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2013年04月03日

【コンサル流】『勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術』山本真司


勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術
勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「慶応〜東京銀行〜MBA〜ボストン・コンサルティング・グループ(以下略)」と「華麗な経歴」をお持ちである山本真司さんの最新作。

現在は大学で教壇に立たれていることもあってか、主に若手ビジネスパーソンに対するエールが中心となっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
20年以上、猛獣のうろつくようなコンサルティング業界で活躍してきた著者は、「サバイバルする力」、すなわち「負けないノウハウ」の重要性を説く。
過酷なビジネスの現場で生き残り、「正直言って、クビにならずに生きていくのがやっとであった」と語る著者が、実戦で身につけた「サバイバル術」を余すところなく披露した1冊。

予想していたよりも、かなりアツい内容でした!


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【ポイント】

■1.現状維持に満足しない


Windmill / Dark Dwarf

 生き残りたいなら、現状維持はやめよ。チャンスの風は常に吹いている。それを掴むために、毎日、1ミリでも、1ナノメートルでもいいから前進せよ。「疲れた」「もうやめよう」などと手を休めていると、チャンスはあなたの側をすり抜けていってしまう。
 また、風を掴んだからといって、現状を維持しては駄目。今はたまたま風とあなたの実力がぴたっと合っていても、世の中は変わる。風向きも風速も変わる。そうすると、風とあなたの接点はなくなり、あなたの仕事は時代遅れになってしまうだろう。


■2.アップサイドではなくダウンサイドの計算をする


Calculating / sevenhungrybadgers

アップサイドではなく、自分のダウンサイドの下限がどこにあるかを検討しまくりましょう。最悪の場合に最小限のダメージで生きていけるかどうかを確認しましょう。僕の転職、独立でも、ここだけは全部詳細に計算し尽くした。最悪のシナリオは、必ず描いた。(中略)
世の中、逆のケースが多すぎる。明るい夢や、アップサイドを一生懸命計算して、「こんなメリットがあるから転身しよう!」なんて発想は、うまくいった試しがない。こういうのを絵に描いた餅と言うんだよ。逆だよ。やらなきやいけないことは皆わかっている。リスクがあることもわかっている。「最悪でもリスクはここで抑えられる。だから果敢に変化を目指そう」っていうのが、改革挑戦の王道なんだよ。


■3.シンプルに説明できるくらい考える


Pizza_Chester / Cristian Janke

 まずはイメージしてみよう。普段は皆、イメージで考えて、想像を中心に生きている。しかし、仕事になると、なぜかイメージを忘れる人が多い。
 僕の好きな言葉に、「ピザはどう切ろうが、チーズの量は増えないもの」というものがある。アメリカのビジネススクールで教わったマートン・ミラー教授のキーメッセージ。「企業の借入と自己資本の比率をいじったところで企業の価値は変わらない」という「理論」の説明がピザだった(ミラー教授はその後、ノーべル経済学賞を受賞した)。自分の言葉でシンプルに他人に説明できるくらいに、自分の頭で考えろ、ということを教えてくれた。これは、その後のコンサルタント人生でも生きた学びだ。


■4.頭の中をカラにする


Thanks for the Memories / jurvetson

 ある時期から、僕は、いつでも頭の中が空(から)になるように努力してきた。空の頭じゃないと、新しくものが考えられないからだ。僕にとっての考えるというアクションは、頭の中に、ビジュアルの絵を描くこと。猛烈にメモリーを食うし、CPUもフル稼働しないと考えられない。頭の中を空にしておかないと、思考作業に入れない。
 精神科医の西多昌規さんが、うまい表現をしていた。「頭のワーキングメモリーをクリアにせよ」と。僕も余計なことは記憶から落とすようにしている。日常のTo Doスケジュールなどの余計なものは、メモして忘れるようにしている。


■5.集中ウォーミングアップの8つの作業


Concentration / Riebart

(1)適度に休む、(2)適度にくつろぐ、(3)締め切りを意識する(できれば前倒し)、(4)誰のためのアウトプットか定義しておく(クライアント、上司など)、(5)ざっと、インプット素材を眺めておく、(6)仮説を少し考えるなり、情報収集する、(7)知的な喜び、学習項目を決めておく、(8)クライアントや上司の期待の少し上を狙う


■6.理不尽な仕打ちは反面教師にする

ガンディーの言葉 (岩波ジュニア新書)

自分が誰かからされて理不尽だと思ったことは、死んでもやらないようにする。理不尽な振る舞いをした上司、先輩、同僚、顧客、そういう人たちが全て僕の重要な教師だったような気がする。最大の反撃、復讐は、絶対に自分が、そういう理不尽なことをしない人になること。理不尽な人たちよりも人望を集める人になること。
 だから、理不尽な仕打ちは、良い教材。理不尽な仕打ちをする人たちをち自分にものを教えてくれる教師だと思えば許してやろうという気持ちにもなる。


