2013年04月15日
【46の習慣】『3万人の社長に学んだ「しぶとい人」の行動法則』上野光夫

3万人の社長に学んだ「しぶとい人」の行動法則
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、装丁で勘違いして、以前読んだと思っていた自己啓発本。著者の上野光夫さんは、日本政策金融公庫勤務時代に出会った経営者は3万人を超え、融資総額は約2000億円にのぼるのだそうです。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
心が折れない社長が無意識に行っている行動や心がけを、リアルな実例を出しながら46例紹介!
強い心をつくるためのヒントがいっぱいの本です。
なるほど、こういう経営者が成功を掴むんですね!

【ポイント】
■1.あまり目立たないところに高級品を使用するたとえば、携帯している筆記用具です。100円のぺンではなく、モンブランのボールぺンや万年筆など高級品を使っています。
さらには手帳もこだわりのものをもっていて、もちろん大切なお金を入れる財布、キーケース、ブックカバーなども高級品を使っているものです。
比較的外から見えやすいモノでは、べルトと靴には間違いなくこだわっています。
これらは、厳密にはリターンを生まない投資であり、合理的に理由を説明できないのですが、なぜか「しぶとい人」に共通している特徴です。
■2.ピンチの時にもユーモアを忘れない
数多くの経営者を見ていると、ピンチに直面したときに深刻に考えすぎる人は、ボジティブな発想が生まれないため、回復できない傾向が強いようです。
どんなに厳しい状況に陥っても、少しでも気持ちを前向きにするために、ジョークを言っているのです。もちろん、ジョークを飛ばした後の努力が欠かせないことは言うまでもありません。
たとえ「カラ元気」であっても、自分にも周囲にも笑いをもたらせば、落ち込む気持ちは吹き飛びます。
ただし、ジョークだけで何もしなければ、「単なる能天気な人」と思われてしまうだけです。気持ちを切り替え、「ミスをカバーして信用を回復しよう」と決意して、最大限の努力をしているのです。すると、周囲の人からも、「ピンチに強い人だ」と評価されることにつながるのです。
■3.キツい時は自分を上空から見る
九州に、暴力団関係の事件に強い弁護士がいました。私が「先生はとてもタフだとお見受けしますが、精神的にきついときはどうされているのですか?」と質問しました。
すると、「そんなときは、自分を上空10メートルから見ている」という答えが返ってきました。
つまり、自分を遠くから客観的に見る意識をもつことで、タフになれるということです。
■4.たまには徹底的にバカになる
バカになる具体的な方法としては、とにかく好きで熱中できることに没頭することです。社長を見ていると、好きなスポーツをする、絵を描く、美味しいものをたらふく食べる、旅行をするなど、能動的に身体を動かして行うことが多いようです。
逆に、たとえば1日中瞑想にふけるなど「何もしない」という人もいました。いずれにしても、その日は仕事のことは一切思い出さないようにして、心の底から楽しむことです。
「月に一度」では少ないと思うかもしれませんが、これよりも多いとそちらに気が向きすぎて、仕事がおろそかになります。月に一度だけ、徹底的にバカになることに意義があるのです。
■5.沈黙して本音を引き出す
普通に会話していて、会話が弾んできた頃に、最も重要な質問をします。その質問は、相手が考え込んでしまうような内容です。たとえば、「あなたはこの会社に何か不満はありますか?」といった質問です。
一時的に会話が止まります。そこで、助け舟を出したりせず、相手が答えるまでじっと沈黙するのです。
時間は30秒から1分間、状況によってはもっと長くです。
会話が途切れた1分は、かなり長く感じて、お互いにいたたまれない感覚になります。
ほとんどの人は会話の中での沈黙が怖く、ついに我慢できなくなり何か言おうとします。すると、思わず「社長と専務の仲が悪くて困る」といった本音が出ることが多いのです。
■6.お金は自分が支配するものと考える
