2013年03月22日
【10選】『賢者の処世術』から選んだバルタサール・グラシアンの箴言10篇

賢者の処世術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ショウペンハウエルやニーチェにも影響を与えたと言われているバルタサール・グラシアン(アマゾンでは「バルタザール・グラシアン」と濁った名前と別扱いになってますが)の箴言を集めた1冊。特に本書は「若い人に関するもの」800篇の中から、さらに195篇を厳選したものとのことです。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
司祭であり、哲学者、著述家でもあった著者バルタサール・グラシアンが記した格言を編纂した1冊。推定30万部突破の『賢人の知恵』の若者版。ただ美しいだけではない世の中で、強く賢く生きるためのヒント、全195篇を収録。きれいごとでも、小賢しくもない、深いことばがおさめられている。人生で迷ったとき、悩んだときに、そっと寄り添い支えてくれる、語り継がれることばの贈り物。
今回はさらに、その195篇の中から10篇選んでみましたので、ご覧ください!

【ポイント】
■1.賢者は静かに語る
Gold Coins / motoyen
大勢のなかで一番利口な若者は、だれよりも声高に意見を言う者。
一方、年配者のなかで一番の賢者は、ささやくように話すから、そのひび割れた唇からことばが出た瞬間に消えていく。
かくして、缶に投げ入れた銅貨はガラガラとやかましい音をたて、革袋の中の金貨は音がしない。
■2.備えておく

Close up to the rain fall / Bryan Gosline
賢い人は、雨が降る前に屋根を修理しておく。
愚かな人は、雨漏りで水浸しになってから修理する。
これが人の本質であり、屋根の穴ひとつからでも人の賢愚がわかる。
■3.無知

Counterfeit $10 - it looks real! / ericskiff
無知は偽金に似ている。次から次へ人の手に渡り、手にした人みんなが本物だと思い込んでいる。
■4.目標が達成できないとき

Climbing / simonov
このままでは目指す山頂にたどり着けないとき、変更すべきは道であって、目指す山頂ではない。
目標が達成できない場合、目標を修正するのは間違いだ。その目標を達成するための軌道修正をすべきだ。
■5.人事を尽つくして天命を待つ

Prayer / Chris Yarzab
若い人はうまくいくかどうかは神さま次第、と言わんばかりの行動をとっておいて、成功は自分次第であるかのように祈る。
年をとった人は、うまくいくかどうかは自分次第、と行動し、成功は神さま次第、と祈る。
■6.強さの物差し

A Ruler / m.eckelberg
人の強さを知る物差しは、何度となくしくじってもなお、自分を見失わずにいられるかどうかにある。
■7.友にするなら

Man in the Mirror / anneh632
こちらの考えに常に同意し、こちらが笑えば笑い、泣けば泣くような人を友にしてはいけない。それなら鏡があればこと足りる。
■8.友情を失うのは一瞬

Put Learning in the Hands of Students / katerha
短時間で真の友情を新たに築くのは無理だが、一瞬で親友を失うことはありうる。
塔のてっぺんまで行くには階段をたくさん上らなければならないが、てっぺんから落ちるときは、たった一段踏み外すだけなのだ。
■9.忠告より手本

...and I think to myself, what a wonderful world. / Labec Media
結局のところ、子は親を手本にふるまうようになる。親の忠告に従ってふるまうのではない。
忠告と手本とでは、手本のほうが間違いなく影響力が大きい。
■10.よい教師
わが子のために教師を探すなら、お役に立ちます、と向こうから言ってくる教師を見て判断するのではなく、その教え子を見て判断すること。
【感想】
◆1つ1つが短いので、いつもよりちょっと多めに10篇選んでみたのですが、それでも面積的には文章より画像の方が広い気がするワタクシw実際、各箴言は、1つにつき最低1ページ、長くとも見開き2ページです。
「タイトル1行の本文1行」で、1ページ使っているものもちらほら。
この辺は、本書に限らず、名言集等で解説が付されていない場合、しょうがないのですが、人によっては「あれ?」となりかねませんので、予めご留意を。
でも、そういう「スペースの余韻」を楽しむのも、たまにはいいものですヨw
◆ただ、逆にサクサク読める分、日頃読書の習慣がない人でも、1時間かからずに読み切ることは可能かと。
本書も、「『賢人の知恵』の若者版」と銘打っている以上、それを意識しているのかもしれません。

バルタザール・グラシアンの 賢人の知恵
「ビジネスブックマラソン」編集長・土井英司氏推薦コメントちなみに出版社が違うんで「推定」なのかもしれませんが、こちらは「30万部突破」とのこと。
『人生を勝ち抜くためのすぐれた自己啓発書だ。私も死ぬ間際にこんな本が書きたい』
6年以上前から出ているとはいえ、なかなかの人気ぶりです。
◆個人的には、「子育て」に関係する部分が響きました。
抜粋した以外にも
「子を見れば親がわかる」
「わが子を悪く言わない」
といった辺りは、心しておきたいところ。
また、今回は丸ごと割愛してしまったのですが、「愛をはぐくむ」という章には、恋愛や結婚に関する本質的なお話もちらほらありました。
「伴侶選び」と題された箴言も、深く納得……。
◆本書は単行本としてはややコンパクトでありながら、キチンとハードカバー仕様になっています。
装丁もすっきり綺麗ですし、プレゼントに良いカモ。
と言っても異性ではなくて、やはり内容を鑑みても「若者」向けで。
ちょうど新学期や卒入学シーズンなので、この機会に是非どうぞ。
「400年の歴史が教える、人生の本当のこと」が詰まった1冊!

賢者の処世術
人とつきあう
分別を身につける
歩み続ける
人間性を知る
友を大事にする
愛をはぐくむ
教え、教わる
世の摂理を知る
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【名言集】『トリガー・フレーズ―自分にスイッチを入れる170の言葉』本田直之(2010年12月02日)
【名言集】『ショーペンハウアー 大切な教え』(2010年10月07日)
【編集後記】
◆今日の気になる1冊。
「気がきく」人がやっている53のこと
以前、『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をご紹介した能町光香さんの新作。

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