■7.相手のために何ができるか考える


Riley babysitting Blanche / twodolla

僕は、本音で、「他人のために働こう」と言い続けている。一見、格好良すぎる優等生コメントに見えるかもしれない。でも、現実的に、自分に利得が大きいから、この方針を続けられる。最大のメリットは、気持ちを同じくする友人が自然と増えること。無理なネットワーキング活動や無駄な名刺交換、パーティ遊泳のような活動は不要。ただ、あなたが出会った人に素直に共感を覚えたら、「この人のために、私は何ができるかな?」ってことを考えればそれでいい。たった、それだけ。そうすると、自然にその人との付き合いが深くなる。


【感想】

◆私が今のようにビジネス書を読み始め、このブログをスタートしたのは、2005年の1月の事。

そして、ほどなく出会ったのが、山本さんのこちらの作品でした。

40歳からの仕事術 (新潮新書)
40歳からの仕事術 (新潮新書)

参考記事:「40歳からの仕事術」山本真司(著)(2005年01月27日)

アマゾンのレビューにもあるように、タイトルにある「40歳からの」というフレーズが不要なほど、汎用性の高い内容の1冊。

当時は今ほど「個人のスキルアップ」や「キャリアデザイン」に特化したビジネス書が多くなく、その中では異彩を放っていたような記憶があります。

その後、2006年の12月に本田直之さんが『レバレッジ・リーディング』で、2007年の4月に勝間和代さんが『年収10倍アップ勉強法』でブレイクし、この手の「スキルアップ本」が大ブームになったことを思うと、「早過ぎた名著」と言えるのではないか、と。


◆一方山本さんは、それに先立つ2004年に「30代向け」、2005年の8月に「20代向け」の「スキルアップ本」を発表。

特に『20代 仕事筋の鍛え方』は、当初記事にした2005年の時点では、当ブログが非力な事もあり空振りしましたが、その後こちらの記事で取り上げたところ、予想を上回る勢いでお買い上げ頂きました(多謝)。

【春休み企画】新社会人向けオススメ本7冊 【春休み企画】新社会人向けオススメ本7冊(2008年03月23日)

この3冊は、年代関係なくお読み頂きたい良書だと思っています。

ちょっと間が開いて2011年に出た図解本業界本は、とりあえずパスw

同年の『35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術』は、本来であればご紹介してもおかしくない作品でしたが、内容的にマネジメント色が強すぎる感じでしたので、泣く泣くスルー。

2005年以来、やっと読むことができた山本さんのご本が、今回の『勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術』になるワケです。


◆なお、本書の巻末の「謝意」を読んで知ったのですが、本書は山本さんの過去の著作を読んでいる「若い読者たち」との触れ合いの場での「真面目な討論」がベースになっているとのこと。

なるほど言われてみれば、部分部分で「若者を奮い立たせる」ような表現があったのも、思わず納得。

上記ポイントの2番目のように「〜だよ」という表現を初めとして、ビジネス書らしからぬ「アツさ」が出ております。

もっともこれは、山本さんの経歴や過去の著作を認識した上で読む分にはいいのですが、初対面だと少々面喰ってしまう気が。

私自身、久々に山本さんの作品に接して「あれ?こんな方だっけ?」と思ってしまったくらいですしw


◆いずれにせよ、冒頭でも触れたように「コンサル業界20年以上」という山本さんだけに、「なるほど」と思わせられる点が多々。

ポイントの2番目で言われていた「ダウンサイドの計算をする」というのは、転職・独立をお考えの方なら、必須でしょう。

ポイントの5番目のように、ガチな仕事術用TIPSもアリ。

また、ポイントの6番目や7番目では自己啓発的なテイストも備えており、伊達にキャリアを積んでらっしゃらないことが伺えるかと。


「負けない生き方」をおくりたいならマスト!

勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術
勝者が一瞬で敗者になる時代のサバイバル術
第1章 挫折を受け入れ、進む道を見極める

第2章 仕事を通して、自分を鍛える

第3章 お金・人間関係という壁を超える


【関連記事】

【マインドマップ書評】「20代 仕事筋の鍛え方」 山本真司 (著)(2005年09月20日)

「40歳からの仕事術」山本真司(著)(2005年01月27日)

【キャリア育成】「本田式サバイバル・キャリア術」本田直之(2009年03月21日)

【2軸で考える!】『「キャリア未来地図」の描き方』原尻淳一,千葉智之(2013年01月22日)

【オススメ】『35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』渡邉正裕(2010年10月14日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる仕事術本。

「認知科学」最強の仕事力
「認知科学」最強の仕事力

これはチェックしなくては。


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この記事へのコメント
               
ご紹介いただき嬉しいです!
今後共、よろしく!
ありがとう。
山本真司

Posted by 山本真司 at 2013年04月03日 09:28
               
>山本真司さん

著者様直々のコメントありがとうございます。
記事にも書きましたように、8年前からお世話になっておりました。
引き続きよろしくお願い申し上げます!

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2013年04月03日 22:26