2013年05月08日
お前らもっと『評判の科学』の凄さを知るべき

あなたの仕事も人生も一瞬で変える 評判の科学
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、前回の「未読本・気になる本」の記事で初っ端に取り上げた1冊。なかなか時間がなくて後回しになっていましたが、やっと読破することができました!
アマゾンの内容紹介がビミョウなので、版元サイトから。
会話の60%は、そこにいない人のこと。他人の中に生き続ける評判とは自分の分身である。自分の評判に磨きをかけて、人生にプラスの作用をもたらすための方法と、他の人のうわさを理解し判断する力を身につけられる1冊。
予想通りの内容の濃さに、思わず付箋も貼りまくり!

そしてタイトルは、またまた「ホッテントリメーカー」作でございます。

【ポイント】
■1.他の女性の行動で好意が得られる他者を真似して優れた決定を行うという近道の利点は、人間の配偶者選択にも当てはまります。魅力というものに対する人間の考え方が、周囲の行動の影響を受けないはずがありません。(中略)
他人の意見によって好みが決まることを示す証拠はたくさんあります。たとえば別の女性がある男性に向けて微笑んでいる写真を見た女性は、その男性を魅力的だと思うようになります(反対に、男性に同じ写真を見せた場合は、写真の男性を無意識にライバルだと見なすので、女性に注目されている男性のことを、あまり魅力的ではないと感じます)。
■2.人は目の前の相手に同調する
もしあなたがジェフという人と働いていて、別の部署で会った人がジェフを好きだとわかれば、彼が自分のチームのレポートを締め切りに問に合わせるために、徹夜したという話をするでしよう。けれど、ジェフの話になったときに同僚の顔がこわばったようなら、ジェフがいつも金曜日の早い時間にコソコソ退社するようだと話します。どちらにしても、別れるときにはあなたと友だち2人の意見は、話をする前よりも強化されています。
■3.他人が見ているときのほうが、ケンカは増える
ケンカは社会的に認められていないし、法的な罰を受けることもあります。それを考えれば、ケンカは人目につかないように行われ、観衆は当事者を落ち着かせる効果があると思うかもしれません。ところが実際には逆なのです。
心理学者のリチャード・フェルソンは、元囚人や元精神病患者、さらにはケンカで一度も投獄されたことがない人たちに質問をしました。すると、言葉のケンカから身体的をケンカにエスカレートする可能性は、傍観者がいると2倍になることがわかったのです。
(詳細は本書を)
■4.うわさが気になるセレブは「同世代」
フランク・マカンドルーたちの別の研究では、人間は有名人を自分のグループの一員と見なし、うわさを利用して、彼らと競い合っているという考え方が裏づけられました。この研究では、人間が一番興味を持っているのは、自分と同じ年齢と性別の有名人についてのうわさであることがわかりました。1990年代の終わりの時点では、30歳未満の女性はフィギュアスケーターのオクサナ・バイウル(1977年生まれ)のうわさに、若い男性は、当時31歳だった俳優のロバート・ダウニー・Jr(1965年生まれ)のうわさに一番興味を持っていました。(中略)
どの場合も一番興味がなかったのは、サンプルの中で最年長の、たとえばフランク・シナトラ(1915年生まれ)のようなセレブのうわさでした。
■5.評判を気にするのは中流階級だけ
ギリシャで放牧者の村人を研究しているサリー・イングル・メリーは、うわさやスキャンダル、他人にどう思われているのかを気にするのは、中流階級の人だけであることに気づきました。底辺にいる人は、それ以上落ちるところがありません。(中略)
一方、最上層の人たちは、節度というものに対する一般的な考え方などは気にもせず、たいてい好きなことをしています。(中略)
評判が最も強力になるのは、お互いを必要とする、同レべルの人たちの集団内でのことです。メリーが研究していた村で、主に中流階級が評判を心配するのはそのためです。
■6.若い男性が「危ない」プロフ写真を使いたがるワケ
フランスのある研究チームは、1万2000人を超えるネットユーザーに、自分のプロフィールにどんな写真を使うかと質問しました。すると若い男性は、裸や芝居がかったようす、運動や危ないことをしているところ、酔っぱらっているところなどの写真を選ぶ傾向が強いことがわかったのです。(中略)
進化生物学では、こうした行動をハンディキャップ理論と呼んでいます。つまり、発信者はばかげたことをうまくやりおおせることで、自分が申し分のない健康状態にあることを示しているという考え方です。
■7.雇用主の35%は求職者のSNSを見て採用をとりやめたことがある
企業や政府というのは、こちらが向こうのことを知っている以上に、私たちのことを知っています。
すでに、アメリカの雇用主の35%は、求職者のソーシャル・ネットワーキング・サイトを見た後で、採用をやめたことがあると認めています。ある人のネットでの活動をまとめた分析結果を提供している会社もあるので、あるサイトで自分をさらけ出すと、たとえ匿名だったとしても、身元を特定される可能性があります。
【感想】
◆冒頭の画像でもお分かりのように、今回は付箋を貼りまくったので、抜き出す部分を選ぶのに苦労しました。まず、初っ端のポイントを読んで思いだしたのが、こちらのモテ本。

