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2013年03月30日

【仕事術】『仕事は6倍速で回せ!』石塚孝一


仕事は6倍速で回せ!
仕事は6倍速で回せ!


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、久しぶりの「ガチ」な仕事術のご本。

著者の石塚孝一さんは「米国の大学を飛び級で卒業」し、29歳で「ロイター通信社最年少部長」、34歳で「マザーズ上場企業社長」等の錚々たる経歴をお持ちです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
ありえない結果を出すために、まず動け!
「ビジネスの加速装置」を手に入れる60のヒント。
人生は思っている以上に短い。だから、6倍速で駆け抜けよう。

確かに、このメソッドが実践できれば、「6倍速」も可能かも!?


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【ポイント】

■1.顧客に叱られて仕事を覚える
 仕事を最速で覚えたいとき、一番詳しい人に教えてもらう方法の次に効果があるのは、顧客に叱られるという経験だと思う。誰でも、叱られたことは1度で覚える。それも上司より、顧客に叱られたほうが、より強烈に記憶に残るだろう。
 私は悔しい思いをしても、「次に行くときは、絶対に質問に全部答えられるようにしよう」と、必死でできていない部分の知識を埋めていった。そうやって営業に行くたびに玉砕していたのが、徐々にどの企業でも大体同じことを聞かれるのだと気付き、事前に何を準備していけばいいのか、わかるようになった。ざっくり半年くらいかかった。ほとんど力業なのだが、仕事は体に覚えこませるものなので、そうでもしないとなかなか自分のものにならないのだ。


■2.「3年ですべての仕事を覚えて辞める」意識を持つ
 3年ですべての仕事を覚えて辞める意識を持つというのは、それぐらいのスビードで仕事を吸収しろ、という意味である。
 短距離走と同じで、ビジネスは最初のスタートダッシュが肝心である。そこで弾みをつけておかないと、他の人との差がつかない。他の人が3年で身につけることなら自分は1年、10年で身につけることなら3年で覚えるぐらいのスピードで駆けださないと、横並びになってしまう。どこででも通用する人間になるためには、周りから頭一つ抜きんでていないといけないのだ。


■3.すぐできる仕事は始業前に済ませる
 私の場合、まず、すぐできる仕事を片付けることを最優先した。それも、始業前にやってしまう。
 朝のメールをチェックする段階では、すぐに返信できるものはメールを送り、返事をよく考えて出さないといけないメールや厄介なメールは後回しにした。(中略)
 メールの仕事が済んで時間があれば、次は電話をかける。5分以内に終わりそうな簡単な電話は、次々にかけて用件を済ませていった。
 簡単な書類を読むような作業も、ここで終わらせてしまう。
 おそらく、多くのビジネスマンは始業時間になってから、これらの作業を始めるのではないだろうか。それまではゆっくり一服している人もいると思う。
 だが、それでは6倍速で働けない。周りがのんびりと仕事をスタートしたとき、私はすでに大きな仕事に取り掛かれるようにするために、1人でできる仕事は始業前に済ませるようにしていた。


■4.同じ種類の作業はまとめて処理する
 同じ作業をまとめてやるだけでも、かなり効率はアップする。電話やメールは1日に1回、時間は朝9時から10時まで、という具合に作業をする時間も決めておいたほうがいい。
 たいていこういった細々とした仕事は、他の仕事の合間にやろうとするものだろう。だが、重要な仕事に集中していると後回しにしてしまい、どんどん仕事が溜まっていく。それがストレスにもなるので、毎朝一気に片付けてしまったほうが精神的にもいいと思う。
 さらに、私は1つの仕事を始めるとき、その仕事の中で「思考する」部分と「作業する」部分をきっちり区別していた。

(詳細は本書を)


■5.仕事相手のフェイスブックやツイッターは、徹底的に読みこむ
 私は仕事で人に会う場合、ことに会社の代表と会う場合には、会う前にネットでできる限りの調査をしておく。(中略)
 ブログやフェイスブック、ツィッターをやっている人ならば、過去にさかのほって、すべてを読むこともある。1年分あったとしても、すべてに目を通す。もちろん時間はかかる作業だが、本人が直接書いたものなので、仕事に対する考え方や、趣味や私生活といった人となりはよくわかる。時間をかけても、それに見合うだけの情報を得ることができるのだ。


■6.目の前の相手の、2つ上のポジションを説得するつもりで交渉する
 まずは目の前の担当者がその商品を必要だと思わなければ、上司に話を通そうとしないだろう。それでは、目の前の担当者の心をどう動かせばいいのか。
 たいてい担当者はその場では決断できずに、上の人の判断を仰ぐことになる。つまり、担当者だけではなく、担当者の2つ上のポジションの人もターゲットに入れて戦略を練らなければならないのだ。(中略)
特に日本の企業は部長クラスにならないと決定権がないので、最初からそのボジションの人を動かそうと仮定するほうが話は早い。


