2013年03月18日
友達には秘密にしておきたい『チャンスを逃さない技術』
勝負どころで「動ける人」に変わる チャンスを逃さない技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「ドイツ産」の成功本。著者であるヘルマン・シェーラー氏は、両親の不動産投機による借金約6億円を受け継ぎながらもそれを完済し、現在はアウディやBMW、ルフトハンザ、IBM、マイクロソフト等をクライアントに持つ、という経営コンサルタントです。
アマゾンの内容紹介から。
ただの人と成功者を分かつちょっとした「気づき」。超一流企業を顧客にもつカリスマコンサルタントが教える人生の「次のステージ」を呼び込む11の質問。
画像は割愛しますが、第1章から付箋を貼りまくり!
なお、タイトルはお約束の「ホッテントリメーカー」作ですので、本書のことは秘密にしないで、お友達にも教えてあげてくださいw
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.最初の1つを見つけるPearls / Milica Sekulic
多くの人は、大きなチャンスが未来にあると思っている。だがそれは間違いだ。チャンスがなさそうに見えても、今現在に専念すべきなのだ。重要なのは最初の1つを見つけること。振り返ってみると、チャンスは真珠のネックレスのようにひとつながりになっていることが多い。チャンスはつながったり、固まったりしやすいからだ。そしてあとから見てみると、すべては単純な1本の線のようにつながって見える。その結果になったのは当然のことだったように思えるのだ。
■2.新しい経験を積み重ねる
Finger face having an idea / Tsahi Levent-Levi
学問を長く学ぶほど、革新から遠ざかってしまう。新しいアイデアは、正しさを保証された知識から生まれるわけではない。手元にあるアイデアを組み換えて生みだすものだ。生みだせるアイデアの数は、その人の経験値に比例して大きくなる。単純な確率論だ。だから、できるだけ多種多様な経験が必要になる。すでに持っている知識だけに頼らず、新しい経験をどんどんしていくことが肝心だ。
■3.先送りしない
Business Calendar & Schedule / photosteve101
選択肢は、「すぐにやる」「いつまでにやると約束する」「忘れる」。この3つに留めておこう。「延期する」を第4の選択肢に入れることはオススメしない。いつまでたっても処理すべきことから解放されず、自分に負担をかけつづけてしまうからだ。無期延期した、片づけるべき荷物を背負いつづけるのは疲れる。心配の種にしかならず、苦労して運ぶ価値もない。エネルギーを奪うだけだ。
■4.無駄な時間を過ごさない
balance sheet ok / Philippe Put
人生の終わりに「人生のバランスシート(貸借対照表)」を見ると想像してみよう。合計何時間テレビの前で無駄に過ごした? 何時間フェイスブックにいた? その時間でもっと充実した生活が送れていたと思わないだろうか? キーボードやリモコンがもたらしてくれるより、もっと手触りが感じられる人生の喜びだ。もちろんぽくだってフェイスブックは好きだ。みんながぽくを友だちに追加してくれるとうれしい。だがやはり、ほかの人と同じことばかりをしていてはダメだ。
■5.問題を認識し、対処する
Cup of water / where are the joneses
水が半分入ったコップを指して「半分しか入ってない」と表現するより「半分も入っている」と表現しなさいという人は多い。ぼくにいわせれば、そんなのはナンセンスだ。「半分も入っている」といったところで、どうせ注ぎたさなければならないのだから。コップの水が半分に減っているなら、これは解決すべき問題だときちんと認識して、大きな瓶に手を伸ばし、自ら水を注いでコップを満たすべきだ。
■6.世間のルールに縛られない
"I am a tangle of thoughts about you." / llorias
チャンス・インテリジェンスの高い人は、世間で重要とされていることなど優先しない。学校であれば、教師に「不正解」といわれるだろう。宿題をやるのがいやな生徒はテキストの横に小さな花を描いたりする。宿題をきちんとやる生徒は小さな花など描かない。学校に難なく適応できる生徒と、適応できずに花を描く生徒。のちに億万長者になるのはどちらだろう? 学校教育にうまく適応できないからといって、その後の人生も同じように失敗するとは限らない。むしろ早くから道を狭められてしまった者は、それでも生きていける道を探そうと必死になるため、かえって学校以外ではたくましく生きていけたりするものだ。
■7.自分の衝動に従う
信じるべきはただ1つ、「これをやりたいかどうか?」だけだ。そこで自分の胸の内が「やりたい」といっているなら、その衝動に従おう。レネ・モボルニュの『ブルー・オーシャン戦略』という本で読んだのだが、ルールを打ち破っていける人は、いつも何かを切り捨てて前進していくという。そうしないといつまでたっても慣例を破れないからだ。それはぼくたちが成功するうえで大事なものと同じではないか。だが、成功したかどうかは、あとになってからわかることだ。最初はただ衝動に従って動いているだけだ。
【感想】
◆冒頭で「第1章から付箋を貼りまくった」と書きましたが、それもそのはずで、第1章のテーマは「チャンスの見つけ方」。開始早々にクライマックスが来る映画さながら、ほとんどこの部分が本書の「キモ」ではないか、と。
アマゾンの内容紹介にある「チャンスの6つの特徴」についても、解説が収録されているのはこの第1章になります。
……多分、第1章をリアル書店でパラパラと立ち読みされてしまうと、そのままお買い上げされちゃう気がw
◆さて、本書で「チャンスを掴み取った例」として登場する1人が、カイル・マクドナルド。
「赤いペーパークリップを家に交換した男」として、本まで出している人ですね。
赤いクリップで家を手に入れた男----ネット版わらしべ長者ものがたり
また、1983年、875キロを走るウルトラマラソンに「オーバーオールと作業用の長靴」で参加した「61歳の男性」クリフ・ヤングが優勝するとは、誰も思わなかったハズ。
下記サイトに、「オーバーオールと作業用の長靴」姿の画像があるのですが、確かにこれでウルトラマラソンに出るなんてアリエナイ……。
The Legend of Cliff Young: The 61 Year Old Farmer Who Won the World’s Toughest Race - Elite Feet
クリフの足を引きずるような走り方や、睡眠を全く取らないやり方は、「ふつうのランナーがよくやること、慣習になっていること」とは全く違うものでした。
そして、彼らのように「凝り固まった考え方」から離れられるのが、「チャンスを掴む人」である、と。
◆今回割愛した中で興味深かったのが「"人生の特売品"に手を出さない」というTIPSです。
ここで言う"人生の特売品"とは、「一見チャンスのように見えて、実はそうでないもの」のこと。
本書では事例として、「就職セミナーの会場に停められた高級車の列を見て、金持ちを夢見る若者」が登場しますが、こういう「分かりやすいエサ」が出てきたら、まさに「ビンゴ!」。
ほかにも「ヘッドハンターからのスカウト」も"人生の特売品"であるケースが多いとのことなので、エグゼクティブの皆様はご留意下さい。
◆アマゾンの内容紹介によると、本書は「ドイツのベストセラーランキングに入り(『ビジネスウィーク』『マネージャーマガジン』『フィナンシャルタイムズドイツ』のトップ10のベストセラーリスト入り)、2011年最高のキャリアブック(『ハンブルガー紙』より)にも選ばれています」とのこと。
著者の他の本や、ドイツでのベストセラーの傾向を知らないのですが、少なくとも本書は米国の自己啓発書にひけを取らないクオリティだと感じました。
しいて言うなら、事例が豊富な割には、著者自身が借金を返済する過程の話が少ないのですが、コンサルタントだと守秘義務等があるのかも、と推測している次第。
学生さんから私のような中高年まで、幅広い世代が読むことができる1冊だと思います。
チャンスを掴み取るために!
勝負どころで「動ける人」に変わる チャンスを逃さない技術
第1章 チャンスの見つけ方
第2章 チャンスは意図的な楽観主義にめぐってくる
第3章 人生は一度きり。100%はない。
第4章 見込み違いは、誰にでもある
第5章 とりかかろうとしない人には、何もやってこない
第6章 失敗には終わりがない
第7章 誰にでも平等にあるけれど、その配分しだいで人生が変わるもの
第8章 突き抜けた人だけが手に入れられるもの
第9章 チャンスをすくい取るフィルター
第10章 リスクは考える順番で減らせる
第11章 チャンス・インテリジェンス
第12章 自分のためが、社会のためになる
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【成功本】『口説く―人は必ず心を開く』に学ぶチャンスをつかむ7つの習慣(2010年11月13日)
「チャンス―成功者がくれた運命の鍵」 犬飼ターボ (著)(2005年08月15日)
【編集後記】
◆まだちょっと先になりますが、こんな本が登場するよう。ソーシャル時代のハイブリッド読書術
超アナログなワタクシでも読みこなせますでしょうか……?
ご声援ありがとうございました!
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