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2013年05月10日

【奴隷解放?】『30代こそ「奴隷」から抜け出そう!』鈴木進介


30代こそ「奴隷」から抜け出そう!
30代こそ「奴隷」から抜け出そう!


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、タイトルからしてセンセーショナルな1冊。

多くの人が囚われている「キャリアアップ」「ノマドワーカー」「マッキンゼー」「人脈術」「副業」といったものから、逃れる手だてを指南してくれています。

アマゾンの内容紹介から。
「このまま会社にいて、どうなっちゃうんだろう?」と将来に不安を抱える人、必読!「常識」「思い込み」の壁を打ち破る「生き方」「働き方」「仕事」「勉強」「人間関係」「お金」の思考法&実践法。

タイトルには「30代こそ」とありますが、すべての世代の方にお読み頂ける内容だと思います!


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【ポイント】

■1.「キャリアアップ」の奴隷から抜け出す
そもそもキャリアにアップもダウンもありません。
 あるとすれば、「キャリアチェンジ」という言葉だけです。
 経歴や年収がアップすることが、必ずしも自分らしい生き方につながるかどうかはわからないからです。
 自分らしい生き方をするために、キャリアをチェンジする。それが世間から見て経歴が落ちるように見えても、自分の給料が下がったとしても、自分らしい生き方を追求する上では何の関係もありません。


■2.「ノマドワーカー」の奴隷から抜け出す
 ノマドワーカーの成功者として注目されている人は、そもそも普通の人ではありません。すでにある分野で専門性を持つ人や凡人に比べて華々しい経歴がある人が多いのです。
 ですから、会社を辞めても、凡人に比べてサバイバル能力が高いのはもちろん、仕事を受注するときの信頼度も高いのです。
 にもかかわらず、猫も杓子も自由な働き方の部分だけを見て憧れてしまっているとしたら、とても危険です。


■3.「副業」の奴隷から抜け出す
 そもそも、あなたは今の会社でもらえる給料で、最高の給料額をもらえていますか?
 そうでなければ、まずはそちらが先決です。それなくして、副業のほうに走った時点で、あなたの成長と大きな収入増はそこでストップします。
 もちろん自分の現在の職場が、給与制度上、実績をいくら出しても給料の上げ幅が少なすぎるという場合もあるでしょう。
 その場合は、自分の得意分野を活かして、別の会社に転職すればいいのです。


■4.「英会話」の奴隷から抜け出す
 英語ができないことを威張ってみせる必要はありませんが、逆に英語ができないことでストレスを溜める必要などありませんし、劣等感を持つ必要ももちろんありません。
 そんなことにとらわれず、まず「自分はどんな生き方や働き方をしたいのか」「その中で英語をどう位置づけるのか」という「あり方」を先に頭に描きましょう。そして、「本当に今、英語の勉強が最優先事項なのかどうか」の判断をしてみてください。
 磨くべきは、英語力ではなく、目の前の仕事に対して、自分の強みを活かした成果と実績なのです。


■5.「MBA」の奴隷から抜け出す
 会社は、勉強の成果を発表する場ではありません。人に価値を伝え、巻き込み、成果に向けて動くところです。
 つまり、いくら経営の知識を身につけても、相手の心を動かせなければ何も意味がないのです。言い換えれば、コミュニケーション能力がなければ、MBAで学んだことも"宝の持ち腐れ"になってしまいます。
 コミュニケーション能力とは、口がうまいことではありません。相手の心を動かす力です。いくら「MBAでマーケティングを専攻していました」と言っても、相手の心を動かすことができなければ意味がないのです。


■6.「人脈術」の奴隷から抜け出す
 僕の定義では、「人脈」とは「困ったときに見返りを求めずに真っ先に助けてくれる人たち」のことを言います。
 この定義に照らし合わせてみれば、人脈術のようなテクニックで"つくる"なんて無茶な話だし、まったくおこがましい話です。
 それにもかかわらず、仕事につながる人脈が欲しいという気持ちで「人脈術」関連の書籍に手を伸ばし、セミナーを受講してしまう。「人脈」まで、テクニックで何とかしようというその気持ちは、浅はかという他ありません。


