スポンサーリンク

       

2013年04月07日

【集中術】『東大ドクターが教える集中術』森田敏宏


東大ドクターが教える集中術 (小学館101新書)
東大ドクターが教える集中術 (小学館101新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。

著者の森田敏宏さんは、書名の通り「東大医学部卒の医学博士」であり、「高3の時には東大入試レベルの数学の問題6題を45分で解く」「東大入試の本番で制限時間2時間の英語を1時間で解く」といった「伝説」をお持ちの方です。

アマゾンの内容紹介から。
東京大学の現役ドクターが自らの経験と科学的知見に基づき、「誰でもすごい集中力が身につく技術」を紹介します。一言で「集中」といっても、受験生がわき目もふらずに勉強することと、ビジネスパーソンが不測の事態が生じないように注意深く物事を進めることとは、違う集中力が必要とされます。そこで、集中術の極意を4つのS(スピード集中・スタミナ集中・セレクト集中・ステップ集中)に分け、その人の目標を達成するための具体的な方法を伝授していきます。

私自身、集中力がある方ではないので、勉強になりました!


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!





【ポイント】

■1.制限時間を設定する


stopwatch / julianlimjl

たとえば、みなさんの中に、メールの返信をする時、時間がなくて急いでいる時は、簡単な内容ですませますが、なまじ時間があると、つい丁寧に書きすぎて時間がかかってしまったという経験をした人はいないでしょうか? このように時間が十分あると思うと、余計なことに手間どってしまい、結局制限時間一杯まで仕事が終わらない状況に陥るのです。(中略)
 こうした現象からわかるように、同じ作業を短時間で仕上げるための最初のポイントは、ずばり、時間を制限することなのです。締め切りや時間制限を意識することなしに、作業時間を短縮することは不可能と言っても過言ではないのです。


■2.深く掘り下げる


Boy and a hole 2 / Mom the Barbarian

 たとえば、英単語の学習で「raise」という単語を学習したとしましょう。日本語の意味は「持ち上げる」ですが、類似した単語で「lift」という言葉も日本語に直すと「持ち上げる」となります。しかし、両者のニュアンスは実際には異なるため、使われる場面も違ってきます。それをうわべだけで「raise=持ち上げる」と繰り返し唱えただけでは、実際に使えるようにはならないわけです。
 そこで、もっと深く掘り下げて、語源を調べたり、類義語の「lift」との違いを調べたり、例文を読んだりすることで、理解を深め、結果として記憶を定着することができる、すなわち「脳内回路」を強固にできるわけです。


■3.分散させる


Cutting the cake / WordRidden

 みなさんが何かの資格試験の勉強をしているとしましょう。同じ内容の学習を3回繰り返さなければならないとします。所要時間は6時間。1日にまとめてやるほうが良いか、それとも3回もしくは、もっと多くの回数に分けたほうが良いか。学習の効率としてはどちらが優れているでしょうか?
 心理学の様々な検証によると、ひとまとめに学習するよりも、分散させたほうが良いということがわかっており、これを「分散効果」と呼んでいます。したがって、今の質問の答えは後者ということになります。


■4.テストを活用する


Taking a Test. / Renato Ganoza

2006年に『サイコロジカル・サイエンス』という科学雑誌に発表された論文では、大学生にテキストを7分かけて読ませ、そのあと一方の学生にはもう一度テキストを読ませ、もう一方のグループには、テキストの内容を思い出して書き出すという「テスト」を7分間行いました。その後の最終テストでは、テキストを棒読みしたグループよりも、「テスト」に取り組んだ学生のほうが成績が良かったのです(図4)。
 しかも、2日後の確認テストよりも、1週間後のテストにおいて、その差は顕著になっていました。つまり、テストを行うことで、脳の中の回路が強化され、長期的な記憶へとつながったわけです。
 このように、テストには実力を評価するという目的だけでなく、記憶を強化する働きもあるのです。


■5.血糖値を安定させる


Ukrainian sausage 2 / D.Boyarrin

朝食を「パンとコーヒーで簡単にすませる」という人も多いと思いますが、パンだけだとGI値が高いので、血糖値が乱高下してしまい、お昼前にはお腹が空いてしまいます。(中略)
 逆に肉類や卵、乳製品、野菜類などは比較的GI値の低いものが揃っています。このような食品を摂ったほうが血糖値が急上昇しにくいことが数々の実験で証明されています。(中略)
血糖値が上がりにくいということは、下がる時も傾斜はなだらかなのです。したがって、急に血糖値が下がって電池切れということもなくなります。


■6.水分を十分補給する


Ice and Water / Andrew Mason

私の場合、午前中だけで、2リットルくらいの水を飲みます。外来で診察する時も、診察の合間に少しずつ水分を補給します。これは、アンチエイジングに詳しい慶感大学の坪田一男教授も推奨している方法です。実際試していただくとわかりますが、水分を摂らない場合に比べて、疲れにくくなるのを実感できると思います。


