2013年03月19日
【企業内資格者?】『40歳からは「この資格」を取りなさい』に学ぶ資格取得の5つのメリット
40歳からは「この資格」を取りなさい-「求められる人材」になるための秘訣 (中公新書ラクレ)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「資格コンサルタント」高島徹治さんが、社会人の資格取得の効果や実情を明かした1冊。タイトルには「40歳から」とありますが、もちろん考え方自体は30代でも同じです。
アマゾンの内容紹介から。
仕事・人生を上向きにするためには資格が必要だ! 50歳から取り始めた資格が90を超え、「生涯現役」を標榜する資格の鉄人が、社内の評価につながる資格や、第2の人生に活かせる資格など、あなたにとって本当に「役に立つ」情報だけを厳選。会社に縛られず、自由に働くためのヒントが詰まった一冊。
ただし、本書では「資格取得=独立」ではないところがミソ。
そこで「独立しなくとも」資格を取得するメリットを、本書から5つ選んでみましたのでご覧ください。
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.「いざ」というときつぶしが効く大手電子部品メーカーの管理部門に勤める香山さん(仮名、以下同)は、42歳のときに一念発起して、中小企業診断士の資格を取得しました。難しい資格を取ったからといって、手当をもらえるわけではありません。香山さんは、こう言います。
「専門家を目指したのです。資格はその証しですから、つぶしが効きます。専門家として見られれば、社内でも社外でも一目置かれますし、会社がどうなっても大丈夫ですから」
香山さんは、社員の立場のまま、あるコンサルタント集団に所属して、本も上梓していますし、講演も行っています。これらは会社公認の活動で、社内でも"先生"と呼ばれることがあるそうです。
■2.人脈が広がる
彼女は、コンサルタント会社に勤めているのですが、しばらくあとにこんな話をしてくれました。
「単にワインが好きとか、よく知っているとかではなくて、ワインエキスパートの資格を持っていると言うと、皆さん急に身を乗り出していろいろ聞いてくれるんですよ。尊敬されちゃうというか……。この資格のおかげで、仕事の人脈がグーンと広がりました」
ワインの知識は、直接的に仕事とは関係ないのですが、結果的に人とのコミュニケーシヨンに役立ち、人脈が広がっていったのでしょう。
そのことによって、自分の人生が大きく開けたと話していました。
■3.自信がみなぎる
ところで、件のスポーツマンタイプの彼があるとき、私にうれしそうにこう話しかけてきました。
「実は、ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)の資格に受かりましてね」と。
彼ほど、社内の企業年金に精通し、話も上手なら、FP技能士の資格があろうとなかろうと、関係がないのかもしれません。でもやはり、資格のあるなしで、本人の自信と外部の見る目が変わるのは、疑いようがありません。
私はよく言うのですが、「たかが資格、されど資格」なのです。
その方が今どうしているのかはわかりませんが、私にFP技能士の資格取得を報告してくれたときの表情は、今でも印象に残っています。
資格を取得する最大のメリットは、ここにある、と私は思います。全身に自信がみなぎるのです。自信にみなぎった表情は、他人からみても心地よいものですし、職場でも、それだけで頼りがいがあるように見えてきます。
こうなると、いろいろな面で、人生が好転していくはずです。
■4.報奨金や資格手当で収入アップする
企業内資格者にとって、ダイレクトに収入アップという効果をもたらすのが、報奨金や資格手当です。
報奨金は、「奨励金」とか「奨励一時金」とも呼ばれていますが、資格取得時に一時金として会社が支給するものです。一時金ですから、一度もらったら終わりです。
資格手当は、毎月の給料に付加されるものです。資格を保有していれば半永久的にもらえる場合もありますが、役職が上級になると、それに吸収されるケースもあります。また、最初から2年、3年と、期間を限定している会社もあります。
ただ報奨金も資格手当も、基準内賃金の枠外で支払われる付加給なので、会社が資格をどう考えているかによって、かなり異なってきます。また、業種によっても大いに違ってきます。
■5.ハロー効果を発揮する
ある中小企業の社長は、学歴のないことに多少のコンプレックスを感じていました。(中略)
そこで一念発起し、70歳のときにMBA(経営学修士)にチャレンジし、みごとに修了して、学位を取得したのです。(中略)
この話は、あるビジネス書の編集者から聞いた話です。彼は、こう言っていました。
「論文も立派なものでしたが、社長の自信に満ちた誇らしげな顔が印象的でした。いや、私の見方も、変わったような気がします。"MBAの学位を持つ社長さん"という印象が強くなって、なんだか輝いているように見えてくるのです。これがハロー効果ですか?」
まさに、ハロー効果です。
【感想】
◆本書を読むまで知らなかったのですが、中小企業診断士と社会保険労務士という2つの資格の取得者は、かなりの方が企業に属されているのだそう。その割合は、中小企業診断士で49.2%(2011年のデータ)、社会保険労務士で4割弱。
弁護士が2.4%だそうですから、えらい違いです。
確かに独立しても、それだけで即、食べていけない部分があるとはいえ、企業に属するメリットもあるわけで。
本書では上記のように、こうした「企業内資格者」のメリットを挙げています。
◆この中で最も分かりやすい(?)のが、上記ポイントの4番目の「収入面」の話かと。
例えば本書では、IT関連業界の資格手当の例が掲載されているのですが、1万円〜3万円の幅で、結構なお手当が付くようです(もちろん会社や資格によって大きく変わるそう)。
……資格の具体名が挙がっているものの、「ITストラテジスト」とか「ネットワークスペシャリスト」とか言われても全然分からない自分w
またゼネコン関係の資格手当は、業界全体として高いようで、資格によっては7〜10万円もの手当が付くこともあるのだとか(これも会社によりけりですが)。
この辺りは、就職・転職の際にあらかじめ確認しておいた方が良さそうですね。
◆さて、こうした「キャリア縛り」「業界縛り」がない状態で資格を取るなら、何を目指すべきか?
本書では「自分の"強み"を活かした分野」に挑戦することを推奨しており、そのための「自己分析ワークシート」を収録。
これは「法律系」「経済系」「IT系」「語学系」等々、全部で12の素養について、各10問、計120問の問いに答えるもので、さらにそれをSWOT分析します。
資格を取るというと、普通自分の今までのキャリアに関係あるものをイメージしますが、こういう「強み」から絞り込むのもアリだと思われ。
もちろん、その取得にかかる時間や費用を考える必要はありますけど。
◆一方、実は下記目次にもあるように、本書の第4章では「独立開業」についても言及しています。
ただし、内容的には営業やコミュニケーションの話だったりするので、これは資格が取れてから考えても遅くはないかと。
と言うか、「資格を取る」話と「その資格で独立する」話は全然別物なので、正直この部分はスルーしても良いでしょう。
もっとも「資格を取って独立したけど、全然お客さんがいない」というケースもままあるので、「独立したら、こういうスキルが必要なんだな」という事を知っておく意味では、一読の価値はありますが。
◆そして、最後の第5章では「高島式資格ミシュラン」と題して、高島さんが選ぶ「オススメ資格」を列挙。
★1つから3つまで、計15個の資格が紹介されています。
そもそも本書のタイトルからして、ここがメインと言えなくもなくw
各資格ごと、見開き2ページで「★の理由」や「成功する活用法」を解説するだけでなく、その資格の「アキレス腱」まで指摘してくれる親切設計が有り難いところです。
立ち読みをするなら、ここは見逃せませんね(オイw)。
「何か資格を取ってみたい」という方ならオススメ!
40歳からは「この資格」を取りなさい-「求められる人材」になるための秘訣 (中公新書ラクレ)
第1章 先行きの見えない時代こそ40代からの資格が武器になる
第2章 あなたに役立つ資格は必ずある
第3章 「得」はあっても「損」はない!企業内資格者の上手な生き方
第4章 こうすれば成功する!独立開業の王道作戦
第5章 高島式資格ミシュラン―資格コンサルだから言えるホントの話
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。仕事は6倍速で回せ!
なかなかすごい経歴の方のようで、逆に今まで本を出されてなかったのが不思議な気が。
ご声援ありがとうございました!
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