■7.「ギブアンドテイク」の奴隷から抜け出す
「見返りを期待するな」と言われても、期待してしまうのが人間の弱さです。でも、それも考え方1つ変えるだけでいいのです。
 たまたま、そのときのタイミングや精神状況によって、相手が返してくれない「時」もある。だからといって、いつも恩義を忘れているわけではない。どこかで、かすかにでも覚えているものです。
 そう考えれば、見返りを「焦る」必要などないのです。初めから見返りに期待もアテもする必要はないのです。必ず覚えている人は覚えているものです。たまたま「今」返したくても返せないだけなのです。


【感想】

◆上記ポイントや冒頭であげたものを含め、本書で俎上に上がっているのは、多くの人が「正しいこと」「身につけるべきこと」「目指すもの」と思われるものばかりです。

具体的にはアマゾンの詳細目次をご覧頂きたく。

いや、実際それぞれをテーマとして、本が何冊も出ていますし。

ただ、本書の「はじめに」によると、これらは「先が見えずに不安だけが津波のように襲ってくる時代を乗り切ろうと、精神的な安定を求める」ために、多くの人がすがっているに過ぎない、と指摘。

結果的に「"自分らしい生き方"をすることができなくなっている」というワケです。


◆そして、実はこれら1つひとつのいくつかは、著者の鈴木さんご自身が、かつては目指していたもの。

マッキンゼー風の言葉遣いで提案書を作ってみたり、副業として株式投資を試みたり、資格取得に挑戦してみたり……。

または、鈴木さんが実際に出会った「奴隷」となっている人のお話もありました。

当時の鈴木さんや、出会った人がどうだったか、もしくはどうなったかは本書を読んで頂くとして、いずれにせよ鈴木さんは、そこから「学び」を得ます。

本書はただ「何かをdisる」だけではなく、こうした「学び」も併せて提案しているところがポイントが高いと思われ。

上記ポイントでは、その「学び」まで載せられていないものもありますが、詳しくはやはり本書をお読みください(すいません)。


◆なお、本書と同様に、このような「批判」を行っている本が、本書内では何冊か登場します。

当ブログにてご紹介済みのものを挙げてみるとこんな感じに。

仕事をしたつもり (星海社新書)
仕事をしたつもり (星海社新書)

参考記事:【反常識?】『仕事をしたつもり』海老原嗣生(2011年09月25日)

日本人の9割に英語はいらない
日本人の9割に英語はいらない

参考記事:【脱英語?】『日本人の9割に英語はいらない』成毛 眞(2011年09月07日)

なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術 (ソフトバンク新書)
なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術 (ソフトバンク新書)

参考記事:【脱スキル】『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』佐藤留美(2012年10月18日)

これらの本に響く部分があった方は、本書も興味深く読めるのではないか、と。


◆ただ、結局こうしたお話は、本来テーマごとに「本1冊レベル」で論じてもおかしくないワケですから、多少の掘り下げ方の甘さはしょうがないところ。

また、「英会話」「MBA」「マッキンゼー」「資格」といったところは、それらを「武器」にされている方も数多くいらっしゃいますから、一概にダメということでもありません。

とはいえ、盲目的にすがるのも、それはそれで問題ですから、本書のような「問題提起本」に接することによって、改めてその価値を確認して頂きたいと思います。

いずれにせよ、タイトルや装丁に比べると、中身は至って真っ当で、読んで良かったと思わされました。


思考停止に陥らないために!

30代こそ「奴隷」から抜け出そう!
30代こそ「奴隷」から抜け出そう!
Chapter1:自分らしさを取り戻す生き方
Chapter2:自分の才能を開花させる働き方
Chapter3:もっと自由になれる仕事術
Chapter4:苦しさを感じずに勉強する秘訣
Chapter5:もう人間関係で苦しまない!


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【成功法則】『アンフェアにたたかえ!』に学ぶ、成功者を支える6つの真実(2011年08月08日)

【国際派?】『米国製エリートは本当にすごいのか?』佐々木紀彦(2011年07月21日)


【編集後記】

◆本日発売の1冊。

賢人の読書術
賢人の読書術

テーマ的に、当ブログとしては読んでおかねばw


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