■7.時間をご褒美にする


Setting their watches / The U.S. Army

 私は趣味でマラソンをやっていますが、多くのランナーは目標タイムを決めてレースに臨みます。(中略)
たいていのレースは1キロごとに表示が出ていますし、GPS内蔵の腕時計を使えば、ほぼ正確に走った距離がわかります。それらを目安にして、1キロごとに目標を達成できたかどうかチェックしながら走るのです。(中略)
 ゴールした瞬間、メダルのような形のあるご褒美をもらえなくても「目標タイムを切れた」という、そのこと自体がご褒美になり、脳の中ではドーパミンがさらに分泌されるのです。
 この原理を仕事や勉強に応用したものが、「ステップ集中」です。何か作業をする時に、「この作業なら10分で終わる」といった具合に、目標タイムを設定し、それより早く終わるように集中するのです。このステップ集中を行うことによって、普段より作業効率を上げながら、やる気も高まって楽しく仕事ができるのです。


【感想】

◆一般的に「集中」というと、「何ごとかを一心不乱にやること」だと思われています(少なくともワタクシ的には)が、本書で森田先生は「集中」を「4つのS」と定義。

それが以下の4つです。

「同じ作業を短時間で仕上げるスピード集中」

「長時間ひとつのことをやり続けるスタミナ集中」

「たくさんある仕事から1つのだけを進めるセレクト集中」

「目の前の一歩に傾注するステップ集中」


それぞれについては、本書の第2〜5章に解説がありますが、上記ポイントでもっとも取り上げたのが、初っ端の「スピード集中」でした。

これについては、勉強(試験)であれ、仕事であれ、スピードを求められることが多いので、ある意味当然かと。


◆とはいえ、例え高いレベルで集中していても、それが一瞬だけのものではしょうがないので、やはり大事なのが「スタミナ集中」。

上記ポイントの5番目にあるように「血糖値」までもが集中に関係してくるとは、目からウロコでした。

つまり「脳の栄養はブドウ糖だから」とばかりに、甘いものばかり食べていると、血糖値が乱高下し、結局集中できなくなるワケですね。

もちろん、血糖値が下がったままでは脳も働きませんから、要は「糖質を摂る前に野菜やタンパク質を摂れ」、と。

「あー、読んだわ〜、その事この本で1ヵ月くらい前に読んだわ〜」

「コンビニ食・外食」で健康になる方法
「コンビニ食・外食」で健康になる方法

参考記事:【外食Hacks!】『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』浅野 まみこ(2013年03月07日)


◆ところで「集中術」と言えば、5年ほど前にこの本をご紹介したことがありまして(下記リンクは「新装版」です)。

最強の集中術 新装版
最強の集中術 新装版

参考記事:【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)

私は結構「激プッシュ」してたのですが、同じ本でも小飼 弾さんは、こんな風に言われていたのでした。

404 Blog Not Found:ごめん、降参 - 書評 - 最強の集中術
ごめんなさい。私には書評無理です。

なぜかというと、私はこの話題で悩んだ記憶がまるでないから。
なるほど、だからこそ小飼さんは、あれだけの実績を出すことができたのだな、と。

また、さらに大昔の本でアレですが、受験三冠王の弥永先生も元々集中力が秀でてらしたようです。


◆一方、森田先生は、本書によれば「小学生時の計算ドリルと漢字ドリルが集中力を養ってくれた」、とのこと。

そう言われると、後天的にでも何とかできる気がします……って、私の年だと完全に手遅れかもしれませんがw

さらに英語に関しては、東大入試のために、英文速読の「ある訓練」をなさっていたのだそう(ネタバレ自重)。

ちなみに、その件も含めて、第6章では英語学習に関して結構なページを割いて言及されていますので、興味のある方も要チェックで。


集中力を高めたいなら、マストです!

東大ドクターが教える集中術 (小学館101新書)
東大ドクターが教える集中術 (小学館101新書)
第1章 集中の定義―集中の4つのS
第2章 スピード集中―同じ作業をより短時間で仕上げる技術
第3章 スタミナ集中―長時間一つの作業に集中し続ける技術
第4章 セレクト集中―たくさんある仕事の中から一つだけに集中する技術
第5章 ステップ集中―目の前の一歩に集中する技術
第6章 集中する技術―実践編


【関連記事】

【超集中術】「東大生が教える超集中術」(2007年12月11日)

【東大式】「現役東大生だけが知っている!集中力を高める34のルール」(2010年03月24日)

【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)

「ハウツー勉強―受験三冠王が語る合格へのパスポート」 弥永真生 (著)(2005年04月05日)

【外食Hacks!】『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』浅野 まみこ(2013年03月07日)


【編集後記】

◆今日の気になる1冊。

40歳からのサバイバル転職成功術 ~決まる人と決まらない人との差はココにある! ~ (ワニブックスPLUS新書)
40歳からのサバイバル転職成功術 ~決まる人と決まらない人との差はココにある! ~ (ワニブックスPLUS新書)

いえ、もう私は転職はしないと思いますがw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「私と100冊の勉強本」へ

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。