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2013年04月09日

いま、一番気になる『くまモンの秘密』を完全チェック!


くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)
くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「ゆるキャラグランプリ2011」にて栄えある1位となった、「くまモン」躍進の秘密を明かした1冊。

本が出た直後にアマゾンでも品切れとなり、やっと手に入ったと思ったら3刷りだったの巻(スゲーw)!

アマゾンの内容紹介から。
平成22年「くまもとサプライズ」キャラクターとして登場したくまモン。商品売上げは1年で293億円、熊本のブランド価値向上への貢献は計り知れない。ゆるキャラ・くまモンを「売るキャラ」に育て上げたのは、PRもキャラクタービジネスも経験ゼロの、しがない地方公務員集団・チームくまモン。くまモン失踪事件などの物語戦略、利用料フリーで経済を活性化させる楽市楽座戦略等々、公務員の常識を打ち破る自由な活動を展開し、自治体史上例のない成功を遂げた奇跡のプロジェクトの全貌。

今回は、そのヒットの秘訣を7つピックアップ!

なお、タイトルは「ホッテントリメーカー」作でございます。


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【「くまモン」ヒットの7つの秘訣】

■1.あえて他県のPRをした
 はるか熊本の地からやってきて、大阪に出没し、大阪のPRをしてくれる太っ腹な(いや、外見がではなく)ゆるキャラ。そのゆるキャラくまモンに大阪のみなさんが親近感を持ってくれれば、おのずと熊本にも興味と関心を持ってもらえるに違いない。そんな深謀遠慮がありました(……ってホントかい?)。


■2.話題になりそうな名刺を配った
 くまモンが大阪で活動を展開するにあたって考えた秘密兵器のひとつが「名刺」でした。(中略)
小山薫堂さんが、実に上手に名刺を活用しているのを、チームくまモンはその著書『考えないヒント―アイデアはこうして生まれる』(幻冬舎新書)を通じて知っていましたから、これを真似しない手はない、と思っていたのです。(中略)
くまモンにも普通の名刺ではなく、話題になりそうな面白い名刺を持たせることにしました。名刺の裏にくまモンのイラストとコピーを入れたのです。
 くまモンは黒とほっぺたの赤の2色で構成されていて、あまり色気がないので、背景に黄、緑、紫、エンジ、青、ピンク、草、紺の8種類の色を用意しました。
 さらにそれぞれの色に4種類、計32種類のコピーを、一緒に仕事をすることとなった広告代理店のコピーライターさんに考えていただきました。


■3.王道のストーリー展開にした
 シナリオは、「知事から関西で1万枚の名刺配布というミッションを与えられたくまモンが大阪の魅力にハマリ、ミッションの途中で音信不通になる。心配した知事が緊急記者会見を行い、ツイッターに目撃情報を寄せてほしいと依頼する。くまモンはスザンヌ宣伝部長の励ましを思い出し活動再開。多くの大阪のみなさんの激励と協力で見事ミッシヨンを達成する」というもの。
 主人公=くまモン、目標=名刺配布達成、敵=大阪の魅力、ピンチ=音信不通、味方=スザンヌや大阪のみなさん、勝利=ミッション達成、という、ストーリー展開の王道に沿っています。
 これを映像化し、全4話のショートフイルムを作成。11月から順次くまモンオフィシャルサイトにアップしました。


■4.まず子どもたちから愛される存在になった
 なぜ県庁ではなく動植物園をくまモン隊の出発式の場所に選んだか。それは、私たちが最初からくまモンを子どもたちから愛される存在にしたいと思ったからにほかなりません。
 そのためにはくまモン隊が、保育園や幼稚園を訪問して回るのが一番。
 それに子どもから攻めたほうが、結果的に大人にも知ってもらえるはずです。保育園や幼稚園にくまモンが行けば、子どもたちは家に帰って「今日、くまモンに会ったよ」とお母さんお父さんに話をするでしょう。そうすればおうちの方も「くまモン」という名前を耳にする。そうやって認知を広げていこうという作戦です。


■5.特定の属性を持たなかった
 思いのほかよかったことは、くまモンは見た目が何かと特に関連づいたりしていないため、どんな集まりにも出ていけたことです。例えば他のゆるキャラには、「○○のキャラ」という属性があります。だからこそ、それが個性や特徴になっているのですが、それが逆に「○○のキャラがこんなところにいるのはおかしい」ということにもなってしまいます。例えば熊本にも、熊本城のひごまるや、ねんりんピックのASO坊健太くんなどいろいろなキャラクターがいます。もし彼らがまったく関係のない場所やスポーツイべント以外のところにいたら、ちょっと不自然な感じがするかもしれません。その点、くまモンは県のキャラクターとして県内どこへでも出ていくことができました。