お金のピンチに直面しても乗り越えられる「しぶとい人」は、普段から「金は天下の回りもの」と気楽に考えており、お金に振り回されることの愚かさを知っています。
たとえ、お金が残り少なくなっても、慌てふためくのではなく、「どうやったら稼げるか」を、自由な発想で粘り強く考えようとする習慣があります。
「しぶとい人」は、お金に支配されるのではなく、逆に、お金は自分が支配するものだと考えています。ですから、不労所得には興味がなく、お金のためにやりたくない仕事をすることもありません。好きな仕事をやって、常に楽しみながら稼ぐ方法を考え実行していきます。
■7.電話は簡潔で明瞭にする
仕事ができる優秀なビジネスパーソンの特徴の1つは、電話を短時間で簡潔に終わらせるということです。逆に、いつも電話で長々と話しているような人は、仕事全般の進め方に無駄が多い傾向があります。(中略)
電話はかけた側が「それじゃこれで」と言って切るのがマナーですから、受けた側にとっては、忙しくても終わりを切り出しにくいものです。したがって、ビジネスの電話は、簡潔に終わらせることを意識しておく必要があります。
実際、数多くの経営者を見ていると、電話が簡潔で明瞭な人ほど儲かっている傾向にありました。
【感想】
◆本書のタイトルにある「しぶとい人」。これは普通にイメージする「しぶとい人」に比較的近くて、要は「ピンチやトラブルに直面してもへこたれない人」という意味のようです。
特に中小企業の経営者がへこたれてしまった日には、その会社の社員やその家族まで路頭に迷いかねないわけですから、責任も重大。
本書の著者の上野さんによると、ずーっと順風満帆だった経営者はまずいないそうですから、皆、修羅場をくぐり抜けてきたことになります。
本書はそんな経営者たちの思考法則や行動指針をまとめたものであり、私たちビジネスパーソンにとっても、学ぶべき点が多々。
特に、ゆくゆくは起業を考えている方なら、ぜひお読み頂きたいところです。
◆さて、経営者にとってのトラブルの3大リスクとして挙げられるのが、「心」「人」「金」(経営者に限りませんが)。
本書では第2〜4章で、これらのリスクに対するTIPSがそれぞれ述べられています。
上記ポイントの2〜4番目は、第2章の「何があっても折れない心をつくる」から。
へこたれないためには、やはりまずは「心」がポイントとなると思います。
実際、割愛したものの、付箋を貼った量のはこの第2章が一番でした。
◆続く第3章の「人間関係の泥沼の中で生きていく」で泣く泣く割愛したのが、「人の評価は『第三印象』で決める」というお話。
本書に登場するO社社長曰く、パッと見の「第一印象」に、他の人からの評判である「第二印象」を加えた上で、その人とじっくりつき合って、最終的に自分の眼で判断したのが「第三印象」である、と。
本書には「第三印象」でチェックすべきポイントが列挙されていますので、こちらも興味のある方はご確認を。
逆に、第4章の「お金」の話は、他の2つに比べるとボリュームも少なかったので、上記ポイントの6番目だけ心しておこうと思っております。
◆本書を読んで若干気になったのが、多少「理屈ではない」お話があったこと。
上記ポイントの1番目のほか、割愛した中にも「ゲンをかつぐ」なんてお話のありました。
とはいえ、例えばこの本に書かれているのはホントだともっぱらのウワサですし……。

成功者の告白 (講談社プラスアルファ文庫)
本書は膨大なサンプルから抽出されたエッセンスですし、人生や経営は理屈だけじゃない、と改めて考えた次第。
3万人の経営者の声を聞くべし!

3万人の社長に学んだ「しぶとい人」の行動法則
第1章 ピンチに強い人の思考法則
第2章 何があっても折れない心をつくる
第3章 人間関係の泥沼の中で生きていく
第4章 お金のピンチを乗り越える
第5章 トラブルを乗り越え成果を上げる
第6章 「ここ一番の勝負」でしぶとく勝つ
第7章 「しぶとさ度」を上げる秘訣
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【編集後記】
◆経営者という意味ではこの方も。
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