方が利用しているであろうモノが、最近よく見かける「保険ショップ」ですが、上記ポイントの3番目のように問題がないわけでもありません。

また、その「窓口対応」以外でも、「中立性」について本書では疑問が投げかけられていますが、詳細は本書にてご確認を。


◆一方、本書の第3章では、さまざまなケースごとの「必要保障額」について検討。

その場合における大きなファクターが「自営業か会社員か」「住居が賃貸か持ち家か」の2点で、もっとも高額の死亡保障が必要なのは「大都市の賃貸住宅に住む自営業者」なのだとか。

「それなんて俺?\(^o^)/ 」

本書には「死亡保障の必要保障額早見表」が収録されているのですが、もし「妻の年収がゼロ」なら、余裕で1億以上の保障が必要なようです。

ただ、それ以外の前提条件(子供の数や出産時の年齢、加入年金等)が、ケースバイケースでしょうから、あくまで「目安」ということで。


◆そして、個人的に気になっていたのが、第4章で掘り下げている「医療保険」でした。

基本的に医療費は「3割負担」ですし、8万円超になれば上記ポイントの5番目でも触れている「高額療養費制度」によってカバーされます(多少の例外はあるにせよ)が、私のような自営業者にとっては、病院代より、むしろ「働けない期間の収入」の方が問題だったりします。

会社員の方と違って「傷病手当金」がない分、手厚く医療保険に入るか、別途所得補償保険に入る必要がある模様。

また、こうした「医療保険」とは別枠で考えねばならないのが「がん保険」なのですが、掘り下げていくと結構深い話になるので、こちらも詳しくは本書の4章をご覧頂きたく。


◆続く第5章では、自動車保険や火災保険、地震保険等について言及が。

さらに第6章では、「ケース別これが正しい保険見直し術」と題して、さまざまなパターンでの「保険 before & after」が展開されています。

ちなみに「after」の方では、具体的な保険の商品名まで提示されていて、その細かさにちょっとビックリw

ケースがそのまま一致することはないにせよ、考え方はきっと参考になると思います。


この機会に、本書で保険の見直しを!

プロならその保険入りません!  (新書y)
プロならその保険入りません! (新書y)
第1章 生命保険の常識はここまで変わった!
第2章 間違いだらけのあなたの保険選び
第3章 必要保障額と死亡保険の考え方・選び方
第4章 医療保障が必要な人はこんな人!
第5章 身の回りの保険の見直し方教えます
第6章 ケース別これが正しい保険見直し術


【関連記事】

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【お金の心理】「人はこうしてみすみす損をする」(2007年07月21日)

「雨の降る日曜は幸福について考えよう」橘 玲(著)(2005年02月19日)


【編集後記】

◆DeNAの南場さんのご本がいよいよ登場ですね。

不格好経営―チームDeNAの挑戦
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人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 09:00
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この記事へのコメント
               
この本もamazonの「欲しいもの」リストに登録しました。

公的保険に関連する資格を持ってますが、保障は公的保険だけで足りないのは顕著な事実。

相談のときに勧められる保険の参考書にしようと思います。

余談ですが、私が興味を持った当書評紹介の本は近隣の書店では手に入らないがとても口惜しいです。
ですので、仕事帰りに寄れる大型書店で吟味しております。

もう少し使える近隣書店が欲しいものです。そしたら、直ちに吟味後購入できるのですがね。

お目汚し失礼しました。
Posted by 五条勝 at 2013年05月19日 12:44
               
>五条勝さん

コメントありがとうございます。
また、コメント公開が遅くなってスイマセンでした(土日は外出していることが多いもので(汗))。

あら、保険に関する資格までお持ちですか(汗)。
そういう方が、どこまで活用できるか分かりませんが、私は知らない事だらけでした。

書店に関しては、まーぶっちゃけ私が「即買い」してもらえるような記事を書いたり、本を選べばいいんですけどね〜(笑)。

私自身が100%激プッシュできる本というのが、毎日出てくるわけではないですから、ご自分の用途や状況に合わせて、よく吟味してくださいね☆
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年05月20日 01:53