■7.年齢、役職にかかわらず、すべての人に敬語を使う
 年上の部下とのコミュニケーションの取り方がわからないと悩んでいる人も多いようだが、私はあまり悩まなかった。すべての人に敬語を使って話していたからである。
 話をするときだけではなく、メールを送るときでも、すべてにおいて敬語を使うよう徹底していた。もちろん、新卒の女性にも「○○さん、よろしくお願いいたします」と敬語を使っていた。(中略)
 また、自分が年下の人に対して敬意を払っていると、自分より年上の人も私に敬意を払わざるを得なくなる。だから私を呼び捨てにするような年上の人はいなかった。


【感想】

◆まず本書のタイトルにもある「6倍速」ですが、これは「時間2倍×能率3倍」ということ。

能率はさておき、時間に関しては、会社勤めの頃の石塚さんは勤務時間が8時間のところ、「1日16時間」働いていたのだそう。

時間を倍かけている時点で、「6倍"速"」ではなくて「6倍」のような気がしますが、こまけーこたー(AA略

ただ、大学の飛び級に関する「自分の大学で専門科目の3,4年の授業を取り、他の大学のサマースクールでトランスファーが認められる1,2年の授業を取って、2年間で卒業した」というやり方は、目からウロコ(私が知らないだけかもしれませんが)。

これは確かに時間が「2倍"速"」ですよね。


◆一方、いわゆる「仕事術」的なお話は、第2章を中心に。

上記ポイントの1、2番目や、割愛した中にも「誰もしたがらない仕事を引き受ける」といったTIPSがありました。

また、ポイントの2番目については、「入社3年は我慢しろ」「我慢する必要はない」という考えがある中、「3年で辞めるツモリで」というのもなかなか斬新だな、と。

実際石塚さんは、新卒で入った会社の最初の上司にそう言われ、その方から仕事のイロハを叩きこまれたのだそう。

ちなみに石塚さん、4年目にヘッドハンターから紹介されたロイター社に転職していますので「辞めるツモリ」じゃなくて、ホントに辞めてますが。


◆続く第3章は「スケジュール管理術」で、ここも「6倍速」を実現するためには見逃せないところ。

スケジュール管理が「紙」だったり、マルチタスクを否定されていたり、と、いわゆるライフハック系の方とは、ひと味違う仕様になっています。

第4章の「情報収集術」に関しては、上記ポイントの5番目のようにSNSを活用したかと思えば、逆に「明確な目的がないならSNSは時間のムダ」とバッサリ。

私も基本的にFacebookもTwitterも活用していないので、この辺は「わが意を得たり」と勝手に思っております。

さらに、仕入れた情報の管理にDropboxのようなクラウド系を使わず、メールソフトの下書きを用いる、というのも私好みだったり。


◆さて、この辺までは「6倍速」と関係ありそうですが、第5章の「プレゼン術」第6章の「コミュニケーション術」は、ちと微妙かも。

もっとも、とんとん拍子に出世できた裏には、こうしたテクニックが活かされているのは明らかであり、上記のポイントの6番目、7番目辺りは、私自身実践する所存。

例えばポイントの6番目に関しては、調査で顧問先が、税務署から「こういう説明資料を下さい」と言われた際、常に目の前の調査官の「上司」を意識した資料作りを心がけるよう、アドバイスしております(2つ上ではなくて1つ上のポジションですが)。

また、7番目の敬語も、なまじ若くして出世した石塚さんだけに、妬みや嫌がらせを避ける意味でも、必要だったよう。


◆ところで本書を読んで思ったのが、心身ともに丈夫じゃないと、TIPSの実践は難しいな、ということ。

新人の頃の殺人級の仕事量もさることながら、39歳の時のハーバード大学経営大学院AMPというのも半端ないです。

私も良く知らなかったのですが、MBAが2年間で600ケーススタディを学ぶところ、このAMPというのは2ヶ月で250こなすのだとか。

体が丈夫な石塚さんも、最後の方は体調を崩して血尿が出たそうなので、やはりこれは私たちが目指すには、ちとハード過ぎる気が。

GEのジャック・ウェルチや、マイケル・ポーター教授が講義してくれたりするのはうらやましいのですけどネ。


できるものだけやって、「3倍速」くらいでご勘弁願いたく……。

仕事は6倍速で回せ!
仕事は6倍速で回せ!
第1章 「6倍速」は6倍働くことではない
第2章 6倍速で仕事を身につけるテクニック
第3章 6倍速を可能にするスケジュール管理術
第4章 6倍速を支える情報収集術
第5章 6倍速を実現させるためのプレゼンのテクニック
第6章 6倍速を加速させるコミュニケーション術
第7章 6倍速で生きれば人生もリセットできる


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【編集後記】

◆今日の気になる1冊。

くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)
くまモンの秘密 地方公務員集団が起こしたサプライズ (幻冬舎新書)

これ、読んでみたいんですが、リアル書店で未だ目にしたことがないという……。


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