■6.感情表現が豊か
 くまモンの魅力が高まったのは、実はイラストのよさだけではありません。
「二次元のときはそれほど思わんかったけど、実物を見たらすごく好きになった」
 という声もあるように、くまモンの最大の魅力は、機敏な動作や仕草から伝わる喜怒哀楽の感情表現です。僭越ですが、これはミッキーマウスにも通じるものがあります。ひょっとしたら、キャラクターの人気が出るかどうかは、そのキャラクターのイメージにあった動きができるかどうかにかかっているのではないでしょうか。要は人を楽しませることができるかだと思います。


■7.キャラクター利用料を無料にした
 ご存じのようにくまモンのキャラクター利用料は無料です。織田信長が「楽市楽座」で経済を活性化させたように、みなさんにくまモンで儲けてもらい、熊本が元気になればいい。まずはくまモンが有名になることで、自然に熊本も有名になるという発想です。


【感想】

◆私の場合、この手のキャラクターにてんで弱いので、そもそもくまモンが熊本県のPRキャラだということすら知りませんでした。

しかも実は、九州新幹線の全線開業に備えて、熊本県が組織した「新幹線元年委員会」の中で、放送作家の小山薫堂さんとその友人でもあるデザイナーの水野学さんによって生み出されたのだとか。

本書の中で何度か小山さんの著作が登場するのは、そういう関係があったのかと。

上記ポイントの2番目の『考えないヒント』のほか、『もったいない主義』さらには『人を喜ばせるということ』……って、全部当ブログでご紹介してましたねw

考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)
考えないヒント―アイデアはこうして生まれる (幻冬舎新書)

参考記事:「考えないヒント」小山薫堂(2006年12月05日)

もったいない主義―不景気だからアイデアが湧いてくる! (幻冬舎新書)
もったいない主義―不景気だからアイデアが湧いてくる! (幻冬舎新書)

参考記事:【発想】「もったいない主義」小山薫堂(2009年04月08日)

人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない (中公新書ラクレ)
人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない (中公新書ラクレ)

参考記事:【ドッキリ】「人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない」小山薫堂(2009年05月11日)


◆また、上記ポイントの3番目の「名刺配り」は「くまモン神出鬼没大作戦」の一環として行われたもの。

動画がYouTubeにアップされていましたので、ご覧ください。



登場されている知事さんはホンモノなんですけど、くまモンとスザンヌ宣伝部長と一緒に吉本新喜劇に出て、舞台上でずっこける、というギャグもかまされたのだそう。

蒲島郁夫 - Wikipedia

この時は東大教授時代の教え子たちに「そこまでやらないでください」と止められたものの「熊本県に捧げた命だから、やろうと思った」のだとか。

県をPRするキャラクターは数多く存在しますが、トップがここまで振り切れている知事というのもあまりいない気がします。


◆動画をご紹介ついでに、くまモンの俊敏性が分かるものを1つw



上記ポイントの6番目でミッキーマウスを意識しているような記述がありましたけど、いや、ミッキーはこんなにキレキレじゃないですからw

ちなみに本気だすと、こんなに速く動ける模様。



バwwロwwスww

こういう「笑い」を提供してくれるモノって、つい人に伝えたくなりますよねw


◆ところで、蒲島知事もチームくまモンも(そしてくまモンも)地方公務員ですが、同じように地方公務員の方が、PRに励まれるお話を、以前この本で読んだことがありました。

ローマ法王に米を食べさせた男  過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?
ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

参考記事:【確かにスゴ本】『ローマ法王に米を食べさせた男』高野誠鮮(2012年07月06日)

この本で、著者の高野さんはこう言われています。
とにかく1%でも可能性があるなら、徹底的にやってみようよ。最大の悪癖は、やりもしないうちから、絶対出来ないと思いこむことなんです。
そして、蒲島県知事も「皿を割れ」と。
これは、韓国の金郡守から教えてもらった言葉です。「皿を洗わない人は、皿も割らない。皿を割ってもいいから、とにかくたくさん洗おう」
 つまりリスクを恐れないでやろうという意味です。
なるほど、これこそがくまモンのヒットの隠れた秘訣なのだな、と。


これはオススメせざるを得ません!

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)
くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)
第1部 くまモン関西戦略の秘密―熊本県庁チームくまモン関西部隊
 第1章 熊本をPRしないPR戦略
 第2章 くまモンは日々進化する
 第3章 費用対効果は予算の八倍
 第4章 ゆるキャラから売るキャラへ
 第5章 ダメ出しにくじけずアイデア量産

第2部 くまモン地元戦略の秘密―熊本県庁チームくまモン熊本部隊
 第6章 原点は保育園・幼稚園の子どもたち
 第7章 迷ったらGO!

第3部 くまモン・トップ戦略の秘密―熊本県知事・蒲島郁夫


【関連記事】

【ドッキリ】「人を喜ばせるということ―だからサプライズがやめられない」小山薫堂(2009年05月11日)

【発想】「もったいない主義」小山薫堂(2009年04月08日)

「考えないヒント」小山薫堂(2006年12月05日)

【確かにスゴ本】『ローマ法王に米を食べさせた男』高野誠鮮(2012年07月06日)

【アイデア】『「考え方」の考え方』指南役(2008年10月30日)


【編集後記】

◆上記で登場したこの本は、今考えてもやはりスゴ本だな、と。

ローマ法王に米を食べさせた男  過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?
ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

未読の方は、ぜひ一度お読み頂きたいところです。


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この記事へのコメント
               
ご紹介ありがとうございます!
私もくまモンのことはほとんど知らなかったのですが、熊本県庁の成尾さんという担当者のお話に「公務員がここまで!」とびっくりして、本をつくりました。
貼り付けてくださった高速くまモン体操、カワイイ。たしかにミッキーなんて目じゃないですねw

Posted by 小木田順子 at 2013年04月09日 09:53
               
ブログへのコメントありがとうございました。「Blogで本を紹介しちゃいます。」の管理人のまめタンクです。拙い記事ですが、読んで頂けて嬉しいです。コメント読ませて頂きましたが、マインドマップさんのような人気ブログでも、検索エンジン経由でのアクセスを増やすのは難しいんですね。固定の読者を増やすか、検索経由のアクセス数を増やすか。戦略は色々ですが、全て一長一短にできないものだと痛感します。僕の方は、記事にも書いたように「書籍の検索数が少ない」という理由で、タイトルを色々と工夫したりしています。お互い切磋琢磨してブログ界を盛り上げていけたら嬉しいです。

追伸:

いつも楽しく拝見させてもらってます。最新の自己啓発本なら「マインドマップさん」だと思っています。毎日更新させているで、本当に面白いです。またちょくちょく、たぶん明日あたり訪問させて頂きますね。(笑)

Posted by まめタンク at 2013年04月09日 15:45
               
>小木田順子さん

ご無沙汰してます。
あら、小木田さんのご担当でしたか〜。
どうりで面白かったワケですわ。
同じように小山さんの本読んでおきながら、私とはエライ違いです(汗)。

今後ともよろしくお願いします☆

>まめタンクさん

律儀にコメントありがとうございます(笑)。
検索エンジンの件は、ご紹介頂いたので、ご参考までに申し上げましたが、皆さん、色々ご事情等あるのかな、と。

ちなみに、コメントした件では、書籍の一部や文房具等では、順位があまり変わってなかったりするのも謎ですが(笑)。

今後ともよろしくお願いします☆


Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年04月10日 02:37
               
くまモンって凄い!!今やバリィさんなんか目じゃないですね。ダントツトップのゆるキャラです。うちにはくまモンの縫いぐるみと下敷きとシールとボールペンと『森のくまさん』食べてました。ラーメン通の父は「くまモンのインスタントラーメンは高くてイマイチあ」といっておりましたが。くまモンとくまモン隊の皆様のご活躍を今後も期待しております。いつか本物のくまモンに逢いたいです。


Posted by みゆぽん at 2013年06月26日 10:01
               
>みゆぽんさん

初めまして。コメントありがとうございます!
くまモン、カワイイですよね〜。
僕もYouTubeの動画で見て、惚れ直しましたw

ただ、みゆぽんさん同様、実物は見たことがないので、いつか遭遇してみたいです……。

そうそう、ここのコメント欄って、URLを記入しないとメアドが優先されてしまうので、便宜的にこの記事のURL入れておきました。ご了承ください。

今後ともよろしくお願いします!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年06月27日 06:25