女が好きになる男 その行動、話し方、接し方の法則
参考記事:あの芥川賞作家もびっくり 驚愕の『女が好きになる男』(2011年05月21日)
曰く、「魅力的な女性と一緒にいるだけで、それを見ている他の女性からは魅力的に見られる」と。
なるほど、この本の言ってることは正しかったワケですね(ちなみに2年前にご紹介した時は、在庫が切れてプレミア付いちゃったのですが、今ならお手頃価格でお求め頂けますw←アサマシ)
なお、割愛した中にあったのですが、フェイスブックで顔立ちの整った友人を持つと、プロフを見た人たちから、その人の見た目も魅力的だと思われるのだとか。
……モテ戦略として「アリ」かもしれませぬw
◆また上記ポイントの2番目の「同調」のお話もうなずきまくり。
要は「人は話し相手を味方にする傾向がある」、ということですね。
すると「お互いが」元のレベルよりも、その意見を強化しているという。
いや〜、こうして「うわさ話」はどんどん大きくなっちゃうんだな、と。
子を持つ親としては、子どもたちが何か「やらかした」場合、ママ友同士でどんどんうわさになっちゃうことが心配でして。
「学校裏サイト」とか、怖くて見に行けません(マジで)。
◆そして、一番興味深かったのがポイントの6番目。
プロフ写真もそうですが、なぜにSNSで馬鹿なことをやったことを自分で暴露するヤツがいるのか不思議だったのですが、彼らにしてみれば、これも1つの「ブランディング」だったのですね。
もっともこれは「若い男性」のケースですが、たとえそうでなくとも、フェイスブックで自分の情報を書けば書くほど、友達が増えることが分かっているのだそう。
これは、自分と同じようなバックグラウンドを持っていることや、同じようなものが好きだということが、他の人に分かりやすくなるから。
私の場合、そもそもフェイスブック自体まともにやってませんし、最近ではブログでもプライベートを伏せているのですが、読者を増やしたい方は、ある程度の自己開示は必要なのかと。
◆ちなみに、割愛したネタの中にも興味深いものが多々。
例えば、アマゾンには本書の帯が写っていないのですが、こんなものが挙がっております。
・ナイキがタイガー・ウッズのCMを打ち切らなかった理由
・ビル・ゲイツ財団の目に見えない利益
・値上げしたプリウスが販売台数を伸ばした理由
ホントはこれらは「割愛した」というより、わざわざ帯に載っていたので「ネタバレ自重」した次第。
ぶっちゃけ、アマゾンの今の内容紹介は、これらのネタと差し替えた方がいいと思うのですが……。
◆本書のサブタイトルに「一瞬で変わる」というフレーズがありますが、評判は一瞬にして上がるものではありません。
ただし、下がる方は確かに「一瞬で」起こりうること。
ウォーレン・バフェット曰く「20年かけて得た評判も、5分で失うことがある」。
「評判」は自分でコントロールしにくいものだけに、本書を読んで知識を深めて頂きたく。
人気者になりたい方ならマストです!

あなたの仕事も人生も一瞬で変える 評判の科学
第1章 成功者を真似すれば評判は落ちない
第2章 観衆によって行動が決まり、評判も決まる
第3章 集団の結束力が評判を左右する
第4章 評判に忍び寄る影―ゴシップという落とし穴
第5章 評判を上下させる感情行動は「恥」と「誇り」
第6章 評判の影響力―人を殺しても評判が上がる理由
第7章 自分の評判を維持する方法―鳥や小魚でさえ自分をコントロールする
第8章 人は評判を感じながら行動を決めている
第9章 評判を蝕むうわさの効果
第10章 給料が良ければ評判を気にしない人々
第11章 ウェブで評判が加速する
第12章 人間は評判によって永遠に右往左往する
【関連記事】
【敗戦の弁?】『「有名人になる」ということ』勝間和代(2012年04月25日)【いい人?】『超情報化社会におけるサバイバル術 「いいひと」戦略』岡田斗司夫(2012年12月21日)
【必読!】『会社人生は「評判」で決まる』相原孝夫(2012年02月17日)
【出世の秘訣?】『人事部は見ている』に学ぶ出世の6つのポイント(2011年07月10日)
本当は残酷な『「権力」を握る人の法則』 の話(2011年07月23日)
あの芥川賞作家もびっくり 驚愕の『女が好きになる男』(2011年05月21日)
【編集後記】
◆ちょっと気になるモテ本(?)。
1時間の食事で男の器量は透けて見える
個人的には『著者一押しの「口説けるレストラン」』が気になりますw

この記事のカテゴリー:「ブランディング」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
10月12日まで
10月12日まで
9月28日までのところ一部延長中
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです