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2013年02月26日

【会議術】『次の会議までに読んでおくように! 〜モダンミーティング7つの原則』アル・ピタンパリ


次の会議までに読んでおくように! ~モダンミーティング7つの原則
次の会議までに読んでおくように! ~モダンミーティング7つの原則


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、非効率な会議を一掃するための1冊。

本書は当初Kindle版で発売され、その初週には「世界で最も読まれているKindle book」の記録を樹立したのだとか。

アマゾンの内容紹介から。
リーダーも!メンバーも!すごいチームは、決め方が違う。NASA、DELL、IBM…続々イノベーションを生み出す組織の意思決定の方法とは? これが世界標準の会議術。

本書では、私たちが行うべき会議を「モダンミーティング」と名づけ、その詳細について述べています。

日々会議で時間が潰されている方なら要チェック!


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【ポイント】

■1.モダンミーティングは意思決定を導く
 モダンミーティングは、従来の会議とは違った特別な手法であり、たった1つの目的のために用いられる。それは意思決定を導くことだ。(中略)
僕たちが行うべきは、モダンミーティングを駆使して、勇気ある意思決定を、たくさん、しかも迅速に行うようにすることだ。そうすれば、その意思決定には行動が伴い、企業は何も恐れることなく、前に進むことができる。


■2.最初の意思決定は自分自身でする
 最初の意思決定すら自分自身でしていないなら、ミーティングを招集してはいけない。もし自分の明確な意思が決まっていないにもかかわらず、僕をモダンミーティングに招集したとしたら、僕は困った表情であなたを見るだろうし、あるいは会議室から出て行ってしまうかもしれない。
 モダンミーティングは、そもそも後押しすべき意思決定がなければ行えない。意思決定のための質問をするのではなく、意思決定そのものがないと実は実施できないのだ。(中略)
 自分の意思が決まって初めて、最終的な意思決定のためのモダンミーティングが、関係者を集めてようやく行われることになる。


■3.対立を恐れない
 従来の会議では、メンバーは批判されるのが嫌なので、それぞれの本当の思いや、突飛なアイデアをためらう傾向がある。「今ここで、反対意見を言うべきだろうか」と戸惑ってしまう。
 それに反してモダンミーティングの目的は、この反対意見こそ議論することだ。対立は当然のこととしてメンバーに織り込み済みなので、皆が安心して、各自の意見を分け隔てなく披歴することができる。
 ここで注意点を1つ。意思決定に際して、その決定を変えたくなかったり、どんな修正もしたくないのであれば、モダンミーティングを招集する必要などない。ゴーサインを出すまでだ。


■4.出席者を制限する
 会議に呼ばないメンバーの感惰を損ねるのではないかと心配してはダメだ。貴重な時間を費やして議論し、意思決定をするためには、そういうことも当然ある。
 メンバーが増えれば、それだけ議論しなければならない論点は増え、多くの議論を経た上で意思決定がなされることになる。(中略)
 より多くの部署からの視点や、第三者的な視点が加わったほうが議論にとってはいいように思われるが、あまりに多くの人が違った意見を出すと、コンセンサスのための基盤がかみ合わないことになる。
 結局、単に時間だけが浪費され、それぞれのメンバーがわざわざ会議に参加している意味がなくなってしまう。


■5.事前準備をする
 どのようなミーティングでも、事前の準備が必要だ。ミーティングが始まったら、参加者が直ちに重要な討議に入れるように、情報は事前にシェアされていなければならない。もし参加者が、事前情報に目を通す時間がなかったとしたら、ミーティングに出る資格はない。(中略)
 モダンミーティングに出る出席者は、1つの意思決定に至るまでの様々なシナリオを注意深く考え抜き、各々のシナリオに対して思慮深く検討することが求められる。


■6.アクションプランを創り出す
 モダンミーティングに参加したければ、必ずアクションプランを提示することが参加者の義務の1つだ。ここで言うアクションプランとは、少なくとも以下の質問に答えるものでなければならない。

 ・必ずやり遂げると決めたアクションは何か?
 ・それぞれのアクションの責任者は誰か?
 ・それぞれのアクションが完了するのはいつか?


 参加者に対しては、アクションの内容に齟齬がないかを確認するためのメモが配られる。もしメモの内容が暖昧な場合は、そもそもミーティングが達成するべき全体の調整がうまくいっていないことになる。


【感想】

◆本書のサブタイトルにもあるように、モダンミーティングには「7つの原則」と呼ばれるものがあります。

それらは本書のPART2に列挙されており、丁度ぴったり7つなので、そのまま紹介しようかと思ったものの、それはさすがにネタバレしすぎかと。

ゆえに今回は、引用部分を少な目にし、かつ、小見出しも多少手を加えてみました。

アマゾンの目次欄に小見出しが全部載ってることが多いですが、本書に関しては明らかにされていませんし。


◆本書を読んで、個人的に一番刺さったのは「最初の意思決定を自分でする」ということ。

そもそも意思決定ができないから、会議を開いて皆で考えるのかと思ってましたが、大間違いなんですね。

もちろん、その意思決定が絶対というのではなく、上記ポイントの3番目にあるように「対立大歓迎」。

ですから、あくまでしっかりした「叩き台」を作っておけ、ということかと。


◆また上記ポイントの5番目のように、開催する側だけでなく、召集される側にも「事前準備が必要」である、と。

私が会社員だった頃は、会議に人数合わせ的に呼ばれて、行ってから初めて議題の詳細を知ったものですが、それとはエライ違いです。

上記では割愛しましたが、本書では「事前準備なしにモダンミーティングに来た人がいたら、ミーティングをキャンセルするか、その人なしで開催する」との記載もありました。

そうなってくると、結局、本書を読んだ私たちだけでなく、会議のメンバーになりうる人や上司の理解が必要になってくるのですが、ぶっちゃけ可能なのだろうか?

……というような疑問のために、本書のPART5では「モダンミーティングに関するよくある質問30」と題して、Q&Aコーナーが設置されています。

詳しくはQ2の「どうやったら、上司やマネージメント層がモダンミーティングを行うようになりますか?」にてご確認を。

他にも、個人的に持っていた「事前準備もできない緊急事態の場合はどうすればいいか?」という疑問にも回答がありました。


◆本書はKindle版がスタートだったせいなのか、文字数的には少なめです。

ただし、それを補うかのように(?)巻末に、翻訳者である阿部川久広さんによる、著者へのインタビューもアリ。

私の本業が、基本的に会議を開く習慣がないため、今ひとつプッシュしにくいものの、逆に、「日々会議が多すぎる(しかも不毛)」方にとっては、きっと参考になるかと。

何気にアマゾンランキングでも、今現在いい位置につけているので、ひょっとしたらブレイクするのかもしれません。


帯曰く「これが世界標準の会議術!」です!

次の会議までに読んでおくように! ~モダンミーティング7つの原則
次の会議までに読んでおくように! ~モダンミーティング7つの原則
日本の読者の皆さんへ
PART1 お仕事は何ですか?
PART2 モダンミーティングのための7つの原則
PART3 意思決定こそ、すべて
PART4 モダンミーティングの原則(まとめ)
PART5 モダンミーティングに関するよくある質問30
Special Interview グローバルで勝ち抜くための会議術とは?
訳者あとがき


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【思考整理】「ワクワク会議」堀 公俊(2010年01月02日)

【決め台詞】『コンサルタントの「ひと言」力』野口吉昭(2011年05月29日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

ストレスフリーの時間術 ―イライラ、ヘトヘトを元気いっぱいに変える法
ストレスフリーの時間術 ―イライラ、ヘトヘトを元気いっぱいに変える法

何か似たようなタイトルの本があった気もしますが、チェックしておかねばw


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